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2023.10.31

社員の主体性を最大限に引き出すための研修設計3つのポイント

2023.10.31

社員の主体性を最大限に引き出すための研修設計3つのポイント

人材教育

eラーニング

人事制度・組織づくり

企業研修が、講師からの一方的な知識やスキルの伝授に終始している企業も少なくないかもしれません。 研修の目的は、仕事で成果を生むことにあります。 しかし、受け身な学習スタイルがメインとなり、インプットした知識をどう活用するかは参加者に委ねているだけという状態では、仕事での活用は期待できません。往々にして「学びっぱなし」「研修効果が見えない」といった結果に終わってしまいがちです。 今回は、社員の主体性を最大限に引き出すための、研修設計のノウハウについてお伝えします。 社員の主体性が求められる背景 昨今のビジネスを取り巻く環境は、VUCAの時代といわれています。 V(Volatility:変動性)、U(Uncertainty:不確実性)、C(Complexity:複雑性)、A(Ambiguity:曖昧性)の頭文字を取った略称です。 このような、先行きが不透明・複雑で将来の予測が見通しにくい時代には、社員一人ひとりが主体的に考え、行動する重要性が増しています。 例えば、新型コロナウイルス感染症の流行は多くの企業では予想不可能だっただけでなく、実際に企業業績にダメージを受けたという企業も少なくはないでしょう。 このような状況下では、トップダウンの意思決定だけですべての事象に対応していくことは現実的ではありません。上層部からの指示を待っているだけでは、指示が社員にいきわたる頃には、また状況が変化しているということも考えられるからです。 先行きが見通せず、前例もない状況下では、社員一人ひとりが主体性を発揮して、新規事業や新しい提供プロセスの考案、これまでとは異なる働き方への挑戦をしていく必要があります。 主体性が高い社員の特長 ビジネス書として広く知られる『7つの習慣』のなかで、スティーブン・R・コヴィー博士は習慣のひとつとして「主体性を発揮する」ことを提唱しています。 ビジネスシーンに限らず、何かのハプニングが起こった際には、自分自身で行動を選択する必要があるでしょう。このように、元来主体性は特別な訓練で取得するのではなく、すべての人間にそれを発揮する能力が備わっているのです。 ただ、ビジネスシーンでは主体性を発揮している社員と、発揮していない社員に分かれてしまっているのが現実です。 ここでは、あらためて主体性が高い社員の特長を紹介していきます。 特長1. 自分の言動に責任を持つ 主体性が高い社員は、自身の言動に責任を持とうとする傾向があります。 物事の判断基準や行動基準が、自分の価値観やポリシーに基づいており、言動の根拠がはっきりしているためです。 その影響で、自身の言動がもたらした結果に対して、他責ではなく自責思考が働きます。 例え望ましい結果が得られなかった場合であっても、自らの責任と考え内省し、今後に向けての対策を考える等、「失敗から学ぶ」姿勢が強い点が特長です。 一方、主体性が低い社員は、他責傾向が強くなります。 起こった事象に対して「上からの指示通りにやっただけ」や「自分が決めたわけではないから」等と、自分の意志の関与を否定するような言動が増えてしまいがちです。 特長2. 何事にも積極的・能動的 主体性が高い社員は、あらゆることに対して能動的に行動します。 詳細な指示を待つのではなく、自らやるべきこと・やれることを探し出そうとする傾向にあります。 また、日頃から問題意識や課題意識を持っているため、変化に対して気付くスピードが早いことも特長です。 主体性が高い社員はビジネスパーソンとしての成長意欲も強いため、自ら社員としての価値を高めようとし、キャリアアップの道を切り拓くこともできます。 一方、主体性が低い社員は、「待ち」の行動が多くなります。 「待ち」姿勢の社員が多い場合、マネジメントからの指示を待っている時間が無駄になるため、当然ビジネス全体のスピード感が損なわれます。 さらに、細かい指示まで求める社員の場合は、マネジメントの負荷も増すでしょう。 特長3. 周囲に働きかける 主体性が高い社員は、上下の社員や横の部門等、周囲に積極的に働きかける傾向があります。 また、分からないことや問題点をそのまま放置することはありません。自ら調べたり対策を考案したりしたうえで、上司や先輩に質問する点も特長です。 一方、主体性が低い社員は、自分の内側に閉じこもる傾向が強くなります。 分からないことがあっても周囲に質問することが少ないため、不明点を抱えたまま仕事を進めてしまいがちです。その結果、仕事のミスを引き起こすリスクも増えてしまいます。 主体性を高める研修のポイント 人材開発分野の第一人者であり、参加者を主体とした研修方法の実践者として世界的に有名なボブ・パイク氏は、脳科学の見地から、人は「与えられた目標」より「自ら立てた目標」の方が頑張れると述べています。 受け身の学習方法よりも、学ぶ側が積極的に参画する方が理解度も知識の定着率も断然高いことが科学的にも証明されています。 研修は参加者の主体性を尊重してデザインすべきとの認識が米国を中心に主流となっています。 例えば、席順、役割分担、課題、発表の順番等の段取りを決めず、参加者に委ねます。 研修の枠組みは提供しますが、細部に関しては参加者自身に決めてもらうことで参加意識を高めます。 参加者が取り組む課題も、ケーススタディ、ロールプレイ、演習問題、ワークショップ等、複数から自主的に選んでもらいます。そうすることで、参加者がより実践に近いシチュエーションを自ら考えて取り組めます。 主体性を高める具体的な研修デザインとは 具体的に、どのような研修デザインが参加者の主体性を引き出せるのでしょうか。主体性を高めるために効果的な、5つのポイントを説明します。 ①答えを用意しない 講義型の研修は無意味なものではありませんが、覚えるべき情報や活用するシーン等、すべてを講師から学ぶだけでは、そこに参加者の主体性はありません。 参加者自らが気づき考えながら学ばない限りは、単なる知識の「伝授」に過ぎず、知識の定着や職場での実践に結びつきにくいのです。 脳科学的見地からすると、提供した情報やノウハウを職場で活用できる具体的なシーンを参加者自身に考えてもらってこそ、現実へとフィードバックしやすくなり「成果」を生むのです。 ②グループ発表でやり取りを増やす 研修においては、参加者の質問が主体性を高めるプロセスとして欠かせません。「質問」は研修の内容を理解、考察し、不明点や新しい側面を発見することなので、参加者がどれだけ知識を吸収したかを測るバロメーターでもあります。 しかし、日本人の「他人の前で変な質問をすると恥ずかしい」というメンタリティが邪魔をして、活発な質疑応答になりにくいケースが多々あります。 その対策としては、グループディスカッションで事前に質問内容をまとめてもらい、それを発表する形式にするとよいでしょう。個々の発言を取りまとめることができるため、一人ずつの質疑応答スタイルよりも多くの質問が寄せられるはずです。 ③ロールプレイングで動きを取り入れる 一方的な講義形式だけでなく、研修参加者にその場で実践させるロールプレイングを取り入れることも、主体性を高めやすいポイントといえます。 例えば、営業のテクニックの情報を講義形式で教えた後に、あるケースを想定して、実践さながらに参加者自ら営業をしてもらうようなカリキュラムを入れる等です。 講義を聞いて分かったつもりになっていても、ロールプレイングではうまくいかないポイントが見つかる可能性もあります。 自らやってみてできない経験をすることで、「なぜうまくできなかったのか」と主体的な問題意識が芽生えることも期待できるでしょう。 ④上司向けにも研修を実施する 社員に主体性を求めるなら、上司にもメンバーの主体性を引き出すような訓練が必要となります。 例えば、「メンバーが話しているのに途中で遮ってしまう」「すぐに正解を教えてしまう」「自分の指示を押し付けてしまう」等は、社員の主体性を引き出せない代表的なNG行動といえます。 そのような場合は、上司向けに部下の主体性を引き出すための研修を実施しましょう。 上司が変化すれば、主体性を発揮する社員の面積の広がりが期待できるため、組織的に前向きな変化が起こりやすくなります。 まとめ 研修の目的は、学んだ知識を実践に活かすことであり、研修そのものは成果に至るまでの通過点です。 研修を形式的なイベントで終わらせるのではなく、職場に戻った参加者の行動を変えるような研修をめざしましょう。 一緒に読まれている記事 ・やりっぱなしダメ!研修の効果測定をしよう ・時間、コスト…社内研修を取り巻く問題とその改善方法 ・社内研修の種類や効果を高めるための実施プロセスとは?

2023.10.19

調整上手な人がやっている4つのコミュニケーション術

2023.10.19

調整上手な人がやっている4つのコミュニケーション術

人材教育

――部下や後輩が何度も同じミスをして、感情に任せて叱ってしまう。 ――無理な要件と分かっていても仕事を断れず、最終的に相手へ迷惑をかけてしまう。 などのコミュニケ―ションや人間関係の悩みは、さまざまな職場で発生しています。そして、こういった悩みは社員の心的ストレスや疲労の元になったり、モチベーション低下を引き起こしてしまったりします。 これらの悩みの原因は何でしょうか。もしかしたら、上司や部下、その他の同僚、または社外のビジネス相手と「相性が合わない」ということで結論付けてしまっていませんか? 仕事が「できる人」は、どんな人が相手でも円滑にコミュニケーションを取って仕事の調整や指導をしています。そんな人が行っているのがアサーティブコミュニケーションです。 アサーティブコミュニケーションとは? アサーティブ(Assertive)とは、日本語で「自己主張すること」です。 しかし、ここでいう自己主張とは、単に自分の意見だけを押し通すことではありません。自分の意見や要望を適切に伝えて、相手を尊重しながら問題解決にもっていくことです。 まずは、アサーティブでないコミュニケーションも含め、3つに分類して考えてみましょう。 (1)ノン・アサーティブ・コミュニケーション 自分の考えや気持ちを尊重せず、また表現しない(できていない)コミュニケ―ションです。必要以上に相手の要求を受け入れてしまいがちなので、ストレスを抱えてしまう原因になります。また、曖昧な言葉で相手を混乱させてしまうこともあります。 (2)アグレッシブ・コミュニケーション 自分の考えや意見を過剰に優先させてしまうコミュニケーションです。相手の主張を無視したり、時に威嚇的な態度や論理的でない主張をしたりしてしまうため、その場では主張を通すことができても、長期的には周りから近寄りたくない、関わりたくない存在となってしまうことも多々あります。 (3)アサーティブ・コミュニケーション 自分の考えを主張し、相手の考えも尊重することができるコミュニケーションです。お互いの納得と理解のもとに業務を進められるので組織のチームワークを高める土壌を築くことができます。   もちろん目指すべきは、(3)のアサーティブ・コミュニケーションです。 しかし、アサーティブなコミュニケーションを取るには、単に話し方スキルだけではなく、論理的思考力(ロジカルシンキング)のスキルも求められます。 では実際にアサーティブ・コミュニケーションを取るにはどうすればよいのでしょうか? アサーティブコミュニケーション実践|調整上手への道 (1)事実を整理する アサーティブなコミュニケーションを交わすには、状況をきちんと理解し理論的に説明する必要があります。例えば、あなたが急な依頼を受けたとき、相手はあなたの忙しさをきちんと把握していないかもしれません。断らなければならない理由がある場合は、その他にどんなタスクがあるのかプライオリティも含めて説明できるように整理しましょう。 そうすれば「今、忙しいんだから無理!」と無下に突っぱねたり、逆に受けられないのに言い出せず受けてしまったりといった、どちらかが納得できない不本意な結果を防げます。 (2)感情を伝える 状況を整理出来たら、事実を元にそれに対し自分がどう思っているのか伝えます。感情を伝えるといっても、例えば部下のミスに対して「君は社会人失格だ!」などと怒鳴ったり攻撃的な発言をしてしまったりすると、相手が委縮してしまい根本的な原因を話しづらくなってしまいます。 また逆に、部下の感情を気遣いすぎてしまうあまり、具体的な注意をせずに「次はよろしくね。」などの曖昧な言葉で終わらせてしまってもアサーティブとは言えません。きっと部下の成長を阻害してしまうことでしょう。 起こっている事実に対して真剣な表情で「期限を守ってくれなくて残念だ」「先方に迷惑がかかってしまい困る」など、主語を自分にしてどう感じているかを伝えることが大切です。 (3)要求を伝える 事実とそれに対する自分の感情を伝えたら、最後に要求を伝えます。それに対する相手の反応は、必ずしもYES、NOだけとは限りません。お互いが納得できるラインを探るのが、ビジネスの現場でのコミュニケーションとしては適切です。 例えば急な依頼を受けた場合であれば、「では代わりにこの業務の締切を延ばさせていただいてもいいでしょうか?」などと代替案を提示します。部下のミスに対しての注意であれば、「次からはこうしてもらいたい。」「同じミスをしないためにどうすればいいか考えよう。」などと建設的な解決に向かいます。 なお、その際は一方的なコミュニケーションにならないよう、歩み寄る姿勢をもつことが大切です。客観的に自分が反省すべき点があれば「自分も説明不足な点があったね」などと自分の思いをきちんと相手に伝えることも必要です。 (4)振る舞いもアサーティブに コミュニケーションの質は、話す内容だけで決まるものではありません。人間は誰でも、相手の声の高さやスピード、姿勢、表情などを無意識のうちに観察し、コミュニケーションを取っています。 話している内容がアサーティブでも、例えば椅子にふんぞり返ったり、机をコツコツと叩いてイライラを表現したりしては意味がありません。 また、つい感情的に声を荒げてしまったり、逆に無意識のうちに笑ってしまったりしても、やはり相手が本音を話す機会を失ってしまい、最適な解決を妨げてしまいます。話す内容にもよりますが、冷静に堂々と、しっかりとした口調や態度で話しましょう。 話すタイミングも大切です。例えば大勢の前でミスを指摘されれば、なかなか素直に受け入れてもらえないこともあると思います。双方が落ち着いて話せる環境でコミュニケーションをとることが大切です。 アサーティブコミュニケーションの4つのメリット ・職場の活性化 アサーティブなコミュニケーションが浸透すれば、社内の議論で意見が言いやすくなるなど、風通しのよい職場づくりをすることができます。 ・仕事の効率化 お互いにやるべき業務の内容やスケジュールをあいまいにせず、納得したうえで取り組めるので、無駄が発生せず仕事の効率を高められます。 ・コミュニケーションスキルを高める 年齢や性別が違う人同士でも、アサーティブなコミュニケーションを実践すれば円滑に話すことができます。 ・職場のストレスを減らす ノン・アサーティブやアグレッシブなコミュニケーションは、社員がメンタルを病んでしまうリスクが高まり、結果会社の損失ともなります。そういったことを防ぎ、のびのびと働ける環境づくりをすることができます。 まとめ ビジネスでは、複雑な事情や人間関係が絡み合っているので、アサーティブ・コミュニケーションですべてが解決できるわけではありません。ビジネスマンであれば、納得するしないに関わらずこなさなければならない業務もあるでしょう。 しかし、コミュニケーションの心構えとしては、どんな業務でも活用できる汎用的なものだといえます。 ぜひ自分のコミュニケーションのクセを振り返ってみてください。もしノン・アサーティブやアグレッシブに該当するコミュニケーションをしているとしたら、自分の主張を通すうえで損をしているかもしれません。 ずっと染みついたコミュニケーションのクセはなかなか治らないものです。少しずつ訓練を重ね、自分の意見を適切に主張できるビジネスマンを目指しましょう。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 コミュニケーション全般の汎用的なコンテンツを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.09.15

eラーニングと集合研修|モチベーションアップに効果的なのはどちらか

2023.09.15

eラーニングと集合研修|モチベーションアップに効果的なのはどちらか

人材教育

eラーニング

企業が、競争力を強化し、成長していくためには、従業員一人ひとりのパフォーマンスを上げる必要があります。 そして、従業員が自発的に仕事に従事していけるように、モチベーションを高める働きかけが欠かせません。その施策として、多くの企業で実施しているのが研修活動です。 近年では、従来の集合研修に加え、ITを活用したeラーニングを取り入れる企業が増加していますが、果たしてeラーニングは従業員のモチベーションアップに役立つ研修方法なのでしょうか。集合研修と比較しながら、検証してみましょう。 eラーニングと集合研修はどこが違う? まずは、eラーニングと集合研修のメリットとデメリットについて確認しましょう。 eラーニングのメリットのひとつとして挙げられるのは、モバイルデバイスを利用すれば時間や場所の制約を受けることなく学習できる点です。集合研修では、会場の設置、講師の調達といった手間とコスト、参加者のスケジュール調整や移動費など時間と場所の制約が大きく、参加者の人数が増えるほど大きなマンパワーとコストが発生してしまいます。 また、全国展開する企業では、頻繁に集合研修を実施するのが難しいため、あらゆる面でスピード感に欠けてしまいます。その点、eラーニングは全拠点で均一の研修内容を提供可能で、コンテンツを内製すれば業務フローの変更にもスピーディに対応できます。 業務に即した内製コンテンツについては、「Cloud Campus(企業向け)」にて詳しくご覧いただけます。 個人の理解度や目標に沿って、自分のペースで学習ができることも、eラーニングのメリットのひとつです。最近では、脳科学の見地を活用し、学習エンジンが個々の弱点を判別してくれる「アダプティブラーニング」を取り入れたeラーニングも登場しています。 一方、集合研修には、講師やほかの参加者と対面することで、個人学習では得られない臨場感や相互啓発があります。それによって理解度がさらに深まったり、新しい気づきにつながったりすることは、大きなメリットといえるでしょう。 eラーニングのメリット 集合研修のメリット 受講者 ·時間や場所の制約なく、スキマ時間で学習できる·個人のペースで繰り返し学習できる ·理解度を自分で確認しながら、苦手分野を克服できる ·非日常性と臨場感 ·相互啓発ができる ·その場で疑問解決ができる ·その場でフィードバックがもらえる 提供者 ·時間や場所、人数の制約を受けず提供できる ·必要な内容をスピーディに提供できる ·多様なコンテンツを提供できる ·学習の進捗や履歴を把握できる ·効果測定がしやすい ·強制力がある ·一定のカリキュラムを確実に提供できる ·学習者の反応がすぐに確認できる ·一体感や帰属意識の醸成   eラーニングでも集合研修でも発生する「モチベーションの持続」問題にどう対処する? 集合研修は対人学習のため、一見モチベーションアップに高い効果を発揮すると思われますが、内容や進め方によっては受け身の学習となり、学んだ内容が定着しないというケースも多々あるので注意が必要です。 また、研修前の受講者の知識レベルや、研修内容と業務内容の兼ね合いで、受講者によっては研修レベルが低すぎる、もしくは高すぎるということにもなりかねません。そうなると、せっかく時間を割いたのに期待した効果が得られず、かえって受講者のモチベーションを下げてしまう可能性があります。 こうした問題の解決には、eラーニングと組み合わせたブレンディッド・ラーニングが効果的です。例えば、研修後にeラーニングでテストや繰り返して学習できる機会を提供する、研修前に受講者にeラーニングで事前学習してもらい知識レベルを高めておくといった解決方法があるでしょう。 ブレンディッド・ラーニングの詳細は、「ブレンディッド・ラーニングでスムーズな人材育成を!」でもお読みいただけます。 eラーニングだけでの研修は個人学習となるため、受講者のモチベーションを維持することが難しくなることがあります。 特に、提供者が受講者にコンテンツを丸投げするだけの運用方法だと危険です。 そうならないためにも、受講者の質問を受け付ける窓口の設置、テストの実施、褒賞の用意、受講者同士が交流できるSNSの提供など、常に受講者に寄り添うサポート体制を整えることが重要です。 ブレンディッド・ラーニングで高い学習効果を狙おう eラーニングと集合研修には、それぞれに長短所があります。 業務内容や目的に合わせて使い分け、お互いを補完させるブレンディッド・ラーニングを実施することで、より高い学習効果を目指してみてはいかがでしょうか。 なお、弊社では「eラーニングコンテンツ」を多数取り扱っております。お手軽に学んでいただくことがでるので、ぜひご活用ください。 こちらの記事も読まれています: 新入社員にもベテラン社員にも社員研修が必要な理由 参考:  eラーニングの活用事例|日本の人事部   eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】

2023.08.02

ユニークな企業制度|社員の仕事効率アップ事例

2023.08.02

ユニークな企業制度|社員の仕事効率アップ事例

人材教育

人事制度・組織づくり

上司から押しつけられたルールやいつもお決まりのイベントでは、社員のモチベーションも仕事効率もなかなか上がらないもの。 そんなときは、ちょっと視点を変えた制度を導入してみてはいかがでしょうか。 今回は、ユニークな労働スタイルや特別給与制度を実施している企業の例をご紹介しましょう。 「サイコロで決める給与」や「お昼寝公認」!?ユニークな制度の事例 ユニークな制度を用意しているのは、ベンチャーから大手企業までと会社の規模は問いません。他の企業にはない個性的な制度で独自の会社づくりをしているようです。 「サイコロ給」面白法人カヤック ウェブ制作会社のカヤックは、さまざまなユニークな制度が実施されていることで有名です。 そのひとつは、サイコロで決める給与制度「サイコロ給」です。毎月、給料日前になると社員はサイコロを振り、出た目を「%」として月給に加算することになっています。 「ろくじろう(六時間労働性)」スタートトゥデイ株式会社 アパレルサイトのZOZOTOWNを運営するベンチャー企業のスタートトゥデイには、1日6時間労働の「ろくじろう」という制度があります。 一見、毎日早く帰れるゆるく楽な労働スタイルに聞こえますが、真意は、仕事の目標をしっかり定量化し、効率を上げようということ。 労働時間を6時間で区切ってみると、「今まで8時間かかっていた仕事も、6時間で終わらせるぞ」という定量的目標立てがしやすくなる、自分の仕事の仕方を再考する、といったポジティブ効果につながるのです。 「社内ジャンボ宝くじ」日本食研ホールディングス株式会社 食品・調味料製造会社の日本食研では、本社に「社内結婚神社」があることや、宮殿風の豪華な工場を建設していることも有名ですが、社内結婚カップルに特別手当を支給したり、部下が配属先を決める「吠える人事制度」などユニークな制度の実施でも知られています。 そのなかでも目玉のひとつは、「社内ジャンボ宝くじ」。会社が年1500万円もの予算をさいて、1等100万円の賞金を出しています。常に「社員が主役」を念頭に置き、自律的マインドを育てるという社長の考え方が、これらのユニークな制度の出発点のようです。 「20%ルール」グーグル株式会社 検索エンジン、インターネット関連サービス大手のグーグルでは、エンジニアが「勤務時間の20%を自分の業務以外の好きなプロジェクトに使える」という「20%ルール」を設けています。 Googleマップ、Googleサジェスト、Googleニュースはこのルールから生まれたそうです。 しかし、グーグル会長のエリック・シュミット氏は、最大の成果は、こういった新プロダクトではなく、この時間から社員が得る心理学的、または経験学的経験だと言います。それは、創造性や革新性が育つ場であり、自ら立ち上げるプロジェクトの過程で学ぶトライ&エラーや同僚との交流経験でもあるのです。 「パワーナップ制度」株式会社OKUTA ランチ終了後に仕事に戻るも、抗しきれない睡魔が襲う……という状況は、誰でも経験があるでしょう。それならばいっそのことお昼寝を公認しましょうというのが、住宅リフォーム会社のOKUTAの「パワーナップ制度(お昼寝制度)」です。 パワーナップとは、米コーネル大学社会心理学者ジェームズ・マース博士による造語で、15分から30分程度の短い仮眠で、最大の睡眠効果をもたらす睡眠法といわれています。OKUTAでは、眠いままで仕事をしても非効率的ということから、眠くなったタイミングでパワーナップを取ることが許可されています。 ユニークな制度が会社を活性化! こうした会社独自のユニークな発想は、会社の個性とも言えます。社員のためのより良い会社づくりには、こうでなければならないというマニュアルはありません。 ただ実益を追求する目的ではなく、ときには遊び感覚を取り入れ、自由な発想で職場を楽しくしていこうという企業理念も感じられます。社員は、こうした職場の空気を感じ取ります。その結果として、社内の結束を高める効果が生まれたり、仕事意欲が高まったりすることにつながっていくものなのです。 参考サイト: これはすごい!素敵すぎるイケてるベンチャーのユニーク制度10選 アイミツ 日本食研はなぜ「社内ジャンボ宝くじ」で社員に100万円を渡すのか? アゴラ Googleの「20%ルール」に学べ! 仕事の効率が上がる “心にゆとりを持つ” ということ。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.07.28

社員研修のよくある失敗事例と成功させる3つのカギ

2023.07.28

社員研修のよくある失敗事例と成功させる3つのカギ

人材教育

eラーニング

人事制度・組織づくり

社員研修の失敗事例は成功のもと ビジネスを取り巻く環境が激しく変化している現代で、自社が設定した成果に貢献する人材を効果的に育成することは、どの企業にとっても最も大きな課題であるというのは過言ではないと思います。しかしながら、本当に効果・効率の観点で研修を成功させている企業はひと握りのようです。 では、どのような研修が成功しているのでしょうか? “失敗は成功のもと”という昔から伝わる言葉もあるので、“よくある失敗のパターン”を探ることで「成功する研修のヒントが得られるのでは!?」と思い、さっそく調べることにしました。今回は、人材育成の担当者が知っておくべき研修の失敗パターンから、研修を成功させるカギについて考えていきたいと思います。 社員研修のよくある失敗パターンとは? さまざまな企業で実践されている研修の失敗パターンを調べていくと、以下3つの理由がよく挙げられていることに気づきました。 目的が不明瞭である そもそも、なぜその研修をやる必要があるのか、やることでどのようなメリットがあるのか等の目的を明確に定め、しっかり社員(受講者)に伝えなければ「やらされ感」は強くなってしまいます。また、義務感だけになってしまうと、せっかく事前準備して提供した知識やスキルも身につきません。 社員(受講者)の知識のバラつきが大きい 研修内容に関する事前知識が受講者間で大きなバラつきがあると、均一的な学習効果を発揮ことができません。たとえば、語学研修を実施する際、英語アレルギーのある初心者と帰国子女だった上級者を、同じ教室で同じ内容で学ばせても均一的な学習効果が得られないことは想像に難くないでしょう。これは、語学研修以外でも同様のことが言えます。 目標設定と効果測定をしていない スタンダードな研修の目標項目としては「期限」と「数値(達成度)」が挙げられます。『その研修で、いつまでに、どのような状態(数値化)にさせるのか』ということを事前に設定しておく必要があります。また、「〇月〇日までにセキュリティについて学習させる」という曖昧な設定では「どの程度まで」理解させられたのかというレベルを明確にしていないので、研修を振り返った際に、本当に効果があったのか悪かったのかが、わからなくなってしまいます。 社員研修を成功させる3つカギ 上述した内容については、人材育成の担当者にとっては、心当たりがあることも含まれていたのではないしょうか。そして、これらの失敗パターンを解消させることができれば、研修を成功に近づけられるはずです。 1.目的を明確化する 研修の必要性やメリットを明確に定義し、事前に社員へ周知することで、社員の気持ちが引き締まり、モチベーションアップに繋がります。また、一人ひとりの研修に取り組む姿勢もポジティブになります。 2.社員(受講者)の知識のバラつきを未然に防ぐ 集合研修前に最低限知っておかなければならいない知識は、eラーニングを利用した自己学習を促すことで、バラつきを回避できます。さらに、その後の集合研修では、実務スキルの向上に特化するなど、学習目的に応じて役割を分けることでさらなる学習効果が見込めます。 3.目標設定と効果測定を定着化させる 目標設定のポイントとしては『達成するまでの期限』と『数値化された達成目標』を設定することです。 たとえば、スタッフの接客スキルを養成する研修であれば、『〇分以内に、製品に関する5つの特長を説明できるようにする』といった具体的に数値化されていることが望ましいです。 また、知識レベルの効果測定方法としては、学習管理システム(LMS)に搭載されている確認テスト機能を使って、受講者の理解度を点数で見える化をすることも良い手段です。これらを実施して成果を出し続けていくためには、社内の取り組みとして定着化させる必要があります。 最後に 研修で目に見える成果を上げることはなかなか難しいことですが、失敗パターンを予め知っておくことで、失敗を未然に防ぎ、成功までの近道を発見できることもあると思います。 一気に研修体制を変更することが難しい場合、まずは3つのカギを意識して自社の研修体制を見直してみてはいかがでしょう。 <参考サイト> 「社内研修」の失敗事例と改善のためのポイント(日本の人事部) 【やりっぱなし研修撲滅宣言!~今日から始める行動定着型研修~】第25回 目標設定が失敗する3つの理由(HRプロ) 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.07.26

社内講師で研修を行うメリット・デメリット

2023.07.26

社内講師で研修を行うメリット・デメリット

人材教育

eラーニング

人事制度・組織づくり

最近耳にするようになった、社内講師、社内認定講師をご存知ですか?これまでの集合研修のスタイルは社外の企業向け研修会社による講師派遣が一般的でした。 しかし近年では、社員の中から講師を選抜したり、手上げ制で講師を募集したりし、自身の得意分野を生かした社員研修を行う事例が増えてきています。ここでは、社内講師についてご紹介し、それぞれのメリットとデメリットをみていきましょう。 社内講師はどうやって決めるの? まずは、必要とされる研修の内容を人事で確定させます。その研修内容を基に、社内で適任な講師を選定し、人事から講師候補に対してアプローチするのが一般的です。 一方、「仕事を通じた経験が人を成長させる」という事に重きをおき、「自ら手を挙げた人にチャンスを与える」というポリシーの元、さまざまな知識や経験・ノウハウを持った社員が自ら社内講師として応募する会社も出てきています。 社内講師のメリット/デメリット それでは、社内講師のメリット/デメリットについてみていきましょう。 メリット 業務に直結した指導ができ、効率的 社外講師を派遣してもらう分のコストが不要になる 教える側も指導者としての実力が鍛えられる 研修ノウハウが蓄積できる 会社の状況に最適化した研修ができる 講師が社内に在籍しているので、研修後のフォローがしやすい 日程調整等しやすい デメリット 講師の選定が難しい(適任の社員が見つからない場合も) 研修の運営体制が整うまで時間がかかる 品質が担保されない(講師によりばらつきがあり、研修効果にムラが出る) 講師担当の業務が増えるため、会社のサポート体制が必要になる 社内にない知識や刺激を得ることができない 役職のある社内講師などには、意見がしづらい場合がある 社内講師に期待されること では、実際に社内講師の導入を検討する場合、期待されることを考えてみましょう。 講師自身の成長 講師として社員の前で研修を行う事により、受講者だけでなく、講師自身の成長も期待できます。単にプレゼン力や指導力が上がるだけでなく、受講者からの意見や感想を聞くことで、新たな経験やノウハウを獲得していくことができます。 体験談の共有 同じ会社で働く社員の体験談は、聞き手の社員にとっても、自身の業務に置き換えて、話の内容や状況が理解し易いのではないでしょうか?自身の実際の体験談を共有・浸透させる事が重要になってきます。 企業方針の浸透 人事サイドからすると、社内講師だからこそ成し得る、企業の方針に紐づいた業務推進の浸透を促すことが可能です。社外講師では、理解しづらい企業の在り方や経営方針について、社員への浸透を行う事が実現可能です。 受講者が研修で学んだことを実践できる 一番の目的は、受講者研修で実際に学んだことを、実践できるかどうかという事にあります。 受講者の理解を促すために、単純な座学だけではなく、ワークショップやeラーニングも取り入れたブレンディドラーニングの活用も効果的であると考えます。 ニーズを考えて使い分けを 以上のように、社内講師には、メリットが数多くありますが、運営のコストなどデメリットもあります。企業が必要とする社員のスキル習得のために必要な研修を、社内講師・社外講師で上手く使い分ける事が必要になってきます。 昨今では、社内講師育成の支援をする会社も出てきています。社員への教育効果と効率を考えたうえで、使い分けを検討していく必要がありそうです。 参考サイト: ソフトバンク流 研修内製化の真実(2016/2/4確認) “300年以上成長し続ける企業”を目指すソフトバンクグループの 人材育成戦略(前編) ――なぜ、研修を内製化するのか(2016/2/4確認) “300年以上成長し続ける企業”を目指すソフトバンクグループの 人材育成戦略(後編) ――研修を内製化する仕組みが、人と組織を成長させる(2016/2/4確認) 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.07.25

初めての社内研修講師を成功させるコツは?必要なスキルを解説

2023.07.25

初めての社内研修講師を成功させるコツは?必要なスキルを解説

人材教育

eラーニング

人事制度・組織づくり

社員研修で講師をすることになったら、何から準備したらよいのでしょう。研修内容を分かりやすく伝えるためには?会場の規模は?考えることや準備することが数多くあるかと思います。 事前の準備をしっかりと行って、今後も一緒に働く社員のためにも“記憶に残る研修”、“分かりやすい研修”にしたいものです。 今回の記事は、社内で研修講師を成功させるための具体的なノウハウをまとめました。 ご自身が研修講師を務める方はもちろんのこと、社内で研修講師を依頼する方も、ぜひ参考にしていただければ幸いです。 研修講師とは 研修講師とは、企業で実施される教育研修や講座の講師を務める人のことです。 研修のテーマは企業によってさまざまかと思いますが、研修講師にもある程度得意分野があります。 「スキル開発が得意な講師」「経営層向けの講義が得意な講師」等です。 テーマに応じて、その領域が得意な人物が講師を務めることが、研修成功の秘訣でしょう。 なお研修講師は、社内の人間に講義を依頼する「社内研修講師」と、外部の研修提供企業や個人コンサルタントに講義を依頼する「社外研修講師」に分かれます。 この記事では、社内講師が研修を実施するケースを想定してお伝えしていきます。 社内研修の目的 社内の人間で研修講師を行う際、一般的にどのような目的や効果があるのかを紹介します。 講師自身が成長できる 講師として社員の前で研修を行うことにより、受講者だけでなく、講師自身の成長も期待できます。 単にプレゼン力や指導力が上がるだけでなく、受講者からの意見や感想を聞くことで、新たな視点や経験、ノウハウを獲得できるでしょう。 体験談が共有できる 同じ会社で働く社員の体験談は、聞き手の社員にとっても、自身の業務に置き換えやすいでしょう。 リアリティを感じられる体験談があることで、研修内容の説得力が増す効果もあります。 講師自身も自らの経験の棚卸しができ、これまでのキャリアの成長を実感できます。 企業方針が浸透できる 企業の方針やミッション・ビジョンは、社外の講師ではなかなか研修で扱えない内容です。 一方、社内講師だからこそ成し得る、企業の方針に紐づいた業務推進の浸透を促すことが可能です。 似たようなテーマとして、部門ミッションや業務プロセス変更の際も、社内研修がふさわしいでしょう。 自身も関係者である社内講師が研修を行うことで、社内への浸透度を深めることが期待できます。 受講者が研修で学んだことを実践できる 社内で研修を行う大きな目的のひとつは、研修で実際に学んだことを実践できるかどうかということにあります。ともに実践する仲間である社内講師が研修を行うことで、現場で活用するリアリティが増すことが期待できます。 なお、具体的な手法として、単純な座学だけではなく、ワークショップやeラーニングも取り入れたブレンディッド・ラーニングの活用も効果的であると考えられます。 社内講師で研修を実施するメリット・デメリット 社内講師で研修を実施することの、メリットやデメリットをあらためてお伝えします。 社内の研修講師のメリット 社内業務のことに精通している社員であれば、社外の研修講師よりも業務に直結する指導が可能になります。特に業務の詳しい内容を扱う研修であれば、社内講師のメリットが大きくなるでしょう。 その他、社外講師を派遣する分のコストが減る、研修後に継続的なフォローがしやすい等も、社内講師の利点といえます。 社内の研修講師のデメリット 社内で研修講師を依頼する際、注意したいのが講師社員の負荷です。 通常業務をやりながら、研修の準備・実施等の時間を捻出しなくてはならなくなるため、一時的な業務逼迫も予想されます。 従って、社内講師をアサインする部門が「業務調整をする」「本人のスケジュールを考慮する」「準備をサポートする」等のフォロー体制を整える必要もあります。 研修講師に求められるスキル 研修を成功させるために、一般的に研修講師に必要といわれるスキルを2つ紹介します。 研修に限らず、通常の業務でも活用できるスキルなので、ぜひ高める努力をしていただければと思います。 ファシリテーションスキル 受講生自身に問いかけ、考えを引き出すようなアプローチをファシリテーションスキルといいます。 従来は研修講師が講義を行い、正解や方法を教える研修が一般的でした。ただしこの方法の場合、講義が一方通行になってしまい、受講者の参加意識が低まる傾向がありました。 そこで「問いかける」「引き出す」「互いの意見を混ぜ合わせる」の3つのアプローチを行い、受講者自身の研修への参画意識を高めるファシリテーションスキルが、研修講師には求められるのです。 コミュニケーションスキル 研修では講師と受講者のやりとりが発生するため、講師自身のコミュニケーションスキルは重要です。 社内研修だからといって、くだけたコミュニケーションをしてしまうと、講義内容の説得力が欠けるリスクがあります。 「話す」「聴く」「場を見る」等研修実施の場で発生するやりとりで、円滑に進行を進めるためには、コミュニケーションスキルが不可欠でしょう。 社内研修を成功させるコツ 研修内容をどうしよう?資料は?といったように、研修開催に必要なものは数多くあるうえ、準備に時間がかかるものもあります。研修当日になって、必要なものが揃っていなければ大変です。研修の講師を担当することになった際には、まずチェックリストを作成し、準備を怠らないようにしましょう。 研修の日時や場所はもちろん、研修テーマの検討、リハーサル、必要になる準備物(資料・名札・マジック・プロジェクター・パソコン等)を細かくリスト化し、段取りを確認しましょう。 1. 事前準備 はじめに、研修実施前に準備すべきことを6点お伝えします。 1-1. 心構え 仮に、新入社員の講師を実施することを例にして、どのような心構えをすべきかを解説します。 新入社員は、社会人の見本としてあなたの身だしなみをみています。実際に講師として新入社員の前に立つときは、会社の顔として研修に参加することを意識し、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。 また、講師のあなたは大切にすべき心構えを忘れてはいけません。 新入社員研修で身に付けるべきことは、単に「報・連・相」「名刺のもらい方」といったスキルだけではありません。「組織人」「社会人」としての意識をもってもらうことも重要なのです。 会社の将来を担う人材を育てる、重要な役割だということを意識して新入社員研修に臨みましょう。 このような研修を実施する際のマインドセットは、相手の立場に立って行うようにしてください。 1-2. ゴール設定・時間管理を行う テーマや受講者のレベルにあわせ、研修のゴール設定を行います。 「参加者は何を知りたいのか」「伝えるべきことは何か」を自分のなかで整理整頓しておくことで、研修のゴールを見失いにくくなります。 そのゴールに導くプロセスを想定し、研修時間内での進行管理のイメージも持っておくようにしましょう。 1-3. 台本の作成 台本は伝えたいテーマにあわせて必ず作成するようにしてください。 台本がないと、伝えたいテーマが参加者に的確に伝わりにくくなります。「何が言いたかったのだろう?」「何を学ぶ研修だったのだろう?」といった残念な感想になってしまいます。 また、台本作成の際には専門用語を多用しすぎないよう注意しましょう。 1-4. スライドの作成 台本の次に、それらを視覚的に伝えるスライドを作成します。 見やすさ、分かりやすさを重視して、テキストだけでなく、図表や画像を適宜入れることがお勧めです。 スライドは、印刷してテキストとして参加者が持ち帰ることもあるため、後から復習しても分かりやすい内容になるよう意識しましょう。 1-5. 想定される質問の回答を用意する 忘れがちなポイントかもしれませんが、想定質問に対しての準備も行うようにしてください。 当日質問をされても慌てないよう、ある程度回答のイメージも考えておきましょう。 1-6. 事前の練習を万全に行う 研修成功のためには、事前に複数回は練習するようにしましょう。 台本を読み返し、スライドを動かすタイミングを確認してください。自分の様子を客観的に把握するため、動画を撮って練習を重ねるのもお勧めです。 2. 話の構成を考える 当日の話の構成として、気を付けるべき点を大きく3つに分けてお伝えします。 2-1. アイスブレイク 講師はできる限り研修会場に最初に入り、受講者に積極的に挨拶をする等のアイスブレイクをしましょう。 アイスブレイクにより、研修開始前に場が和やかで暖かい雰囲気になります。 2-2. 自己紹介 研修の冒頭には、講師自身の自己紹介をしてください。 社内講師の場合は少し照れくさいかもしれませんが、あらためてご自身の経歴や仕事をするうえでのポリシー、研修に対する意気込み等を語るようにしましょう。 「目の前にいる講師はどのような人物なのか」が理解されると、講師と受講者との距離感が縮まりやすくなります。 2-3. 参加者に発言の機会を設ける 研修中は、要所要所で参加者に発言を促すようにしましょう。 あらかじめ「この箇所で、参加者に質問をしてみよう」等と設定しておくと、当日スムーズに進行しやすくなります。 3. 話し方 最後に、研修講師として覚えておくべき話し方のナレッジを紹介します。 3-1.スピードや声の大きさを意識する 話すスピードはややゆっくり、そして大きく明瞭な声で話すのが、優秀な研修講師の持つ特長です。 1対1で話すときには小さな声でも相手に届くかもしれませんが、研修のような1対多数のときには勝手が違います。 話している声が聞こえない、聞き取りにくいと研修効果が薄れるため、普段よりも明るく大きな声を意識して話していきましょう。 3-2. ボディーランゲージ・ジェスチャー 話し方同様、身振り・手振り等のボディーランゲージを大きくすることは、研修講師として意識したいポイントです。 話の内容にふさわしいジェスチャーがあれば、情報の説得力が増すでしょう。 3-3. 手元を見ずに全体に目を配る つい手元の台本やテキストが気になるところですが、研修講師が手元ばかり見ているのは避けたい動作です。 テキストを読むだけなら、配布すれば事足ります。わざわざ研修講師がその場で話して伝えることには意味があることを意識し、参加者全体に目を配るようにしましょう。 3-4. PREP法を活用する PREP法とは、「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)」という情報構成です。最初と最後に要点を説明するため、聞き手に説得力を感じさせるメリットがあります。 PREP法を習得すれば、相手に伝わりやすいプレゼンテーションができるようになります。 3-5. 例え話を交える 研修では、一般的な理論ばかりを伝えることは避け、例え話を効果的に挟みましょう。 書籍やインターネットで調べれば分かることを伝えるだけでは、研修の場を無駄遣いしていることになりかねません。 なるべく「この理論を○○業界で例えるなら」等と、参加者の興味を喚起しやすい情報にアレンジしてください。 3-6. 事例や体験談を交える 例えば新入社員研修であれば、あなた自身が新入社員の頃、聞いてみたかった話やイメージしやすいエピソードを研修のなかに盛り込んでみてはいかがでしょうか。 あなた自身や身の回りで起こった失敗談や、その失敗をどう乗り越えて現在に至るのか。また逆に、仕事で成功したりお客様に喜ばれたりしたエピソードも、新入社員が仕事に親近感を抱くきっかけになるはずです。この機会に、自分の社会人人生を振り返って、自分だけのオリジナルトークを用意してみてください。 まとめ 社内講師を行うことは、講師自身の成長や受講者への研修内容の浸透等、多くのメリットがあります。 ただし「社内だから」と慢心して準備が不十分だったり、当日の進行が慌ただしかったりすると、研修の本来の効果が薄まりかねません。 今回の記事で「仮に自社で社内研修をする際、どのようなやり方が効果的なのだろうか」を検討する参考にしていただければ幸いです。   ユーザ登録数無制限!コストをなるべく抑えて幅広い教育としてeラーニングを活用したいならCloud Campusがおすすめです。 220社160万人が使う低コストLMS 内製型eラーニングシステム Cloud Campus eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】

2023.07.24

ティール組織とは?概要や企業事例を紹介

2023.07.24

ティール組織とは?概要や企業事例を紹介

eラーニング

人事制度・組織づくり

昨今、圧倒的な成果を上げる「ティール組織」という組織モデルが注目を集めています。 ティール組織とは、経営層や上司がマイクロマネジメント(あらゆる業務を管理・監視するマネジメント)をしなくても組織の目的実現が可能になるという、独自の工夫にあふれた組織のこと。 そもそも「ティール組織」とは? 世界中の組織を調査したファシリテーターのフレデリック・ラルーの著書『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(2018)より、ティール組織とはメンバー全員が互いを信頼して、独自のルールや仕組みを試行錯誤しながら、組織を運営していくスタイルです。 ティール組織では既存の組織と違って、社長や管理職からの指示や命令をする系統を作りません。 組織がどこに向かっているかを話し合う場などを設けて、メンバーが共鳴し合いながら、目的に向かって進んでいきます。 代表的な企業事例には、ザッポス社、パタゴニア社、パソナ社、ウィルコム社などがあります。 ちなみに、ティールとは「青緑」という意味で、ケン・ウィルバーのインテグラル理論に基づいています。この理論では意識は「赤 → 琥珀 → 橙 → 緑 → 青緑」の順で複雑化し発展していくと考えられています。 ティール組織に求められる「思想」と「人事制度設計」 ティール組織の思想は、主に次のような特徴があります。 自己管理 従来の管理階層が少なくなり、個々のメンバーやチームが自らの業務を管理し、決定を行います。 目的志向性 組織は利益だけでなく、共通の目的やミッションを重視し、その達成に焦点を置きます。 全体性の意識 組織全体の利益や全体最適を重視し、部門間の連携を促進します。 成長と発展 メンバーが個人として成長し、組織全体も柔軟で変化に適応することで、持続的な発展を目指します。 次に、ティール組織の人事制度は、従来の上下関係や階層的な評価に代わり、以下のような特徴を持ちます。 ロール(役割)指向 メンバーは組織内で適切なロールを持ち、その役割に基づいて評価や報酬が与えられます。 ホラクラシー タイトルや階層ではなく、ロールと役割に基づいて組織が運営されます。メンバーは適切なロールを自ら選択し、変更することも可能です。 フィードバック文化 定期的なフィードバックや評価が行われ、メンバーが成長し続けるためのサポートが行われます。 通常の企業組織と比較しても責任感、役割分担がかなり明確なので、より一人ひとりの自立性も求められると言えます。 ティール組織に必要な「セルフマネジメント」 メンバーの自主性に任せるティール組織を目指すには、組織自体が「セルフマネジメント」できなければいけません。そのためには、以下のようなことが必要です。 1.情報の透明化(上司や特定の部署が情報を留めずに、メンバー全員で共有する) 2.意思決定プロセスの権限移譲(上司が決済するのではなく、チームで意思決定できるようにする) 3.人事プロセスの明確化(人材の配置や担当業務について、メンバーで話し合って決める) これらがなされていると、仕事の成果やプロセスがリアルタイムで見えます。結果として、メンバーやチームは、自らの成果やプロセス、行動を自覚し、進化させる機会を持つために動くようになるのです。 ティール組織の企業事例(国内) 日本企業の中にもティール組織のアプローチを取り入れている例がいくつかありますが、ティール組織の採用はまだ限られています。ここではティール組織と近いホラクラシーという組織形態を導入している事例をご紹介します。 株式会社キャスター 2014年の創業以降、全従業員がリモートで勤務しているため、結婚・出産等の事情で地方に住む女性が多数在籍し、活躍している企業です。 「ホラクラシー」という組織形態を人事制度として導入。 マネージャー以外の役職を無くしてフラットな組織にし、経営の意思決定権を組織全体に拡充。主体的に仕事に取り組むことで継続的に会社を成長させながら、働きがいを持てる組織を実現しています。 従業員が希望するライフスタイル・ワークスタイルに対応しやすい働き方を実現しながら活躍を推進しています。 eラーニングでメンバー個々の能力を高めよう 「組織自体がセルフマネジメントを行うなんて難しい」「そもそも個々のメンバーにそこまで任せられない」と思われるかもしれません。 たしかに、意思決定のプロセスや人事プロセスまでチームやメンバー全体で行うようになるためには、個々のメンバーの能力が高く、互いに信頼できる関係であることが求められます。 企業は、そのための新たな知識やスキルの取得、または個人的な不安や人間関係についての問題解決などを支援していきましょう。 eラーニングは、そのための強力なツールのひとつです。個々がいろいろな仕事に挑戦できるように新たな知識やスキルを学ばせたり、相互の人間関係を良好にしたり、意見や感情の相違を解決したりするトレーニングを行うことができます。 eラーニングでセルフマネジメントできる組織を目指そう 国内外でもティール組織はまだまだ少ないですが、eラーニングを活用すれば、実現も不可能ではありません。 これからの企業経営を考えるうえでは、eラーニングで個々の能力を高めて、セルフマネジメントができるティール組織を目指すことを視野に入れてはいかがでしょうか。 参考: 書籍『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(フレデリック・ラルー著、英知出版) eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】

2023.07.21

ワークショップ型研修の特徴や導入事例を紹介

2023.07.21

ワークショップ型研修の特徴や導入事例を紹介

人材教育

一般的にイメージされる社員研修以外にも、様々な研修方法が存在していることをご存じでしょうか。今回は、「社員研修の新しいかたち」をご紹介いたします。 受け身の研修 みなさんの会社ではどのような研修が行われていますか? 良く行われている研修だと、業務の知識を学ぶものや、コンプライアンスについての意識統一、社会人基礎を学ぶものが多いかと思います。しかし、本当にこの研修は効果があるでしょうか? 受講する側の意見は「忙しい時期なのに講師が来て長時間拘束されて苦痛」「いつも同じような研修で飽きた」と感じる方も少なくはないでしょう。これらに共通しているのが受け身の研修ということです。 昨今のトレンド 実はここ数年で知識を詰め込むだけの研修や、講師の話を聞いて個人が学ぶ受け身の研修は少なくなってきています。 昨今のトレンドとしてはチームやグループなど、さまざまな人とコミュニケーションをとりながら学習をしていく事が重視されています。 例えば、実際に体を動かして実習をしたり、普段は接しない人とコミュニケーションをとったり、疑似体験をするワークショップ型の研修が増えてきました。 企業研修のトレンド では、具体的にはどのような研修があるのでしょうか。 まず、体をフルに動かす「身体系」の研修です。例えば、玉川大学の難波克己准教授が普及に努める「アドベンチャープログラム」では、アスレチックに設けられた難所をチームやグループで協力し合って乗り越えていくというものです。普段はほとんど話もしないような同僚や上司などと声を掛け合い、協力しなければ達成できません。 気になるアスレチックの内容として、最初は低い位置に設置された施設を協力し合って攻略していき、最終的には8mの高さにある施設を攻略していくことで、最終的にはそれまでに築いてきた信頼関係や、仲間意識を感じるようになっていくのです。 まだまだある企業研修 この他にも、新任マネージャー向けの研修として演劇を使った研修もあります。 普段会社で顔を合わせる人と演劇をするのは、気恥ずかしかったり、実際の部下では研修の意味がなかったりします。そこで、プロの役者を「部下」として起用し、はじめて行う部下面談、考課者面談を実施する研修などがあります。 ここまで紹介してきた「身体系」の研修では活動することはもとより、活動したあとにきちんと「振り返り」の時間をもつことが大切です。動いて、演じて終わりでは意味がありません。活動を通して、何が起きて、どう感じたのか、結局どうしたらよかったのかなどをしっかりと振り返ることで気づきを与えます。この時も参加者同士が対話して、最後までチームやグループとして活動することが大切です。 ゲーム型の研修 身体系以外にもゲーム型の研修も注目を集めています。 ゲーム型のメリットはルールが平等で、初めてでも多くの人が参加できることにあります。また、敷居が低くゲームを通してチームメンバーのことが理解できます。 具体的なゲーム型の代表的な例は「マネジメントゲーム」です。これは、会社の社長として経営を疑似体験するものです。ゲームを通して経営戦略、利益構造、会計の仕組みなどを学ぶことができます。また、事業計画書や決算の作り方も学ぶことができます。 面白研修は社員を変える このように、企業内研修は多種多様で受け身型の研修だけではなくなってきています。普段話さない人とコミュニケーションをとり、業務では考えないような考えをすることで、日常の業務にも経験が活かせるかもしれません。 研修担当の方はこのような新しいワークショップ型の研修を取り入れてみてはいかがでしょうか? 参考サイト: アスレチックに演劇!? 企業研修の最新トレンド プレジデント 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 部下の指導にも活用できるコーチングスキルを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.07.21

ブレンディッドラーニングとは?成果を出す7つのポイント

2023.07.21

ブレンディッドラーニングとは?成果を出す7つのポイント

人材教育

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人事制度・組織づくり

「世界で市場を拡大中!企業向けeラーニング」でもお伝えしたように、eラーニングを採用する企業が年々増加しています。近年では、このeラーニングと集合研修を組み合わせた新しい学習法である「ブレンディッド・ラーニング」が米国の教育現場を中心に急速に普及し、その学習効果の高さからビジネスでも注目されています。 今回はブレンディッドラーニングの概要、導入する際に注意すべき7つのポイントを解説します。 「ブレンディッドラーニング」とは? 「ブレンディッドラーニング」とは、対面型の「集合研修」とオンライン型の「eラーニング」を組み合わせ、それぞれの特長を活かした研修や学習方法を指します。 集合研修では、一つの場所に受講生を集合させることにより強制力を持たせ、実践スキルの習得や学習の動機付けを行います。eラーニングでは、時間や場所を選ばずに、自分のペースで繰り返し学習することで知識を習得できるという特長があります。 これらをブレンド、つまり組み合わせた学習方法が「ブレンディッドラーニング」です。 「集合研修」と「eラーニング」のメリット・デメリット 集合研修とeラーニングのメリット・デメリットを表にまとめてご紹介します。 メリット デメリット 集合研修 ・非日常と臨場感を味わえる ・学習できる情報量が多い ・その場でのフィードバックをもらえる ・強制力がある ・一定のカリキュラムの確実な学習 ・その場で学習者の反応を確認しながら進められる ・一体感や帰属意識の醸成 ・グループダイナミクス(※1)を活かした相互啓発 ・理解度にばらつきが出る ・コストが高い ・時間がかかる eラーニング ・端末があれば、いつでもどこでも受講が可能 ・移動の手間が省ける ・繰り返し学習が可能 ・自分のペースで学習できる ・会場の広さや受講人数の制限なく提供できる ・必要な情報をスピーディーに対象者に提供できる ・多様なコンテンツを提供できる ・知識学習に向く ・学習の進捗や履歴管理をリアルタイムに把握できる ・最新の教材を一律に提供でき発送の手間がかからない ・導入以降のコストを削減できる ・臨場感が無い ・通信環境の整備状況に左右される ※1: グループのメンバー間に生じる「集団力の動き」 参考サイト:「よくわかる「eラーニング」講座 3.eラーニングと集合研修の特徴」日本の人事部 こちらの表からも分かるように、集合研修とeラーニングにはそれぞれメリット・デメリットがあります。そこで双方のメリットを活かし、デメリットが補完できるのが「ブレンディッドラーニング」です。 パソコンやスマートフォンによるすきま時間を使ったeラーニング学習で、知識の部分を習得し、集合研修で実践的なスキル向上や気づきを補うことで、デメリットである「研修時間や経費の削減」「理解度の均一化」「臨場感を味わえる学習」が可能になります。 ブレンディッドラーニングのメリットは? 1. 研修の成果が高まる パーソル総合研究所の「コロナ禍における研修のオンライン化に関する調査」によれば、eラーニングのようなデジタルコンテンツと集合研修を組み合わせた「ブレンディッドラーニング」の成果は通常の約1.7倍ほどになっています。 特にオンラインでの集合研修後のフォローにeラーニング等を活用する企業が多く、成果を高めるための研修手法として注目されています。 2. 研修を効率化できる 例えば、集合研修前にeラーニングで予習をしてもらっておけば、集合研修ではディスカッションや発表のような実践のみに集中できます。 事前に社員の知識を一定レベルに引き上げておくことで、より効率的に集合研修を行えます。 また、集合研修のあとにeラーニングで復習し、知識の定着を図ることもできます。 つまり、社員の状況に合わせて必要な研修を行う効率的な流れを作ることが可能です。 3. 受講者の満足度が高まる ブレンディッドラーニングを行った社員は、ただ集合研修のみ、eラーニングのみを行った場合と比較して受講満足度が高まる傾向にあります。 予習⇒研修⇒復習までを手厚くフォローしてもらえるだけでなく、繰り返し何度も学習できるeラーニングとの組み合わせで学習効果自体も実感しやすくなります。 集合研修とeラーニングの組み合わせパターン例 集合研修とeラーニングをブレンドさせ、それぞれのメリットを活かした効果的な研修の手法の例をご紹介いたします。 ① 集合研修 ⇒ eラーニング 集合研修後のフォローアップのために、eラーニングで自己学習を実施。 ② eラーニング ⇒ 集合研修 ①と逆で、eラーニングで事前学習を済ませた後、集合研修で実践的な学習を実施。 ③ eラーニング ⇒ 集合研修 ⇒ eラーニングによる確認テスト ②終了後、eラーニングによる確認テストを実施。 ④ eラーニング ⇒ 集合研修 ⇒ バーチャルクラス ②終了後、eラーニングによるバーチャルクラス(インターネットを利用した、講師の説明のライブ視聴によるeラーニング学習)を実施。 ⑤ eラーニング ⇒ 集合研修 ⇒ バーチャルクラス ⇒ eラーニングによる確認テスト ④終了後、eラーニングによる確認テストを実施 eラーニング提供側の「管理者」は、それぞれの受講者の学習進捗を管理画面上で確認できるので、集合研修後に行う「eラーニングによる確認テスト」で、受講者の理解度を把握することができます。 「確認テスト」で目標点に達するまで、eラーニングの学習に戻って繰り返し学習するよう促すことで、さらに受講者の理解度を高めることが可能です。 ブレンディッドラーニングで成果を出すための7つのポイント ポイント1:研修の目的とゴールを明確に設定 最終的に参加者が身につけるべきスキルや能力は何なのかを明確にし、そのためにどのような内容をカバーするべきかを設定をします。これは、研修のスタイルを問わず欠かせない作業です。 ポイント2:研修の全体像がわかるアウトラインを作成 参加者自身が「研修で何を学び、どのようなスキルや能力を身につけることが求められているのか」という研修の全体像をインプットできるようなアウトラインを作成します。そうすることで、参加者の目標が明確になり、学習の流れを確認しやすくなります。 ポイント3:eラーニングと集合研修の組み合わせ方を検討 研修の目標に合わせ、何をeラーニングで学び、どのような集合研修をするのかを検討します。 eラーニングと集合研修をどのようにブレンドするかは、研修の目的に応じてアレンジします。まず集合研修を行ったのちに、自己学習でフォローアップできるようにeラーニングを設ける方法、先にeラーニングを行なって参加者の知識を均等化し、その後の集合研修の質を上げる方法など、両者の組み合わせ方はさまざまです。 ポイント4:グループ学習で効果を増大 参加者の学習深度を高めるのに効果的なのが、グループ交流による学習機会です。ソーシャルメディアを用いたグループの交流を参加者に促して知識を共有する機会を設けたり、オンラインで意見やアイデアの交換ができる場を提供したりすることで、学習効果を大きく向上させることができます。 ポイント5:講師・参加者・提供者のコミュニケーション方法を確立 研修期間中のサポートとして、参加者の疑問・質問に講師や提供者がすぐに回答できる体制をつくっておきます。また、参加者が提供者へ研修内容をフィードバックできる仕組みを確立しておくことも、参加者の期待や需要に対する実際の研修内容とのズレをすぐに修正するために大切です。 ポイント6:eラーニングで学ぶ知識を深められる参考リンクや文献を提示 eラーニングの途中や終了後でも、参加者が自ら知識を深められるように、参考リンクや文献情報を提供します。 ポイント7:研修後のアセスメント計画を立てる せっかく研修を実施しても、やりっぱなしでは意味がありません。研修終了後に、参加者の習熟度や研修のゴール達成度を測ることが重要です。研修後のテストやレポート作成、ディスカッションを通じて成果を把握することは、次回以降の改善点を見出すことにつながり、参加者にとっても自分の学習がどの程度実を結んだのかを確認する機会となります。 「ブレンディッドラーニング」の研究事例 最後に、ブレンディッドラーニングの効果を研究した事例をご紹介します。 平成 20・21 年度岡山県総合教育センター個別テーマ研究 「ブレンディッドラーニングによる授業実践とその効果 -外国語学習における e ラーニングの活用-」によると、次のような効果が出たとの報告があります。 ある中学校と高等学校において、2年間「読み・聞き・書き・話すの4技能を連携させたeラーニング教材」と「集合型の実践授業」によるブレンディッドラーニングを実施しました。その効果を検証した結果、ブレンディッドラーニングの授業を実施したチームにおいて、英語運用能力のうち、リスニング力の向上、 音読力および自由発話力といった英語口頭能力の有意な上昇が見られたそうです。 よりフレキシブルで効果的な研修が実現できる 人材育成にIT教育の手法を上手に取り入れることで、高い学習効果を実現するブレンディッド・ラーニングは注目の学習法です。 このように、ブレンディッドラーニン」には多くの可能性が秘められています。 もし、現状で企業教育や研修の効果を出せていないようであれば、eラーニングを取り入れたりさまざまな研修をブレンドすることで、効果的な学習方法が得られるかもしれません。 こちらの記事も読まれています: いま話題の『ディープラーニング』って何?簡潔にまとめます 参考サイト: ・「eラーニングと集合研修の特徴」日本の人事部 ・「研修の種類と形式」日本の人事部 ・「平成15年度専修学校先進的教育研究開発事業」文部科学省 ・「ブレンディッド・ラーニング(Blended Learning)」日本イーラーニングコンソシアム ・平成 20・21 年度岡山県総合教育センター個別テーマ研究「ブレンディッドラーニングによる授業実践とその効果 ―外国語学習におけるeラーニングの活用―」2009年 ・7 Tips To Plan For Effective Blended Learning|eLearning Industry 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 部下の指導にも活用できるコーチングスキルを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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