2025.02.13

2025.02.13
【事例あり】タレントマネジメントとは?導入の流れや効果を徹底解説
人事制度・組織づくり
タレントマネジメントは、企業が成長するための人材戦略において欠かせない取り組みです。 ところが、タレントマネジメントの意味や具体的な施策を知らず、実行に移せていない方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、タレントマネジメントの意味や導入の流れを紹介します。 取り組む際のポイントや導入事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 タレントマネジメントとは ビジネスにおけるタレントとは、才能やスキル、もしくは才能やスキルのある人材を指します。 タレントマネジメントとは、人材情報の管理や育成、適切な配置によって従業員がもつ才能やスキルを発揮できる環境を整えることをいいます。 具体的には、従業員のスキルやキャリアビジョン等を一元管理できる人事システムを導入し、人材配置や人材育成に役立てます。 また、定期的に従業員が職務状況の報告や希望部署の申告ができる制度を導入することもタレントマネジメントのひとつです。 タレントマネジメントを導入する目的 タレントマネジメントを導入するのは、経営目標の達成に必要な人材戦略を成功させるためです。 経営目標の達成には、従業員がもっている力を最大限発揮することが重要です。 従業員の力を引き出すために個々のスキルや業務経験を客観的に把握し、戦略的な人材配置や育成を進めていくことが求められます。 タレントマネジメントがもたらす効果 タレントマネジメントには、以下の効果が期待できます。 公平な人事評価ができる 適切な人材配置ができる 一人ひとりに合った人材育成ができる 従業員のモチベーションが向上する 生産性アップが期待できる それぞれ詳しく見ていきましょう。 公平な人事評価ができる 従業員に関する経歴やスキルが可視化されれば、公平な評価がしやすくなります。 客観的なデータがない状態では、評価者の主観的な見方によって評価されることになり、偏った評価がなされてしまう場合があります。 従業員が自身のスキルを発揮するためにも、タレントマネジメントを取り入れて、公平な評価ができる仕組みをつくりましょう。 適切な人材配置ができる タレントマネジメントでは、従業員の能力やスキル、これまでの業務経験等をまとめて管理します。 そのため、従業員一人ひとりをあらゆる側面から評価でき、どのような仕事が適しているかの判断がしやすくなります。 また、スキルや業務経験を可視化できれば、これまで埋もれていた人材を発掘するきっかけにもなるでしょう。 適切な人材配置ができるようになることで、業務効率やパフォーマンスが高まりやすくなります。 一人ひとりに合った人材育成ができる タレントマネジメントでは、従業員の能力や適性を可視化できるため、「どのスキルが足りていないのか」「どの能力を伸ばしていくべきか」が明らかになり、一人ひとりに合った人材育成ができるようになります。 従業員から業務の現状や今後のキャリアプランに関する情報を聞き出せると、対象者にとって必要なスキルを把握することにもつながります。 可視化されたデータと本人の希望を活用すれば、人材育成を効率的に進められるでしょう。 従業員のモチベーションが向上する 公平な人事評価や適切な人事配置を受けられると、従業員はやりがいや将来性を感じられ、満足度が向上しやすくなります。 従業員満足度の向上は、離職率の低下にもつながります。 また、求職者へのアピールにもなり、自社に合った人材を確保しやすくなるでしょう。 生産性アップが期待できる タレントマネジメントによって適切な人材配置や育成ができれば、従業員がもっているスキルや経験を最大限活かせるようになります。 モチベーションの向上により、従業員は業務に対して前向きに取り組むようになるため、従業員のスキルがより伸びやすくなります。 適切なタレントマネジメントの実施で従業員のモチベーションとスキルを高められれば、会社全体の生産性アップにつながるでしょう。 タレントマネジメントを導入するときの流れ タレントマネジメントの導入は、以下の流れで進めるのがお勧めです。 目的を明確にする 体制を整える 人材情報を収集する 人材情報を把握・分析する 人事施策の立案・実行をする 効果測定や振り返りをする 順番に詳しく解説していきます。 1.目的を明確化する タレントマネジメントに取り組むときは、導入を目的とするのではなく、あくまでも目標を達成するための手段であることを意識しましょう。 そのためにはまず、導入前に実施目的の明確化が大切です。 タレントマネジメントの目的には、リーダー候補の発掘や人材配置の最適化、従業員のスキルアップ等があります。 経営目標を見据えた目的であるほど、達成のために必要な人事施策を明確化しやすくなります。 2.体制を整える 目的を明確化したら、タレントマネジメント導入のための体制を整えます。 タレントマネジメントを成功させるには、人事部門の力だけでは難しいため、他部署や外部機関の協力を得ることになるでしょう。 例えば、現場と協力しながら必要な人事データを集めたり、外部機関にタレントマネジメントシステム導入の相談をしたりする必要があります。 タレントマネジメントをスムーズに導入するためにも、早い段階で他部署や外部機関との調整を進め、人事データや施策の取りまとめるプロジェクトチームを立ち上げましょう。 3.人材情報を収集する 収集・可視化すべきデータは、達成したい目標や目的によって異なるため、まずはどのような人材情報を収集すべきかを明らかにします。 収集すべき情報の選定ができたら、社内アンケートや既存の人事管理システムを活用してデータを集めましょう。 併せてデータを管理するためのデータベースを作成したり、システムを導入したりする必要もあります。 4.人材情報を把握・分析する 人材データを集約できたら、組織にどのような人材がいるのかを把握したうえで「適材適所の人材配置ができているのか」「他社と比較してどのような人材が不足しているのか」といった問題点を洗い出します。 この段階で、不足している人材情報が明らかになる場合もあるので、追加でデータ収集が必要かどうかも確認しましょう。 5.人事施策の立案・実行をする 人材情報の分析をもとに人事施策を立案し、実行していきます。 具体的な施策としては、人材育成や配置、採用活動の見直し等が挙げられます。 自社の成長に必要なスキルをもつ人材が不足している場合は、人材育成や採用に力を入れましょう。 人材育成の主な方法には、研修やジョブローテーション、OJT等があります。 社内研修の見直しをする際は、eラーニング導入の検討がお勧めです。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、キャリア開発のポイントやロジカルシンキングの基礎等を学べる講座を提供しています。 タレントマネジメントの導入を効率的に進めたい場合は、コンテンツパック100の導入を検討してみましょう。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする 6.効果測定や振り返りをする 人事施策の運用を終えたら、効果測定や振り返りをします。 タレントマネジメントを実施する目的を達成できたのか、未達成なのかの結果を振り返るだけでなく、うまくいかなかった原因の洗い出しが大切です。 改善策を明確にしたうえで、今後につながるアクションを探りましょう。 タレントマネジメントを導入するときの注意点 タレントマネジメントを導入するときは、以下の点に注意が必要です。 導入にコストがかかる 情報収集や管理に手間がかかる 活用イメージが具体化しにくい 従業員の理解を得るのが難しい それぞれ詳しく解説します。 導入にコストがかかる タレントマネジメントを導入する際は、システムを活用するのが一般的です。 システム導入には、数百万から数千万円という高額な費用がかかることがあります。 導入後にうまく活用できなければ、コストが無駄になってしまうことも考えられるでしょう。 そのような状況にならないためにも、システムの使いやすさや価格、実績等を比較して自社に合ったものを選ぶことが大切です。 情報収集や管理に手間がかかる タレントマネジメントは、十分な人材情報を収集できて初めて成立します。 そのためには従業員の意見を聞き、集めた情報を管理する必要があります。 これらの施策の実行には手間と時間がかかるため、従業員の負担が増えてしまうことも考えられるでしょう。 活用イメージが具体化しにくい タレントマネジメントでは、人材情報を集めて終わりではなく、その後の人材育成や配置等での活用が求められます。 しかし、人材情報を集めたところで、どのように活用すればいいのかイメージが湧きにくいのも事実です。 明確なイメージができていない状態で施策を進めても、期待している効果は得られません。 他社の事例を参考にしたり、外部機関のサポートを受けたりして活用イメージを明確化しましょう。 従業員の理解を得るのが難しい 最新の人材情報を収集するには、定期的に従業員から自身のデータを提供してもらう必要があります。 なかには、手間が増えることで協力的に取り組めない従業員も出てくるでしょう。 また、提供する情報をどのように活用するのかが不明なままでは、協力するメリットを感じてもらえません。 タレントマネジメントを導入する際は、効果や目的を周知し、納得した状態で取り組んでもらうことが大切です。 タレントマネジメントを円滑に進めるためのポイント タレントマネジメントを円滑に進めるには、以下のポイントを押さえておきましょう。 導入目的を全社に共有する 自社に合ったシステムを導入する 管理職向けの教育をする 収集する人材情報を厳選する ひとつずつ詳しく紹介します。 導入目的を全社に共有する 人材情報の収集に協力してもらうには、タレントマネジメントの導入目的を全社に共有することが大切です。 人事部門だけで情報を収集するのは難しいため、会社全体で取り組む必要があります。 従業員に積極的に取り組んでもらうには、社内説明会や研修を開催して、自身にもメリットがある施策であることを認識してもらうのが近道です。 なかにはアンケートに答える時間を確保できない従業員もいるかもしれません。業務時間内にアンケートに答える時間を設けることも検討してみましょう。 自社に合ったシステムを導入する 人材情報の集計や分析を効率的に進めるには、自社に合ったタレントマネジメントシステムの導入が大切です。 従業員の人材情報を一括管理できるシステムを導入すれば、集めた情報を活用しやすくなります。 なかには、データをグラフや表に可視化したり、レポートとして抽出したりできるシステムもあります。 システムを選定する際は、以下の点を確認しましょう。 自社の課題を解決する機能が備わっているのか ITが苦手な社員でも直感的に使いこなせるか セキュリティ対策が十分なのか 自社に合ったシステムを使用して、タレントマネジメントを効率的に進めましょう。 管理職向けの教育をする 人材情報を一括管理できる環境を整えたとしても、管理職のサポートがなければ、タレントマネジメントの効果を最大化させるのは難しいでしょう。 タレントマネジメントを成功させるには、従業員に向けた説明会だけではく、管理者向けの研修を進めていくことが大切です。 管理者向けの研修を進める際は、忙しい管理職でも受講しやすいeラーニングがお勧めです。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、部下育成におけるコミュニケーション方法等が学べるコンテンツを提供しています。 従業員がスキルを最大限発揮できる環境を提供するためにも、コンテンツパック100の利用を検討してみましょう。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする 収集する人材情報を厳選する 集める人材情報が多くなるほどタレントマネジメントが進むわけではありません。 集める情報が多くなると、情報整理に時間がかかるだけでなく、従業員への負担も大きくなってしまいます。 従業員が不信感をもつと、効果的な施策を講じたとしても好影響につながらなくなることも考えられます。 そのような状況にならないためにも、タレントマネジメントの目的を明確にしたうえで集める情報を厳選するようにしましょう。 タレントマネジメントの導入事例 最後にタレントマネジメントの導入事例を紹介します。 導入事例を参考に、自社に合った進め方を検討しましょう。 飲料メーカー 従業員単位で情報の閲覧や蓄積ができるシステムを導入し、従業員本人や上司、人事部門が一体となって育成支援・適材配置を進めています。 人事部門は、従業員の情報を管理職から収集するだけでなく、従業員一人ひとりと面談を実施しています。 全社規模の人事異動の仕組みを構築することによって、1年間で約700人の従業員が新たな仕事に挑戦できている事例です。 IT企業 独自のアンケートシステムを使って、人材の情報を収集・分析している事例です。 このアンケートシステムでは、何日以内に返信するといったルールを決めて運用し、従業員が回答するメリットを感じられる仕組みにしたことで、100%に近い回答率になったとされています。 また、質問を3つに絞ったうえで頻度を月1回にし、従業員の負担を軽減したことも回答率が高くなった要因といえます。 まとめ タレントマネジメントとは、従業員に関する人材情報をまとめて管理し、人材配置や育成で活用していくことをいいます。 タレントマネジメントを成功させるには、目的を明確化したり、自社に合ったシステムを導入したりすることが大切です。 加えて、従業員がスキルを発揮できるように、管理者のサポート力を磨く場の提供も求められます。 サイバー大学では、年間999円(税抜)で100教材以上のコンテンツが見放題の「コンテンツパック100」を提供しています。 部下育成におけるコミュニケーション方法等を学べるコンテンツも収録しているので、タレントマネジメントの導入をめざしている場合はぜひご活用ください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけをピックアップすることで、1ID 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