2024.06.25
ビジネススキル
- キーワード
-
- プレゼンテーション
- コミュニケーション
- スキルアップ
ビジネスパーソンであれば誰しも、業種や職種を問わずプレゼンテーション(プレゼン)をする機会は頻繁にあると思います。
ただ、「緊張しやすい」「人前で話すと固くなる」等、プレゼンに苦手意識がある方も多いのではないでしょうか。
プレゼンを効果的に行うためには、一定のセオリーや必要なスキルがあります。苦手意識がある方こそ、プレゼンの基本的なスキルを習得することが、プレゼン上手になる近道です。
今回は、プレゼンに不可欠なスキルや、プレゼンスキルを鍛えるためのポイントを解説します。
プレゼンスキルが必要な理由
プレゼンが得意でない方は、プレゼンスキルを高めることを諦めてしまうケースも多いかもしれません。
ある調査によると、プレゼンが得意だと答えたビジネスパーソンはわずか18.5%で、約60%の方はプレゼンに苦手意識を感じているようです。
出典:「プレゼンテーション」「プレゼン資料」に関する調査2023
だからこそ、プレゼンスキルの重要性を認識し、高める必然性をあらためて考えることで、スキル向上のモチベーションが湧くのではないでしょうか。
本章では、プレゼンスキルがなぜ必要かについてまとめました。
ビジネスや交渉で不可欠なため
どのようなビジネスにおいても、自社製品・サービスを他社にアピールする際、プレゼンは避けて通れません。
競合他社と提案で競う場面でも、プレゼンによって結果が左右されてしまいます。
プレゼンの品質が悪い場合、例え自社の製品・サービスが競合企業より勝っていたとしても、その価値がうまく伝わっていないために、商談で負ける可能性も否定できません。
このようにビジネスで重要なシーンではプレゼンは避けられないため、ビジネスを成功させるためにも不可欠なスキルといえます。
自社や製品・サービスの魅力を伝えるため
自社の製品・サービスの魅力や導入メリットを顧客に伝えるためには、プレゼンスキルが必要です。
プレゼンでは、製品・サービスの概要を平坦に伝えるだけでは足りません。プレゼンを通じて、製品・サービスが顧客にとってどのような価値があるのかを明確にイメージしてもらえなければ、購入や取引に至ることはないでしょう。
顧客の立場に立って、どのような課題や問題を解決できるのかを想像してもらうために、プレゼンでは伝える相手の目線で製品・サービスの魅力を伝える必要があるのです。
自分の成果や能力を適切に伝えるため
プレゼンは顧客だけでなく、社内の人に対しても実施されるため、自身の成果や能力を伝える効果もあります。
具体的には、部門の定期報告や自身のナレッジ発表等、成果を報告する場面でもプレゼンは行われます。
効果的なプレゼンができなかった場合には、当然ながら聞き手には報告・提案内容が正しく伝わりません。その結果、自分の成果や能力が正当に認識してもらえない可能性が高くなります。
社内において、自身の出した結果や、結果に至る工夫が正当な評価を受けるためにも、プレゼンスキルは重要といえます。
よいプレゼンの特長
一般的に「よいプレゼン」には共通点があります。本章では評価が高まりやすいプレゼンの特長を3つお伝えします。
1. 内容が簡潔で分かりやすい
よいプレゼンは、誰にとっても分かりやすい簡潔な内容である点が特長です。
プレゼンに工夫を施そうとして、内容や装飾を盛り込み過ぎるケースも多く見かけます。
しかし印象に残りやすいプレゼンには、聞き手がどのような内容だったか、すぐに思い出せるようなシンプルさが求められます。
具体的なイメージとして中学生が聞いてもわかるような内容にするのがベターです。
そのため、分かりにくい表現を避け、誰にでも理解できる内容へと表現をそぎ落とすことが重要なポイントです。
特に専門用語や業界用語を多用するプレゼンを行うには、聞き手側の立場を考慮して、表現の調整が必要となります。
2. 主張やメッセージが明確
プレゼンで伝えたいメッセージが明確であることも、よいプレゼンの重要な要素です。
基本的には、一度のプレゼンで伝えるメインのメッセージは1つです。メッセージを入れ込み過ぎると、結果的に何も伝わらないこともあり得ます。
例えば、顧客に自社の製品・サービスをプレゼンするときは、多くのメリットを訴求したくなるものです。ただし、一度のプレゼンでさまざまなメッセージを伝えると、結局何がサービスの魅力なのか記憶に残りにくくなってしまいます。
聞き手の印象に残るためには、プレゼンのイントロ・ボディ・クロージング等、構成ごとに主張・メッセージを繰り返すのも有効です。
3. 聞き手の興味・関心を捉えている
自分が伝えたいことではなく、聞き手の興味や関心に沿わせていることも、よいプレゼンの特長です。
どれほど凝ったプレゼン資料を作り、堂々としたスピーチを行っても、聞き手が興味を持たなければ意味がありません。
例えば、決裁権を持たない担当者の方に対して値引き特典について延々とプレゼンしても、効果は期待できません。
その他、プレゼン対象となる顧客に豊富な知識がある場合、基本情報を熱く説明をしたとしても、すでに知っている内容であるため、興味を持たれない可能性が高いでしょう。
相手がどのような状況や立場にあり、プレゼンに何を求めているのかを事前にしっかりと理解しておくことは、よいプレゼンの必須条件といえます。
プレゼン上手になるために大切なスキル
ここからは、プレゼンが上手といわれるために必須となる3つのスキルをお伝えします。
3つのスキルを満遍なく高められることが望ましいですが、まずはどのスキルを高めるべきかの優先順位を考える参考にしてください。
1. 論理的思考力
相手の理解を促すプレゼンを行ううえで、論理的思考力は欠かせません。
プレゼンは、ビジネスの交渉の場で実施される傾向があります。交渉場面では、相手を説得するために、論理的に物事を説明する必要があるからです。
自社の製品・サービスを顧客が取り入れるメリットは何なのか、なぜそういえるのかの根拠、他社では実現できない理由は何か等、説得力を持たせて伝えるためにも論理的思考力は不可欠でしょう。
ロジカルシンキングを身に付けることで論理的思考力を鍛えることも有効です。
共感力
プレゼン場面では、聞き手の心情に寄り添う共感力が必要です。
プレゼンの効果を高めるためには、相手にプレゼンの内容を「自分ごと化」してもらう必要があります。
そのため、プレゼンは顧客の課題に沿って展開し、相手の関心事に合った内容にする必要があります。
共感を促すための方法として、話し方のペースを相手に合わせることや、相手の言葉をそのまま繰り返すテクニックも有効です。
対応力
プレゼン場面では、臨機応変な対応力が非常に重要です。
スピーチや演説であれば、自分が用意した内容を伝えるだけでよいため、極端にいえば原稿を読み上げるだけでも効果が上がるかもしれません。
しかし、プレゼンでは相手を説得させるというコミュニケーションを含めた目的があります。
そのため、相手の反応によってはプレゼン途中で内容や話し方を変えたり、ときには質問を投げかけたりしながら進める必要があります。
想定外の流れになった場合には、臨機応変に対応できないと、めざした成果を得られない可能性があるでしょう。
プレゼンスキルを鍛えるためのポイント
最後に、実際にプレゼンをするときに注意したいポイントをお伝えします。
すべてのポイントをすぐに取り入れることは難しいかもしれませんが、ご自身の苦手分野や状況に応じて、取り入れやすい部分からスタートしてください。
伝わりやすい話し方を意識する
プレゼンの効果を高めるために、発表時の話し方は意識したいポイントとなります。
事前に入念に資料を作り上げていたとしても、当日の話し方で聞き手の心に届かなければ、プレゼンの効果は十分に発揮されません。
例えば、ほどよく聞き手と目線を合わせる、声量や話すスピード・抑揚に注意する等、相手が心地よいと感じる話し方を意識しておきましょう。
話す内容に応じて、身振り手振り等のジェスチャーを入れると、より聞き手の印象に残りやすくなるでしょう。
疑似プレゼンを入念に行う
練習せずにプレゼン本番を迎えることは避けて、事前に何度も練習してから臨むようにしてください。
具体的には、本番と同じ持ち時間でシミュレーションする疑似プレゼンを行うことが望ましいでしょう。
本番を想定して話すことで、自分がつまずきやすい箇所や、スライドと話の内容の整合性が取れていない箇所も発見できます。
疑似プレゼンは、同僚や上司等の第三者に聞いてもらえるのがベストです。難しい場合は、疑似プレゼンの様子を動画で撮影し、客観的に分析するとよいでしょう。
プレゼンの目的・結論を明確にする
プレゼンの目的や結論を明確にし、それに対応したシンプルで分かりやすいスライドを作るようにしましょう。
プレゼンは、基本的に事前に用意したスライドに沿って行います。
目的やメインメッセージはなるべく冒頭に盛り込み、シンプルに発表するようにしてください。
スライド全体を通じても、プレゼンの目的に沿ってストーリーが展開できれば、聞き手にとってのイメージを高めやすくなります。
フレームワークを活用する
プレゼンに不慣れな方は、フレームワークを活用することで、聞き手の理解を促進しやすくなります。
具体的には、PREP法(「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(例)」「Point(結論)」という4つの要素で構成される思考方法)や、DESC法(「Describe(描写)」「Express(表現)」「Suggest(提案)」「Consequence(結果)」から構成される方法)等が一般的でしょう。
フレームワークを活用するメリットは、論点の抜け漏れをなくし、ロジカルなプレゼンが行いやすくなることです。
目的によって使い分ける必要があるので、プレゼン内容に適したフレームワークを選びましょう。
ビジネスにおいて相手に伝える力は非常に重要です。ビジネスで人を動かす「伝える力」を磨く5つの方法でもポイントを紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は、ビジネスパーソンに欠かせないプレゼンスキルを上げるためのポイントについて解説しました。
一般的に日本人は主張することに不慣れといわれており、プレゼンに苦手意識がある方も少なくはありません。
ただし、基礎をおさえてしまえば、一定水準のプレゼンスキルには到達できる可能性があります。
昨今では、大がかりな研修だけではなく、オンラインで手軽にプレゼンスキルが向上できるコンテンツも充実しています。プレゼンスキルに自信を付けたい方や、さらなるスキル向上をめざしている方は、オンラインのコンテンツを活用してみてはいかがでしょうか。
低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100
特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。
ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。
プレゼンスキルを鍛えるコンテンツを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料で以下よりご確認頂けます。