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2023.07.01

職場の空気を変えるエアコーチングの4つの特徴

2023.07.01

職場の空気を変えるエアコーチングの4つの特徴

人材教育

人事制度・組織づくり

ビジネススキル

職場の雰囲気は、人間関係はもちろん、チームの士気やモチベーション、組織としての競争力にも大きな影響を与えます。そのため、社内の「空気」をいい方向へ持っていくことは企業の最重要課題のひとつといえるでしょう。今回は、職場の雰囲気を変えたい方向へと導く「エアコーチング」について解説します。 エアコーチングとは? エアコーチングについて、提唱者である横山信弘氏は「チームの『空気(エア)』を変え、構成員の行動変容を促し、目標達成に向けた意識改革を実現させる」ことと説明しています。特徴としては次の4点が挙げられます。 人を変えるのではなく、「空気」を変える 個人ではなく、チーム全体を対象とする 時間がかかるが、持続性・再現性は高い コーチをする側、受ける側の双方にストレスがかからない チームを対象とするため、5人以上のメンバーがいる場合にその効果が大きく発揮されます。 チームの「空気」が悪いことの弊害 同僚の1人が、「この仕事量に給料が見合っていない」「どうせ頑張っても自分たちの評価にはならない」などの愚痴を毎日繰り返しているとします。ネガティブな発言を常に耳にすることで、元々は不満なくがんばっていた人もしだいにやる気をそがれ、自ら不満材料を探すようになってしまうでしょう。 「早目の帰宅が許されない空気」は、個人の仕事のペースが配慮されない不本意なものであり、会社への不満と身体的苦痛にもつながります。また、「勤務中にプライベートのSMSやネット閲覧が許される空気」があると、職場にダラダラ感が蔓延し、仕事の効率が悪化するといった弊害が生じます。 長期的に見ると、チームへの所属意識や結束力、協力体制が弱まったり、業務がスムーズに運ばなくなったりして、会社全体に不利益をもたらすことになってしまいます。 チームの「空気」を変えるポイントは「独白」にある 通常のコーチングは1対1のコミュニケーションを基本としますが、エアコーチングでは一方的な「独白」を繰り返すことでチームの空気を変えていきます。変化を望むことを促すような発言を会話に入れ込み、それを聞かせることで周囲の雰囲気を誘導するのです。これは、人が周囲の言動を無意識に模倣してしまうという、脳の神経細胞「ミラーニューロン」の働きを利用しています。 「独白」をする際には、次の2つのポイントがあります。 名指しはせず、チームや組織全体を対象とする 「よくなりつつある」「変わり始めている」など「現在進行形」で語る 「独白」を聞かせるシチュエーションとしては、「朝礼や会議などでの講話」「メールや掲示板からの情報発信」「協調者との会話」が考えられます。特に効果が高いのは、意識の高い社員や信頼のおける部下といった「協調者との会話」です。 例えば、「残業を減らそうという会社の働きかけが定着してきたのか、夜遅くまで残業をする人が減ってきている」「最近では残業をしている人を見ると、仕事のしかたを疑ってしまう」「脳科学的に見ても、長期に渡る残業の繰り返しは脳の基礎体力を下げてよくない」といった、上司と部下の会話を意識的にチームに聞かせます。そうすると、聞いている側には「残業ばかりしていてはいけない」という意識がおのずと高まってきます。 1対1の会話では訓示や命令、苦言のようになってしまいますが、対象をチーム全体とすることで一般論や風潮として語れます。これがエア・コーチングの最大のメリットなのです。 なお、職場の環境作りに関しては、「部署の環境はリーダー次第!?」、「仕事に集中できる環境作り」にて取り上げています。 「雰囲気」を変えて上向きの会社を作ろう 職場の雰囲気が悪くなると、本来感じていた仕事の楽しみや誇りが失われてしまいます。しかし、職場の「空気」を上手にコントロールすれば、チームの士気や仕事効率を高めることができるのです。 「“世界最高の職場”Googleにみる、人事の未来のあり方─「エンゲージメント」について考える」でも述べたとおり、企業経営の善し悪しは経営面だけでなく、組織としての環境作りが要となります。そのためにも、チームの「空気」を変えることが求められているのです。 こちらの記事も読まれています: 社内SNSを導入する際の注意点!成功と失敗の分かれ道 はここだ! チームのモチベーションが上がらないのには理由がある「チームビルディング」がつくる強いチーム 参考: 5人以上の部下を持つリーダーに「エア・コーチング」のススメ|Yahoo!ニュース (2016/7/1確認) 答えを持たない部下に「コーチング」は有害|日経ビジネスオンライン (2016/7/1確認) 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.07.01

従業員満足度アップ5つの施策|社員が幸せな企業とは

2023.07.01

従業員満足度アップ5つの施策|社員が幸せな企業とは

eラーニング

人事制度・組織づくり

企業が、日々良好な顧客関係の構築に努めるのは当然のことですが、社員との関係はどうでしょうか。 会社が社員との関係を良好に保つために配慮すべきポイントについて考えてみましょう。 社員が幸せだと生産性が12%アップ! 英ウォーリック大学の研究によると、社員が幸せに仕事ができる企業では生産性が12%向上するそうです。反対に社員が不満を抱えている企業の生産性は、10%も低下してしまうといわれています。 不満を抱えた社員が増えると、上司や部下、同僚間の意志の疎通がうまくいかず、職場のコミュニケーションが停滞します。すると、PDCAが回らず、効率や生産性が低下していきます。そうなると、社員のモチベーションも組織の結束力もどんどん下がっていくでしょう。そして、ビジネスに必要なイノベーションを生みだす力を失い、競争力も弱まってしまいます。このように、さまざまなネガティブ要素が連鎖的に発生していくのです。 従業員満足度を高める5つのポイント 社員が幸せに働くためには、企業はどのようなサポート体制を整えるべきなのでしょうか。以下の5つのポイントから考えてみます。 1.適切な評価と認識 誰もが努力やアウトプットに対して正当な評価を受けたいと願っています。自分の頑張りや成果が認められることは、モチベーションの維持や働きがいにつながります。 モチベーションに関しては、「社員のパフォーマンス向上のために知っておきたい「人が動く6つのモチベーション」」でも詳しく解説しています。 2.働きやすいオフィス環境 よりよい労働環境をつくるには、生理学的な配慮も必要です。自然光や緑を取り入れたオフィスや余裕のあるデスク、ひと息つける休憩スペースなど、オフィス環境は生産性に大きく影響します。 3.柔軟な勤務体制 プライベートを犠牲にして働き続ける社員は、いつしかやる気が低下して充実感を感じなくなり、本来の実力を発揮できなくなります。業務内容に合わせて柔軟な勤務体制を提供することは、社員のワークライフバランスを考慮するうえで重要です。 4.信頼できる人間関係 お互いの信頼関係は、同じ目標に向かって気持ちよく協働できる、オープンで風通しのいい職場環境の土台となります。こうした信頼関係は、仕事への意欲や働きがいを高め、社員の満足度にもつながります。 社内コミュニケーションと仕事の効率化については、「仕事の効率化はコミュニケーションが取りやすい職場から」「「伝わらない」は自分のせい?人を動かす「伝える力」を磨く方法」も併せてご覧ください。 5.キャリアアップの可能性 自分の将来が見えないことは、離職の理由となりかねません。仕事や研修を通して自分を向上できたり、将来のキャリアパスを描けたりすることは、社員が会社に貢献する動機となるのです。 eラーニングで教育効果を最大化するサービスについては、「eラーニング導入支援」のページをご覧ください。 社員の情緒面への配慮も人事の役割 事業経営と組織運営は異なるもので、両者を軌道に乗せてこそ会社は成長できます。社員の情緒面への配慮は、人事担当者の大事な役割だといえるでしょう。社員が自発的に会社に貢献したいと思えるような職場づくりを目指したいものです。 こちらの記事も読まれています: 部署の環境はリーダー次第!? 参考: 5 Ways To Keep Staff Happy And Motivated|Bizzmark Blog  New study shows we work harder when we are happy|University of Warwick  よく読まれている記事 eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】

2023.07.01

「ウェビナー」実施における5つのメリット

2023.07.01

「ウェビナー」実施における5つのメリット

ITスキル

人事制度・組織づくり

みなさんは「ウェビナー」をご存じでしょうか。ウェビナーは「ウェブ(Web)」と「セミナー(Seminar)」を組み合わせた言葉で、セミナーを撮影した動画をライブ配信するというものです。米国では特にBtoB企業に広く普及してきており、効果的なマーケティング手法として注目を集めています。 米BtoB企業の7割近くが顧客獲得策としてウェビナーの効果を実感 セミナー動画は、これまでも「高い専門性」を武器とするBtoBのコンサルティング企業や金融系企業などのマーケティングにおいて、効果が高いとされてきました。しかし、リアルタイムで視聴者との質疑応答ができるウェビナーは、コンテンツマーケティングとしてより高い効果を生むとの認識が高まり、動画とは一線を画す独立分野として確率されているほどです。 米国のコンテンツマーケティングに取り組んでいるBtoB企業を対象とした調査では、「対面式のリアルイベント」に次いで66%が「ウェビナー」が効果的であると回答しています。 「ウェビナー」の5つのメリット なぜウェビナーは、それほどまでに重宝されているのでしょうか。以下にウェビナーのメリットを挙げてみましょう。 1. 講師、参加者双方にとってコスト・時間を削減できる 講師を含めたセミナー参加者全員にとって、セミナー会場まで移動する手間が省けます。また、会場やスタッフの確保、準備にかかる時間、実施経費なども不要となるため、大幅な時間とコストの削減につながります。 2. 定員割れや定員オーバーの心配がない セミナー開催者が抱える悩みに、定員の問題があります。定員割れで採算が取れなくなる、または、定員オーバーでせっかくの見込み層を逃してしまうという心配をすることなく集客できます。 3. 講師と視聴者が双方向にリアルタイムのコミュニケーションを取れる ライブ配信のため、コメント機能で講師と視聴者がリアルタイムに質疑応答を繰り返すといった、双方向のコミュニケーションが取れます。発信する企業にとっても、視聴者のリアルな反応を把握できるので、コンテンツの調整がしやすくなります。 4. 映像をアーカイブして配信後も活用できる ウェビナーの映像をアーカイブすることで、配信後に動画をウェブサイトに掲載し、コンテンツとして利用できます。 5. 幅広い購買層にリーチできる 潜在顧客への興味喚起からリードの獲得、既存顧客へのフォローまで、幅広く活用できます。 顧客向けだけでなく社内でも活用できる ウェビナーの活用法は、顧客獲得策だけに留まりません。社内においても大きな効果を発揮します。 「時間、コスト…社内研修を取り巻く問題とその改善方法」でも取り上げたように、社内研修を実施するうえでの問題点として、1位に「時間」(64.5%)が、2位に「予算・費用負担」(57.6%)が挙がっています。 全国に事業所を持つ企業では、社内研修にウェビナーを採用することで、こうした問題の解決もできるのです。 研修の効果測定については、「やりっぱなしダメ!研修の効果測定をしよう」をご覧ください。 手軽ながら大きな効果を呼ぶウェビナーに期待 ウェビナーは、ハングアウト オンエアやYouTube Liveなどで手軽に無料配信できます。または、Ustreamのようなライブストリーミングサービスを利用する方法もあります。 既存のテクノロジーを研修・セミナー分野に応用したウェビナーは、今後日本でも広まっていくことでしょう。 こちらの記事も読まれています: 注目キーワード「ソーシャルラーニング」について知ろう! 参考: セミナー動画をライブ配信する「ウェビナー」。BtoB企業の約7割がその効果を認めるワケとは?|movieTIMES   

2023.07.01

人材アセスメントを成功させる3つのポイント

2023.07.01

人材アセスメントを成功させる3つのポイント

人材教育

人事制度・組織づくり

ビジネススキル

人材アセスメントという言葉をご存知でしょうか? 人材アセスメントとは複数のシミュレーション(演習)や心理テスト、面接などを通して、受講者の行動、言動、態度などを観察し、事前に設定した「管理者としてのあるべき姿」に適した人物であるかを評価する技法です。つまり、企業の中で人材を配置するにあたり、その人物の潜在的な性格や適正を事前に評価するものです。 その起源はCIAの前身である米軍OSS(戦略対策部)において、スパイ養成のための人材選抜を目的に開発されたプログラムで、アメリカでは産業界を中心に広まり、日本ではバブル崩壊後に導入が急速に進んでいると言われています。 人材アセスメントのメリット では人材アセスメントを導入するメリットは何でしょうか? 一般に企業の中での評価は業務の成果だけではなく、評価者から見た人間としての好き嫌いも多かれ少なかれ入ってきます。また、数字が見えない部署はなかなか評価されづらい傾向にあります。好き嫌いというところでは、自分の思うような行動、同じような行動をするタイプの部下を良く評価したり、反対の行動をする者は悪く評価したりすることがあります。極端な場合、上司に好まれない部下は、ほとんど日の目を見ることがなく毎日が過ぎていきます。 こうした中、外部の第三者である特別なトレーニングを受けた講師が評価する人材アセスメントは、人材評価の一定の判断材料として信頼性が高く、評価を受ける社員からも、第三者ということでより納得性が高まる可能性があるのです。 実施方法 人材アセスメントの具体的な内容は、まず研修施設やホテルなどに2、3日の合宿型研修で行われます。 そして、受講者はグループディスカッションやインタビューシミュレーション、インバスケットなど、いくつかのシミュレーション(演習)を行います。これらのシミュレーションを通じて、 受講者の行動や言動、態度を講師が観察・評価し、「この人は管理職になれる人材か?」といった管理職適性を判定します。 主として管理職選抜のための評価に用いられますが、近年では、若手層から優秀者を早期に見極めるためにも活用されているようです。 成功させる3つのポイント ここで人材アセスメントを成功させる3つのポイントがあります。 「正確な評価ができる講師を用意すること」、「その企業にあった評価項目を用意すること」、「評価する行動を引きだすシミュレーション設計」の3つです。 1.正確な評価ができる講師 人材アセスメントの要である講師が正確な評価をすることができる講師なのかが非常に大切な条件です。 講師は、シミュレーションを通じて発揮された言動や文書の内容、表情や声のトーン、文字の量や書き方の特徴をはじめ、身だしなみや、くせ、ふと目にした仕草など、さまざまな情報をつなぎ合わせて、その人の仕事の傾向性やマネジメントスタイルを仮説・検証していきます。 また、人材の評価は一人の評価者だけだと、偏りが出てしまい正確な評価が出にくいので、講師は通常は複数の講師が担当します。 この講師らが、各参加者のシミュレーションでの行動から、どれだけ正確にデータを拾うことができ、それを分類整理し、いかに正確に評価に落とし込むことができるかが、人材アセスメントの精度を決める大きな要素となります。 2.その企業にあった評価項目 これはその企業での職務に適した評価項目の設定ができているかです。 職務における受講者へ求める能力や行動にラベリングをしたもので、例えば積極性、自主独立性、分析力、決断力、感受性などがあげられます。 当然、この内容は企業によっても違いますし、役職によっても違います。これがズレてしまうと、いくら人材アセスメントで評価しても、全く役に立たないという状況が出てきますので、この評価項目の設定も重要な前提条件となります。 3.評価する行動を引きだすシミュレーション設計 人材アセスメントでは、何種類かのシミュレーションを受講者に行ってもらい、その行動を講師が観察することで、人材の評価を評価項目に従って行ないます。 人材の正確な評価をするためには、参加者に何らかの行動を起こしてもらうことが必要になります。しかも、評価項目を評価できるような行動を参加者が行なうことが求められます。 そのためには、その評価項目を踏まえ、心理学的に設計されたシミュレーションの状況設定や内容が必要になります。 このような良質なシミュレーション設計があって、初めて正確な評価ができるのです。 その他の注意点 ここで人材アセスメントを実施する意図と受講者側の姿勢にも注意しなければいけない点があります。 あくまで人材アセスメントは研修であって試験ではないということです。 いくつかの会社では昇進昇格の「試験」と位置づけている会社もあるようですが、これでは受講者は意気込んで受講してしまい、本来の自分の行動ではなく、パフォーマンスとしてシミュレーションを受講してしまいます。そもそも講師はそのようなパフォーマンスをしたとしても数あるシミュレーションをしていく中で受講者の本質を見抜いてしまいます。 なので、受講者はできるだけ自然体で研修に臨む方が結果としては良いものとなります。 なにより、受講者は管理職になることをゴールとして挑むのではなく、管理職になって何をしたいかを明確に望む方が自分自身のためにもなります。 会社は管理職に何を期待しているのか、受講者はそれに対してどう応えるのかを理解して受講することが大切です。   参考サイト: セミナー&研修net オフィスジャストアイ  

2023.07.01

海外の新卒採用|日本と違う6つポイント

2023.07.01

海外の新卒採用|日本と違う6つポイント

人材教育

人事制度・組織づくり

日本では、大学4年生ともなれば誰もがいっせいにリクルートスーツに身をつつみ、企業説明会や面接へ向かいます。こうした就活戦線の一斉スタートや新卒市場の存在は、実は日本独特のものであり、海外ではだいぶ様子が違うようです。 今回は、欧米での新卒採用について取り上げ、いったいどのように行われているのか見ていきましょう。 欧米では新卒採用市場が存在しない そもそも、欧米では日本のような「新卒」という採用市場自体が存在しません。欧米では労働市場が流動的なため、欠員が出たら補充するという通年採用が基本です。 新卒生が就職する場合、卒業の半年前くらいから就職活動を開始するというケースが多いですが、企業と学生が足並みをそろえて採用・就活活動をする期間がありません。そのため、3年生の時点で内定をもらっている場合もあるなど、学生によってさまざまです。 新人研修はなく、即戦力が求められる 欧米での採用は、「入社後に社会人として育てる」という日本の新人研修のようなスタンスはなく、即戦力になることが前提条件です。そのため、学生は専門的な知識とインターンシップなどでの実務経験を用意しておく必要があります。その代わり、企業は入社した社員のスキルアップや人材育成研修には、日本企業に比べるとより積極的といえます。 「○○年3月卒業予定者」という記載がない募集要項 募集要項を見ると、その違いがよく分かります。日本の場合、職種により文系、理系の区別はあるものの、一般的には「○○年3月卒業予定者」という表記がされています。欧米でも場合によっては、「新卒者も可」といった記載がある募集要項もありますが、具体的な専門性、スキル、経験などが募集要項に記載されるだけのことがほとんどです。 専攻・研究分野が職業選択に直結 欧米では、新人、経験者問わず、専攻・研究分野と職業選択に一貫性が求められます。日本はこの点では非常に柔軟で、専攻による職業選択の垣根は低く、文学部や工学部の学生が金融機関へ就職することも珍しくありませんが、欧米で、ビジネス、経済学、ファイナンス専攻以外の学生が、金融系へ就職することはあまりないようです。 採用と結びついたインターンシップ 欧米企業では、インターンシップが新卒者の選考手段のひとつとして盛んに導入されています。特に優秀な学生を選抜する目的で、書類審査と面接だけでなく、長期のインターンシップを通じて学生の能力と適性を評価するのです。 アメリカでは、産学連携でインターンシップが単位取得に連結しており、全米大学就職協議会(NACE)によれば、2010年には、企業の新卒採用のうち約45%がインターンシップからの採用となっています。 優秀成績者は採用でも優位に さらに、成績も非常に重要視されます。企業にもよりますが、特に大手ビジネスコンサル系、投資金融業などでは、応募にはあるレベル以上の成績取得が条件となっています。また、特定有名大学・学部別のリクルートも行われています。 例えば、米国のアイビーリーグ(ハーバード大学やイェール大学などの米東部の名門私立大学)の優秀な学生に対する囲い込みなどは有名です。 ユニークな日本の新卒市場 欧米では、学生が在学中に獲得した知識や経験と学業結果が、企業が求める条件にどれだけマッチするかが採用の決め手となります。日本での新卒採用は、採用に開始時期があったり、採用条件では人柄や「見込み」の能力と適性を重視したりするなど、ユニークな市場を形成しているといえるでしょう。 参考サイト: 「特殊な日本の新卒採用」 JIJICO  

2023.07.01

異業種交流を活用したグローバルマインドの育て方

2023.07.01

異業種交流を活用したグローバルマインドの育て方

人材教育

ビジネススキル

グローバル人材育成を考えるとき、最近よく叫ばれているのは「グローバルマインド」の必要性です。グローバルビジネスを成功に導くことができる人材とは、専門知識や語学力だけでなく自分の価値観や業界の垣根に縛られない広い視野と柔軟性を備えた人間であるという考え方です。その一環として、語学研修、海外短期勤務プログラム、クロスカルチャー研修などを導入している企業も多いことでしょう。今回はグローバルな視野を身につける効果的な方法のひとつとして、異業種交流に注目します。 異業種交流が打ち破る壁とは? 普段、私たちが日常業務や社内研修を通して学ぶことは、自分の働く業界にフォーカスした内容です。そこではどうしても自分の考えや価値観、知識などの“枠”に気付きにくいもの。異なるものの見方や世界に触れることで、初めて自分の立ち位置に気づき視野が広がるのです。 独立行政法人労働政策研究・研修機構による調査では、「正社員に今後求める能力・資質」という質問に対し「事業や戦略の企画・立案力」(40.5%)、「課題やリスクに対する想像力、思考力」(40.1%)、「新たな付加価値の創造力」(36.2%)という回答が寄せられました。「これまで求めてきた能力・資質」としては、同じ回答がそれぞれ32.2%、36.9%、28.0%だったことから、企業は社員が新しい発想力やより高い創造力を持つことに期待していることがわかります。 各業種の専門家同士による最新の情報や知見、知識の交換、取り組み方や考え方を知ることは、自社の課題へのヒントや新しい発想につながります。厳しい競争を迫られるグローバルビジネスでは、こうした“外を知る”ことで培われる企業の枠を超えた発想や、新規事業を起こすイノベーション力が求められているのです。 異業種交流でどのようなグローバル人材が育つのか 異業種交流は、グローバル化に対応できるマインド育成においてどのような効果をもたらすのでしょうか。以下に挙げてみましょう。 広い視野: 業界外の人と関わることで、自分の業界の常識にあるプラス面とマイナス面への気づき、異なるものの見方や解決法へのヒント、新しいビジネス動向への知識などを習得でき、視野が広がります。 柔軟な思考力: 新しい世界との接触は異なるものへの受容や理解を意味し、ものごとの多面性を理解することは「柔軟な思考力」を育てます。そして、これは個人の自律性を高めるだけでなく、自社の戦略を練るうえでも必要とされる能力です。 コミュニケーション力: 異なるバックグラウンドを持つ人との交流では、自分をどうアピールし、相手から何を引き出せるかという能力をフルに発揮する必要に迫られます。 伝える力: 自分と同じ知識や経験を持たない人に対しては、何ごとでも説明や理解を求める努力が必要となります。わかりやすく伝えるということは一見簡単そうですが実は難しいスキルです。話の通りやすい同業者との交流では培われにくい「伝える力」が鍛えられます。 人脈づくり: 異業種交流は、業種を超えたノウハウや技術、協力を得られる場です。新ビジネス進出へのヒントにもつながります。 異業種交流でグローバルなマインドセットを グローバル人材を育てるのは、語学力や海外経験だけではありません。むしろ、広い視野に裏づけられた創造力や発想力、柔軟性といったマインドセットが基礎となるのです。研修や人事育成の担当者はグローバルな視野を育てる意味で、社内に留まっていては得られない刺激をインプットできる異業種交流に取り組んでみてはいかがでしょうか。 参照サイト: 「「構造変化の中での企業経営と人材のあり方に関する調査」結果」 独立行政法人労働政策研究・研修機構 「異業種研究交流会」一般社団法人企業研究会 「アサヒビール、電通、ヤフー……エース社員研修に潜入」PRESIDENT Online  

2023.07.01

タレントマネジメントとは?人事戦略に役立てる方法

2023.07.01

タレントマネジメントとは?人事戦略に役立てる方法

人材教育

人事制度・組織づくり

労働環境が多様化する中、今後労働力は確実に減少し、人材の流動化も進むことが想定されています。企業が長期的な成長をするには、有能な人材を育成し、さらには適材適所の配置にしていく必要があります。また、経済環境の変化するスピードが速くなったことで、個人の働き方、価値観も多様化しています。このような労働環境や経済環境に対応するため、「タレントマネジメント」の必要性が高まっています。 タレントマネジメントとは? 皆さんは「タレントマネジメント」という言葉を聞いたことがありますか?あまり聞きなれない言葉かもしれません。タレントマネジメントとは、ヒトを資源として捉え、その資源(=人材)を育成・訓練・開発することで人財にしていくという考え方です。社員のキャリアパスを明確にし、人財へ育て適材適所で活躍してもらうという、職場で働く社員を中心とした考え方です。 それでは従来の人事マネジメントはどのようなものだったのでしょうか。 従来の人事マネジメントはどんな特徴がある? 従来の人事マネジメントは、経営者や管理者の視点から社員をマネジメントするという、タレントマネジメントとは全く異なる考え方です。従来は業務中心に人材育成が進められ、業務を行う社員の適正は無視される傾向にありました。そのため、経営者や管理者が社員へ指導をしても、社員のやりがいに繋がりにくく、職場の活性化が難しい場合がありました。 そこで、マネジメントの視点を、従来の業務中心の考え方から、職場で働く社員中心の考え方にシフトしたものが、タレントマネジメントです。 それではなぜタレントマネジメントが注目されるようになったのでしょうか。 タレントマネジメントが注目されている 人材資源を有効活用することは、多くの組織が抱える課題です。しかし、これまでのような主観に頼る評価では本当に適材適所なのかは疑問です。もしかしたらもっと優秀な社員が埋もれているかもしれません。 タレントマネジメントを活用することで、社員の離職を防ぎ、限られた人的資源から条件に合った人材を絞り込み、高いパフォーマンスを引き出す最適配置が実現できます。 有能な人材を離職させない 人材ごとのキャリアや実績、ポテンシャルなどのデータを蓄積していくことで企業に足りている人材と足りていない人材を判断することが可能です。また、客観的な人事情報に基づいた情報から育成プランを計画・実行し、育成状況の進捗も見ることが可能になります。 優秀な社員が流出してしまっては企業にとって大きな痛手です。主観による評価をやめることで、社員が不満をもちづらくなるので、離職防止策の一環として活用することができます。 社員のメンタル対策 ストレスの原因やメンタル不全へのなりやすさなどを、蓄積された社員のデータから分析します。分析結果から、ストレス原因への対策をうったり、メンタル不全者の配属基準の構築、復職をする際に適正な配置をすることが可能になります。また、配属後もマネジメントの改善などの対策を打つことができるので社員一人ひとりのメンタル不全を事前に防ぐことができます。 海外拠点を視野に入れた人材の確保に有効 海外拠点の人材を対象とした選抜制度、リーダーシップ育成研修などの一元管理に役立ちます。また、各国の人材の発掘や活用を効率的に実践することが可能です。各国にどんな人材がいるのかを把握することは非常に困難なので、蓄積されたデータから分析することにより、各国の地域人材を適切に確保できます。 キャリアの足跡を意識してみよう タレントマネジメントシステムに蓄積した社員のキャリアや実績などのデータから、個人のスキルに不足している原因などを的確にアドバイスできるため、適切な評価が可能となります。 また、社員自身が自分の目標と進捗状況を常に確認できるので、自分のキャリアや目標、自己アピールをシステムに登録し、確認しながらキャリアアップを目指せるのではないでしょうか。これからは、明確なビジョンを描き、自分のキャリアの足跡をしっかりと残し、確認しながら働くことが重要だと思います。 参照サイト: 「人事政策と働き方を変える「タレントマネジメントシステム」とは?」ダイヤモンド・オンライン 「タレント・マネジメントとは?」スマートビジョン 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.07.01

男性の育休における現実|賛成90%で取得率2%

2023.07.01

男性の育休における現実|賛成90%で取得率2%

人事制度・組織づくり

皆さんの会社では、育児休業(以下、育休)を取得している男性はいますか? 日本では、男性の育休取得がなかなか浸透せず、国の課題にもなっています。男性の育休取得について、現実と理想を見てみましょう。 育休について 育児休業(育休)とは、1991年に制定された育児介護休業法に基づいて、子供を養育する労働者が取得できる休業のことです。育休は、基本的に子供が1歳になる前日まで取得できます。女性の場合は、産後休業(出産日の翌日から8週間)終了日の翌日から育休取得が可能です。男性の場合は、子供が誕生した日から取得可能です。配偶者と交替で取得することもでき、保育所への入所時期などの事情などの事情により、育休期間を延長できる場合があります。 男性が育児休暇を取得するメリット まず、なぜ男性の育休取得率を高めるべきなのか考えてみましょう。それは、男性の育休取得は、他の社会問題ともつながりがあるからです。男性が育休を取得することで、以下のようなメリットがあります。 ・子育てに積極的に関わることができる ・家族との時間が多く取れる ・時間の効率的な使い方について意識するようになる ・女性の活躍の場が増え企業が活性化する ・仕事の効率化がすすみ、生産性がUPする ・企業イメージが向上する 広い目線で考えると、男性の育児参加を促進することで、女性の社会進出などにも間接的に作用するのです。 男性の育休取得の現実 このように多くのメリットがある男性の育休取得について、実に92%が賛成と答えており、世論は歓迎していることが分かります。(一般財団法人 経済広報センター「女性の活躍推進に関する意識調査」より)しかし、実際に男性が取得したかどうか状況をみてみると、2012年からの5年間で平均約2%とまだまだ低い割合となっているのが現実です。 男性が育休を取得したいのにできない理由 なぜ育休取得には賛成なのに、実際の取得率は低くなっているのでしょうか。その背景には、仕事を離れることへの不安や、職場における理解の低さ、会社によっては育休中無給である、などといった問題が根強くあるといわれています。 家計の中心となることが多い男性にとって、会社での立場や育休中の賃金は大きな障害となります。そのため、制度はあっても取得に踏み切れない男性が多いようです。 海外ではどうだろう?男性の育休事情 では、海外では男性の育休取得にどのように取り組んでいるのでしょうか。ノルウェーやスウェーデンでは、男性の育児への積極的参加を応援すべく「パパクオータ制度」という制度があります。父親が育休を取得しない場合、母親の育休権利が消滅してしまいます。夫婦で育児をしない家庭は、国からペナルティを与えられてしまうのです。また、育休中の賃金はほとんどが保障されます。このように、パパクオータ制度は男性の育休を国として積極的に後押しする制度です。その結果、ノルウェーでは導入前に5%程度だった男性の育休取得率が、現在では80%以上にまで向上しているそうです。 最近、日本の会社でも、男性が育休を取得しやすい風土や制度が見直されつつあります。筆者の知り合いにも育児休業を取得し「子供との時間を充実させた。」「育休を取得してよかった。」「復帰後、仕事に対する時間の使い方を工夫して働くよう意識するようになった。」などという声を聞きます。 男性だって育児休業を取得したい 男性が育休を取得しやすい風土づくりには、もちろん国や企業の制度づくりが重要です。しかしそれだけでは不十分で、社員一人ひとりの理解と意識によりようやく制度が有効に活用されるようになります。男性の育休に積極的な会社は、社員がいきいきと働き、限られた時間で結果を出すことができる会社へと成長します。まずあなたに出来ること、それは一緒に働く育休取得候補者への“理解と意識”です。そして、男性が育休を積極的に取得し、より働きやすい会社づくりに取り組んでいきましょう。 こちらの記事も読まれています: 仕事の効率化はコミュニケーションが取りやすい職場から  

2023.07.01

イノベーションリーダーに求められる能力と資質とは?

2023.07.01

イノベーションリーダーに求められる能力と資質とは?

人材教育

ビジネススキル

現代のグローバルビジネスに必要なのは、目まぐるしく変わり複雑化する顧客ニーズに応えることだけではありません。激化する価格競争やテクノロジーの進化にともない、新しい商品の開発や事業の構造改革といったこれまでにない価値を創造する力も求められるようになりました。今回は、グローバルビジネスに欠かせない企業のイノベーション力を育て、成長に変える「イノベーションリーダー」の存在について解説します。 なぜイノベーションリーダーが必要なのか? イノベーションリーダーというと、アマゾンのジェフ・ベゾス氏や星野リゾートの星野佳路氏などの名前が挙がります。 ベゾス氏は、電子書籍端末Kindleを顧客が望む価値とサービスを一体化させて提供することで、新しい事業構想を実現しました。そして、当時、技術的には優れた商品を持っていたソニーを引き離すことに成功し、その後も次々と画期的な顧客体験を提供しています。 星野氏は、現場主導の改革コンセプトをまとめることで従業員のモチベーションを高く保ち、新たな顧客価値を生み出すことに成功。行き詰ったホテル経営を見事に再建させました。 時代のニーズを先取りし、消費者の意識さえも変化させるようなイノベーション力が、企業の競争力となる時代となったのです。そして、既存の戦略やコンセプトを忠実に実行管理するリーダーではなく、このようなイノベーションを実現する能力を持つイノベーションリーダーが求められています。 イノベーションリーダーに必要な能力とは? イノベーションは、創造性を奨励する企業文化の創出、研究開発のプロセスの見直し、人事や奨励制度の改革など、さまざまな方面で成し遂げられます。イノベーションを実現させるリーダーには、どのような能力が求められるのかをみてみましょう。 明確なビジョンを持ち、他人を巻き込む求心力 現状を打開し、創造することは1人の人間だけで成し得ることではありません。ユニークなアイデアや優秀な人材を活かし、目標とするビジョンを目に見える形で周囲に提供する必要があります。 新しい顧客価値を作り出す力 いくら革新的なアイデアや優れた技術力を持っていても、それらを市場価値のあるものに昇華させなければイノベーションは実現しません。 ビジネスモデルをつくる力 新たな価値や商品を市場に投入するために必要な企画や生産体制、開発・調査やマーケティングの手法など、ビジネスの道筋を作る能力です。 イノベーションを実現する力 イノベーションは既存の価値や枠組みを壊して新たに創造する作業のため、現実と目標のギャップに苦しむことが多々あります。異なるバックグラウンドを持つ社内外のチームを団結させて、目的を遂行できるようにモチベーションを維持するのは、リーダーの舵取り手腕によるところが大きいのです。 イノベーションリーダーに求められる4つの人間的資質 イノベーションリーダーには実行能力とともに、以下に挙げる4つの人間的資質も必要です。 信頼関係を築く力 イノベーションにはリスクがつきもの。目的を達成するには、リスクを恐れずチームとして失敗を受け入れる相互信頼が必要です。 プロジェクトや組織への揺るぎない忠誠心 新しいものを創造する際は、不安や抵抗、リスクなどさまざまな困難がともないます。リーダーがビジョンからブレない信念と忠誠心を発揮することで、チームの団結を強めます。 組織序列にとらわれない柔軟さ イノベーションの実現には、ときには他部門や異業種とのコラボレーションにより、新しいアイデアを生み出す作業が必要です。 優れた説得力 人を動かす力は、リーダーがどれだけビジョンを明確に持ち、情熱を持って目的に向かっているかを示すところにあります。時には言葉、時には行動が周囲の協働意識を高めるのです。 ビジョンの実現に導くまとめ役こそがこれからのリーダー像 イノベーションリーダーは、個人プレイに優れた人材ではありません。むしろ組織やチームが最大限に機能するようポテンシャルを引き出し、ビジョンの実現に導く人材なのです。イノベーションが企業の未来を左右する力の源となることは理解されていますが、多くの日本企業ではこの分野における人材開発は始まったばかり。将来を見据えた人事戦略として、ぜひ取り組みたいものです。 なお、リーダーの育成やグローバル人材についての記事は、こちらでもご覧いただけます。 管理職に求められる3つのスキル 部署の環境はリーダー次第!? こちらの記事も読まれています: 部下の主体性を引き出すリーダーの資質「サーバントリーダーシップ」とは 海外グローバル企業の人材マネジメントはここが違う! 参考: Research: 10 Traits of Innovative Leaders|Harvard Business Review   

2023.06.23

内定者研修のベストな時期や内容|入社につなげるポイントを解説

2023.06.23

内定者研修のベストな時期や内容|入社につなげるポイントを解説

人材教育

内定を出した後、入社式までの時期は採用担当者にとって、やや緊張感が高い時期でしょう。 「内定を出したのに、辞退された」というのは、採用担当者としては、これまでの活動にかかった時間とコストが無駄になってしまうため、避けたい状況です。 そのため、採用プロセスだけでなく、内定者とのコミュニケーションが意識されるようになり、内定者研修の重要性が増しています。 ただし、内定を出してから入社までは半年以上と長い期間におよぶため、どの時期に何のコンテンツで内定者研修を企画すればいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。 今回は、内定者研修の時期や内容について、詳しく説明しましょう。 内定者研修とは 内定者研修とは、企業が内定者に対して行う研修のことです。 2016年度新卒採用以降では、経団連による採用スケジュールの変更が行われたため、選考活動は大学4年生の8月以降となりました。それにともない、内定者研修もそれ以降の時期に実施することになります。 内定者研修そのものは必須ではないため、実施している企業もしていない企業もあります。少なくとも内定者研修を実施すること自体は、学生にとって「新入社員を大事にする会社」という好印象につながりやすくなるでしょう。 内定者研修を実施する目的・メリット さっそく内定者研修を実施する目的やメリットから考えていきましょう。 内定者のフォロー・内定辞退の防止 多くの内定者は、初めて企業で働くことに対して不安や疑問を抱えているものです。 内定者研修を行うことで、企業で働くことや職場のイメージを高めてもらい、不安を払拭する目的があります。 内定者研修を実施せず、内定者に対して何のフォローも行わなかった場合、内定者の不安はどんどん大きくなるでしょう。 「この会社に入社していいのだろうか?」「自分は会社員としてやっていけるのだろうか?」と考え込んでしまい、最悪のケースでは内定辞退を招くこともあります。 このように内定者研修は、内定者を心理的にフォローをして、安心して社会人としてのスタートを切ってもらう目的があるのです。 内定者の入社後の早期戦力化 内定者が入社して、速やかに戦力として活躍してもらうためにも、内定者研修は効果があります。 就業経験がない内定者にとっては、初めての社会人生活では覚えることだらけです。入社してから社会人としての導入教育を行うと、その分現場で戦力になる時期に遅れが生じることになるでしょう。 その点、内定者研修を施して基礎的なビジネスマナーや社内用語を覚えてもらえるだけで、入社後の立ち上がりのスピードが上がります。 また、内定者本人の気持ちとしても社会人スタート前に、少しでも社会人の基礎を習得しておけば、自信を持って入社をすることもできるでしょう。 内定者研修の実施方法 内定者研修ですが、実施方法はいくつか考えられます。内定者の居住地域や教育する内容に応じて、最適な実施方法を選ぶことで内定辞退を未然に減らすことにつながります。 プログラムが豊富で導入しやすい「通信教育」 通信教育でもっとも多いのは、実務に直結する資格の取得(簿記、宅建、情報処理技術等)をめざした学習プログラムを実施する企業です。 その他に、ビジネスマナー(敬語の使い方、接客対応等)、語学研修(英語検定、TOEIC®等)も。特に、eラーニングは場所や時間を選ばず、自分のペースで進められ、スマートフォンでも対応可能なことから、若い世代にとってはなじみやすい教材として、需要を伸ばしています。 モチベーションアップにつながる「集団学習」 ワークショップ形式で課題を出し、グループワークとして取り組む集団学習や講演会は、入社前に同期が時間をともにすることで、モチベーションアップにつながる機会でもあります。 ただ、準備、時間、予算等の関係で頻繁な開催は難しく、eラーニングや通信教育と組み合わせて、最大限の効果を狙う企業が多いようです。 入社前に職場に触れさせる「インターンシップ」 インターンシップやアルバイトは、学生が入社前に直接職場に触れることができる絶好の機会です。 しかし、それには担当部署の十分な協力体制が欠かせません。準備不足だと、忙しさゆえに十分な指導ができなかったり、人手不足を補うアルバイトとして扱ってしまったりして、逆効果ということもあります。 以上のように、入社前に社会人として求められるビジネススキル、仕事に必要となる知識や資格を身に付けることで、新社会人としての意識づくりと仕事へのモチベーションアップにつなげることができます。 また、同期と触れあう機会や、職場を実際に体験することは、会社への理解を深め、ロイヤリティ(忠誠心)を培う土壌にもなります。 代表的な内定者研修の内容 実施方法でも部分的に触れましたが、内定者研修の内容・コンテンツで代表的なものをあらためて紹介します。 ビジネスマナー・ビジネススキル どのような業界・職種でも共通して必要となるビジネスマナーやビジネススキルは、内定者研修ではメジャーなコンテンツです。 具体的には以下のような内容が一般的でしょう。 【ビジネスマナー】 ・名刺交換 ・言葉遣い ・電話対応 ・身だしなみの整え方 【ビジネススキル】 ・資料の作成 ・ビジネス文書の作成 ・OAスキルの習得 ・コンプライアンスの習得 これら基礎的なマナーやリテラシーが習得できているだけで、例えば入社後に「一日のスケジュールを計画する」や「業務日誌を書く」等の作業がスムーズにできるようになります。 会社理解・相互理解 会社理解や、内定者間の相互理解も、内定者研修とは相性がよいコンテンツです。 具体的には以下のような内容が一般的でしょう。 【会社理解】 ・主力製品・サービス理解 ・製品・サービスの開発背景の理解 ・会社の沿革の理解 ・企業理念やミッション・ビジョンの理解 【相互理解】 ・内定者同士の自己紹介 ・性格検査を用いたグループワーク ・特技や入社後の目標の共有 会社の理解が進むことで、会社へのエンゲージメントが高まり、帰属意識が芽生えやすくなります。 また、入社後に同じ会社で頑張っていく「仲間・同志」の存在を感じることは、入社後につまづいた際等にも、心強い存在となることでしょう。 内定者研修を行う時期とテーマ 最後に、内定者研修を行う時期ごとに、ふさわしいテーマについて紹介します。 夏(6-8月) この時期は、入社を決意した人もいれば、複数の企業から内定や内々定をもらい、就職先を迷っている人もいます。 内定者の不安を払拭し、入社意思を固めてもらうためにも、企業理解の促進や同期との関係性を深める研修を行いましょう。 例えば内定者研修で、会社の今後のビジョン等の魅力を伝えることで、入社を迷っている学生の背中を押す効果が期待できるでしょう。 または、現場の第一線で活躍する先輩社員との座談会等も、この時期のコンテンツとしては最適です。 さらに、夏休みで学生も時間にゆとりがあると思うので、内定者同士の関係性構築のための内定者研修も効果的です。 懇親会やチームビルディング研修等、関係づくりを目的とした研修を実施すれば、会社を安心な居場所として認識してもらえます。 いずれにしても、夏の時期は「この会社に入社を決める」という決意を固めてもらうようなテーマを企画することが望ましいでしょう。 秋~冬(11-1月) 内定者の入社意思が確定し、無事に内定式を迎えたら、次は社会人としての意識を開発していきましょう。 この時期の内定者研修としては、学生から社会人へとマインドやスタンスが切り替えられるような研修がおすすめです。 ビジネスマナーやビジネススキルが一般的なテーマとなりますが、なかには外部の講師を招いての研修等を行う企業もあります。 プロの外部講師が加わるだけで、一気に社会人としての自覚を促す効果があるでしょう。 この段階でしっかりと4月に向けてのマインドセットを行うことで、残りの学生生活でも自己研鑽に取り組む学生も増えるかもしれません。 冬~春(2-3月) この時期は、学生時代の終わりが見えてきて、いよいよ4月からの社会人スタートに思いを馳せる時期です。 この時期の内定者研修は、実際に実務に関係するようなビジネススキルの習得がふさわしいでしょう。 汎用的なビジネススキルの教育や、より早期での独り立ちを期待するのであれば、配属先の業務知識の付与等も候補となります。 ただし、あくまでまだ自社の社員ではないため、「学び」の範囲であることに配慮してください。内定者はまだ自社と雇用契約を結んでいない立場のため、労務的な点では注意が必要になります。 研修への参加を強要するようなことも、避けてください。 また、この時期は卒業論文や卒業旅行等で、学生も忙しい時期です。 あまりに頻繁に研修を行うと学生の負担が大きくなってしまうため、学生の状況を考慮したうえで開催回数や時期、内容を決定しましょう。 まとめ 内定者研修を行う理由のひとつには、入社後の新人研修を円滑に進めるための下準備があります。 しかし、昨今ますます意識されている理由がほかに2点あります。ひとつは、内定者の不安を解消すること。 入社までに企業からの接触が少ないと、内定者は自分の決断が正しかったのか不安になります。 もうひとつは、自社がどれだけ「人材開発に投資」し、「社員教育に熱心」であるかということを、内定者にアピールすることです。 学生にとって、終身雇用という概念はもはや当たり前ではなく、将来的に会社に頼らずとも「使えるスキルを身に付けたい」という向上心が目立つようになっています。 そのため、就職先がどれだけ自分に投資し、能力を高めてくれるかが重要視されています。ここで他社に後れを取ると、結果として内定辞退を招きかねません。 このように、内定者研修には、新人研修をスムーズに行える、会社への理解度が上がる、同僚や上司との円滑な関係への取っ掛かりとなる、といったプラス効果が大いに期待できます。 そのため、今後は、採用プロセスから入社後の新人研修まで続く連続したプロセスとして内定者研修を位置付け、さらに内定者に対してきめ細やかな対応をすることが求められます。   低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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