情報リテラシーとは?低い人の特徴と高めるための改善施策を解説

2024.02.08

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情報リテラシーとは?低い人の特徴と高めるための改善施策を解説

情報が溢れる昨今のビジネス環境においては、どのような業種・職種で働く場合であっても「情報リテラシー」が求められます。

ただし情報リテラシーの重要性は知っていても「自分の情報リテラシーが高いか低いか分からない」「リテラシーが低いと、どんなリスクがあるのか?」等の疑問の声も聞かれます。

本記事では、情報リテラシーが求められる背景や低い場合の特徴、具体的な情報リテラシーの高め方を紹介します。

自分自身の情報リテラシーをチェックしたい方も、自社の社員の情報リテラシーを向上させたいとお考えの方も、参考にしていただければ幸いです。

情報リテラシーとは

情報リテラシーとは、情報を適切に読み取り、目的に合わせて正しく活用する力です。

「情報社会」と呼ばれる昨今、世の中にはさまざまな情報が溢れています。
つまり情報とは、インターネットで発信や受信されるものだけでなく、新聞やテレビ・書籍・雑誌・人から聞いた噂等、この世の中にあるすべての「意味や事情についてのコンテンツ」を指します。

具体的に情報リテラシーの中身を分解すると、以下のようになります。

・情報を検索して、選び取る力

・情報を分析し、真偽を見極める力

・正確な情報を発信する力

とりわけ、情報を扱いながら仕事をする社会人にとって、情報リテラシーは重要なスキルとなるでしょう。

ITリテラシーとの違い

「ITリテラシー」とは、IT(情報通信技術)を使う際に必要とされる能力のことです。

多種多様なITツールが増えている現代では、通信内容やネットワーク・セキュリティ等の理解と、正しい判断や操作が求められます。

情報リテラシーのなかでも、ITに特化した能力がITリテラシーといえます。

メディアリテラシーとの違い

「メディアリテラシー」とは、新聞・テレビ・雑誌等のメディアが発信する情報を正しく読み取り、自分の仕事に活用する能力です。

ITリテラシーと同様に、情報リテラシーのなかでもメディアに特化した狭義の能力といえます。

情報リテラシーが求められる背景

情報リテラシーという言葉を頻繁に耳にするようになったのは、インターネットの普及や個人の情報発信が増えたことがきっかけです。

具体的にどのような背景から、情報リテラシーが求められるようになったかを紹介します。

1. インターネットの普及

情報リテラシーが求められるようになった大きな要因のひとつは、インターネットの普及でしょう。

幅広い世代でインターネットの活用が当たり前になる状況で、多くの人がブログやSNSに情報を掲載できるようになりました。

一方で、曖昧な情報が増えてしまい、情報の信憑性を見極める必要性も出てきたのです。

また、簡単に情報が集められる分、書籍や新聞でしっかりとリサーチすることも減ってしまいました。

正確さよりも手軽さを重視して、インターネットを活用することに慣れてしまったからです。

このようにインターネットの普及により、より正しい情報を見極める情報リテラシーの重要性が増したといえます。

2. SNS等での個人発信の増加

近年SNS上での個人の情報発信が容易になったのも、情報リテラシーが求められるようになった背景のひとつです。

FacebookやInstagram、X(旧Twitter)に代表されるSNSを通じ、個人が情報を簡単に発信できるようになりました。

SNSが身近になればなるほど、間違った情報の拡散や誹謗中傷等のトラブルも増えています。

気軽に発信した内容が、社会問題へと発展するニュースも頻繁に話題になるようになりました。

そのようなSNSを通じたネガティブなニュースや事件を背景に、情報リテラシーを求める潮流が広まっていったといえます。

情報リテラシーが低いことで発生するリスク

現代社会では、情報が大きな影響力を持つため、情報リテラシーが低いと思わぬ不利益を被る危険性があります。

本章では、情報リテラシーの低さが引き起こすリスクについて考えていきます。

1. 周囲からの信頼を失うリスク

情報リテラシーが低いと、発する情報について周囲からの信頼を失うリスクがあります。

特にSNSの影響力は近年大きくなり、プライベートはもちろん、企業広報のツールとして使われる機会が増えています。

仮に、企業の広報用SNSで、誤った情報や周囲が不快になる情報を発信すると、取引先企業からの信頼を失ってしまうでしょう。

また、個人アカウントのSNSで会社の内部情報を漏らしてしまうと、コンプライアンス違反となるリスクもあります。

2. 情報漏洩のリスク

情報リテラシーが低いと、セキュリティに対する感覚が甘くなり、企業の内部情報の漏洩につながります。

一例として、取引先からの連絡と思い込んでウイルス付きのメールを開いてしまうようなケースが挙げられます。

ウイルスに感染すると、メールやパソコンの情報を抜き取られ、悪用される可能性もあるでしょう。

場合によっては、個人情報のみならず、企業の機密情報まで漏洩するリスクもあります。

サイバー攻撃による情報漏洩を防ぐためにも、セキュリティやウイルスについての情報リテラシーを高める必要があるでしょう。

情報リテラシーが低い人の特徴

情報リテラシーの重要性やリテラシーが低い場合のリスクを知ると、自分の情報リテラシーのレベルはどの程度なのか心配になる人も多いのではないでしょうか。

本章では、情報リテラシーが低い人に共通する2つの特徴を紹介します。

1. 情報を疑わず、自分で検索しない

身の周りの情報を鵜呑みにしてしまい、情報を疑わないことです。

「疑う」という言葉はやや悪い響きがありますが、情報が溢れる現代社会では、情報に対して「本当だろうか?」という姿勢が大切です。

情報リテラシーが低い人は、このような情報に懐疑的に接するスタンスが欠けています。

また、仮に情報を疑ったとしても、その後に自分で調べるという行動をとらないことも、情報リテラシーが低い人の特徴です。

特にインターネットの検索エンジンによるリコメンド情報を受動的に受け取っている人は、自ら能動的に情報を取りに行く動きに弱い傾向にあるでしょう。

2. インターネットの危険性を理解していない

インターネットの利便性ばかりに注目してしまい、危険性を理解していないということも情報リテラシーが低い人の特徴です。

インターネット上には有用な情報もある一方で、間違った情報や犯罪に該当するような情報も掲載されています。

新聞や書籍のように、多くの関係者が校正や推敲を重ねて発信された情報とは異なり、SNSをはじめとしたインターネット上の情報は、ほぼ検閲が入っていません。

このような情報精度の違いに目を向けず、インターネットの危険性を感じていない人は、情報リテラシーが低いといえるでしょう。

情報リテラシーを高めるための取り組み

ここまでお伝えしてきたように、情報リテラシーが低いと、さまざまなリスクが生じる可能性があります。

本章では、情報リテラシーを向上させるための方法を紹介します。

1. 信頼できる媒体から情報を収集する

情報を収集する際は、できるだけ信頼できる媒体を利用するようにしてください。

一般的に、新聞・政府刊行物・企業の公式HP等は、信頼できるメディアといえるでしょう。

さらに、情報の信憑性を高めるためには、複数の媒体から情報を取得することもお勧めです。

いくら信頼できる媒体であっても、情報には発信する人の主観がある程度は入ります。

そのため、複数の媒体から情報を収集し、どの情報が信じるに値するかを自分で考えて判断する癖をつけましょう。

2. 自ら情報発信をする習慣をつける

情報リテラシーを高めるには、自ら情報発信をする機会を増やすことも重要です。

正しい情報を発信するためには、あらかじめ情報そのものに接する機会が必要となります。

その過程で、情報の精度や信頼性を確認する習慣も付きやすくなるでしょう。

発信ツールはSNSやブログ等、受信者から反応のあるものがお勧めです。

コメントやリアクションでのフィードバックを基に、発信内容や表現の精度を高めていくことで、情報リテラシーも鍛えられます。

3. 情報リテラシーに関する資格を取得する

本格的に情報リテラシーを高めたい人は、資格の取得もお勧めです。

代表的な資格として、次の3つが挙げられます。

・情報検定(J検)

文部科学省が後援している、現代で求められる情報処理技術を総合的・体系的に習得できる資格です。

試験は「情報活用試験」「情報システム試験」「情報デザイン試験」の3つの分野で構成されています。

このなかでも「情報活用試験」は、情報を利用・活用する能力が問われる試験となるため、情報リテラシーが高めやすいでしょう。

参考:情報検定

・ITパスポート試験(iパス)

情報処理推進機構が実施している、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。

最先端のITの技術はもちろんのこと、情報セキュリティ等の情報社会を生きるうえで必要な能力が総合的に問われます。

経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務等)に関する知識も身に付くため、特にビジネスでITを活用したい人にお勧めです。

参考:ITパスポート試験

3. 情報セキュリティマネジメント試験

ITパスポート同様、情報処理推進機構が実施している国家試験です。

ITによる情報セキュリティ技術は日々向上しているものの、情報を守る要となるのは「人」です。

「情報を適切に管理できる人材を育成する」という社会的ニーズに応える試験であるため、昨今の潮流にあっている試験といえるでしょう。

機密情報を守り、ITの安全な利活用を推進する立場の人にお勧めです。

参考:情報セキュリティマネジメント試験

まとめ

「情報社会」と呼ばれる昨今の環境においては、情報を見極め、活用していく能力が必要不可欠です。

DX推進を含め企業でも積極的にIT技術を取り入れる流れもあり、今後もビジネスパーソンに情報リテラシーを求める動きは加速していくでしょう。

情報リテラシーを向上させるためには、日常的に情報を扱う習慣にくわえ、資格取得やリテラシーを高める講座受講等、さまざまな手段があります。

ご自身、または自社社員の現状の情報リテラシーレベルや求めたいレベルに応じて、向上のための施策を選ぶようにしてください。

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2023.07.12

知ると便利!後輩指導で使える「コーチングスキル」

2023.07.12

知ると便利!後輩指導で使える「コーチングスキル」

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新入社員を迎えて、初めて後輩の面倒を見る立場となったとき、先輩としてどのように接し、指導したらよいかと悩むところです。そんなときに知っておくと、後輩指導がスムーズに運び、先輩としての格もあがるのが「コーチング」(coaching)スキルです。 相手の力を最大限に引き出すコーチングとは? コーチングとは、相手が本来持っている能力やスキル、本人も気づいていないポテンシャルを最大限に引き出し、パフォーマンスを向上させる人材開発手法のひとつです。コーチは相手の話に耳を傾け、その考えや主張を承認したり、相手が自ら答えを導き出せるような質問をしたりすることで、自発的にパフォーマンスを高め、目標を達成させる手助けをします。 スポーツでは、素質に恵まれた選手が優秀なコーチの指導のもとで初めてその才能を開花させ、世界で活躍するという例がよくあります。サッカーや野球といった団体競技でも、監督やコーチ陣の指導があってこそ、各選手の才能がチームプレーに活かされます。職場でも同様に、上司やリーダー、先輩の立場に立つ者が優秀なコーチとして力を発揮することで、部下や後輩がより活躍しやすい環境を整えられるのです。 コーチングを成功させる4つのポイント 後輩の指導で使える具体的なコーチングのポイントを、以下に挙げてみましょう。 話をよく聞くこと コーチングは相互コミュニケーションなので、コーチはただ指示を出せばいいというわけではありません。 話し手が自分は受け入れられているという安心感を持てるように、相手の言葉に耳を傾けることが大切です。 また、適宜相づちを打ち、話を促すように問いかけることで、相手にとって話しやすい関係を築けます。 フィードバックで信頼関係を築く こまめなフィードバックも欠かせません。 後輩がプロジェクトの成功に貢献したり、陰ながらいい仕事をしたりしたときは都度評価をし、また、失敗したときにはさりげなくフォローをします。 「自分を見てもらえている」「働きを評価してくれる人がいる」という「承認」を相手に与えることが大切。こうした承認行動は信頼関係の基礎となり、チーム力のアップにもつながるのです。 相手に考えさせる質問で自律性を磨く 相手がするべきことを手取り足取り教え、従わせることがコーチングではありません。 むしろその逆で、自ら気づき、考え、行動に移す自律性をつけさせることでパフォーマンスの向上を図るものです。 そのため、質問のしかたにも工夫が必要です。例えば、遅刻癖のある後輩にあなたはどう声をかけるでしょうか。 「どうしていつも遅れるの?」と問い詰めるだけでは、効果は期待できません。 それより、「どうしたら遅れないようになると思う?」と聞くことで自発的に解決法を考え、実行できるように導くことが大切なのです。 相手のタイプに応じてアプローチを変える 同じ言葉をかけても、受け取り方は人によってさまざまです。 そこで、相手の性格によって接し方を変えていく必要があります。参考にしたいのが、人の性格を9タイプに分類する性格応用心理学「エニアグラム」です。 以下にその9つのタイプをまとめましたので、普段から後輩を観察してタイプを見極め、対応を変えることを心がけてみましょう。 タイプ1 完ぺき主義者 特徴:まじめで責任感が強く、すべて完璧にこなしたがる。 コーチングポイント:日ごろのひとつひとつの努力を評価する。息抜きの仕方を教える。 タイプ2 世話好きな人 特徴:世話を焼き、人を助けることを好む。 コーチングポイント:その行為を褒める。自己犠牲のし過ぎに注意を向けさせる。 タイプ3 成功を追い求める人 特徴:結果第一主義で、挑戦意欲が強く行動力がある。 コーチングポイント:能力や実績を褒める。ときには、結果より周囲との関係の大切さを気づかせる。 タイプ4 特別でありたいと思う人 特徴:感情的でクリエイティブ、自己表現欲求が強い。 コーチングポイント:個性を尊重する。チームプレーの重要さを説く。 タイプ5 知識を得て観察をする人 特徴:知識が豊富で思慮深く、客観的判断ができるが、理屈っぽくクール。 コーチングポイント:論理的な話を心がける。他人への気配りや共感力を伸ばす。 タイプ6 慎重で安全を求める人 特徴:几帳面で慎重かつ保守的、忠誠心が高い。 コーチングポイント:慎重さのあまり考えすぎるので、細かく指示を出す。 タイプ7 楽しい至上主義な人 特徴:アイデアが豊富で、行動力はあるが長続きしない。 コーチングポイント:長所を伸ばす。地に足をつけて取り組む姿勢を身につける。 タイプ8 自己主張が強いチャレンジャー 特徴:他人との衝突を恐れず、リーダーシップを発揮できる。 コーチングポイント:自主性を尊重して任せる。妥協や協調の精神を学ばせる。 タイプ9 調和を好むマイペースな人 特徴:調和を愛し、他人との衝突を好まず協調性に富む。 コーチングポイント:プレッシャーをかけず、話をよく聞く。マイペースに取り組ませる。 後輩指導にあたって注意すべきポイント コーチングを後輩指導に活用する際には、次の点に注意することが重要です。 相手の立場に立つ 後輩の立場に立ち、相手の目標や課題に共感することが大切です。自分自身が経験したことを押し付けるのではなく、相手自身が答えを出すことを促すことが求められます。 質問を用いたコミュニケーション コーチングでは、質問を通じて相手の考え方を促すことが重要です。質問を通じて相手自身が答えを出すことで、自己効力感を高めることができます。後輩指導においても、質問を用いたコミュニケーションを心がけることが大切です。 フィードバックの与え方 後輩に対してフィードバックを与える場合は、具体的かつ具体的な内容を伝えるようにしましょう。フィードバックを受け取る側がどのように改善すれば良いのかを明確に伝えることが大切です。また、フィードバックを与える際には、相手の成長に繋がるようなポジティブなフィードバックを心がけることも重要です。 モチベーションの維持 後輩指導を行う場合には、相手のモチベーションを維持することが重要です。自己成長を促すためには、相手のやる気を引き出すことが必要です。自分自身で目標を設定し、それに向かって行動することができるよう、アクションプランを立てることが求められます。 評価の仕方 後輩指導においては、評価の仕方も重要です。成長のためには、適切な評価が必要です。しかし、適切な評価を行うためには、事前に目標や基準を共有しておくことが必要です。また、フィードバックを与える際には、具体的かつ建設的な内容にするようにしましょう。 後輩指導にはコーチングスキルを磨こう コーチングは対話を通して相手に気づきやきっかけを与え、やる気や可能性を引き出すコミュニケーション手法です。先輩として後輩指導にあたるときに備え、コーチングスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。 今どきの新入社員の育て方については、以下の記事でもご覧いただけます。 いまどきの新入社員をどう育てる?教育法と注意点 人材育成における課題―新入社員が育つ環境とは? 採用・研修担当者必読!今どきの若者の働く意識を解読 こちらの記事も読まれています: 管理職に求められる3つのスキル 若手社員のモチベーションを上げるには? 参考: The Nine Enneagram Personality Types|The Enneagram Institute eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 部下の指導にも活用できるコーチングスキルを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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