Cloud Campus

チームビルディングとは?メリットやマネジメント手法を紹介

2024.06.26

ビジネススキル

キーワード
  • チームビルディング
  • マネジメントスキル
チームビルディングとは?メリットやマネジメント手法を紹介

組織が競争力を発揮するには、単に優秀な人材がいるだけでなく、社員それぞれの個性や力を最大限に発揮できていることが重要です。

特に、VUCAの時代といわれる変化が激しい現代のビジネス環境においては、社員個々人が状況変化に対応できる柔軟な組織づくりが求められます。

そこで注目されているのが、組織開発の手法である「チームビルディング」です。

本記事では、チームビルディングの定義やチームワークとの違い、チームビルディングの5つの段階や代表的な手法まで幅広く紹介します。

社員の能力や多様性が活かされるチームを作りたいとお考えの方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

チームビルディングとは?

チームビルディングは、組織開発の手法のひとつです。

組織ビジョンや目標を達成するため、チームに所属するメンバー個々人の能力や個性が最大限発揮できる環境整備や取り組み全般を指します。

チームビルディングの特長は、メンバー一人ひとりの個性に注目し、本来の特性を重視している点にあります。組織に合わせて無理にメンバーの個性を修正するのではなく、本来所持している持ち味やスキルを活用することで、より大きな組織力を生み出すのが目的です。

新しく生まれたチームに活用できることはもちろんのこと、チームビルディングは既存チームの結束や生産性をより一層高めるためにも効果があります。

チームワークとの違い

チームビルディングと似たような言葉として挙げられやすいのが「チームワーク」です。

チームワークとは、メンバーが組織目標を達成するために、スムーズに共同作業が行えるという目的があります。

組織目標の達成に向けてメンバー同士が連携するという観点では、チームビルディングと共通する点も多いといえます。

ただし、チームワークは個々人の弱点をメンバー間で補完しながら、ある課題を乗り越えることに主眼を置いた考え方です。

そのため、チームワークは短期的、かつ特定の課題に対して用いられることが多いでしょう。また、課題解決が重要視されるため、メンバー個人の能力開発や成長にはそれほど力点が置かれません。

一方、チームビルディングは個人の能力を引き出し、企業に中長期的な付加価値をもたらすことを目的としています。

メンバーの育成や成長にもきちんと着目し、ある程度中長期的な視点で取り組むのが特長です。

チームビルディングマネジメントの目的や意義

組織的・戦略的にチームビルディングに取り組むことを「チームビルディングマネジメント」といいます。

本章ではチームビルディングをマネジメントすることで、どのような状態を実現したいかという3つの目的についてお伝えします。

目的①企業ビジョン・ミッションの浸透

チームビルディングマネジメントの目的の1つは、企業ビジョン・ミッションの浸透です。

企業ビジョンやミッションを反映したチームビルディングを実施すると、自然な形で組織に企業の考え方が浸透しやすくなります。

そのためチームビルディングは、期初のキックオフや新規プロジェクトの立ち上げの際に導入される傾向があります。

企業ビジョンの重要性が理解できることはもちろんのこと、中長期的にビジョンが浸透する風土形成にも効果があるでしょう。

目的②組織の結束力強化

メンバー一人ひとりの結束力を強固にするために、チームビルディングを用いるケースもあります。

具体的には、組織の目標共有や達成に向けて、お互いが果たすべき役割を考えるような設計で、チームビルディングを実施します。

組織の存在意義や達成すべきミッションの目線がチームメンバー間でそろうことで、スムーズなコミュニケーションや結束力を高めることが2つ目の目的です。

また、ミッション達成に向けてのお互いの役割が明確になれば、メンバー個々人の自律的な行動も促せるでしょう。

目的③コミュニケーションの活性化

チームビルディングを行う3つ目の目的は、コミュニケーションの活性化により、メンバーの心理的安全性を高めることです。

メンバー同士の相互理解や相互承認を高めるようなチームビルディングを実施すれば、コミュニケーションの基盤ができます。

お互いの多様性を認め合うフラットなコミュニケーションが多くなるほど、何でも率直に話し合えるような安心感が形成されるものです。

その結果、自分の意見を安心して場に出せる「心理的安全性」が醸成されていきます。

心理的安全性が高まっている組織では、会議の場での意見交換が活性化し、新しいアイデアが生まれやすくなるでしょう。

チームビルディングマネジメントのメリット

チームビルディングマネジメントの実施目的は前章で紹介した通りですが、本章ではもう少し具体的な3つメリットをお伝えします。

1. 社員のモチベーション向上

チームビルディングを行うことで、社員のモチベーションの維持・向上がしやすい点がメリットです。

チームメンバー間で意見・アイデアを出し合うことで、一人では成し得なかった目標が達成できれば、メンバーのモチベーションは向上します。

チーム全体での成功体験を積むことで、組織への貢献意欲も高まっていくでしょう。

さらに、他メンバーと関わることで自分でも気付いていない特性を発見したり、周囲からどのように必要とされているかを自覚できたりします。

このようなやりとりやきっかけを通じ、自分の役割を強く自覚できるため、組織や仕事に対するモチベーションが向上していくのです。

2. 組織の生産性向上

チームビルディングを実施することで、組織の生産性が上がりやすくなることもメリットです。

具体的にはチーム内のコミュニケーションがスムーズになり、互いの情報共有が活発になることで、メンバー一人ひとりの生産性が高まります。

特に経験の少ない若手メンバーが多いチームでは、お互いにサポートしあう土壌は不可欠です。

心理的安全性が高まっていない状態では「この意見は言わないでおこう」「もっとアドバイスできるけれど、まあいいか」と、情報交換が消極的になりやすくなります。

メンバー間の信頼感が高まり、常にアイデアやノウハウの共有がなされている状態が生まれることで、生産性だけでなく組織の問題解決力の向上も期待できるでしょう。

3. アイデアやイノベーションの創出

チームビルディングは、アイデアやイノベーション創出にもつながりやすくなります。そのため、新規事業のキックオフでチームビルディングを実施すると効果的です。

新規事業は想定外の困難な出来事も多いため、メンバー全員の知恵を場に出して問題解決することが求められます。

メンバーで情報交換を重ねることで「自分の抱えている問題は、○○さんに相談すればヒントが得られるかも」と、メンバー間の相乗効果が生まれていきます。

チームでの議論が前向きで活発になればなるほど、イノベーションが創出しやすい組織風土に進化しやすいでしょう。

チームビルディングの5段階プロセス

どのように優秀な人材を集めたチームでも、最初から成果が出せるとは限りません。成果を出すチームになるためには、組織の成長ステップを経る必要があります。

本章では、心理学者のブルース・W・タックマンが1965年に提唱したチームビルディングのフレームワークを紹介します。

成果を出すためにチームが通る5つのプロセスを具体的にご確認ください。

1.形成期

「形成期」は、プロジェクトを立ち上げるタイミング等、チームが形成されたばかりの初期段階です。

この段階では、まだチームメンバーがお互いのことを知らないため、コミュニケーションへの緊張感やぎこちなさが生じてしまう傾向があります。

それぞれの役割も理解しきれていないため、メンバーは自身にどのような言動が求められているのかを把握するのも難しいでしょう。

そのため、仮に何か問題が起きたとしても、「誰かが対応するだろう」と消極的な態度になってしまう点が課題です。

形成期でまず求められるのは、コミュニケーションの量です。

自己紹介にくわえて、交流のためのゲームを行ったり、懇親会を開催したりすることが有効な手法でしょう。

2.混乱期

「混乱期」は、お互いのことを少しずつ知るプロセスを経て、それぞれの考え方の違いが表面に出始める時期です。

この段階では、チーム目標は明確に定まっており、プロジェクトも進み始めています。しかし、お互いの理解が進んだからこそ、価値観や思考の違いに意識が向きやすく、対立構造が起きやすい段階です。

ただし、組織として成熟していくためには、混乱期は避けては通れない重要な時期でもあります。混乱期を通じることで、さらにお互いへの深い理解が生まれ、その先のプロセスがスムーズに進められるからです。

混乱期で求められるのは、コミュニケーションの質です。

対立が起こっても放置せず、チーム内で納得するまで話し合ったり、お互いの考え方や背景情報を交換し合ったりするような対話が重要となります。

3.統一期

無事に混乱期を乗り越えると、メンバーの相互理解が進み、チームが一丸になりやすい「統一期」を迎えます。

この段階になると、メンバー全員が組織・プロジェクト目標や自身が果たすべき役割を前向きにとらえ、他のメンバーと能動的・安定的な協力関係を築けるようになります。

統一期で求められるのは、小さな対立を乗り越えてでも、メンバー全員が合意した目標を達成することです。

その他、チーム内の規律やルールを守りながら、分担した役割を果たすことも求められます。

安定を乗り越えて次のステップに進むためにも、この段階でお互いの成功体験を話し合い、チームとしての組織力を高めることも有効でしょう。

4.機能期

「機能期」は最も組織機能が成熟しているステップであり、組織として高いパフォーマンスが期待できます。

メンバーそれぞれが自分の役割を強く自覚し、積極的・自発的な行動を起こし始めるため、優れた成果が次々と上げられるようになっていくのです。

機能期で求められるのは、高いパフォーマンスを継続していくための取り組みです。

チームワークを高めるためのアクティビティを実施したり、リーダーがメンバーに対して丁寧なメンタルケアを行ったり、メンバーの自律を促す工夫が必要となります。

一般的に、チームは統一期から機能期に移行することが難しいといわれているため、壁を乗り越えるためにもチームビルディングが効果を発揮するでしょう。

5.散会期

「散会期」とは、目標達成やプロジェクトの終了等で、チームがその役割を終える時期のことです。

どれほど優秀なチームでも、組織内で永続的に同じメンバーで活動し続けることはありません。散会期と聞くとネガティブな響きもありますが、メンバーがこのチームの経験を活かして次のステップに進むために、必要な期間ととらえましょう。

この段階で求められるのは、経験の棚卸しや振り返りです。

活動のフィードバックを行い、各メンバーのさらなる成長につながる機会を設けることが効果的です。

ひとつのチームができ上がっていく5つのステップを経たメンバーは、他の業務でも力を発揮する力強い存在となることでしょう。

チームビルディングマネジメントの代表的な5つの手法

具体的にチームビルディングを行うにはどのような手法があるのでしょうか。本章ではメジャーな5つの手法をご紹介します。

昨今はオンラインやITツールを用いたチームビルディングも増えているため、手法と合わせて実施形態もご検討ください。

1. ゲーム

「マシュマロチャレンジ」や「NASAゲーム」等のビジネスゲームは、チームビルディングの代表的な手法です。

特に、前述した5段階のプロセスで形成期にあるチームは、ゲームを取り入れたチームビルディングが効果的といわれています。

形成期では、まだお互いへの理解が進んでおらず、組織内にぎこちなさやよそよそしさが漂いがちです。次のステップに進むためには、できるだけ早く緊張を解くことが重要なため、ゲームでお互いの交流を深めましょう。

時間配分や対戦チームの動向等も意識する必要があることから、戦略的な思考を養うことにもつながります。

2. アクティビティ

お互いの緊張が緩和してきた段階では、スポーツやダンスのようにチーム全員で身体を動かすアクティビティが有効です。

チームとして成果を上げるには、メンバーが共通の目標に向かって一致団結することが不可欠です。
チームメンバーが一丸となって行動するには、アクション要素があるアクティビティが効果を発揮します。

あれこれと思考を巡らせる必要がないアクティビティは、メンバー間の率直なコミュニケーションを促すきっかけになります。

チームメンバーの関係性をフラットに近づけやすく、信頼や団結を深めるのに適した手法といえるでしょう。

3. イベント

イベントの開催は、メンバーの相互理解を深める絶好の機会となります。

例えば、懇親会や座談会を行うことで、メンバーのありのままの姿を理解する効果があります。少し仕事を離れてリフレッシュしたい場合は、バーベキューや社員旅行等の社外でのイベントを開催するのもひとつの方法です。

仕事以外のプライベートの一面も知っていると、相手の個性や特長がより深く理解できるようになるため、コミュニケーションをスムーズにするうえで大いに役立つでしょう。

4. ワークショップ

メンバーの主体性を引き出したいときは、ワークショップの開催が効果的です。

ワークショップとは、体験型の講座やグループ学習のことを指します。用意されたケースについて、メンバーで解決のためのアイデアを出し合う等の形式が代表的なワークショップです。

ワークショップで成果を上げるためには、メンバー間での議論や創意工夫が必要となり、健全な協力関係を築かなければ目標は達成できません。

そのため、協力して成果を出すという経験を共有することで、チームとしての実力が磨かれていきます。

メンバーに主体的に行動してもらいたいときにも、ワークショップを実施して自主的な共同作業を促すのも効果的でしょう。

5. グループディスカッション

ワークショップと似ていますが、より実践的・現場に近い想定でチームビルディングを実施したい場合は、グループディスカッションもお勧めです。

例えばプロジェクトの中盤で、前半の振り返りをチームメンバーにディスカッションさせるような企画が考えられます。

実際の題材をもとに話し合いを進めるため、新たな気付きやノウハウが得られるだけでなく、プロジェクト終盤に向けての結束力強化も期待できるでしょう。

まとめ

メンバーの個性に焦点をあてて、持てる能力を最大限に引き出すためのチームビルディングマネジメントについて紹介しました。

少子高齢化の影響で人材不足に悩む企業は、現在の社員が余すことなく力を発揮することが求められています。

今回紹介したように、チームの成長段階に応じたマネジメント施策を投じることで、メンバーの成長と組織成果を同時に実現することをめざしましょう。

低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100

特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。

ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。

チームビルディング等のマネジメントスキルを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。

>>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

この記事を書いた人

他の記事も見る

2024.07.23

優秀な人のPDCAサイクル|成功に導く17ポイントを一挙解説

2024.07.23

優秀な人のPDCAサイクル|成功に導く17ポイントを一挙解説

ビジネススキル

ビジネスを行う人なら誰もが1度は聞いたことのあるPDCA。 本記事では優秀な人が行うPDCAを成功させるためのポイント、注意点について具体的にまとめていきます。 PDCAとは PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)は、品質管理やプロジェクトマネジメントにおいて広く活用される手法であり、最大のメリットは、業務プロセスの効率化と品質向上を図ることができる点にあります。 まず、計画(Plan)段階で目標と手段を明確に定義し、その後の実行(Do)、検証(Check)、改善(Action)という一連のプロセスを通じて、計画が現実に即しているかどうかを確認し、必要に応じて修正を加えることができます。 PDCAのメリット 問題解決のための体系的なアプローチを提供し、曖昧な問題の特定や解決を促進する フィードバックループを形成し、失敗や課題を迅速に発見し、対策を講じることができる 組織全体のコミュニケーションを促進し、部門間の連携を強化する PDCAサイクルの反復は、組織文化としての継続的改善を根付かせることができます。 これにより、組織全体が常に最善の方法を追求し、変化に対応できる柔軟性を持つことができます。結果として、競争力の向上や市場での優位性を確保することが可能となります。 “Plan”を成功させるポイント PDCAサイクルの最初のステップである「Plan」は、成功のための基盤となる重要な段階です。この段階での成功は、後のステップの効率性や効果性に大きく影響します。 ポイント①明確な目標設定 目標が曖昧であると、その達成方法や進捗の評価が難しくなります。 SMART(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)原則に基づいた目標設定は、具体的かつ測定可能な目標を定めるために有効です。 また、目標は現実的で達成可能なものである必要があり、組織の戦略やビジョンに関連していることが重要です。 ポイント②リソースの適切な配分とスケジュールの設定 計画を実行するために必要なリソース(人員、時間、予算など)を正確に見積もり、それに基づいて具体的なスケジュールを作成します。この際、予期せぬ事態に備えたバッファーを設けることも重要です。 ポイント③リスクの評価と対策 計画を実行する過程で起こり得るリスクを洗い出し、その影響を最小限に抑えるための対策を講じます。これにより、計画の途中での予期せぬ問題発生を未然に防ぐことができます。 ポイント④コミュニケーションの確保 計画の内容や進捗状況を関係者全員と共有し、フィードバックを得ることで、計画の精度を高めることができます。これにより、計画に対する全員の理解と協力を得ることができます。 “Do”を成功させるポイント PDCAサイクルの「Do」ステージは、計画を実行に移す段階です。この段階では、計画で定めた内容を具体的に実行することが求められます。成功するためのポイントはいくつかあります。 ポイント①計画に忠実に従うこと 計画段階で設定した目標やスケジュールに基づいて、各タスクを確実に実行します。計画通りに進めることで、後のチェック段階での評価が正確に行えます。また、計画から逸脱しないように、進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて軌道修正を行います。 ポイント②チームの連携とコミュニケーション 各メンバーが役割分担を明確に理解し、協力し合って業務を進めることが成功のポイントです。定期的なミーティングや進捗報告を通じて、情報共有と問題解決を図ります。また、チーム内での意見交換を促進し、改善のアイデアを積極的に取り入れることも重要です。 ポイント③実行段階でのリスク管理 計画段階で予測されていたリスクが実際に発生する場合があります。その際には、事前に準備していた対策を迅速に実行し、問題が大きくなる前に対応します。また、新たに発生したリスクについても柔軟に対応し、必要に応じて計画を見直すことが求められます。 ポイント④実行の過程で得られたデータやフィードバックを記録 後のチェック段階での評価や改善に役立てることができます。実行の成果を正確に把握し、次のステップへのフィードバックとして活用することで、PDCAサイクル全体の効果を最大化できます。 “Check”を成功させるポイント PDCAサイクルの「Check」ステージは、実行した結果を評価し、計画とのズレを確認する段階です。この段階での成功は、次の「Act」ステージでの効果的な改善につながります。Checkを成功させるためのポイントはいくつかあります。 ポイント①客観的な評価基準を設定 計画段階で設定した目標に対して、具体的な評価基準を設け、それに基づいて実行結果を評価します。評価基準は、定量的なデータや定性的なフィードバックを含むものが望ましいです。これにより、実行結果を正確に把握し、改善のための具体的な情報を得ることができます。 ポイント②データの収集と分析 実行段階で得られたデータを収集し、適切な方法で分析します。データの収集は、定期的な報告やアンケート調査、パフォーマンス測定などを通じて行います。分析結果を基に、計画とのズレや問題点を明確にします。 ポイント③フィードバックの活用 評価結果を関係者全員と共有し、フィードバックを得ることで、評価の精度を高めることができます。また、チーム内でのディスカッションを通じて、評価結果に基づく改善策を検討します。これにより、全員が評価結果を理解し、次の改善ステップに向けた協力体制を築くことができます。 ポイント④評価の透明性と公正性の担保 評価が偏りなく、公平に行われることで、信頼性の高い結果を得ることができます。これにより、関係者全員が評価結果に納得し、次のアクションに対する意欲を高めることができます。 ポイント⑤評価結果の記録 評価結果をドキュメントとして残し、次回の計画段階で参考にすることで、継続的な改善が可能となります。これにより、PDCAサイクル全体の効果を持続的に向上させることができます。 Actionを成功させるポイント PDCAサイクルの「Action」ステージは、評価結果に基づいて改善策を実行し、次のサイクルに向けた新たな計画を立てる重要な段階です。このステージを成功させるためのポイントをいくつか挙げます。 ポイント①評価結果に基づいた具体的な改善策 Checkステージで明らかになった問題点や改善点をもとに、実行可能なアクションプランを作成します。このプランは具体的で現実的なものである必要があり、SMART原則(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)に従って設定することが効果的です。 ポイント②改善策を実行するためのリソースを確保 人員、予算、時間など、必要なリソースを適切に配分し、実行に移す準備を整えます。また、改善策の実行に向けた責任者を明確にし、役割分担を行うことで、スムーズな実行が可能となります。 ポイント③進捗モニタリング 定期的な進捗確認とフィードバックを通じて、改善策が計画通りに進んでいるかをチェックします。必要に応じて軌道修正を行い、柔軟に対応することで、改善策の効果を最大化することができます。 このとき、コミュニケーションもまた重要な要素です。改善策の実行に関わる全ての関係者と情報を共有し、意見交換を促進することで、協力体制を強化します。これにより、改善策の実行に対する全員の理解と協力を得ることができます。 ポイント④結果評価と次PDCAサイクルへの反映 改善策の実行結果を記録し、評価を行い、次回のPlan段階での参考資料とします。これにより、PDCAサイクル全体の継続的な改善が可能となり、組織のパフォーマンス向上に寄与します。 優秀なビジネスマンはどのようにPDCAを活用しているのか 優秀なビジネスマンは、PDCAサイクルを効果的に活用することで、業務の効率化や成果の最大化を図っています。彼らのPDCA活用法には、いくつかの共通するポイントがあります。 まず、優秀なビジネスマンは計画段階(Plan)で徹底的に分析を行います。市場の動向や競合状況、自社の強みや弱みを詳細に調査し、データに基づいた現実的な計画を立てます。目標設定においては、具体的かつ測定可能な指標を用い、達成度を客観的に評価できるようにします。 次に、実行段階(Do)では、自ら率先して行動し、チームをリードします。優秀なビジネスマンほど進捗状況を常に把握し、必要に応じて指示やサポートを行うことで、計画通りの実行を実現します。 検証段階(Check)においては、優秀なビジネスマンは、定量的なデータやフィードバックを用いて実行結果を評価し、計画とのズレを明確にします。また、評価結果をチーム全体で共有し、改善点を洗い出すことで、次のアクションに向けた具体的な対策を講じます。 改善段階(Act)では、評価結果に基づいた具体的な改善策を実行します。 優秀なビジネスマンは、改善策を迅速に実行し、その結果を再評価することで、PDCAサイクルの効果を最大化します。彼らはまた、改善策の実行過程で得られた知見を次の計画に反映させ、継続的な改善を図ります。 さらに、優秀なビジネスマンは、PDCAサイクルを組織全体に浸透させることに注力します。全員がPDCAを理解し、実践することで、組織全体のパフォーマンスが向上します。また、PDCAサイクルの成果を定期的に共有し、成功事例や改善点を全員で学び合う文化を築くことも重要です。 タイプ別PDCAの見直しポイント 十人十色という言葉通り、働き方も人それぞれです。PDCAサイクルをうまく回して仕事をするためにも、自分自身の働き方からみた「PDCAのタイプ別重視ポイント」を見直してみましょう。 勢いに任せて仕事を進めてしまいがちな人 →Plan(計画)を重視 計画がない業務にゴールはありません。ゴールに向けた計画を立てましょう。計画的に業務を進めることで結果は必ずでます。 なぜか残業が多くなってしまいがちな人 →Do(実行)を重視 業務クオリティを見直してみましょう。時間内で、質の高い業務を実行することで残業は減らせます。残業が多い=仕事が遅いという意識をもって業務を進めましょう。 同じミスを繰り返してしまう人 →Check(検証)を重視 どんなに些細なミスでも、原因がわからなければいつまでも同じミスを繰り返してしまいます。うっかりミスは、そのままにせずにしっかりと原因を見直しチェックする癖をつけましょう。 努力が成果に結びついていない人 →Action(改善)を重視 より効率的に成果を出すには、やり方を変えるしかありません。当たり前のように行っている日々の業務の中にも、改善ポイントがきっとあるはず。業務フローを見直すことで、新しい発見があるはずです。新しい発見は自分自身の成長に繋がり、成果へと繋がることでしょう。 最も重要なのはCheck(検証) しっかりとした計画を立てたのに残念な結果で終わってしまうことも多々あります。 主な原因はPlan(計画)→Do(実行)の繰り返しになってしまい、Check(検証)が甘い場合がほとんどです。 なぜ残念な結果で終わってしまったのか?その原因をCheck(検証)しなければ、結果は変わりませんし、次の仕事にむけての改善にもつながりません。 改善方法が見つからなければ、同じ結果の出る計画を繰り返すばかりになってしまいます。 Check(検証)の時間を意識的に増やし、いい結果をだし自身の成長に繋がるようにCheck(検証)を心がけていきましょう。 PDCAを日々の仕事に取り入れる際の注意点 PDCAサイクルの各ステージをバランスよく実行することが重要です。 計画(Plan)に時間をかけすぎると実行(Do)が遅れ、改善(Act)に十分な時間を割けない可能性があります。 各ステージに適切な時間とリソースを割り当て、バランスを保つことが求められます。 また、PDCAサイクルの「反復」を意識することが重要です。 一度のサイクルで完璧な結果を求めるのではなく、継続的な改善を目指すことが大切です。失敗や問題点が発生した場合でも、それを次のサイクルでの学びとして活かし、徐々に改善を図る姿勢が必要です。 最後に、PDCAサイクルを柔軟に適用することが求められます。 状況や環境の変化に応じて、PDCAサイクルの各ステージを調整し、最適な方法を見つけることが重要です。固定的なアプローチに固執するのではなく、常に柔軟な姿勢でPDCAを活用することで、より効果的な結果を得ることができます。 以上の点を踏まえ、PDCAサイクルを日々の仕事に取り入れることで、業務の効率化や品質向上を図り、継続的な改善を実現することが可能となります。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.05.28

ロジカルシンキング力を鍛える3つの方法

2024.05.28

ロジカルシンキング力を鍛える3つの方法

ビジネススキル

ロジカルシンキングとは 仕事では、上司へのホウ・レン・ソウや、顧客への営業活動など、自分の考えを説明するシーンが数多く発生します。話の筋道がはっきりしていなかったり論理の飛躍があったりすると、なかなか相手に理解してもらえません。 そういったことを防ぎ、情報を分析・整理し、根拠から結論までを順序立てて考える手法がロジカルシンキング(論理的思考力)です。 ロジカルシンキングがビジネスで役立つ場面は多岐にわたり、社内の課題解決やプレゼンテーション、営業トーク、文章の作成など、例を挙げればきりがありません。そのため、社会人が養っておくべき必須スキルと考えられています。 また、ロジカルシンキング力は普段の生活の中でも鍛えることが可能です。ぜひ基本を理解しスキルアップに取り組んでみましょう。 ロジカルな人とロジカルでない人の違いは? まずは事例をもとにロジカルな人はどう考えるか?を見ていきます。 社内の会議室がどこも埋まっている。予約が取れずに会議ができない。あなたならどうしますか? 内容は具体的でなくてもよいので、「自分ならどんなことをまず考えるか?」について考えてみてください。 ロジカルではない人の思考パターン ロジカルでない人は経験則から物事をすぐ考えてしまいます。 「だいたい月曜の朝は予約が埋まりにくいのでは?」「お昼の時間をズラして会議したことがある」「外部の会議室をスポット利用した部署があったから真似すれば良さそう」などです。 友人との会話であれば問題ないのかもしれませんが、仕事では仲間をうまく説得するためにもきちんと考えることが必要です。 ロジカルな人の思考パターン(4Step) ロジカルに考える人は「絞る」ことにフォーカスします。 まず「解決すべき問題は何か」について仮説を立てていきます。 <Step1. 仮説を立てる> ✓会議はそもそも必要なのか ✓会議室の予約時間を変更できないか ✓そもそも会議室でやる必要はあるのか ・・・・・ そしてそれぞれについて事実を確認します。 <Step2. 事実を確認する> ✓会議は行う必要がある▶解決できそうにない ✓時間の変更は都合上難しい▶解決できそうにない ✓会議室を使う必要はないかもしれない▶検討余地あり 事実を確認すると検討する余地のある選択肢が出てきます。次は解決に向けてまず理由を絞り込みします。 <Step3. 理由を調べる> 会議室をそもそも利用したい理由って何?? ✓ホワイトボードを使いたい ✓面と向かって議論をしたい ✓資料などその場で共有して目を通しながら意見交換したい ここまで来たら、それぞれの理由に対して解決策を複数出し、解決までのシミュレーションを行います。 <Step4. 解決策を複数考えてベストなものを選ぶ> ✓オープンスペースで会議する ✓メールで共有する ✓白紙のパワーポイントを共有して意見を募る ✓オンラインでそれぞれの席から会議する ▶最も良さそう ここまで思考できれば、課題、理由、解決策の3つがきちんと理解できているので、より説得力のある説明ができるようになります。 「(例)会議室の予約が取れない状態です。そこで、会議室は使わずオンラインでの会議に変更しましょう。そもそも会議室を使う理由は、お互いに面と向かって議論し、企画についてホワイトボードで意見をまとめて共有して議論がしたいからです。そうあればオンライン上のホワイトボードでも代用可能ですし、事前に資料をメールで共有しておけばその場で意見交換もできます。」 *本例はあくまでも一例です ロジカルシンキングの基本 ピラミッド構造思考 当然ですが、絡まった糸の様に物事が複雑であればあるほど、それを正しく理解したり解決したりするのは困難になります。 その糸を解きほぐし、どこが絡まっているのか把握するために用いるのが、ピラミッド構造思考です。 ピラミッド構造思考では、結論となるメインテーマをピラミッドの頂点に据え、その根拠を3つ~5つ程度下の階層に列挙します。 そしてまたその下の階層へ根拠を並べピラミッドを構成していきます。 その際には「So What?(だから何?)/ Why So?(それはなぜ?)」の問いかけを繰り返して、きちんと上下に因果関係があるかを確認していくことが必要です。 この思考法を実践すれば、自然と物事を分解することができるので、全体を理解しやすくなります。 誰かに説明する際にストーリー立てて話せるので説得力が生まれますし、解決するべき課題であれば、タスクへ落とし込みやすくなるでしょう。 MECE MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)とは、事象を「モレなく、ダブリなく」捉え考えることです。 モレがあると、その先の議論なども全体を把握できていない状態で行うことになりますし、ダブりがあると無駄な業務が発生してしまうかもしれません。 MECEを徹底することで、先ほどのピラミッド構造思考の精度も高めることができます。 例えば、「顧客のターゲット層」ごとの議論をする場合、性別や都道府県、年齢のような情報であればダブりなく分類するのは容易でしょう。 しかしMECEを意識しないと、気づかずに「20代」と「アメリカ在住」などダブりがある状態で議論をしてしまいがちなので注意が必要です。 ただし、テーマによってはダブリを完全に排除するのは難しいでしょう。どこまで厳密に行うかはケースバイケースだといえます。 ロジカルシンキング力の鍛え方 ロジカルシンキング力を鍛えるには、基礎を把握したうえで実践あるのみです! 仕事だけでなくプライベートでも、ロジカルシンキングを鍛えるネタは身近にたくさん存在します。いくつか例を挙げてみましょう。 (1)貯金を増やす方法を考えてみる 自分の貯金を増やす方法を、ロジカルシンキングの題材にしてみてはいかがでしょうか? ピラミッド構造思考で掘り下げてみると、仕事をがんばる、資産運用をしてみる、タバコをやめて支出を減らす、などなどいろいろなアイディアが出てくると思います。 (2)普段目にする広告やマーケティングの狙いを予想してみる 私たちは毎日、電車内の広告やテレビCM、Webサイトの企画ページなど、多くのクリエイティブを目にします。 それらを、制作者や広告代理店の担当になったつもりで、どんな属性の人に何を訴えるために作られたのか推理、分析して文章にまとめてみましょう。また、その推理を元に自分ならどうするか考えてみるのもトレーニングになります。 (3)色々なものを分類してみる MECEを使って、自分が興味のあるものを独自の切り口で「モレなく、ダブリなく」分類してみましょう。自動車や芸能人の分類、高級時計を買う人の属性でも結構です。 まとめ ロジカルシンキングは書き出すことで身近な人にチェックしてもらえると、なお成長につながりやすいです。 最近だとChatGPTなどの生成AIを活用することで、もれなくダブりなく思考を深めることも可能です。 どんな事にも「なぜ?」と疑問をもち、粘り強く考え抜く姿勢があれば、ロジカルシンキング力は必ず身につきます。ぜひ皆さんもトライしてみてください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.06.26

「ハラスメント教育」とは?企業で取り組むべき内容を徹底解説

2024.06.26

「ハラスメント教育」とは?企業で取り組むべき内容を徹底解説

eラーニング

ビジネススキル

人材教育

コンプライアンスに関するニュースが絶えない現代のビジネス環境のなか、企業には高い倫理観が求められています。 多様な働き方が広がっている背景ともあいまって、積極的にハラスメント対策に取り組む企業が増えつつあります。 一方で、言葉としての「ハラスメント」は浸透しているものの、昨今ではさまざまなハラスメントが増えています。そのため、企業内でどのように教育施策を展開したらよいか分からないという声も聞かれます。 本記事では、あらためてハラスメント教育に取り組む意義から、組織的に取り組む教育内容例について紹介します。 そもそも「ハラスメント」とは? ハラスメントの日本語訳は、「嫌がらせ」や「いじめ」です。 広義では人権侵害を意味し、性別、人種、年齢、国籍、身体的特徴等で、相手に不快感を与えたり、尊厳を傷つけたりすることがハラスメントに含まれます。 企業におけるハラスメントの特徴は、さらに細分化されています。 よく耳にする「セクシャルハラスメント」や「パワーハラスメント」にくわえ、昨今は「デジタルハラスメント」や「ロジカルハラスメント」等、社会情勢や職場特性を踏まえたハラスメントも増えています。 さまざまな種類があるハラスメントですが、共通するのは「相手が不快感や脅威を感じるかどうか」が基準となる点です。 ハラスメントをする側も、受ける側も無意識であることが多いため、事態を深刻化させないために、組織的に教育を行う必要があるといえるでしょう。 ハラスメントが注目される背景 ハラスメントに関するネガティブなニュースや報道が、企業がハラスメント教育に注目する背景であるのはいうまでもありません。 実際、厚生労働省が都道府県労働局等に設置した総合労働相談コーナーに寄せられる「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は年々増加しています。令和4年度の件数は11年連続でトップとなり、6万9932件にもおよんでいます。 参考:「令和4年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します 政府もこの事態を重く受け止め、企業のハラスメント対策として、2019年5月に改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)を制定し、パワーハラスメントの防止措置を事業主に義務付けました。 法改正により企業は、主に以下の措置をとる必要があるとされています。 企業でのパワハラ防止についての方針の明確化と周知・啓発 苦情等に対する社内相談体制の整備 被害を受けた労働者へのメンタルケアや再発防止策 参考:職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました︕ このような潮流を受けて、ハラスメントに関する注目は高まり、企業としても積極的にハラスメント教育に取り組む必要が生じてきたのです。 企業がハラスメント教育に取り組む目的 前章で紹介したパワハラ防止法の影響もあり、ハラスメント教育に取り組む企業が増えてきました。 しかし法規だけが理由で、ハラスメント教育に取り組むわけでは決してありません。 本章では、あらためてハラスメント教育を実施する本来の目的について紹介します。 目的①ハラスメントについての認識・意識統一 ハラスメントは概念的なものであるため、組織で働く社員の認識を統一することは重要です。 一部では、ハラスメントという言葉が流行りの言葉のように広がってしまったため、仕事上の指導とハラスメントの区別が付かず、この違いを理解しきれていないビジネスパーソンは意外に多いでしょう。 実はハラスメントの発生の多くが、「この程度なら許されるはず」という個人の解釈に起因しています。 そのため「人格を傷つけたり人権を侵害したりしていないか」「固定的な考え方や価値観を押し付けていないか」等、ハラスメントの根底的な考え方を社員間で共通認識にする必要があるのです。 目的②多様な働き方への対応 「働き方改革」の一環で多様な働き方が組織に広がり、対応すべきハラスメントの種類も増加傾向にあります。そのため、企業でハラスメント教育に取り組む必然性も増しているのです。 一般社団法人日本ハラスメント協会では、ハラスメントの種類は30以上におよぶと提言しています。 特に「ジタハラ(時短ハラスメント)」「マタハラ(マタニティハラスメント)」「リモハラ(リモートハラスメント)」のように、ここ数年では働き方に応じたハラスメントの種類が増加しています。 多様化するハラスメントへの理解を深め、適切に対応していくためには、組織的な教育を定期的に行っていく必要があるでしょう。 目的③企業ブランドの維持・向上 採用や顧客からの評価 ハラスメントを起こさないことは、企業ブランドやイメージの棄損を防ぐ目的もあります。 とりわけ、SNSでの情報拡散力が強い現代のビジネス環境においては、ひとたび企業のハラスメントが知れると、一気にネガティブなイメージが世間に広がります。 取引先からの信頼性を損なうのはもちろんのこと、人材採用においても「ブラック企業」との悪評が広がるリスクもあるでしょう。 ハラスメント教育を適切に実施することで、社外からの適切な評価を維持できます。 ハラスメント教育の内容例 企業でハラスメント教育を実施する際の代表的なテーマ・コンテンツについて紹介します。 適宜、自社が置かれた状況に応じてアレンジする際の参考にしてください。 ハラスメントに該当するケーススタディ 前述したとおり、昨今企業内で中止すべきハラスメントの種類は、数十種類におよびます。 どの職場でどのようなハラスメントのリスクが発生するかは分からないため、まずは社員にハラスメントに該当するものについて学んでもらう必要があるのです。 詳細な「○○ハラスメント」を紹介するようなコンテンツでもよいですが、「身体特徴に関するハラスメント」や「過大な要求によるハラスメント」等、大括りにして学習させることもお勧めです。 ある程度緩やかな定義のもとでハラスメントに学ぶ方が、参加者が「過去の経験だと、あの行動に該当するのでは?」と自分に置き換えて考える余地が生まれるでしょう。 いまの職場環境で起こり得るハラスメントについてアンケート ハラスメントを防止するためには、ハラスメントの正しい認識を持ったうえで、未然に防止することが重要です。 そのために、まずは自分の職場環境を振り返り、日常業務においてハラスメントに抵触しそうな行動を改善する必要があります。 アンケートを活用することで職場環境を振り返り、ハラスメントの加害者・被害者双方の立場で考えさせるように、内容を工夫するようにしましょう。 ハラスメントについて考えるなかで、現在の職場が置かれた状況をあらためて見直す機会にもなります。 ハラスメント防止の心構えを学ぶ ハラスメントを発生させないためには、社員一人ひとりの「ハラスメントを防止する」という心構えが重要です。 特に加害者は、ハラスメントをしている自覚が乏しいケースもあります。 ハラスメント教育では、相手に不快感を抱かせないよう、心構えや配慮を教えるようにしてください。 また、仮にハラスメントが発生している場合に、当事者でない第三者が「自分には関係ないから放っておこう」「見て見ぬふりをしよう」という心構えでは、企業からハラスメントはなくなりません。 ハラスメント場面を見かけたら、上司や人事部門または相談窓口に報告や相談を行い、組織的にハラスメントを防止することも重要です。 このように、ハラスメント教育においては、さまざまな立場の社員に対して適切な心構えを身に付けさせることを心がけましょう。 ハラスメント防止のためのコミュニケーションスキルを身に付ける ハラスメントを防ぐ心構えを学んだあとは、防止のための具体的なコミュニケーションスキルを身に付けることが大切です。 ハラスメントは、コミュニケーションのすれ違いや誤解が起因しているケースも数多くあります。 例えば、マネジメント層はメンバーに対して「人格を攻撃するのではなく、問題の現象を指摘すべき」や「他のメンバーがいる場で注意するのではなく、個別指導すべき」というコミュニケーションをとる必要があります。 そのほか、円滑なコミュニケーションのためには、相手の言動を真似る「ミラーリング」や「共感を得るための相づち」等、ちょっとしたテクニックも重要です。 ハラスメント防止に効果があるコミュニケーションスキルを教育することで、社員同士が思いやりのあるやり取りを心がけるようになるでしょう。 ハラスメント教育の実施形態 ハラスメント教育の実施形態について明確な決まりはありませんが、社員数・人員構成等に応じて、ふさわしいやり方を選ぶようにしてください。 本章では代表的なハラスメント教育の実施形態を3つ紹介します。 1. 勉強会 勉強会は社員を一堂に集めて、ハラスメント教育を施す形式です。 比較的、基礎的な内容を大勢の社員に向けて教育するときに適しています。 コンテンツ説明等のインプットがメインとなるため、事例を多く盛り込む、スライドに動きを取り入れる等、参加者が興味の持てる工夫を施しましょう。 また対面での勉強会を開催する際は、同時にオンラインでも視聴できるようにすれば、遠方の社員等より多くの方に教育が行き渡るようになります。 2. 集合型研修 集合型研修は何人かの社員を集めて、研修形式でハラスメント教育を行うものです。 勉強会と違って、ロールプレイングやグループディスカッションを取り入れることができるため、より実践的なハラスメント教育が可能になります。 外部のハラスメント防止専門の研修企業に依頼するケースもありますが、身近なケースを扱う場合は人事部門等、社内講師が実施することもあります。 ハラスメントの加害者になりやすいマネジメント層には、集合型研修を実施し、よりハラスメントへの感度を高めてもらう企業も多いでしょう。 3. eラーニング リモートワークの影響等で集合型の教育が難しい場合は、インターネットを介したeラーニングでハラスメント教育を行うこともできます。 時間と場所を選ばないeラーニングであれば、集合形式と比べて学ぶハードルが低くなり、より多くの社員にアプローチできるメリットがあります。 ただし知識の習得度合いは社員の意欲や意識によって異なるため、フォローアップアンケートや復習テストを実施し、ハラスメント教育の効果を高める工夫をするとよいでしょう。 まとめ かつての時代であれば、ハラスメントはともすれば「当事者間の問題」で済まされたかもしれません。 しかし法規制もある昨今においては、企業として適切なハラスメント教育を施す必要性が高まっています。 適切にハラスメント教育が実施できれば、ハラスメント防止はもちろんのこと、円滑なコミュニケーションが起こる風土形成にも効果があるでしょう。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 ハラスメント系のコンプライアンス研修を含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

まずはお試しください!