人事制度・組織づくり
56件中 / 110

2024.04.09

部下のやる気スイッチをオンにするリーダーの特徴と注意点

2024.04.09

部下のやる気スイッチをオンにするリーダーの特徴と注意点

人材教育

人事制度・組織づくり

ビジネススキル

大小はあるものの、みなさん部・課・チーム等に属していると思います。 そこには部長や課長等のリーダーの存在があり、部下を指揮して成り立っています。 今回はリーダーとして部下の業務を円滑に回し、成果が出るような環境づくりをどのように行うべきかを紹介します。 リーダーの立ち位置 まず、部署にとってのリーダーの立ち位置とはどのような物でしょうか? 良く勘違いされるのは「完璧なプレイヤー」であるということです。 特に若いリーダーだと、成果を求めるがあまり仕事を抱え込んでしまったり、「自分でやった方が早い!」と思ったりしがちです。 リーダーが率先して仕事をするのは悪くはありませんが、それでは部署としては崩壊です。 いつまでたっても下は育ちませんし、仕事はたまる一方でリーダーだけが終電で帰り、他のメンバーは仕事がないので定時で帰る。なんてことにもなりかねません。 そこで、ポイントとなるのが部下のやる気スイッチを押すことです。 部下も人間ですので、何かを無理やり「やらせる」ことはできません。 できたとしても効率が悪く、結局また「自分でやった方が早い」となってしまいます。 なので、部下の「やる気スイッチ」が入る環境を整えることで部署を円滑に回すことができます。 やる気スイッチはどうすればオンになる? 具体的にやる気スイッチが入る主な瞬間は以下の通りです。 目標を達成した時 不可能が可能になって成果を上げた時 好きなことをやっている時 リーダーとしてまず行うべきことは目標づくりです。 具体的には小さな目標と大きな目標を作ります。 いきなり大きな目標を立ててしまうと、部下にとっては遠い先の話に聞こえてしまってやる気にはつながりません。 なによりやる気スイッチを押すためには「達成すること」が重要なので、まずはステップごとにクリアしやすい小さな目標を立てましょう。 小さな目標を積み重ねた先に大きな目標へ繋がるイメージを持てると、さらに頑張ろうと思わせることができます。 やる気スイッチがオンにならないときの対策 当然、いくら目標を作っても動かない人も出てきます。 そうなる場合の主な理由は以下の通りです。 知らない 面倒くさい 怖い リーダーが嫌い 「知らない」という人はそもそも目標や与えられている仕事の必要性や情報を理解していません。なので、情報の共有がされるようコミュニケーションを取り、ツールなども考慮して最新の情報が共有できるようにしていきましょう。 「面倒くさい」「怖い」という人は大抵、手間やリスクが見えています。 リーダーがゴールを明確にイメージできているのであれば、その逆をイメージする人もいます。双方で違うイメージを持ち続けても発展しませんので、どんな手間やリスクを考えているのかしっかり聞いて、解決法を一緒に考えるようにします。 「リーダーが嫌い」というと、そもそも目標を設定しても、その部署での仕事が「好きなことをやっている時」でないので、やる気スイッチが入ることはありません。 しかし、「リーダーが嫌い」と思われるのには案外単純な理由があるのかもしれません。 やっちゃダメ!嫌われるリーダーに共通する行動とは? 嫌われるリーダーがよくやってしまうことは過去を否定する行為です。 例えば何の気なしにリーダーが過去の施策を否定するとします。その施策が実は部下が過去行ってきた施策だとすると、部下は過去の仕事を否定されたのも同然です。過去の仕事に無意味なことはありませんし、失敗していることから学ぶことはたくさんあるので無下にしないようにしましょう。 また、リーダーに部下が付いていきたい、信頼できると「思わせる」のではなく「思われる」必要があります。 「思わせる人」はたいてい実績や成果など、何らかの理由の力で上に立とうとしますが、「思われる人」は普段の発言や行動を周りが評価して、おのずと周りが付いてきます。 特に発言と行動が一致して、しっかりやり遂げる人ほど信頼され、「思われる人」になります。 ここまで来たら、あとは仕事を部下に任せる勇気を出して、部下がたとえ失敗してもきちんと謝り、責任をとる姿勢でいましょう。 やりがいや目標をもった社員は成長して会社の発展につながる このように、自身のリーダーとしての心構えを整え、部下のやる気スイッチが入る環境を作っていきますが、最終的に必要になってくるのはコミュニケーションです。 「管理職に求められる3つのスキル」の記事でも紹介しましたが、結局は人間同士の関わりなのでヒューマンスキルが大切になってきます。 そのためにも、会議だけではなく立ち話などインフォーマルなコミュニケーションもできるだけとるようにし、相手の心情を理解して部署全体が同じ方向を向いていくようにしていきます。 そうすれば、その部下がリーダーになった時もしっかりとその部署は目標を達成し、会社の発展につながっていくことでしょう。 こちらの記事も読まれています: 若手社員のモチベーションを上げるには? 参考サイト: リーダーの仕事は環境作り。スタンドプレーではないーIT media 丸の内キャリア塾 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 リーダーシップを含む、ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題。 Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.04.09

新入社員が育つ環境づくり|意欲を高める3つのコツ

2024.04.09

新入社員が育つ環境づくり|意欲を高める3つのコツ

人材教育

人事制度・組織づくり

ビジネススキル

大卒新入社員の3年目までの離職率は、ここ10年来30%台で推移しています。 約3人に1人は、一人前になる前に離職してしまうことを意味します。 時間と費用をかけたのに新卒社員が離職する要因は何なのか、どうしたら意欲をもって働く環境を作れるのかを本記事ではまとめます。 新入社員はやる気がない? 新卒社員に限ったことではなく、若い世代の特徴として「教えらたれたことをこなす能力は高い」、「真面目で理解力が高い」、「向上心がある」などなどが挙げられています。 一方で、「自主解決能力に欠ける」、「高望みせず、ほどほどで満足する」、「状況に適応する自律性がない」など、複雑でかつスピーディーなビジネスの現場環境で判断力を発揮し、新しい発想をチャンスへとつなげる実践力には乏しいようです。 このような話題になると、「最近の若者は根性が足りない」という諸先輩方の声が聞こえてきそうですが、時代にあわせた新人育成方法を考えることも、人事部にとっては大切な仕事です。 新入社員を育てる環境づくりの現状 産業能率大学が企業の教育担当者を対象にして行なった調査によれば、「中堅社員に求める役割」で第1位に挙げられたのは、「後輩の育成」(72.5%)でした。 しかし、「後輩育成を遂行していますか?」という問いに対し「遂行している」と回答したのはわずか2.9%と極端に実現率が低く、半数以上が「あまり遂行していない」と回答しています。 また、労働政策研究・研修機構による「人材マネジメントのあり方に関する調査」(2014年)では、若手層の人材育成上の課題として「業務が多忙で、育成の時間的余裕がない」「上長等の育成能力や指導意識が不足している」といった回答が多くなっています。 これらの調査結果から考えると、「若手が育たない」と嘆く裏には、「育てられない職場環境」が隠れているということがわかります。 OJTやoff-JTという研修方法を考えるだけでなく、実際に新入社員が配属される現場の指導体制はどうなっているか、指導係は誰なのか、受け入れ体制はできているかも考えていく必要がありそうです。 新入社員の意欲を高める3つのコツ ①職場の一員として認める 新入社員は仕事のことも会社のこともあまり把握できていないため、常に不安を感じています。 まずは、上司や先輩のほうから彼らを仲間として認め、信頼を得るためにコミュニケーションの場を設けることが重要です。 また、パワハラなどの問題にも上司が気を配らなければなりません。 新人を「新人」として一括りに考えるのではなく、一人ひとりの個人として向き合っていく意識を持つことも重要な要素です。 新入社員に対して高圧的にならず、成長を見守り導くというスタンスを持つべきでしょう。 ②社会人マナーや会社ルールを積極的に共有する 新入社員は不安を抱えながらも、社会人としてのマナーや会社のルールを早く身につけて、会社の戦力として成果を挙げたいと思っています。 既存の社員はその気持ちを理解したうえで指導し、不足している点を補い、成長へと導く姿勢が求められるでしょう。 また、新入社員は既存の社員とは気質が異なるケースがあります。 それを「最近の若者は……」のひとことで片付けてしまうのではなく、コミュニケーションを密にして世代間のギャップを埋めることが重要です。 ③新入社員のビジネススキル向上を図る 「あいさつ」「言葉づかい」「身だしなみ」「電話対応」など基本的なビジネスマナー研修だけでなく、OJTに対しても現場をサポートしていく必要があります。 教育担当である中堅層に「新人を育てる意識」を持ってもらうよう働きかける、メンター制など「相談できる先輩」がいる環境を整えるなど、自社に適した仕組みを探し、積極的に試していくことが求められています。 また、新入社員教育に適した方法としてeラーニングを実践する企業も多いです。 一体感を持って学習してもらうことでモチベーションを維持し、自発的に目標を設定することや、目標の達成に向けた実践について身につけることが可能です。 新入社員向け研修で検討すべきプログラム まず新入社員に知ってほしいことは「社会人としての常識」や「仕事の基本」と言われるものです。 会社は学校とは違い、仕事をすることで報酬を得る場所なので、社会人・組織人としてふさわしい常識やマナー、コンプライアンス(法令遵守)を最初に身に付けてもらうことが必要です。 1. ビジネスマナー 身だしなみ、挨拶、電話応対、名刺交換などで、身についていて当たり前のマナーです。配属が決まり業務がスタートすると、なかなか研修の機会はありません。取引先への訪問などでは、新入社員であっても会社の顔となるので、まずマナー研修を行いましょう。 2. ホウレンソウ 「ホウレンソウ」と呼ばれる報告・連絡・相談は、社会人の義務として徹底させましょう。とくに「報告」は重要で、慣れないうちは初めからすべて話そうとして、要点がつかめない報告となります。「結論」から話し始めて経過、理由を報告させるよう徹底させることが必要です。 3. コンプライアンス(法令順守) コンプライアンスとは、企業が法律や規制、内部ルール、倫理的な基準に従って適切な行動をとることを指します。 コンプライアンスを学ぶ最大の理由は「やってはいけないことを学ばせるため」です。 <主なコンプライアンス項目> ・法律と規制(労働法、環境法、消費者保護法、競争法、税法など) ・企業内ポリシーと手順 ・個人情報の取り扱い ・情報セキュリティ ・賄賂や贈収賄の禁止 ・インサイダー取引の禁止 すべて覚えることは難しくても、コンプライアンスに関する禁止事項があることを理解し、日々の業務において意識することで、企業の信頼性向上と長期的な成功に繋がります。 4. ITスキル ビジネスシーンではExcel、Word、PowerPointといったオフィスツールが使えることは必須です。 部署によってはExcel、Wordを多用するでしょうし、営業部ではPowerPointを使ったプレゼンテーションができなくては話になりません。 また、メールにもビジネスマナーはあります。 件名や文面の書式も大切ですが、最も気にかけなくてはならないことは、「その用件はメールでよいのか」ということと、「宛先は間違えていないか」です。例えば、謝罪をメールで済ませることは社会人としては許されませんし、toとcc、bccの使い分けを知らなければ、インシデント発生の原因にもなります。 基本的なITスキルについては若い世代のほうが慣れていることもありますが、ビジネスにおける使い方は改めて学ぶほうが良いでしょう。 新入社員研修の効果を高める2つのポイント ①現場のニーズを優先する 多くの研修は座学形式で行われますが、配属先で実践しながら学ぶOJTを取り入れるのもよいでしょう。 部署により要求されるスキルは異なりますし、少しでも早く部署に慣れ、チームワークやコミュニケーションの取り方を学んだほうが早く成長することもあります。 現場で学べることには、仕事の指示の受け方、メモの取り方、タイムマネジメント、コスト意識、1日の業務の流れなどがあります。 しかし最も学ばなくてはならないのは、これから働く職場の雰囲気であったり、先輩や上司の仕事ぶりなどの自社の文化です。 帰属意識が高まり組織の一員であることを自覚させ、組織に貢献することで報酬を得ているという認識が強まります。 社会人・組織人としての基本的な常識やマナーを身につけながら、実践で業務を学ぶ。自社に必要・不要な新入社員研修のプログラムを調整することが重要です。 ②全社員の意識にも気を配る 新入社員研修=新入社員に対してどのような研修を行うかにフォーカスしてしまいがちですが、全社員が持つ社風も非常に大切です。 「自分の意見が自由に言えない」「社員同士の挨拶や会話がない」「部門長クラスの人間が人材育成に興味がない」という環境では、新入社員のやる気も低下していってしまいます。 社風そのものに問題があると判断した場合は、研修という枠を飛び越えて、全社員の意識を変えるために必要な施策を模索しなければなりません。 新人教育をしっかりと機能させていくためには、会社全体を見渡したうえで本質的な課題を見つけ、解決していくことが大切です。 まとめ|新入社員が育てば会社も成長する 企業にとって、将来を担う人材の確保は、最優先事項の一つです。 人事部には、新入社員を育成できる職場環境づくりのために、地道な継続と積極的推進が求められています。 「新人が育たない」といわれる現代でも、定着率の高い企業はいくつもあります。 そういった企業は何が成功しているのか、自社に足りないものは何なのかを常に考え、一人でも多くの新人を育てることができる環境を作っていきましょう。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 新人教育にも使える厳選コンテンツが1ID 年額999円で見放題になるCloud Campusコンテンツパック100。 ビジネスマナーだけでなく、社会人に必須のビジネス・ITの基礎知識を学べる充実のeラーニングコンテンツが魅力です。 Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする   参考サイト: 新人若手育成のアタリマエを変えよう|人材育成・社員研修のリクルートマネジメントソリューションズ  平成26年版 労働経済の分析 -人材力の最大発揮に向けて-|厚生労働省  第27回(最終回) OJTにおける「課題」とは何か?~新人の成長課題とトレーナーの育成課題<後編>~ | ヒューマンキャピタル Online  新人がイキイキと働くために、人事ができること~誰しもが経験するつまずきを乗り越える方法とは?~ – 『日本の人事部』 恒例の新入社員の特長。2015年は「消せるボールペン型」。その心は?|ブラック企業|【瓦版】  「新入社員意識調査・特徴とタイプ」公益財団法人日本生産性本部) 「新人と中途採用者の研修、教育の方法」ビジネス・ソリューション  

2024.04.03

部下の能力を最大限伸ばすフィードバック方法と3つのポイント

2024.04.03

部下の能力を最大限伸ばすフィードバック方法と3つのポイント

人材教育

人事制度・組織づくり

ビジネススキル

マネージャー職に就くと、部下の過去の業績に対するフィードバックをする機会があります。 しかし、効果的なフィードバックを知らなければ部下の能力をうまく引き出せなかったり、やる気を損なってしまったりとマイナス効果を生むことがあります。 この記事では部下の能力をなるべく引き出す効果的なフィードバック方法について解説します。 フィードバックが常にいいとは限らない理由 フィードバックは、部下の現在の立ち位置と目標地点のズレを指摘し、「なぜズレが生じたのか」「何をすべきだったのか」という点に着目します。 過去を振り返るため、必然的に個人のミスや誤り、至らなかった点を掘り下げることとなり、上から目線の批判になってしまいがちです。 ネガティブな指摘を受けることは、誰にとっても気持ちのいいものではありません。 パフォーマンスが芳しくない部下ほど建設的なPDCAが必要ですが、経験を積むほど素直にフィードバックを受け入れるのは難しくなるでしょう。 上司がいくら前向きにフィードバックをしても、そこには問題・欠点・失敗といった否定要素が含まれるため、受け手には攻撃から身を守る気持ちが働きます。指摘をする側にとっても、負担の大きな作業です。 反省や考察を重ねて今後の成果につなげようとするときに、「つらい」「不快」「反発」といった負の感情を残しては、かえって部下のモチベーションを下げることになります。それでは、有益な人材開発の施策とはいえません。 前向きなフィードバックとは 誤りや欠点を含めた過去のできごとを中心に話し合うフィードバックに対し、未来に何ができるかという解決策を話し合うのが「フィードフォワード」と呼ばれるものです。 過去ではなく肯定的な将来に意識を向けて、どうやったら成功するかというアイデアを与えるためのフィードバックです。 フォードフォワードの実践までの流れ 前向きなフィードバックを部下へ行うためにも以下の5つの流れをまず把握しましょう。 準備 まずは部下の強みや成長のポテンシャルを理解し、具体的な改善点や目標を考えておきます。部下はフィードバック=ネガティブな印象を持っている可能性もあるため、上司としてポジティブかつ建設的な姿勢でアプローチする心構えをしておきます。 また、前提として部下が自らの成長に関心を持ち、受け入れる姿勢があることでさらに効果が高まります。前置きとして「どうすれば成長できるか?」「より成果を出せるか?」という姿勢で話を進めたいことを伝えることも重要です。 面談前半 部下とのフィードバックの場を設けます。これは1対1の個別の面談や、チーム全員が参加するミーティングなど、状況に応じて適切な形式を選びます。 面談前半ではまず達成したい目標を共有し、肯定的な視点で話し始めることが重要です。 部下はその目標に対してどういった強みを持っているか?どのように力を発揮してほしいのかを伝えます。 未来に向けた成長と成功に焦点を当てることで、過去の行動やミスを前向きな改善点として捉えるための準備ができます。 面談後半 部下の強みや目標を踏まえて、具体的な改善点やアクションプランを提案します。 これは、具体的なスキルや知識の向上、挑戦的なプロジェクトへの参加、自己啓発の機会の提供などが含まれます。内容は具体的で、かつ部下が実際に取り組める範囲のものであることが大切です。 なるべく部下の立場や感情に共感し、理解することも重要です。フィードバックそのものが相手に対して配慮のあるものであると分かれば、部下もきちんと耳を傾けてくれます。   適切なフィードバックを行うために重要なのは準備です。 部下の強みや目標を日頃からきちんと観察して把握しておくことは、フィードバックを行う際にとても重要です。 フィードバックで効果を出すためのポイント ・目標設定とフォローアップを行う 部下と一緒に目標を設定し、定期的にフォローアップを行うことで成果が期待できます。 ・フィードバックの文化づくり フィードバックを部下に提供するだけでなく、上司自身もフィードバックを受け入れる姿勢を持つことで、組織全体でフィードバックの文化が広がります。 ・部下の成長に期待する 部下が希望や目標に向けて成長意欲を持つような提案を行うことは、部下の成長に期待していることのメッセージにもなります。 なぜ期待すべきかと言うと、人は期待されることで成果を出しやすくなると言われているからです。 部下は「期待される」ことで成果を出せる 「人間は期待された通りに成果を出す傾向があるとされる」と1964年に米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された考えです。この考えをピグマリオン効果と言います。 例えば、営業部内でも評判の良い優秀なAさんと、人柄は良いけど成績が伸びないBさんがいます。あるプロジェクトに向けて、この2人にプレゼンをしてもらい、どちらか1つを採用することになりました。 誰もがAさんのプレゼンが圧勝と思っていましたが、Bさんのプレゼンが採用されました。実は、Bさんにはリーダーから「実は実力があるよね、期待しているよ」などといったいわゆる“褒められる”“期待される”といった言葉をかけられていたのです。 企業事例:Google合同会社 たとえば、Googleは有名な「OKR(Objective and Key Results)」という目標管理の手法を採用しています。 OKRでは、上司が部下に対してフィードフォワードを提供し、共に目標を設定し、成果を評価する仕組みがあります。これにより、個人のモチベーション向上やチームのパフォーマンス向上が促進されています。 かなり具体的な内容がまとまっており、スプレッドシートのテンプレ―トまであるので非常に参考になります。 参考:OKRを設定する|Google re:work また、アジャイル開発を採用しているソフトウェア企業では、定期的なフィードフォワードセッションがチーム間で行われることが一般的です。 これにより、アジャイルなプロジェクトの進捗やチームの協力関係が向上し、迅速な改善が可能となります。 さまざまな企業がフィードフォワードを取り入れており、それぞれの文化や特性に合わせた方法で実践しています。成果を上げるためには、上司と部下の信頼関係を築きながら、ポジティブな姿勢で取り組むことが重要です。 フィードフォワードは客観的なアドバイスとして受け入れやすい フィードフォワードでは、否定的な評価をするのではなく、目標の達成につながるアイデアを話し合います。 将来に関する話なので個人への批判が含まれることがなく、客観的なアドバイスとして相手に受け入れられやすいのです。 さらに、自らイニシアティブを取って目標に向かおうとする意欲が、より大きく育ちます。 こうした自発的努力を通じて、人は目標とする自分を実現できるという手応えや、成長しているという実感を得られ、それが働きがいにつながるのです。 上手くいかない!部下の行動を変えるには「感情」を動かすことも重要 前向きなフィードバックを行っているはずなのに、なかなか部下が変わらない… そんなときは人間の脳の仕組みについて知っておくと良いです。 人間には無意識に情動的に働くものと、意識的に理性的に働くものがあります。 主だった人間の行動は情動的で、理性的な認知判断で感情的な部分をコントロールするには相当なエネルギーを使い、すぐに疲れてしまいます。 そこでキーポイントとなるのが、感情と理性の両方への働きかけです。 ただマニュアルや数字目標だけ見せても、感情への働きかけが欠けているとうまく機能しません。 例えば、「充実した1日」や「やりがいのある仕事」について語るビデオを見せて感情に訴えることで、部下が自ら変わろうとするモチベーションを引き出せる可能性が高まります。 人は期待されて伸びる 多くの人は褒められたり期待されることによって嬉しく感じ、期待以上に頑張り、より良い結果を出してもっと認められたいと思います。 部下も前向きなフィードバックを行うことで、行動が変わり成長します。 そのためには理性だけでなく、感情に訴えかけることも重要です。 本ブログでは一緒に働くメンバーのモチベーションアップに役立つ記事を掲載しています。 ぜひ「若手社員のモチベーションを上げるには?」や「『孫子の兵法』から学んでみた。社員の士気を向上させるモチベーションアップ術」もご覧ください。 参照サイト: 「ピグマリオン効果」モチベーションアップの法則 ITマネージャーがやめるべき言動を改善する「フィードフォワード」とは何か|ITmediaエンタープライズ 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.03.12

MBOとは?導入メリットや効果的な運用ステップを紹介

2024.03.12

MBOとは?導入メリットや効果的な運用ステップを紹介

人材教育

人事制度・組織づくり

MBO(目標管理制度)は、社員自らが目標を設定し、達成をめざして業務を進めていくマネジメント手法のことです。 上司からの命令ではなく、本人の問題意識や成長課題に基づいて目標設定する点が特長で、多くの企業で導入が進んでいます。ただし、MBOの本来のメリットを享受するためには、運用やマネジメント側の関与の仕方で気を付ける点もあります。 今回は日本企業に浸透するMBOについて、メリットや注意点、効果的な運用ステップを解説します。 今後MBOの導入を検討している方も、現在のMBOの運用を見直したいとお考えの方も、参考にしていただければ幸いです。 MBO(目標管理制度)とは? 目標管理制度とは、四半期や半年という一定期間で達成すべき目標を決め、期間終了時に目標の達成度合をチェックするマネジメント手法です。 英語の「Management by Objectives and Self Control」の頭文字をとって、「MBO」と略されています。 MBOは、もともと経営学者として有名なP.F.ドラッカーが、『現代の経営』のなかで紹介した概念です。 「Management by Objectives and Self Control」の言葉で示されているように、「目標と自己統制によるマネジメント」がMBOの特長といえます。 つまりMBOは、社員自らが目標設定するため、会社や上司の指示とは異なるボトムアップ方式の目標なのです。自身の目標を達成すると、組織の目標達成にも寄与するため、モチベーションを高く保ちながら業務に取り組めるメリットがあります。 現代ではMBOの考え方は、アメリカはもとより、日本および世界各国の企業に浸透しています。またMBOだけでなく、ほかのマネジメント手法と組み合わせるケースも見受けられます。 MBOとOKRとの違い MBOは、しばしばOKRと比較されます。 OKRとは、インテル社のアンディ・グローブが1970年代に構築した、MBOの一手法です。 MBOは社員の自主性や業績を可視化することで、個々の社員の人事評価に活用できます。 OKRは企業やチームの目標を個々人に連動させることで、組織目標への目線をそろえる目的があります。 一般的に、社員の自主性を重視し、人事評価にも活用するのであればMBOがお勧めです。 一方のOKRは、個人の目標を企業やチームの目標に連動しやすいことから、階層的な管理体制になっている企業に適しています。 ただし、本来のインテルの思想としては、MBOとOKRは別の目的ではありませんでした。MBOで得られる効果をより高くするために開発したのが「OKRメソッド」なのです。 OKRの最大の特長は目標(Objectives)に必ず主要な結果(Key Results)をセットする点です。 これらは、KPI(Key Performance Indicator)やKFS(Key Factor for Success)という指標で略されているケースもあります。 市場に急速な変化が起こった場合、MBOの目標そのものを変更しようとすると、パワーがかかりスピードも遅れる懸念があります。 そのためMBOを取り入れつつも、MBOの機動力をより上げるために「OKRメソッド」を併用するという企業も一定数存在します。 日本で目標管理制度が広がった背景 近年は、日本企業でのMBOの導入率が高くなっています。 労務行政研究所が行った「人事労務諸制度の実施状況調査」によると、日本では78.4%の企業で目標管理制度を導入しています。 参考:人事労務諸制度の実施状況【前編】 実に8割近くの企業で導入が進むMBOですが、もう少し詳しく、目標管理制度が普及した時代的な背景を探っていきましょう。 MBOが日本で注目されたのは、1990年代です。 バブル経済崩壊後、業績の立て直しを迫られた日本企業は、経営や人事制度の大規模な見直しに着手しました。 その際に参考にしたのが、急成長していた米シリコンバレーのIT企業です。 イノベーションの文化や意思決定のスピード等、学ぶべき点が多々あるなか、注目されたのは「成果主義」の人事制度でした。 当時、その成果主義とともに注目されたのが「MBO」です。 成果主義を掲げるなかで、従来型の能力やプロセス重視の評価制度ではなく、結果重視のMBOは相性がよかったのです。 ただし、成果主義の潮流で導入が進んだことで、一部の企業では「MBO=ノルマ管理」のような間違った認識も広まってしまいました。 会社からの一方的な目標を強要したり、結果至上主義のようなドライ過ぎる運用が横行したりした事実もあります。 MBOを導入する際は、ドラッカーが提唱した「and Self Control」を尊重すべきことは、時代背景からも学ぶことができるでしょう。 MBOを導入するメリット これまでMBOの概要や導入が進んだ背景を紹介してきましたが、ここからはより現場で実感しやすい具体的なMBO導入のメリットについて確認していきます。 1. 社員が成長しやすい MBOでは社員自身で目標を設定し、達成までのプロセスを含めて管理します。そのため、自己管理能力が向上する等、MBOを通じて社員が成長しやすい点がメリットです。 上層部から与えられた目標の場合と比べても、自主的に目標達成できるための工夫や努力を行うため、その過程で業務効率化や、より高いスキルの習得が期待できます。 さらにメンバーの目標達成をマネジメント側がフォローすることで、マネジメント側も一体となって社員の成長を後押しできるでしょう。 2. 社員の主体性や自律性が高まる MBOの主役は社員一人ひとりであるため、社員の主体性や自律性が高まりやすい点もメリットです。 目標設定そのものも社員自ら決めますが、そこへの到達プロセスも社員自身でセルフコントロールする必要があります。 仮に目標の進捗が予定通りにいかない場合でも、上層部からの指揮命令を待つのではなく、社員個人がまずは解決策を考案しなければなりません。 もちろん必要に応じて上司の力を借りることもありますが、「自ら考える必要がある」という意識が芽生えることは、仕事に主体的に向かうスタンスが鍛えられるでしょう。 3. 人事評価の透明性・納得感が高まる MBOは情意評価やプロセス評価と比較すると、評価者の主観が入りにくいため、人事評価の透明性や納得感を高めやすいメリットがあります。 達成すべき指標や達成と見なされる状態、達成期限があらかじめ定められていることで、目標の進捗や達成・未達成が可視化されているのがMBOの特長です。 また、評価に納得がいかないときであっても、「何を根拠にこの評価結果になったか」について確認できるため、健全な議論が進めやすい利点もあります。 もちろん、社員自らが設定している指標であるため、どのような結果であっても社員の納得感も得られやすくなるでしょう。 MBOを導入する際の注意点 1990年代に「ノルマ管理」のような誤認含みでMBOが浸透してしまったように、現代でもMBO導入には配慮すべき点があります。 本章では、MBO導入企業で陥りやすい注意点を紹介していきます。 低い難易度の目標を設定してしまう MBOの目標は社員が率先して設定するため、なかには低い難易度の目標を申請する社員もいます。 このように社員の自己申請だけに任せていては、目標レベルに差が生じがちなのがMBOの注意点です。一段高いレベルの目標を掲げる人もいれば、これまで通りの業務の進め方で達成できる内容を選ぶ人もいるでしょう。 MBOは目標の達成度で評価するため、低い目標を設定した方が評価は有利に働くことになります。 挑戦的な目標を掲げた人が低評価で、低い目標を掲げて努力しなかった人が高評価といった不公平な事態になりかねません。 このような事態を防ぐためには、マネジメント側がメンバー間の目標難易度を調整しながら、目標設定をサポートする必要があります。 さらに部署間の難易度を是正するために、人事部門の介入や部門横断での目標確認ミーティング等も有効でしょう。 目標項目以外の業務が疎かになる 設定した目標達成にとらわれすぎて、目標とは関係がない業務を軽視しがちになるのもMBOの注意点です。 MBOのメリットは目標が可視化されることですが、目標には入れていないものの、やるべき業務が組織には数多くあります。 また期中には環境変化も予想されるため、誰の目標にも含まれていない業務が発生することもあるでしょう。 このため、MBOの運用では、期中に他メンバーや組織目標の共有をこまめに行い、メンバーが自分の目標ばかりに集中しないような工夫も必要となります。 期中には面談を行い、目標に含まれる内容や達成基準をチューニングすることで、結果評価の納得感を上げる工夫も効果的です。 社員のモチベーションの低下を招くことがある MBOは結果評価なので、メンバーによっては期中を通じたモチベーション維持が難しくなる点には注意が必要です。 特に営業部門等、数値目標が明確な職種では、マネジメント側が数値の達成状態しかチェックしていないと、メンバーのよい動きが拾えなくなってしまいます。 例えば顧客都合のような不可避な理由で目標達成ができなくても、顧客によい資料を作った・アプローチを工夫した等、評価できるプロセスはあるでしょう。 マネジメント側としては、結果だけではなく「結果に影響を与えるプロセス」に着目し、必要に応じてメンバーを褒める等して、メンバーのモチベーション維持に注意を払う必要があります。 また、経験の浅い新入社員やMBOを導入して間もない企業では、メンバーが適切な目標を立てられないこともあります。マネジメント側から適切なサポートが受けられないと、モチベーションの低下につながるため注意が必要です。 効果的なMBOの運用ステップ 効果的にMBOを運用するために、押さえるべき運用ステップを紹介します。あくまで基本的な流れとなりますので、適宜自社の状況に応じてアレンジいただければ幸いです。 STEP1. 目標を設定する 人事評価にMBOを活用する場合は、期初にメンバーからの申請を基に目標を設定します。 この際、メンバーの目標申請と組織・上司からの期待をすり合わせすることが重要です。 メンバーの申請だけを鵜呑みにしてしまうと組織成果から外れる可能性があります。一方で組織側からの期待だけを押しつけてしまうと、MBOのメリットが享受できなくなるでしょう。 期初の目標設定面談では、メンバーからの申請を尊重しつつも、組織成果からの期待・メンバーへの成長期待・他メンバーとの目標バランス等、幅広い視点でメンバーと目標をすり合わせる必要があります。 健全に話し合いを進めながら、メンバー・マネジメント側の双方が「今期はこの目標でやっていこう」と合意形成できることを目標設定のゴールとしましょう。 STEP2. 目標のブレイクダウンをする 目標内容のすり合わせだけでなく、もう一段目標のブレイクダウンをすることも必要です。 例え目標そのものは合意ができていたとしても、達成への到達プロセスが曖昧では、目標が未達に終わってしまうリスクがあります。 そのため、できれば期初の早い段階で「どのように達成をめざすか」という達成プロセスのブレイクダウンもしておきましょう。 前述したOKRメソッドを使い、目標達成までの中間指標であるKPIの設定もお勧めです。 また個別メンバーとの合意だけでなく、他メンバーや他部署の目標をチェックしたうえで、必要に応じて目標の横並び調整をすることも忘れないでください。 STEP3. 目標を遂行する MBOは目標設定と結果評価がクローズアップされがちですが、期中の目標遂行期間のフォローも必要です。 目標達成のためには、定期的な面談で進捗状況を確認し、状況に応じたマネジメント側のサポートが重要となります。 定期的に面談を行っていれば、進捗が頓挫したときや問題があったときに迅速に対応できます。問題が小さいうちに解決につなげられるため、目標の達成確率を上げることができるでしょう。 また、大きな環境変化のような予想外の事態が起きた際には、期中であっても目標修正をタイムリーに行うようにしてください。 STEP4. 結果を評価する 目標設定と同様に、結果評価の際にもメンバーからの自己申請を基に行います。 達成度の評価や根拠をメンバーが申請したうえで、マネジメント側が総合的に判断する流れがよいでしょう。 評価面談の際に自己評価とマネジメント側からのフィードバックを繰り返すことで、共通認識が深まることにもつながります。 また結果の評価という定量的な部分だけでなく、定性的なプロセスも評価することがお勧めです。目標達成の可否のみであれば、メンバーのモチベーション向上に貢献しにくくなります。 結果に関わらず、よかった動きや次にめざすべき成長課題を話し合う機会としましょう。 まとめ MBOは人事評価で活用されることが多いですが、本来は社員の自主性を引き出すマネジメントの概念です。 昨今は「自律キャリア」や「ワーク・ライフ・バランス」等、社員を主体とする制度を検討する傾向にあるため、日本企業ではMBOが馴染みやすくなりつつあるといえます。 ただし本来のMBOの目的を享受するためには、現場マネジメントや人事部門に工夫が求められるのも事実です。 一般的な概念だけではなく、自社に即した実運用を見越しながら、MBOを導入するようにしましょう。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 MBOや部下の目標管理に役立つコンテンツを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.03.12

SNS炎上の原因と対策|国内外5つの事例を紹介

2024.03.12

SNS炎上の原因と対策|国内外5つの事例を紹介

人材教育

人事制度・組織づくり

ビジネススキル

ネットリテラシーが高い人というと、ひと昔前は情報検索能力に長けている人などを指すことが多かったと思います。しかし近年では、それだけでなくネット利用のリスクを正しく理解し、TwitterやYouTubeといったソーシャルメディアを、適切に利用できる人のことを指す機会が多くなっています。 ネットリテラシーの意味に変化が起きた要因として挙げられるのは、誰でも気軽にネット上で情報を発信できるようになった影響で、「炎上」などのトラブルが頻発していることです。アルバイトなども含めた従業員のネットリテラシーを高めることは、企業としても急務です。なぜなら、たった一人の従業員のうっかり事故が、会社全体に悪影響を及ぼしてしまうリスクがあるからです。 今回は、特に話題になっているソーシャルメディアでの「炎上」事例を通して、ネットリテラシー研修の必要性について考えていきたいと思います。 事例紹介 まずは、国内と海外での企業に関わる「炎上」事例をご紹介します。いずれも企業の公式アカウントなどではなく、会社の目が直接届きにくい従業員のプライベートでの行動が、会社にも悪影響を与えてしまった事例です。 国内での「炎上」事例 ・空港 ショップ店員 芸能人が来店した際に、クレジットカード伝票や購入時のサインを店員が撮影し、Twitterに掲載。他のTwitterユーザーからの指摘ですぐに削除したものの、騒ぎは収まらず新聞などでも取り上げられる事態となりました。 結果、従業員が契約解除となっただけでなく、店舗を運営していた会社の役員は報酬の一部を自主返納することを発表。また、空港の公式ウェブサイトからは正式に謝罪文が掲載されました。 ・製薬会社 社員 MR(医薬情報担当者)の女性社員が、「同僚が睡眠導入剤を不正に入手し、飲み会でお酒に入れた」などとツイート。医薬品を適切に扱わなければならないはずのプロが、いたずらに使用したことに対してモラルを疑う書き込みが集中しました。会社は社員に対し調査を実施。ホームページに、お詫びのお知らせが掲載されました。 ・システムエンジニア ある会社のシステムエンジニアが、競合会社の社長について「何もわかってねーなー」などとツイート。他にも過激な発言や自身の会社への批判を繰り返していました。 本人は属している会社を明かしていませんでしたが、その他のツイートなどから会社や実名などを洗い出されてしまいす。その後は「○○会社のエンジニアが」と社名つきで炎上する結果となりました。 海外での「炎上」事例 ・大手ピザショップ 従業員 従業員が、店舗内で食材を鼻に入れたりピザ生地にツバを吐きかけたりといったいたずらを、動画でYouTubeへアップロード。会社の管理の杜撰さを問題視する声が集まり、ニュースなどでも取り上げられる事態となりました。最終的に、社長が謝罪動画を展開してようやく沈静に向かいました。 ・インターネットサービス会社 広報部長 ある大手インターネットサービス会社に所属する広報部長の女性が、 「今からアフリカに行きます。エイズになりませんように。冗談よ、私は白人だから。」という内容をツイート。 彼女のフォロワーは200人足らずだったそうですが、このツイートは差別的と受け止められ、世界中に拡散し炎上することとなりました。この短い文章で会社が信用を失ったのはもちろん、発言した本人は翌日即解雇されてしまいました。 なぜソーシャルメディアで「炎上」が起こるのか ご紹介した事例から、会社やブランドの公式アカウントでなくても、従業員の「炎上」が結果として会社に飛び火し、悪影響を与えてしまうことがお分かりいただけたと思います。 また、ソーシャルメディアでの「炎上」は、アルバイトから役職者まで、果ては経営者までもが当事者となりうるのが特徴です。では、「炎上」が発生してしまうのには、どのような背景があるのでしょうか。 メッセンジャーアプリとの違いの理解不足 特に若い世代で多いのがこのケースです。不特定多数のユーザーがアクセスできる状態になっているにも関わらず、本人は友達のみに情報を発信しているつもりのため、タガが外れて過激な内容を発信してしまうのです。 LINEなどメッセンジャー機能を主とするサービスと、不特定多数と関わりあうことが前提のソーシャルメディアとの使い分けを正しく理解する必要があります。 読み手に対する想像力の不足 みんなが読んでいると認識していても「炎上」は起こってしまう場合があります。そのほとんどが、軽い気持ちで人を不快にさせる内容や、モラルに欠ける内容を書き込んでしまう場合です。ネット上には、様々な立場の人がいるということを再認識し、投稿する前に本当に問題の無い内容か確認する必要があるでしょう。 また、プライベートのアカウントなら何かあっても自分が謝れば済む、と考えてしまうのも誤解です。職場や仕事に関わる内容を投稿すれば、会社に迷惑がかかる可能性があることを認識しなくてはなりません。 ネットリテラシー以外の問題 本来のネットリテラシーだけでなく、別の要因とも絡み合っているケースが多くあります。例えば、従業員の個人情報に対する意識の低さや、業務上の規則を守っていないがゆえに炎上した場合、根本原因はそちらにありソーシャルメディアはそれが露呈するトリガーに過ぎません。 しかし、それらの間接的な要因となった違反行為も、ネットリテラシーと紐づけて考えるべきだと思います。規則を守ってもらうことが重要なのはもちろん、「炎上」の要因にはある程度傾向があるので、そこから対策も導き出すことができます。 ネットリテラシー研修をしよう では、これらの従業員による「炎上」を防ぐにはどうすればよいでしょうか?ソーシャルメディアがこれほど普及した世の中、従業員に利用を全面禁止することは不可能です。やはり、従業員のネットリテラシーを高めることが重要です。 「ソーシャルメディア利用ガイドライン」を設けよう まず挙げられるのが、社内で「ソーシャルメディア利用ガイドライン」を設けることです。従業員によって、ソーシャルメディアに関する知識や危機感のレベルはバラバラです。やってはいけないこと、危険なことなどを明確にする必要があります。 ただし、従業員がガイドラインを守ろうとせず、形骸化してしまっては、結局「炎上」を未然に防ぐことは難しいでしょう。そこで次に必要になってくるのが、ネットリテラシー研修です。 ガイドラインを形骸化させないための「ネットリテラシー研修」 ネットリテラシー研修では、従業員にガイドラインの中身を理解してもらうことはもちろん、自主的に守ろうという意識をもってもらうことが重要です。炎上は他人事ではなく誰にも起こり得ること、ネットリテラシーを高めることが会社と従業員双方を守ることにつながることを理解してもらいます。また、知識だけでなく事例紹介などを通して個々が適切な判断ができるよう、考える力を養うことも必要です。 たった数十文字の書き込みで会社を危機に追い込んでしまう炎上。今や「従業員の自己責任」では済まされない状況です。会社のリスクとして認識し、その回避のためネットリテラシーの向上に取り組む必要があると思います。 参考: 「バイトテロ、ネット炎上を未然に防ぐ―― 今、求められるネットリテラシー教育とは」HRプロ 「新入社員に教えるべきこと、それは“ネットリテラシー”」ITmedia ビジネスオンライン 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 SNS炎上対策とケーススタディが学べるコンテンツを含む100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.03.03

なぜ低い?日本の女性管理職進出率

2024.03.03

なぜ低い?日本の女性管理職進出率

人事制度・組織づくり

最近では、キャリアアップに余念のない若い女性の姿をよく目にします。「働く女性」が当たり前となった今日、女性の就業者率で見ても、日本のそれはほかの先進国と大差はありません。しかし、こと管理職レベルでの女性の進出となると、話は違うようです。 なぜ進まない?女性管理職の登用 総務省統計局「労働力調査」によると、企業の課長以上、または管理的立場にいる管理的職業従事者に占める女性の割合は、アメリカが43.1%で第1位、フランスが39.4%、スウェーデンが34.6%と続きます。ところが、日本はわずか11.1%。欧米の先進国と比較すると、かなり低いことがわかります。(総務省統計局「労働力調査」および労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2013」/日本は2012年の数値、その他は2011年の数値) 「家事や育児は女性の仕事」という社会的風潮が原因か 日本で管理職への女性の登用が進んでいない原因には、次のようなことが考えられます。 結婚を理由に退職する女性が多い 育児休暇が取りづらい職場環境 就業時間と家庭のバランスを取るのが難しく、出産後に仕事を続けられない 女性管理職を受け入れる会社の仕組みが整備されていない 入社時から一般職/管理職に分かれる人事管理制度 こうした状況は、男女ともにワーク・ライフ・バランスへの意識が不十分で、女性が家事や育児を担当するのは当たり前といった社会的風潮がベースとなっているようです。 女性管理職を育てるために企業ができることは? しかし、結婚、出産後も仕事を続けたいと願う女性は近年増えており、管理職を務める能力を持った女性も多く存在します。この状況を打開するためには、女性の個人的努力に任せるだけでなく、企業側からの働きかけが欠かせません。以下に、企業ができるサポート体制の具体例を挙げてみましょう。 産休・育児休暇制度の整備 復職後のワーク制度の変革(時短勤務、フレキシブル労働、自宅勤務など) 男性優先の評価制度の改正(昇進、昇格、給与制度など) 女性リーダーを育てる育成プログラムの実施 管理層も含めた社内の意識啓発の促進 女性自身の意識改革(社内外、異業種、海外拠点を含めた女性社員の交流ネットワークの構築など) 企業側が女性にとって働きやすい職場環境を整えていく以外に、女性たち自身の意識改革もよりいっそう重要になってきます。日本では、管理職として道を歩んだ女性のモデルケースが少ないために、多くの女性が「私が管理職に就いたら、やっていけるのだろうか」という不安を抱えています。そのため、企業側には、女性同士がこんなワークスタイルや育児の仕方もあるといった経験をシェアしたり、問題を話し合ったりできる場の提供も求められています。女性が自ら「リーダーになりたい」と思えるように意識改革を行っていくことが、今後大きな効果を生んでいくに違いありません。 女性の管理職進出が進む海外では何が違う? 統計でみるかぎり、欧米諸国での女性管理職率は高いことがわかっていますが、必ずしも女性のキャリア進出がスムーズに進んでいるわけではありません。海外でも「女性は家庭」という意識はあり、その偏見と戦わなければならない女性の姿は、程度の差はあれ日本と共通するものがあります。 女性が働きやすいサポート体制を準備 ただ、企業側の仕組みづくりにおいては、大変な努力がみられます。たとえば、多くの欧米企業はワーク・ライフ・バランスの大切さを十分認識しており、女性たちには、先に挙げたようなフレキシブルな労働時間や自宅勤務のような選択肢がすでに準備されています。また、性別より能力重視の公正な評価制度、働く女性がお互いのワークスタイルについて学び合える女性リーダーたちとのネットワーク構築などにも取り組んでいます。日本と比較すると、会社のトップレベルから社員まで女性活用に対する理解度が高いと言えます。 女性登用を進める企業が未来を勝ち抜く 人材不足が叫ばれる今日においては、女性を戦力として活かしきれていないことは、企業が本来持ちえる人材ポテンシャルをみすみす逃すこととなります。性別にとらわれず優秀な人材を積極的に育成していける企業こそ、未来に向かって高い競争力を蓄えることができるのではないでしょうか。 参考サイト: 「日本はなぜ女性管理職が少ない?欧米と何が違う?女性活躍の制度づくりの課題とは」Business Journal 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.03.01

個人キャリアの尊重で企業に競争力を生む2つのポイント

2024.03.01

個人キャリアの尊重で企業に競争力を生む2つのポイント

人材教育

人事制度・組織づくり

グローバルビジネスで競争力を発揮している企業では、個人のキャリアを中心にすえた「タレントマネジメント」を積極的に行なっています。 今回は「従業員エンゲージメント」の観点から、「タレントマネジメント」が重要な理由について考察してみます。 なぜ個人のキャリアの尊重が企業に競争力をもたらすのか? タレントマネジメントは、ビジネスで求められる適正な人材の育成と確保を目的としています。人材の能力やスキルをデータ化することで、個人の能力の発掘・開発、後継者の選抜、組織編制や人事配置を戦略的に実行できます。これまでは会社が必要とする役職や業務に社員を従わせており、個人の適正や能力、希望に沿うタレントマネジメントについてはあまり考慮されていませんでした。しかし、タレントマネジメントによって、個人がより能力を発揮してキャリアの構築ができるようになるのです。 従業員エンゲージメントの向上で利益率もアップ 従業員エンゲージメントとは、会社と社員がお互いのために「奉仕する」ことで、組織としてのパフォーマンスが高まるという考え方です。社員の会社に対する誇りが高いモチベーションとなり、ひいては会社の発展のために自助努力することにもつながります。 世論調査・コンサルティングサービスのGallup(ギャロップ)社は、2012年にのべ140万人の従業員を対象とした「Gallup Q12® Meta-Analysis」で、従業員エンゲージメントと企業パフォーマンスの関係性を調査しました。その結果、従業員エンゲージメントの上位1/4の企業と下位1/4の企業を比較すると、上位の企業のほうが顧客評価は10%、利益率は22%、生産性は21%高いことが判明しました。また、離職率や常習欠席率、商品の欠陥率でも、ポジティブな影響が大きく現れています。 タレントマネジメントは高いエンゲージメントに貢献 組織変革コンサルティング会社である株式会社マングローブの代表取締役・今野誠一氏によると、高いエンゲージメントを実現させるのは誰かの役に立っているという「貢献のエネルギー」、自分が成長しているという実感を得られる「成長のエネルギー」、こうなりたいという自分自身の姿を描ける「実現のエネルギー」の3つだといいます。社員ひとりひとりのやる気や自己実現への欲求が満たされて初めて、組織としての力が発揮されるのです。 そのために、企業は個人を的確に育てるタレントマネジメントを行う必要があります。タレントマネジメントは、企業が強い組織づくりを進めるうえで欠かせない施策のひとつなのです。 トップダウンが成功のカギとなる こうしたタレントマネジメント施策の実行には、会社の文化や組織づくりの根本的な改革が必要となるため、社長以下、人事、管理部門が一丸となった取り組みが求められます。人事担当者がそのけん引役となるべく、社内の連携を強めるようなアクションを起こしていきましょう。 こちらの記事も読まれています: 勝ち続ける企業には欠かせない「グローバル人事制度」とは 海外グローバル企業の人材マネジメントはここが違う! 参考: 2015 Trends in Global Employee Engagement (PDF)|Aon  How Employee Engagement Drives Growth|Gallup  世界でダントツ最下位!日本企業の社員のやる気はなぜこんなに低いのか?|ダイヤモンド・オンライン  成果を生み出す 従業員「エンゲージメント」の主要10ステップとは?|日本の人事部   

2024.02.14

【企業事例付】社員のスキルアップ支援の意義とポイントを解説

2024.02.14

【企業事例付】社員のスキルアップ支援の意義とポイントを解説

人材教育

人事制度・組織づくり

労働力不足に悩む日本企業においては、既存社員のスキルアップは重要な施策といえるでしょう。 職場環境の整備や会社としてのスキルアップ支援は、社員のモチベーション向上にも効果があります。 今回は、スキルアップのメリットをあらためて整理しながら、社内で取り組めるスキルアップのポイントや施策を解説します。 スキルアップとは スキルアップとは、社員が日々の業務遂行や研修受講等を通して、仕事をするための能力(スキル)を高めることです。 英語のスキル(skill)は、技能や技術と訳されます。もともと「教育や訓練を経て、習得した能力」という意味です。 社員が現在持っている知識や経験をさらに磨いていくことも、新たなジャンルの知識や技術を習得することも、いずれのケースもスキルアップに該当します。 近年は、限られた社員でこれまで以上の業務生産性を確保するため、社員のスキルアップを積極的にサポートする企業が増えているといえるでしょう。 例えば社内で勉強会を開催したり、外部セミナーや研修の参加費用を補助したり等、多様な取り組みで社員のスキルアップを支援しています。 スキルアップとキャリアアップとの違い スキルアップと混同されやすい、キャリアアップとの違いを説明します。 キャリアアップとは、「役職・賃金等のポジションや待遇を優位にしていくこと」を指します。 具体的には上位役職への昇進、昇給での年収アップ、労働条件がより良い企業へのへの転職等が、キャリアアップの例として挙げられます。 一方、スキルアップは「現在の能力をより高めること」を指すケースが一般的です。 スキルアップをした結果としてキャリアアップが実現することも多いですが、スキルアップしたことのみでは、必ずしも待遇が向上するとは限りません。 スキルアップとキャリアアップの違いは「高める対象」と覚えておくとよいでしょう。 スキルアップで得られる企業側のメリット スキルアップは社員の自主性に委ねられることもありますが、企業側が制度や施策として社員のスキルアップ支援をすることで、得られるメリットもあります。 ここからは企業側の代表的なメリットを3点紹介します。 メリット①生産性が向上する 業務で必要となる知識・経験を習得してスキルアップした社員が多いと、業務全体の生産性が高まります。 限られた時間であっても、スキルが高い社員が担当すると、より効率よく利益を生み出すことができます。 さらに社員間のコミュニケーションのロスが少なくなり、スムーズに連携できるようにもなります。スキルアップの結果、業務のミスや抜け・漏れが発生しにくくなる点もメリットです。 最近は、採用での社員獲得で人員を増強していく余力がある企業も減っているでしょう。 そのようなときでも、既存社員のスキルアップにより、人員を増やさずにこれまで以上の業務を推進できることが期待されています。 メリット②顧客から評価される スキルが高い社員が多いと、取引先顧客からの自社評価が上がるメリットもあります。 例えば営業スキルを磨いた社員が増えれば、顧客から「想定していた以上の良い提案をしてくれた」「質問をしても、常に的確にアドバイスがもらえる」等の良い意見が増えていき、顧客満足度が向上するのです。 自社の良い評判が広まることで、新規顧客からの問い合わせが増える、顧客リピート率や単価が上がる等、目に見える成果として現れることもあります。 特に、競争が激しいマーケットに身を置く企業の場合、人材の価値を上げることで他社より高い競争力を確保することにつながりやすくなるでしょう。 メリット③優秀な人材の採用や定着が期待できる 社員のスキルアップをしっかりと支援している企業は、人材獲得力が上がったり、社員の定着率を向上させたりしやすくなります。 特に若手社員の場合、スキルアップで自分の市場価値を上げることに貪欲な傾向にあります。 採用ホームページ等で自社の教育制度を公開することで、採用の応募者を増やしたり、入社の確率を上げたりすることも期待できるでしょう。 またスキルアップ施策があることで、社員の自社満足度を上げて、人材定着率も向上させやすくなります。 スキルアップ施策そのものへの満足もさることながら、「社員に手厚い企業だ」や「人材投資に積極的な企業だ」という自社への愛着心を高める効果もあります。 このようにスキルアップ施策をしていることは、社外にも社内にも効果があるブランディング施策といえるでしょう。 スキルアップで得られる社員側のメリット スキルアップ施策があることは、社員にももちろんメリットがあります。 ここからは、よく聞かれる社員側からの前向きな意見を紹介します。 メリット①昇進・昇格の可能性が高まる スキルアップしてより高レベルの仕事を担えるようになれば、昇進・昇格の可能性が高まります。 日本企業の多くは「職能資格制度」という、人の能力向上に応じて昇格する等級制度を導入しています。そのため、スキルアップの能力向上は上位の等級に昇格でき、その結果昇給も期待できるようになります。 もちろん「職務等級制度」を導入している場合でも、スキルアップの結果として今より職務価値が高い仕事に就くことができれば、同様に昇格や昇給が可能です。 昇格のような具体的な成果だけでなく、スキルアップしたことで自分への自信にもつながるため、自己信頼が高まるメリットもあるでしょう。 メリット②キャリアアップにつながる スキルアップして知識・経験を積んでいくと、結果的にキャリアアップにつながることも増えるでしょう。 例えば職務経歴書に記述できるスキルや仕事経験が増えることで、より好条件の会社へ転職ができるようになります。スキルアップの結果、自分の理想に近い働き方を叶えられる確率が高まるのです。 また、前述したように社内で昇進・昇格できることで、社内でキャリアアップするケースも考えられるでしょう。 このようにスキルアップを積み重ねることで、ビジネスパーソンとして輝かしいキャリアを歩める確率が高まるといえます。 メリット③自信が得られ満足度が高まる スキルアップが叶ったことで自分に自信が持てるようになり、日々の仕事にも前向きな気持ちになります。 たとえ難易度が高くプレッシャーが高い仕事にアサインされたとしても「これまでの経験が活かせるはず」「自分ならハードルを乗り越え、さらにスキルアップできるはず」とポジティブにとらえやすくなるのです。 仕事へ前向きに取り組んでいることは日々の言動にも現れるようになるため、周囲からの信頼も得やすくなります。 このようにスキルアップで仕事や対人関係が円滑になることで、仕事への満足度を高めることにつながるでしょう。 効果的なスキルアップ支援を行うためのチェックポイント 社内で実施できるスキルアップ支援は、社員のモチベーションに着目することが重要です。 ここからは、社員のスキルアップを支援する前提となる心構えについて解説していきます。 社員の現状のモチベーションを確認する スキルアップには利点が多いものの、誰もが積極的に取り組むとは限りません。まずは現在の社員のモチベーションを確認するようにしましょう。 モチベーションが低い状態では、スキルアップ施策は「押しつけ」と思われてしまい、さらにモチベーションが悪化に繋がる場合もあります。 社員のモチベーションが上がりにくい理由には、さまざまな要因が考えられます。仕事が合わない、業務が合わない、人間関係が合わない等、原因は多岐にわたり、どのような問題を抱えているかによって解決方法も異なります。 モチベーションが上がらない原因には、社員自身がしたくないことをしているという意識が強かったり、仕事に対する明確な目標を持っていなかったりすることが挙げられます。このような場合は、社員自身が仕事に対する目標を掲げて意欲的に取り組めるように、意識を変えていくことが必要です。 社員のやりがいや目標を確認する 社員自身がどのようなことにやりがいを感じているか、どのような目標を掲げているかも、スキルアップの重要なチェックポイントです。 会社の定めた目標設定が本人の目標に合っていない場合や、人事評価がうまく行われていない場合も、社員のモチベーション低下を招きます。また、部下や上司等との人間関係が大きく影響していることもあるでしょう。 このようなケースでは、異動を行う等、社内の環境を整えなければなりません。それには、面談のような社員一人ひとりの目標ややりがいを確認する場を設ける必要があります。また、日頃から社員同士がコミュニケーションを取り合うことも大切です。 このような環境整備をして、スキルアップに前向きに取り組める状況を整えるようにしてください。 ※社員のモチベーションを高める方法については、「社員のモチベーションの高め方は?企業事例と6つのポイント」もお読みください。 社員の得意分野を確認する 社員自身の得意分野や興味がある分野でスキルアップできれば、仕事により精力的に取り組めるようになります。 「ロジカルシンキングの能力を高めたい」「営業スキルを磨きたい」等の本人の意向に沿ったスキルアップ施策だと、スキルアップの質やスピードを上げることも期待できます。 逆に本人が希望していないジャンルのスキルアップ施策を実施すると、「会社側からの押しつけだ」のようなネガティブな感情を抱きかねません。 スキルアップして仕事に前向きに取り組むことができれば、社員のモチベーション維持にも効果が高いでしょう。 スキルアップの具体的な支援策 最後に、社内でできるスキルアップ支援の一例を紹介します。 例えば、セミナーやeラーニングでスキルアップ講座を行う、取得したスキルを活かせるチャンスを与えるといった方法があるでしょう。 スキルアップ支援方法10選 ①継続的な教育プログラム: 社内研修や外部講座を通じて、社員が専門知識やスキルを向上させる機会を提供します。 ②個別指導の機会: メンタリングやコーチングを通じて、上司やベテラン社員が若手社員のスキル向上を支援します。 ③eラーニングプラットフォーム: オンライン学習プラットフォームを提供して、社員が自分のペースで学習できる環境を整備します。 ④カンファレンスやセミナー参加: 社員が業界の最新動向を知り、専門的なネットワークを構築できる機会を提供します。 ⑤語学学習サポート: 語学スキルを向上させるためのクラスやアプリの利用を支援します。 ⑥プロジェクトローテーション: 異なる部署やプロジェクトでの経験を提供し、幅広いスキルを磨くチャンスを提供します。 ⑦キャリア開発プラン: 各社員に対して、スキルやキャリア目標に基づく個別の成長計画を策定します。 ⑧自己学習時間の確保: 週に一定の時間を自己学習に割り当てることで、社員が自己啓発に取り組む時間を設けます。 ⑨プロフェッショナルコミュニティ参加: 社内外の専門的なコミュニティに参加し、交流や情報交換の場を提供します。 ⑩スキルアップ奨励金: スキル向上に関連する書籍やコースへの費用を部分的に補助する奨励金を提供します。 企業スキルアップ支援事例 Deloitte「デロイト・ユニバーシティ」 Deloitteは世界最大級のグローバル経営コンサルティング会社の1つとして知られています。デジタルスキルやリーダーシップスキル向上のための研修を提供しており、社員の成長を支援しています。 いま必要なスキルを今日・明日で教えるのではなく、5年後・10年後に必要なスキルを先回りして学ぶ「未来系」の研修が充実しています。 デジタル、グローバル、リーダーシップの3大領域で、未来のリーダーが身に付けるべき最先端のスキルを磨くためのトレーニング機会を社員に提供しています。 Salesforce「Trailhead」 Salesforceは顧客関係管理やテクノロジースキル向上のための無料オンライン学習プラットフォームを提供しています。テクニカル、ビジネス、ソフト関連の需要が高いスキルを学習することができ、誰でもITスキルをグレードアップできる環境を整えています。 LinkedIn「LinkedIn Learning」 LinkedInはプロフェッショナル向けのオンライン学習プラットフォームを運営し、幅広いトピックのコースを提供しています。各業界で実務経験を積んだ講師が指導する「エキスパート指導コース」もあり、社員が自身のスキルアップに役立てています。 ニトリ「ニトリ大学」 入社期別研修、eラーニング、社外講座や社内資格認定制度等、多岐にわたる教育・自己育成の機会とツールを提供しています。ニトリは教育こそ最大の福利厚生と考えており、「配転」から得られる経験を「技術」に変えていくための「正しい知識」を習得していく教育体系が整備されています。 これらの方法や事例を参考に、企業内での社員のスキルアップ支援を強化するアイデアを検討してみてください。 *本事例は過去の事例も含む参考情報です。最新事例や内容につきましてはご確認ください。 eラーニングを活用したスキルアップ支援 社員のスキルアップを実現するには、「Cloud Campus」を活用する方法があります。Cloud Campusでは授業の視聴、資料の閲覧、テストや成績管理等が可能です。 スキルアップすることは会社だけでなく本人にもメリットがあることを伝え、積極的な参加を促すことも大切です。 Cloud Campusでスキルアップする4つのメリット Cloud Campusには、以下のようなメリットがあります。それを活かして、社員のスキルの向上を支援しましょう。 コミュニケーション機能で学習内容の理解が深まる Cloud Campusは自分で学習を進めるだけでなく、ほかのメンバーとコミュニケーションを取りながら、学習内容の理解をより深めることができます。 学習内容の理解度を把握できる テスト機能によって、学習内容の理解度を把握できます。受講者自身が評価を客観視することで、スキルアップにつながるでしょう。 自社のニーズに合った学習ができる コンテンツを内製できるため、職場環境の整備にあたって自社に足りていないポイントをおさえた学習が可能です。 社員自身が講師になることで受講意欲がわく 社員自身が講師になって、Webカメラを使って研修を作成することができるため、コミュニケーションが発生しやすく受講意欲がわくきっかけにもなります。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする まとめ 社員がスキルアップすることで、本人にも会社にもメリットが生まれます。キャリアアップをしながら会社の業績も上がる等、誰にとってもwin-winの取り組みとなるでしょう。 会社全体で社員のスキルアップを支援する等、積極的なサポートをするのも効果的です。研修の充実・資格取得支援・配置転換等、自社に合った施策を見つけていきましょう。 社員のモチベーションは社員個人の問題に留まらず、職場全体にも大きく影響します。社員が高いモチベーションを持って業務を進められるように、企業は働きやすい環境の整備やスキルアップの支援をする必要があります。その方法として、Cloud Campusを活用してみてはいかがでしょうか。 eラーニングの受講率を高める工夫については、「eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説」にて紹介しています。 なお、弊社では「eラーニングコンテンツ」を多数取り扱っております。お手軽に学んでいただくことができますので、ぜひご活用ください。

2024.02.05

【産業医解説】メンタルヘルスとは?職場での3つの予防と4つの対策

2024.02.05

【産業医解説】メンタルヘルスとは?職場での3つの予防と4つの対策

eラーニング

人事制度・組織づくり

職場のメンタルヘルスについては、近年、精神障害による労災申請も増加の一途をたどっており、職場において対処すべき最優先課題です。 人と人で利害と責任が絡み、ストレスに対しての耐性が労働者個々で異なる以上、完全には不可避でありますが、日頃からその予防と遭遇する局面に適切な対応と避ける準備が必要です。 しかしながら、予防や復職支援の観点から対策はなされているものの、実施へのプロセスが不十分な現状です。 筆者は産業医として具体的な事例と事案に携わった経験から、実践可能な対応策をこの記事を通じて紹介します。職場のメンタルヘルスに必要な「3つの予防」と「4つのケア」を軸に記事を進めていきます。 筆者情報 吉川博昭(医学博士・日本医師会認定産業医・日本ペインクリニック学会認定専門医) 都内医学部卒業。医師免許取得後は麻酔科やペインクリニックを専攻し、医療機関で臨床業務に従事。 職場のメンタルヘルスとは メンタルヘルスは心の病気を指す言葉ではなく、心の健康状態をあらわす言葉です。 身体的な健康との対比に用いられることが多く、精神状態が健康なことは身体活動が健全に行えることの前提条件になるため近年注目を集めています。 「働く人が心身ともに健康的に働ける職場づくりをめざそう」は努力目標ではなく義務となりつつあります。 職場のメンタルヘルスに関連した法案の変遷 職場のメンタルヘルスに関連した法案は、この20年ほど専門家の間で熟考を重ね、労働衛生環境や安全配慮義務に配慮した施策が十分検討されているものの、まだまだ課題が山積みであるともいえます。 2000年 事業場における労働者の心の健康づくり 2004年 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き 2006年 医師による面接指導の新設(過重労働・うつ病・適応障害等)2011年 心理的負担による精神障害の労災認定 2015年 ストレスチェック制度の義務化 2018年 働き方改革関連法 2019年 パワハラ防止法 労働者を取り巻く環境の変化 労働者を取り巻く環境として終身雇用の時代を経て、現在は労働者個人が技術を身に付け、職場を変える流れが主流になりつつあります。事業者としても、従業員が定着せず、離職者が後をたたないような劣悪な労働衛生環境を放置できない時代になりました。 職場でメンタルヘルスを維持するために重要なのは、労働者が一生使えるスキルを身に付ける好奇心と、企業の利益向上のために業務を効率的に遂行するための分担の工夫です。転職も盛んな時代になりましたので、労働者でありながら個人事業主という感覚で、スキル習得に注視すると高い壁も乗り越えやすくなるでしょう。 段階別3つの予防策 メンタルヘルスの予防は一次・二次・三次と3段階あり、すべての段階に関して作業環境や就労時間等の就労環境、家庭環境にも配慮した取り組みが必要です。 一次予防 健康者を対象に、メンタル不調を未然に防ぐ取り組みを指します。 近年はより早い段階での介入が求められており、一次予防の概念を実践している会社がホワイト企業認定されることが多く、メンタルヘルス対策専門の部署を設立していることも多く、いろいろな視点で配慮がなされているのが特長です。 二次予防 メンタルヘルスに不調が現れ始めた労働者を早期発見して適切な対応を行うことです。 早い段階で支援を行うことは、深刻な状態に陥ることを避けることにつながります。適切な配置転換や、就業上の措置を組み合わせることで早期に回復することがあります。 三次予防 メンタルヘルス不調により、休職した労働者の職場復帰支援の段階です。 休職による不安や焦りを緩和させる精神的フォローや、復帰を無理に急かさないような体制の見直し、社会的資源の適切な利用を案内することで離職につながらない体制を整えます。 メンタルヘルス対策における一次予防の重要性と4つのメリット 職員のメンタルヘルスに取り組むことは会社にとってメリットがあることが知られています。健康経営優良法人の認定条件には、「メンタルヘルス対策の実施」が含まれております。 メリット①離職率の低下と従業員定着率のアップ 従業員の定着は企業イメージの向上や採用力の強化につながります。 メリット②業務上のミスの発生率の低下 業務に慣れた職員が対応することは、致命的なミスや事故の危険性が減るばかりでなく、業務効率の向上につながります。 メリット③組織の浄化 ハラスメントの予防やホワイト企業認定は、若手人材や有能なスキルを持った人材確保や業績向上にもつながります。 メリット④会社のイメージ向上と外交戦略 会社の業績向上で、取引先や投資家からの信用力向上につながり外交面でも有利にことが運ぶでしょう。 三次予防からみるリカバリーとコネクション   メンタルヘルスの問題で円滑に職場復帰することは、事業規模にもよりますが難しいでしょう。 プログラムを作れない方は、「産業保健総合支援センター」に相談すると良いでしょう。心療内科等、自己の状況を俯瞰して診てくれる医師のもとで適切な治療を受けることで、職場に在籍しながらサポートを受ける道もあることでしょう。 企業に求められる4つのケア 厚生労働省が2015年に公表した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で示された、職場でのメンタルヘルスに必要な「4つのケア」を解説します。 1. セルフケア 労働者個人でのケアになり、ストレスの予防や対処をすること。 ストレスに気付くためには、ストレスチェックの実施も有効です。自己であくまで啓蒙していく方針は骨組の基本姿勢ではあります。 2. ラインによるケア 課長・部長等の職責にある管理監督者がケアを行い、ストレス要因を把握し改善を図る取り組みを行うこと。 部署内や組織内で行うケアであり、内情に即したケアが可能なメリットがありますが、管理職の人が不適切な見識を持つとかえって悪化するデメリットがあります。 管理者がメンタルヘルス研修を受けることが必要になります。 3. 事業所内産業保健スタッフによるケア 事業所内の産業医や衛生管理者等による支援を受けること。 セルフケアやラインによるケアの実施をサポートします。 4. 事業所外資源によるケア 事業所外のサービスやサポートを利用すること。 メンタルクリニック等への受診や、カウンセリング等も含まれるでしょう。 客観視点で有用な一方、旧体制の事業所等ではいじめやハラスメント行為の心配もあり注意が必要です。 産業医と職場のメンタルヘルス 産業医が選任されている事業者においては、従業員の長時間・過重労働対策、健康診断後の面接指導や適正部署への配置転換の提案、休職者の事業復帰プランニング、ストレスチェック等、段階に応じた取り組みを進める対応が可能です。 産業医の専門が精神科でなくとも、適切な医療機関への紹介等、スムーズにことが運びます。 メンタルヘルスからみた職場でのよくある2つの問題 日本人の気質で、真面目は一貫した資質で長所です。 環境改善には能動発信が必要ですが、個人レベルで限界があります。いったんこじれた人間関係を事業所内のスタッフとの折り合いで解決するのは難しいことが多く、第三者に頼ることも大切です。 事業者、従業員ともに悩んでいるケースも少なくなく、介入が必要なケースも増加しています。 1. 就業規則とハラスメント問題 就業規則は国の定めに沿ったものであり、会社は原則遵守する必要があります。ハラスメントは雇用者同士により生じることが多く、そういった状況にならないシステムづくりや被害を受けた人への適切な心のケアが必要になります。 2. テレワークとメンタルヘルス問題 コロナ禍でICT(情報通信技術)の活用が飛躍的に進み、出勤せずとも仕事ができるようになったことはメリットが多いといえます。 しかし労働者の勤務状況やメンタル面の変調を把握しづらく、運動不足問題やコミュニケーションの不足は、不眠や自律神経失調症を招く要因になり得ます。 職場におけるメンタルヘルスからみた精神疾患との関連 職場での精神疾患には、有病率の観点からは通常器質性精神病・躁うつ病・統合失調症・神経症性障害ほか、分類されているものは数多く存在しますが、頻度として一番多いものは躁うつ病を含む気分障害です。 2020年の厚生労働省の労働安全衛生調査によると、約54%(※1)の方が、職場環境にストレスや不安を感じています。 2021年メンタルヘルスの不調で1か月以上休職した事業所の割合は10.6%で退職した労働者がいた割合が5.9%であり(※2)、治療が不十分なまま復職することで、その後退職に至るケースがいまだに多いことが問題となっています。 精神疾患は、特性や性格的傾向やうつのように状態名が病名になっているものが多く、環境要因がその発症に強く関連しています。 ストレスに対する耐性が労働者個々で異なる以上、休職者の多くにつく診断名で「適応障害」は、その環境への適応が難しいという部分でなんらかの予防と発症時の介入が必要不可欠になります。 医師にかかり適切なサポートを受けることで、アルコール依存や自殺等を未然に防ぐことが重要です。 ※1 出典:厚生労働省 令和2年 労働安全衛生調査(実態調査) ※2 出典:厚生労働省 令和4年 労働安全衛生調査(実態調査) 職場のメンタルヘルスと社会的資源の活用 労災認定と傷病手当金の受取に関して、質問されることがあります。 「傷病手当金」は、病気や怪我でやむを得ない理由で仕事を休んだときに健康保険協会から給付されます。 「労災給付金」は、仕事中に労働災害が発生した場合に労災保険から給付されます。怪我のみでなく、うつ病や適応障害等の精神疾患の罹患でも給付されるケースが近年増加しています。申請方式で、タイミングや給付額が異なります。 職場のメンタルヘルスが注目されている昨今、会社に対する損害賠償請求も同時に行い、認定されるケースも増えてきています。 職場のメンタルヘルスと職場復帰に関わるスタッフ 労働者の精神衛生状態に応じて、事業所内の人や事業所外の人を多職種組み合わせ利用するのが一般的です。 職場のメンタルヘルスと職場復帰に関わる職種と、主な仕事内容を一覧表にまとめました。 職種 主な仕事内容 衛生管理者・衛生推進者 従業員の健康を保持するための労働衛生管理体制を整えていく中心的な役割を果たす国家資格者。従業員の数により設置が定められている。 産業医 医師の立場で、事業所に健康管理に必要な方策に関して意見を述べ、ストレスチェックの実施者になり過重労働の面接等も担当する医師。 看護師・保健師 精神衛生状況に対して助言をする等労働者の健康管理の活動を担い、ストレスチェック制度の実施を担当する。 人事労務スタッフ 社員のなかで職場内での環境調整や適正な配置や勤務時間の調整を担当。社員の特性に応じた健康配慮義務を最優先に考える。 精神科医・心療内科医 メンタルヘルスの面から、多くの適応障害に潜む器質の精神疾患の有無を専門家の見地より判断し、適切なアドバイスを行う専門職。 精神保健福祉士 国家資格で、精神障害を抱える労働者の社会復帰に向けての支援を行う専門職。 産業カウンセラー・キャリアコンサルト 労働者の抱える悩みの傾聴(コンサルタント)と適切なアドバイスに関する専門家。 公認心理士・臨床心理士・カウンセラー 臨床心理学の知識や技術を用い、心の問題を専門的に扱う資格職。 職場のメンタルヘルスと自殺 令和3年度の調査においても、年間自殺者の約3割は被雇用者(※)であることが明らかになっています。 予防策は当然なのですが、起こってしまったことに対する再発防止や、遺族への適切な対応も大切です。約1~2週間あけた後で、雇用状況や勤怠の部分等の事業者からの事実開示と専門職の人や中立的な立場の人を含めた説明や、遺族の気持ちに傾聴することは大切でしょう。 ※ 出典:厚生労働省 令和3年中における自殺の状況 優良企業が取り組む職場のメンタルヘルス 一次予防の概念を理解し、実践している会社がホワイト企業になります。メンタルヘルス対策専門の部署を設立していることも多いのが特長です。 上司・同僚だけですと、利害関係が絡むこともあるので、第三者を交えた勉強会やカウンセラーや心理士の先生を雇っているケースも多いです。事業の規模に関係なく、それらの連携をとることで労働者のメンタルヘルスを正確に把握しやすいことが挙げられます。 職場とメンタルヘルスに関するよくあるQ&A 以下の2つは、産業医として事業者様より相談を受ける頻度の高い質問です。 Q1. 若者のほうがストレスに弱く精神疾患になりやすいのでしょうか? 人事の方より、世代間のギャップについて問われることがあります。 スキルの取得によりメンタルが鍛えられ、環境にも順応していくことは確かですが、精神疾病の発病に年齢の要素は明確には定義されていません。 職員の定着率が悪い事業所では、「メンタルヘルスアクションチェックリスト」等、客観評価できるツールも進歩してきています。ぜひ活用ください。 Q2. ストレス過多で休職中の職員を同部署に戻して良いでしょうか? 職員との話し合いが大切です。 しかし同僚や上司との関係性や環境面が適応障害を引き起こしていることが多く、部署移動等、環境調整を行うことが一般的には望ましいでしょう。 時短出勤や残業を減らす取り組み等、焦らせず段階を踏む取り組みが必要です。 まとめ 職場におけるメンタルヘルスは、事業規模に関係なく健全な組織運営と切り離せない問題となりました。 ストレスチェックや労働衛生環境を見直すことにより、予防と早期発見が可能となりました。また、休職者が発生した後も、適切なコネクションとリカバリーの策を講じることで、人的資源を失うことなく健全な組織運営と生産性の高い組織の運営を安定して継続し行うことを可能にすることでしょう。 持続可能な未来と社会の実現のためには、「段階別3つの予防策」と「企業に求められる4つのケア」を適切に組み合わせることが大切です。 三次予防は事業所としても対応が難しく、一次二次の段階で早期対応が望ましいでしょう。 著者情報 吉川博昭(医学博士・日本医師会認定産業医・日本ペインクリニック学会認定専門医) 大阪府出身。 ・都内医学部を卒業し、医師免許取得後は麻酔科やペインクリニックを専攻し、医療機関で臨床業務に携わる。 近年は内科診療・産業医学 ・職場におけるメンタルヘルス等などの生活に密着した御相談にも診療幅を広げ、「健康を通じたハッピーな生活をお手伝いしたい」をテーマにしている。 ・記事の監修や執筆においては、平易で分かりやすい表現を用い、丁寧さを心がけている。 取得資格:医師免許・医学博士・日本医師会認定産業医・日本ペインクリニック学会認定専門医   低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 一般社員にも管理職にも必須のメンタルヘルス関連を含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.02.05

コンプライアンス研修とは?ネタ探し方法や効果アップ施策を解説

2024.02.05

コンプライアンス研修とは?ネタ探し方法や効果アップ施策を解説

eラーニング

人事制度・組織づくり

人材教育

近年、企業内の不祥事やハラスメントに関するニュースを見聞きするようになった方も多いのではないでしょうか。 基本的なコンプライアンス研修はすでに実施しているという企業が多いかと思いますが、自社のやり方で十分かどうなのか分からないという声も聞かれます。 そこで今回は、コンプライアンス研修の目的やテーマの選定方法だけでなく、研修の効果を高めるためのポイントについても紹介するので、参考にしていただければ幸いです。 コンプライアンス研修の概要 コンプライアンス研修に関する具体的な企画をする前に、あらためてコンプライアンスの定義や、研修が求められる背景について確認していきます。 コンプライアンスとは 「コンプライアンス(compliance)」とは、直訳すると「法令遵守」です。 企業内でのコンプライアンスは、法令のみならず社会的規範や行動倫理等も含めて遵守することと置き換えられます。 定義を踏まえると、コンプライアンス研修は、自社社員に対して守るべき法令を周知し、コンプライアンス違反によって生じるリスク回避を目的としています。 コンプライアンス研修で扱うネタ・題材は広範囲におよびますが、自社における優先順位を決め、リスクが生じやすいテーマから着手しましょう。 コンプライアンス研修が求められる背景 コンプライアンス研修が実施されるようになったのは、1990年代頃から企業での不祥事が相次いだことが影響しています。 例えば、大手企業による「粉飾決算」や「機密情報の流出」「超過勤務による過労死」等の事件です。 帝国データバンクの調査によると、2022年度にコンプライアンス違反が確認された企業の倒産は過去最多の300件、2年連続で増加しています。 参考:コンプライアンス違反企業の倒産動向調査 企業の不祥事に対する社会的な関心や批判は高まっており、今後ますますコンプライアンス研修の必要性も高まっていくでしょう。 コンプライアンス研修の目的 社会全体としてコンプライアンスの重要性は増していますが、あらためて企業が自主的に研修を実施する意義や目的を確認していきます。 1. 法令・ルールの周知 ビジネスを進めるうえで知っておくべき法令に関して、社員への周知徹底のためコンプライアンス研修を実施します。 具体的には、ビジネスに不可欠な法律の知識や、自社の重要テーマに関する法令等、改めて啓蒙したい内容を取り上げます。自社のリスクに直結しやすいものについては、新たに立法・改正された法律をテーマに選定することも必要でしょう。 例えば、個人情報の取り扱いが不可欠な部門では「個人情報保護法」、購買で下請け取引が頻繁な部門では「下請代金支払遅延等防止法」、知的財産に関わるような開発部門では「知的財産権」等、業務に関するテーマが挙げられます。 全社員に共通して遵守すべき「労働基準法」「安全配慮義務」「インサイダー取引規制」等も取り上げるとよいでしょう。 2. コンプライアンス違反によるリスク回避 コンプライアンス意識が低かったことで起こるリスクを防ぐためにも、研修は必要です。 コンプライアンスに関する不祥事は、時に社員一人ひとりの意識に起因することがあります。 「これくらいの小さなことは、大丈夫だろう」という軽率な行動がきっかけで、コンプライアンス違反を問われれば、世間からの信用失墜につながることもありえます。 信用が失墜するのは早いですが、回復には多くの時間を要するものです。社員にコンプライアンス違反によるリスクを再認識させることも、研修の大きな目的です。 3. 社会生活での基本ルールの共有 社員一人ひとりの動きで事業を推進する企業においては、ルールの徹底もコンプライアンス研修の大きな目的となります。 特に社会人としての経験が浅い社員が多い場合は、コンプライアンスに関する意識が十分ではないかもしれません。就業規則はもちろん、ビジネスマナーや社会人としての常識、SNSの取り扱いや取引先との関わり方等も、研修内容に取り入れたいものです。 円滑に業務を進めるうえでも、社員が共通して守るべきルールの徹底は不可欠といえるでしょう。 コンプライアンス研修の代表的なネタ コンプライアンス研修は業界や職種によりさまざまですが、どこの会社でも共通して理解すべき内容もあります。 本章ではコンプライアンス研修の代表的なネタを5つ紹介します。 1. 各種ハラスメント 現在では「○○ハラスメント」という言葉が広く認知されるようになってきました。 厚生労働省においても、ハラスメントに関してのガイドラインや法規規制を拡充しているため、企業内でもハラスメントへの理解を深める取り組みが求められています。 参考:職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント) 具体的には、「ハラスメント」には以下のような気を付けるべきジャンルがあります。  パワーハラスメント  セクシャルハラスメント  アルコールハラスメント  マタニティハラスメント  スモークハラスメント  ジェンダーハラスメント  モラルハラスメント 研修で取り上げる際には、ハラスメントの加害者や被害者にならないよう、どのようなケースがハラスメントに該当するのかを具体的に示すことが推奨されます。 2. 法規関連 著作権、商標権等 法規周りに関しては、職種を問わず遵守すべき法を社員全体に理解してもらう必要があります。 具体的には、著作権や特許権等の侵害は法律違反であり、企業価値を損なうだけでなく、刑事罰が下るケースもあります。 例えば、企業のSNSやブログで使用する動画や写真、文章等について、知識不足が原因で著作権を侵害してしまうケースがあります。 著作権や意匠権を侵害した場合、莫大な損害賠償金を請求される恐れがあります。悪質と判断されれば、個人に対しても、罰金や懲役等の刑事罰が科されるかもしれません。 3. 情報セキュリティ 情報セキュリティに関しては、昨今のコンプライアンス研修では特に無視できないテーマです。 スマートフォンやインターネットの普及でデジタル化が進む現代では、情報セキュリティに関する内容もコンプライアンス研修で扱う必要があります。 社員が個人のSNSに投稿した場合でも、会社の愚痴や悪評が不特定多数に閲覧されれば、会社の評判を落とします。嘘の書き込みをしたり、悪意を持って他人や会社の評判を貶めたりした場合には、罪に問われるかもしれません。 また、外部からのサイバー攻撃にも注意が必要です。 サイバー攻撃による個人情報の流出事件は、社員による不正や作業の単純ミスが原因で発生することも少なくはありません。 具体的にどのような対策が必要かを研修で広報し、社員の危機意識や正しい言動を促しましょう。 4. 社内手続き・ルール 社内における手続きもコンプライアンス違反につながりやすいため、研修の重点テーマといえます。 特に、経費に関する手続きはすべての社員に関係するものであり、不正を事前に防ぐためにもルールや基準等を明文化して、共有する必要があります。 不正内容によっては刑事罰となる可能性もあり、企業だけでなく社員を守るためにもコンプライアンス研修を通じて教育を施しましょう。 さらに、社内手続きに関しては社内通報の整備も重要です。 社内通報とは、会社内で起こっている問題や不正を社内窓口に通報することです。社内通報が制度化されていれば、大きな問題に発展する前に組織的な適切な対応がとりやすくなります。 5. 働き方改革 近年重要度が増しているコンプライアンス研修のテーマは、働き方改革です。 かつては残業してでも会社に貢献すべきという考え方が主流でしたが、昨今ではワークライフバランスを向上させる潮流があります。 コンプライアンス研修を実施することで、できるだけ定時で帰るよう業務効率を高めたり、タイムマネジメントを行ったりする必要性を強調しましょう。 コンプライアンス研修のネタの収集方法 コンプライアンス研修のネタ探しは、意識的に行う必要があります。急に研修企画が持ち上がっても慌てないよう、ネタの探し方について理解しておきましょう。 1. 同業界での事例収集 抱えるリスクが似ている同業種の事例を集めると、コンプライアンス研修のネタが見つかりやすくなります。 同業種の事例であれば社員にとっても問題やリスクを具体的にイメージしやすく、自社に当てはまる対策を社員自身が考え出す助けにもなります。 自分の状況とコンプライアンス違反が直接結びつきやすいので、社員の学ぶ意欲を喚起することもできるでしょう。 2. 法務部門・弁護士等の専門家に相談 しっかりとコンプライアンス研修を実施したい場合は、法務部門や弁護士等のプロフェッショナルに相談することも一手段です。 法務部は関連法規の改正や最新の法律に通じているため、コンプライアンス研修に含めるべき法律知識へのアドバイスをくれる傾向があります。 自社に法務部がない場合は、弁護士等の専門家に相談するのもよいでしょう。 業界・業種に必要な知識をもとに、実践的な研修を実施できます。具体的なケースでの質問にも、専門的な見地からアドバイスしてもらえるでしょう。 専門家が講師をする場合は、オンラインで研修実施し、後日いつでも再生できるように録画を用意しておく運用も増えています。 3. 書籍やインターネットでの情報収集 できるだけネタ収集のコストを省きたい場合は、書籍やインターネットで情報収集する手段もあります。 昨今ではコンプライアンスに特化した書籍が数多く出版されているため、ネタも収集しやすいでしょう。業種別の事例が掲載されていることも多く、自社にフィットしたコンプライアンスの事例を簡単に見つけられます。 ただし、インターネットで簡易にネタ集めはできるものの、各Webサイトの情報が信頼できるものかどうかを見極めることが重要です。 根拠が曖昧だったり個人的な見解が入っていたりすると、情報の信憑性が揺らぎます。誰が、いつ、どのような根拠で発信した情報なのか確認したうえで、コンプライアンス研修で使用しましょう。 コンプライアンス研修の効果を高めるコツ ネタを集めただけでは、コンプライアンス研修の真の目的は果たせません。 最後に、コンプライアンス研修の効果をより本来的にするためのコツを紹介します。 コツ①継続的に実施する コンプライアンスは社員一人ひとりの意識の問題であり、継続的な実施が重要です。 研修を単発で実施するだけでは、効果は一過性のものに留まりがちになります。定期的、継続的な実施によって、コンプライアンス意識の高い職場風土が醸成されます。 そのためには、社員全員が継続的に受講できる仕組みをつくることも大切です。 例えば、オンラインで研修を実施すれば、社員は場所と時間を選ばず受講できます。また研修という形式でなくても、定期的なミーティングで、管理職がコンプライアンス違反事例を共有し、注意喚起を促すような取り組みも有効です。 朝礼で社訓や社是を唱和したり、クレドや行動規範を読み上げたりするのも、心理的な効果があるとされています。工夫してコンプライアンスの啓発機会をつくるようにしましょう。 コツ②社員の意識に合わせたタイミングで実施する コンプライアンス研修は、社員の関心事に沿ったタイミングで実施することも重要です。 例えば「実際に社内でコンプライアンス違反が発生した」「同業他社がコンプライアンス違反で事件になった」等が、注目が集まるタイミングといえるでしょう。 コンプライアンス違反がニュース等で取り上げられ、社会的に大きな話題となったタイミングで、自社の点検を兼ねて実施すれば、効果的な研修が実施できます。 まとめ コンプライアンスと聞くと「堅苦しい」というイメージを持つ方もいるかもしれません。 しかし、情報が錯綜する昨今のビジネス環境において、企業が健全に発展するためには不可欠なテーマといえるでしょう。 組織のCSR(社会的責任)が注目されている潮流もあり、コンプライアンス研修の重要性は今後も高まることが予想されます。 オンラインでの学習コンテンツ等を有効活用することで、ぜひ社員にも身近なコンプライアンス研修を展開していってください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 必須のコンプライアンス研修を含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

まずはお試しください!