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2025.02.13

アンコンシャスバイアスの9つの具体例|企業への影響や対策方法を紹介

2025.02.13

アンコンシャスバイアスの9つの具体例|企業への影響や対策方法を紹介

人事制度・組織づくり

人材教育

従業員の多くが無意識の思い込みや偏見をもっていると、気付かぬうちに企業の成長を止めてしまっている可能性があります。この思い込みや偏見のことをアンコンシャスバイアスといい、社内の人間関係を悪化させるだけでなく、業績に悪影響を与えることも考えられます。 そこで今回は、アンコンシャスバイアスの具体例や企業にもたらす影響を紹介します。企業側ができる対策も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 アンコンシャスバイアスとは アンコンシャスバイアスとは、無意識の思い込みを指す言葉です。 誰しもこれまでの経験や知識から無意識に「この人は〇〇だからこう思うだろう」「基本的に△△すべきだ」と決めつけてしまうことがあり、このような思い込みを完全に払拭するのは難しいといわれています。 全ての思い込みが悪いわけではありませんが、職場や人間関係において悪影響が出てしまうことがあります。 アンコンシャスバイアスが生じる理由 アンコンシャスバイアスは、自己防衛心や常識・習慣にとらわれていることによって生じるといわれています。 ここでは、アンコンシャスバイアスが生じる理由を紹介します。 自分を守るため アンコンシャスバイアスは、自分を否定するような意見を受けたときに自己防衛をするために生じるといわれています。 「自分は間違っていない」「自分にとってストレスなく過ごせる状態にしたい」という気持ちから、無意識のうちに思い込みをしている可能性があります。 つまり、自分の都合のいいように物事を判断したり、自分の責任を回避したりすることでストレスを軽減しようとしているのです。 常識や習慣にとらわれているため アンコンシャスバイアスは、自分のなかの常識や習慣にとらわれて生じているケースがあります。 具体的には「今までもこの方法で成功しているから今後もそうすべきだ」「常識を考えると〇〇すべきだ」といった思い込みが挙げられるでしょう。 時代が変化しているにもかかわらず、常識・習慣に固着していると周囲から違和感を抱かれ、仕事や人間関係に影響が出てしまう可能性があります。 アンコンシャスバイアスが企業にもたらす悪影響 いきすぎたアンコンシャスバイアスは、社員のモチベーション低下やハラスメント増加につながります。 例えば、管理職や上司がアンコンシャスバイアスにとらわれると、公正な人事評価ができなくなります。 その結果、社員の不満が溜まり、モチベーション低下の原因になってしまうのです。 また、年齢や性別、見た目についての偏見が言動に表れて、ハラスメントとして認識されることもあります。 アンコンシャスバイアスは、企業としての信用を失ったりパフォーマンスが低下したりする原因になってしまうのです。 代表的なアンコンシャスバイアス9種類と具体例 ここでは、アンコンシャスバイアスの代表的な9種類の具体例を紹介します。 ステレオタイプバイアス ステレオタイプバイアスとは、他者を性別や出身国、職業等の固定観念やイメージで判断することです。 どのようなイメージをするのかは、その人の過去の経験や知識によって異なります。 特に性別に対するステレオタイプは、ジェンダーバイアスと呼ばれ、以下のような思い込みが該当します。 男性は外で働き、女性は家庭を守るもの A型は几帳面 日本人はまじめ このような思い込みが採用活動や人事評価に影響することもあります。 正常性バイアス 正常性バイアスとは、予期せぬ状況が起こっても「日常のこと」として処理をしてしまうことです。 「そんなことが起こるはずがない」といった先入観から生じるといわれています。 例えば、以下のような思い込みが挙げられます。 自分の会社は大丈夫 あの取引先の経営はずっと順調なので心配はない このくらいの残業なら大したことはない 本来であれば、冷静に考えなければならない状況にもかかわらず、正常性バイアスによって誤った判断をしてしまうことがあります。 確証バイアス 自分の思い込みや先入観を正当化するために、都合のよい情報のみを集めてしまうことを確証バイアスといいます。 具体的には、以下のような事例が該当します。 面接の第一印象がよかったために、履歴書に記載されているよい情報しか把握していない 営業成績がよい社員なので、勤務態度のよい部分だけで評価する とあるサービスや商品に対してよいと感じると、ネガティブな情報に目がいかなくなる このように確証バイアスがかかると、物事や人に対して客観的な評価ができなくなってしまいます。 同調バイアス 同調バイアスとは、他者の意見や行動に流されて、自分の言動を決定する以下のような状態をいいます。 多数決のときにみんなが手を挙げるので自分も手を挙げる 意思決定の際にチームの和を重視するあまり他者と異なった意見を言い出せない 何かをするときに、周囲の人がどう思うかを確認してから行動する 同調バイアスは、同調圧力の強い会社で起こりやすい事象です。 権威バイアス 地位や肩書、権威性のある人の言動は正しいと思い込むことを権威バイアスといいます。 例えば、以下のような思い込みが挙げられます。 上司が指示するのだから間違いない 社長が求めていることだから従うべきだ 専門家が発信している内容だから疑いようがない 自分より経験のある上司や知識のある専門家でも、間違った判断をすることはあります。 自分で調べたり考えたりせず、上司や専門家の意見を鵜呑みにすると、損失につながる可能性も考えられます。 ハロー効果 ハロー効果とは、対象者や対象物の評価のなかで目立つ特徴によって評価することをいいます。 ハロー効果の具体例は、以下の通りです。 別部署でトップクラスの成績を出していた人の人事評価を高くする 有名大学を卒業しているので優秀だと決めつける 有名企業との取引経験があることで信用できる会社と判断する 一方で、マーケティングにおいてはハロー効果を使って会社や商品、サービスのイメージをよくする手法が使われています。 例えば、企業や商品のイメージアップのために、好感度の高い有名人をCMに起用する手法が挙げられます。 サンクコスト効果 サンクコスト効果とは、すでに費やしたお金や労力に固着して、今後のメリットがコストを下回ると予測できても継続してしまうことを言います。 例として以下のような状況をいいます。 赤字になることがわかっているプロジェクトを、開発費用をかけたことを理由に継続する 自社商品の売れ行きが悪いにもかかわらず、設備投資をしたので生産を続ける 期待していた効果が得られなかった新商品のPR企画を、これまでのコストを回収するために続ける 本来であればプロジェクトの停止を冷静に検討すべき状況にもかかわらず、これまでのコストに固着して継続すれば、大きな赤字を抱えることになりかねません。 現状維持バイアス 変化や未知のものを受け入れられず、今の状態を維持したいと望む状態を現状維持バイアスといいます。 ビジネスシーンでは、以下のような言動につながります。 新しい商品やサービスの導入になかなか踏み出せない 組織改革や業務改善に反対する ステップアップを望んでいても転職等の具体的な行動に移せない 現状維持に固着すると、他社との競争に負けたり、働きやすさが低下したりする恐れがあります。 インポスター症候群 インポスター症候群とは、自力で何かを達成し、周囲から高い評価を得ても、自分のことを過小評価してしまうことです。 たとえ直接褒められたとしても「評価されるほどの能力はない」「運がよかっただけ」のように否定的にとらえてしまいます。 その結果、以下のようなことに陥りやすい傾向があります。 自己評価が極端に低くなってしまう 失敗を恐れて、新しいチャレンジに積極的になれない 昇格や昇進の打診を受けたのだが、見送ってしまう インポスター症候群は、従業員のパフォーマンスの低下だけでなく、精神的なストレスにつながる恐れがあります。 職場におけるアンコンシャスバイアスの具体例 アンコンシャスバイアスは、さまざまなビジネスシーンで見られます。 ここでは、シーン別に具体例を紹介します。 業務中 業務中に起こりやすいアンコンシャスバイアスには、以下のようなものがあります。 定時に帰る社員はやる気がない 電話対応やお茶出しは女性の仕事だ 共働きで子どもが病気になったときに看病するのは女性だ 言葉に出していなくとも、行動から偏見が垣間見えることがあります。 そのような状況が続くと、従業員の不満につながってしまう恐れがあります。 人事評価 アンコンシャスバイアスによって不当な人材評価がなされると、社員のモチベーションが低下してしまいます。 人事評価にアンコンシャスバイアスが影響している例は、以下の通りです。 普段から親しい部下の評価を高くする 直近でわかりやすい成果をあげた人を高く評価する 評価の低い部下の悪い部分ばかりに着目して評価する 仕事ぶりだけでなく、人柄や自分との関係性を重視する 仮に高く評価されている従業員であっても、周囲から「過大評価では」との疑いの目を向けられてしまい、ストレスを感じる可能性があります。 アンコンシャスバイアスに対する意識改革だけでなく、偏見や思い込みが反映されにくい評価方法を取り入れることが大切です。 人材育成 人材育成で見られるアンコンシャスバイアスには、以下のようなものがあります。 結婚や妊娠で退職する女性には責任のある仕事を任せない 自分と同じ大学や出身地の部下ばかり成長の機会を与える 介護や育児で忙しいと決めつけて、研修の案内をしない よかれと思って行動していることでも、成長の場を奪っている可能性があります。 採用活動 アンコンシャスバイアスによって、採用活動が片寄った結果になってしまうことがあります。 以下のような思い込みや偏見による採用活動を続ければ、自社にマッチした人材を逃す可能性があります。 自分と似た境遇の人を好んで選ぶ 規模の小さい会社に勤めていたため、活躍が期待できないと思っている 女性は総合職より一般職に向いていると思い込んで採用しない 面接の第一印象があまりよくなかったため、悪い情報ばかりに目を向ける 履歴書や見た目、第一印象で「この人は〇〇な人だろう」と判断すると、面接においてその仮説を証明するための質問ばかりしてしまうこともあります。 昇進・人事異動 昇進・人事異動で見られるアンコンシャスバイアスには、以下のようなものがあります。 若手だからこのポジションを任せるのは難しい 子育て中の女性には出張や転勤は無理だろう 子どものいる社員には責任のあるポジションを任せられない このような場合、本人の意思や能力を無視して昇進・人事異動を決めているといえます。 加えて、社員自身が「私は〇〇だから」と自身の属性を気にして昇進や人事異動を断ることもアンコンシャスバイアスの一種です。 アンコンシャスバイアスの対策方法 企業側ができるアンコンシャスバイアスの対策方法には、以下のようなものがあります。 研修を実施する 実態調査をする 改善方法を周知する それぞれ詳しく見ていきましょう。 研修を実施する 企業はアンコンシャスバイアスに関する研修を実施し、従業員自身がもっている無意識の偏見や思い込みに気付く機会を提供することが大切です。 アンコンシャスバイアスの存在や組織に与える影響を知らない人は多いでしょう。 研修を通して、自身のバイアスに気付くことができれば、行動が少しずつ変わっていくはずです。 また、アンコンシャスバイアスへの対策は、ダイバーシティ推進やハラスメント防止にも効果的です。 社内研修に充てるリソースがない場合は、eラーニングを利用してみましょう。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、職場のハラスメント防止セミナーの一環として、アンコンシャスバイアスについて学べる研修を提供しています。 従業員に高品質な教育を提供するためにも、コンテンツパック100の導入を検討してみましょう。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする 実態調査をする 職場で「どのようなアンコンシャスバイアスが起こっているのか」「どんな影響・問題が生じているのか」といったアンケートを実施してみましょう。 より意欲的に取り組んでもらうためにも、職場で実際に起こっている事例を周知し、身近に感じてもらうことが大切です。 改善方法を周知する アンコンシャスバイアスによる問題を解消するには、社員一人ひとりがもつバイアスに気付く必要があります。 そのためには、バイアスに気付くための方法を周知することが大切です。 バイアスに気付く方法として、自身の言動に相手がどのような反応をしているのか見るように意識付ける方法があります。 部下に指示をしているときに、相手の表情が曇ったことに気付ければ、自身のどのような言動が不快に思ったのかを振り返ることができます。 加えて、決めつけ・押しつけと思われる発言をしていないかも自己チェックしてもらうとよいでしょう。 まとめ アンコンシャスバイアスは、人事評価や人材育成、採用活動等のあらゆるビジネスシーンで見られます。 いきすぎたバイアスは、従業員のモチベーション低下やハラスメント増加につながってしまいます。 しかし、偏見や思い込みをなくしたいと思っていても、自分自身で気付くのは簡単ではありません。 企業側は、従業員がバイアスに気付けるようにサポートしていくことが求められます。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで、1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現しています。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用が可能です。 社会人として身に付けるべきビジネスマナー等の基礎コンテンツを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧の詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2025.02.13

ストレスマネジメントとは?やり方とストレス解消施策を解説

2025.02.13

ストレスマネジメントとは?やり方とストレス解消施策を解説

人事制度・組織づくり

人材教育

従業員が過度なストレスを抱えると、心身に不調をきたして休職や退職につながる可能性があります。 従業員の心身の健康を守り、生産性を高めるためには、企業としてストレスマネジメントに取り組むことが重要です。 本記事では、ストレスマネジメントが企業にもたらす効果や実践方法、注意点について紹介します。 企業が実施できる支援方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ストレスマネジメントとは ストレスマネジメントとは、ストレスを管理して上手に付き合っていく手法です。 適度なストレスはパフォーマンス向上に効果的とされていますが、業務や人間関係による過度なストレスは心身の不調につながる可能性があります。 従業員の心身の健康を守るためには、従業員一人ひとりがストレスマネジメントによって自身が抱えているストレスに気付き、適切に対処できるように企業が支援することが大切です。 ストレスマネジメントは、生産性やモチベーションの向上にもつながります。 ストレスを引き起こす原因 ストレスを引き起こす原因のことをストレッサーと呼びます。 ここでは、ストレッサーの種類を紹介します。 心理・社会的ストレッサー 心理・社会的ストレッサーとは、社会生活を送るうえで感じるストレス原因のことです。 例えば、職場の人間関係や仕事のプレッシャー、家庭不和や介護等のプライベートな問題がストレスの原因となります。 心理・社会的ストレッサーは、避けたり解消したりすることが難しいケースが多く、一般的にストレスと呼ばれるものの代表的な原因となっています。 物理・化学的ストレッサー 物理・化学的ストレッサーとは、温度や光、音、化学物質等の物理的な刺激のことです。 職場では、不快な室温や照度、騒音がストレスの原因となります。 ほかにも、タバコの臭いや薬品による刺激等がストレスの原因になることもあります。 物理・化学的ストレッサーは、精神的な負担だけでなく健康被害につながる可能性もあり、早期の解消が大切です。 生理・生物的ストレッサー 生理・生物的ストレッサーとは、人間の身体や病気に関連するストレス原因のことです。 例えば、睡眠不足や疲労、ウイルス感染等がストレスの原因となります。 生理・生物的ストレッサーによるストレスを防ぐためには、十分な休息を取り、感染対策を講じることが重要です。 ストレスマネジメントが職場に与える効果 ストレスマネジメントは、職場に以下のような効果をもたらします。 生産性やモチベーションを高められる ハラスメントの発生を防げる 休職者や離職者を減らせる それぞれ詳しく解説します。 生産性やモチベーションを高められる ストレスを抱えた従業員はパフォーマンスが低下するため、職場全体の生産性やモチベーションが下がってしまう可能性があります。 従業員がストレスと上手に付き合えるようになれば、生産性やモチベーションを高められます。 また、ストレスを解消して心身の健康を維持することで、業務に集中しやすくなり、ストレスが原因で生じるミスやトラブルも防止できるでしょう。 ハラスメントの発生を防げる 過度なストレスを抱えたまま仕事をしていると、怒りや不安な気持ちをコントロールできなくなり、ハラスメントが発生する可能性があります。 パワハラやセクハラが発生すると、生産性が低下するだけでなく、退職者の増加や企業イメージの低下につながるため注意が必要です。 ストレスマネジメントによってストレスを上手にコントロールすることで、従業員の気持ちに余裕が生まれ、職場の雰囲気がよくなるでしょう。 休職者や離職者を減らせる ストレスマネジメントには、休職者や離職者を減らす効果が期待できます。 ストレスを抱えた状態が続くと、心身に不調をきたして休職や退職につながってしまいます。 休職や退職で人員が減ると、ほかの社員の負担が増えたり、モチベーションが低下したりして退職希望者が連鎖的に増えてしまう可能性があり、注意が必要です。 新たな人員の確保には時間やコストがかかるため、ストレスマネジメントによって従業員の心身の健康を守りましょう。 ストレスマネジメントのやり方 ここからは、ストレスマネジメントの具体的なやり方を紹介します。 1.セルフモニタリングする まずは、自分の心身の状態を把握することが大切です。 ストレスの原因として考えられるものや気持ち、現れているストレス反応を紙に書き出してみましょう。 例えば、仕事量が多く、残業や休日出勤が増えてつらいときは、以下のように心身の状態を書き出します。 ストレス原因 仕事量が多い リラックスする時間が確保できない 気持ち 焦り 不安 イライラ ストレス反応 寝付きが悪い 食欲がない 日頃から自身のストレス原因やそのときの感情、ストレス反応を記録しておくことが大切です。 セルフモニタリングを通して自身のストレスの許容範囲を理解し、限界に達する前に対処しましょう。 2.ストレスコーピングを行う ストレスコーピングとは、ストレスへの対処方法のことです。ストレスを軽減するためには、原因に応じて適切な対処が大切です。 ここでは、主なストレスコーピングを3つ紹介します。 問題焦点型コーピング 問題焦点型コーピングとは、ストレスの原因そのものを解消しようとする方法です。 ストレスの原因が明確である場合や、改善できる見込みがある場合に有効な方法といえます。 例えば、仕事量が多くて残業が続いてストレスを感じている場合は、業務量を調整してもらったり、転職したりする行動が挙げられます。 情動焦点型コーピング 情動焦点型コーピングとは、ストレスの原因そのものを解消しようとするのではなく、自身の感情やとらえ方を変える方法です。 ストレスの原因によっては、すぐに改善するのが難しいケースもあるでしょう。 そのようなときに自身の感情やとらえ方を変えることで、ストレスが軽減することがあります。 例えば、不安や怒りを他者に話して発散したり、ストレスが自身の成長に必要であるといったポジティブなとらえ方をしたりする方法があります。 ストレス解消型コーピング ストレス解消型コーピングとは、ストレスの原因から離れて気晴らしをする方法です。 ストレスの原因に向き合うとさらにストレスが溜まることもあるため、距離を置くことも考えてみましょう。 例えば、趣味に没頭したり、食事を楽しんだりするのが効果的です。 ただし、ストレス解消方法としてやけ食いやギャンブルをすると、罪悪感で余計にストレスが溜まる可能性があるため、これらは避けましょう。 ストレスマネジメントをする際の注意点 ストレスマネジメントをするときは、ストレスをなくそうとしたり、一つの対処法にこだわったりしないことが大切です。 ストレスと上手に付き合うためにも、注意点を押さえておきましょう。 ストレスをゼロにしようとしない ストレスマネジメントは、あくまでもストレスを軽減するための手法です。 適度なストレスはモチベーションを維持するために必要なため、ゼロにしようとしないことが大切です。 例えば、プレッシャーを感じる仕事がストレスの原因になっているからといって、簡単にこなせる仕事ばかりしていると、やりがいを感じられなくなってしまいます。 ストレスマネジメントの際は、心身に不調をきたすほどの過度なストレスの軽減を意識しましょう。 一つの対処法に固執しない ストレスコーピングにはさまざまな種類があるため、一つの対処法にこだわらないことが大切です。 一つの対処法でストレスを軽減できなければ、ほかの方法も試してみましょう。 具体的には、上司に業務量の調整を申し出ても改善されなければ、自己成長につながるという考え方に変えたり、転職を検討したりしてみるのがよいでしょう。 企業ができるストレスマネジメントの支援方法 企業ができるストレスマネジメントの支援方法には、以下のような方法があります。 ストレスマネジメント研修の実施 ストレスチェックの実施 1on1ミーティングの実施 サポート体制の整備 それぞれ詳しく見ていきましょう。 ストレスマネジメント研修の実施 従業員がストレスマネジメントをするためには、やり方や適切なストレス解消方法を学ぶ必要があります。 従業員が正しい知識を身に付けるためにも、ストレスマネジメント研修を実施しましょう。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、管理職向けの「ストレスマネジメント力の強化」や、全社員向けの「メンタルヘルス・セルフケア」といったコンテンツを提供しています。 従業員にストレスとの付き合い方を学んでほしいと考えている方は、導入を検討してみましょう。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする ストレスチェックの実施 ストレスチェックとは、従業員にストレスに関するアンケートを実施し、その結果を分析する取り組みです。 ストレスチェックには、自身が抱えているストレスに気付いたり、ストレスを抱えている従業員を見つけたりする効果があります。 また、ストレス原因を分析すれば、職場環境の課題解決につながることもあるでしょう。 従業員数が50人以上の企業では、2015年から年に1回以上のストレスチェックの実施が義務付けられています。 50人未満の企業では努力義務となっていますが、従業員の心身の健康を守るためにも実施したほうがよいでしょう。 1on1ミーティングの実施 1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で対話することです。 1on1ミーティングを実施することで、部下が自身のストレスに気付くきっかけになります。 上司が部下にストレスを抱えていないか尋ねたり、一緒に対処法を考えたりする機会を設けましょう。 サポート体制の整備 ストレスによる休職や退職を防ぐには、従業員のストレスマネジメントをサポートすることが大切です。 従業員にストレスマネジメントを任せきりにするのではなく、会社として従業員のストレスに対してどのようなサポートができるか考えるようにしましょう。 外部の相談窓口を設置して、社内の人に相談しにくい悩みを相談できるようにサポートするのも効果的です。 まとめ 従業員が過度なストレスを抱えると、生産性の低下や退職者の増加につながる可能性があります。 そのような事態を防ぐためには、従業員がストレスマネジメントをできるようにサポートすることが大切になります。 ストレスとの付き合い方を学んでもらうためには、ストレスマネジメント研修の実施がお勧めです。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、管理職向けの「ストレスマネジメント力の強化」や、全社員向けの「メンタルヘルス・セルフケア」というコンテンツを提供しています。 従業員が自身のストレスに気付き、適切に対処できるように支援しましょう。   低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 「コンテンツパック100」では、ストレスマネジメントに関するコンテンツを含む100以上のeラーニングコンテンツが見放題です。 1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現しており、240社以上の企業で利用されています。 厳選されたニーズの高いコンテンツを、Cloud Campusのプラットフォーム上で研修としてすぐに利用可能です。 「コンテンツパック100」の詳細は、こちらからご確認いただけます。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする

2025.02.13

【事例あり】タレントマネジメントとは?導入の流れや効果を徹底解説

2025.02.13

【事例あり】タレントマネジメントとは?導入の流れや効果を徹底解説

人事制度・組織づくり

タレントマネジメントは、企業が成長するための人材戦略において欠かせない取り組みです。 ところが、タレントマネジメントの意味や具体的な施策を知らず、実行に移せていない方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、タレントマネジメントの意味や導入の流れを紹介します。 取り組む際のポイントや導入事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 タレントマネジメントとは ビジネスにおけるタレントとは、才能やスキル、もしくは才能やスキルのある人材を指します。 タレントマネジメントとは、人材情報の管理や育成、適切な配置によって従業員がもつ才能やスキルを発揮できる環境を整えることをいいます。 具体的には、従業員のスキルやキャリアビジョン等を一元管理できる人事システムを導入し、人材配置や人材育成に役立てます。 また、定期的に従業員が職務状況の報告や希望部署の申告ができる制度を導入することもタレントマネジメントのひとつです。 タレントマネジメントを導入する目的 タレントマネジメントを導入するのは、経営目標の達成に必要な人材戦略を成功させるためです。 経営目標の達成には、従業員がもっている力を最大限発揮することが重要です。 従業員の力を引き出すために個々のスキルや業務経験を客観的に把握し、戦略的な人材配置や育成を進めていくことが求められます。 タレントマネジメントがもたらす効果 タレントマネジメントには、以下の効果が期待できます。 公平な人事評価ができる 適切な人材配置ができる 一人ひとりに合った人材育成ができる 従業員のモチベーションが向上する 生産性アップが期待できる それぞれ詳しく見ていきましょう。 公平な人事評価ができる 従業員に関する経歴やスキルが可視化されれば、公平な評価がしやすくなります。 客観的なデータがない状態では、評価者の主観的な見方によって評価されることになり、偏った評価がなされてしまう場合があります。 従業員が自身のスキルを発揮するためにも、タレントマネジメントを取り入れて、公平な評価ができる仕組みをつくりましょう。 適切な人材配置ができる タレントマネジメントでは、従業員の能力やスキル、これまでの業務経験等をまとめて管理します。 そのため、従業員一人ひとりをあらゆる側面から評価でき、どのような仕事が適しているかの判断がしやすくなります。 また、スキルや業務経験を可視化できれば、これまで埋もれていた人材を発掘するきっかけにもなるでしょう。 適切な人材配置ができるようになることで、業務効率やパフォーマンスが高まりやすくなります。 一人ひとりに合った人材育成ができる タレントマネジメントでは、従業員の能力や適性を可視化できるため、「どのスキルが足りていないのか」「どの能力を伸ばしていくべきか」が明らかになり、一人ひとりに合った人材育成ができるようになります。 従業員から業務の現状や今後のキャリアプランに関する情報を聞き出せると、対象者にとって必要なスキルを把握することにもつながります。 可視化されたデータと本人の希望を活用すれば、人材育成を効率的に進められるでしょう。 従業員のモチベーションが向上する 公平な人事評価や適切な人事配置を受けられると、従業員はやりがいや将来性を感じられ、満足度が向上しやすくなります。 従業員満足度の向上は、離職率の低下にもつながります。 また、求職者へのアピールにもなり、自社に合った人材を確保しやすくなるでしょう。 生産性アップが期待できる タレントマネジメントによって適切な人材配置や育成ができれば、従業員がもっているスキルや経験を最大限活かせるようになります。 モチベーションの向上により、従業員は業務に対して前向きに取り組むようになるため、従業員のスキルがより伸びやすくなります。 適切なタレントマネジメントの実施で従業員のモチベーションとスキルを高められれば、会社全体の生産性アップにつながるでしょう。 タレントマネジメントを導入するときの流れ タレントマネジメントの導入は、以下の流れで進めるのがお勧めです。 目的を明確にする 体制を整える 人材情報を収集する 人材情報を把握・分析する 人事施策の立案・実行をする 効果測定や振り返りをする 順番に詳しく解説していきます。 1.目的を明確化する タレントマネジメントに取り組むときは、導入を目的とするのではなく、あくまでも目標を達成するための手段であることを意識しましょう。 そのためにはまず、導入前に実施目的の明確化が大切です。 タレントマネジメントの目的には、リーダー候補の発掘や人材配置の最適化、従業員のスキルアップ等があります。 経営目標を見据えた目的であるほど、達成のために必要な人事施策を明確化しやすくなります。 2.体制を整える 目的を明確化したら、タレントマネジメント導入のための体制を整えます。 タレントマネジメントを成功させるには、人事部門の力だけでは難しいため、他部署や外部機関の協力を得ることになるでしょう。 例えば、現場と協力しながら必要な人事データを集めたり、外部機関にタレントマネジメントシステム導入の相談をしたりする必要があります。 タレントマネジメントをスムーズに導入するためにも、早い段階で他部署や外部機関との調整を進め、人事データや施策の取りまとめるプロジェクトチームを立ち上げましょう。 3.人材情報を収集する 収集・可視化すべきデータは、達成したい目標や目的によって異なるため、まずはどのような人材情報を収集すべきかを明らかにします。 収集すべき情報の選定ができたら、社内アンケートや既存の人事管理システムを活用してデータを集めましょう。 併せてデータを管理するためのデータベースを作成したり、システムを導入したりする必要もあります。 4.人材情報を把握・分析する 人材データを集約できたら、組織にどのような人材がいるのかを把握したうえで「適材適所の人材配置ができているのか」「他社と比較してどのような人材が不足しているのか」といった問題点を洗い出します。 この段階で、不足している人材情報が明らかになる場合もあるので、追加でデータ収集が必要かどうかも確認しましょう。 5.人事施策の立案・実行をする 人材情報の分析をもとに人事施策を立案し、実行していきます。 具体的な施策としては、人材育成や配置、採用活動の見直し等が挙げられます。 自社の成長に必要なスキルをもつ人材が不足している場合は、人材育成や採用に力を入れましょう。 人材育成の主な方法には、研修やジョブローテーション、OJT等があります。 社内研修の見直しをする際は、eラーニング導入の検討がお勧めです。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、キャリア開発のポイントやロジカルシンキングの基礎等を学べる講座を提供しています。 タレントマネジメントの導入を効率的に進めたい場合は、コンテンツパック100の導入を検討してみましょう。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする 6.効果測定や振り返りをする 人事施策の運用を終えたら、効果測定や振り返りをします。 タレントマネジメントを実施する目的を達成できたのか、未達成なのかの結果を振り返るだけでなく、うまくいかなかった原因の洗い出しが大切です。 改善策を明確にしたうえで、今後につながるアクションを探りましょう。 タレントマネジメントを導入するときの注意点 タレントマネジメントを導入するときは、以下の点に注意が必要です。 導入にコストがかかる 情報収集や管理に手間がかかる 活用イメージが具体化しにくい 従業員の理解を得るのが難しい それぞれ詳しく解説します。 導入にコストがかかる タレントマネジメントを導入する際は、システムを活用するのが一般的です。 システム導入には、数百万から数千万円という高額な費用がかかることがあります。 導入後にうまく活用できなければ、コストが無駄になってしまうことも考えられるでしょう。 そのような状況にならないためにも、システムの使いやすさや価格、実績等を比較して自社に合ったものを選ぶことが大切です。 情報収集や管理に手間がかかる タレントマネジメントは、十分な人材情報を収集できて初めて成立します。 そのためには従業員の意見を聞き、集めた情報を管理する必要があります。 これらの施策の実行には手間と時間がかかるため、従業員の負担が増えてしまうことも考えられるでしょう。 活用イメージが具体化しにくい タレントマネジメントでは、人材情報を集めて終わりではなく、その後の人材育成や配置等での活用が求められます。 しかし、人材情報を集めたところで、どのように活用すればいいのかイメージが湧きにくいのも事実です。 明確なイメージができていない状態で施策を進めても、期待している効果は得られません。 他社の事例を参考にしたり、外部機関のサポートを受けたりして活用イメージを明確化しましょう。 従業員の理解を得るのが難しい 最新の人材情報を収集するには、定期的に従業員から自身のデータを提供してもらう必要があります。 なかには、手間が増えることで協力的に取り組めない従業員も出てくるでしょう。 また、提供する情報をどのように活用するのかが不明なままでは、協力するメリットを感じてもらえません。 タレントマネジメントを導入する際は、効果や目的を周知し、納得した状態で取り組んでもらうことが大切です。 タレントマネジメントを円滑に進めるためのポイント タレントマネジメントを円滑に進めるには、以下のポイントを押さえておきましょう。 導入目的を全社に共有する 自社に合ったシステムを導入する 管理職向けの教育をする 収集する人材情報を厳選する ひとつずつ詳しく紹介します。 導入目的を全社に共有する 人材情報の収集に協力してもらうには、タレントマネジメントの導入目的を全社に共有することが大切です。 人事部門だけで情報を収集するのは難しいため、会社全体で取り組む必要があります。 従業員に積極的に取り組んでもらうには、社内説明会や研修を開催して、自身にもメリットがある施策であることを認識してもらうのが近道です。 なかにはアンケートに答える時間を確保できない従業員もいるかもしれません。業務時間内にアンケートに答える時間を設けることも検討してみましょう。 自社に合ったシステムを導入する 人材情報の集計や分析を効率的に進めるには、自社に合ったタレントマネジメントシステムの導入が大切です。 従業員の人材情報を一括管理できるシステムを導入すれば、集めた情報を活用しやすくなります。 なかには、データをグラフや表に可視化したり、レポートとして抽出したりできるシステムもあります。 システムを選定する際は、以下の点を確認しましょう。 自社の課題を解決する機能が備わっているのか ITが苦手な社員でも直感的に使いこなせるか セキュリティ対策が十分なのか 自社に合ったシステムを使用して、タレントマネジメントを効率的に進めましょう。 管理職向けの教育をする 人材情報を一括管理できる環境を整えたとしても、管理職のサポートがなければ、タレントマネジメントの効果を最大化させるのは難しいでしょう。 タレントマネジメントを成功させるには、従業員に向けた説明会だけではく、管理者向けの研修を進めていくことが大切です。 管理者向けの研修を進める際は、忙しい管理職でも受講しやすいeラーニングがお勧めです。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、部下育成におけるコミュニケーション方法等が学べるコンテンツを提供しています。 従業員がスキルを最大限発揮できる環境を提供するためにも、コンテンツパック100の利用を検討してみましょう。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする 収集する人材情報を厳選する 集める人材情報が多くなるほどタレントマネジメントが進むわけではありません。 集める情報が多くなると、情報整理に時間がかかるだけでなく、従業員への負担も大きくなってしまいます。 従業員が不信感をもつと、効果的な施策を講じたとしても好影響につながらなくなることも考えられます。 そのような状況にならないためにも、タレントマネジメントの目的を明確にしたうえで集める情報を厳選するようにしましょう。 タレントマネジメントの導入事例 最後にタレントマネジメントの導入事例を紹介します。 導入事例を参考に、自社に合った進め方を検討しましょう。 飲料メーカー 従業員単位で情報の閲覧や蓄積ができるシステムを導入し、従業員本人や上司、人事部門が一体となって育成支援・適材配置を進めています。 人事部門は、従業員の情報を管理職から収集するだけでなく、従業員一人ひとりと面談を実施しています。 全社規模の人事異動の仕組みを構築することによって、1年間で約700人の従業員が新たな仕事に挑戦できている事例です。 IT企業 独自のアンケートシステムを使って、人材の情報を収集・分析している事例です。 このアンケートシステムでは、何日以内に返信するといったルールを決めて運用し、従業員が回答するメリットを感じられる仕組みにしたことで、100%に近い回答率になったとされています。 また、質問を3つに絞ったうえで頻度を月1回にし、従業員の負担を軽減したことも回答率が高くなった要因といえます。 まとめ タレントマネジメントとは、従業員に関する人材情報をまとめて管理し、人材配置や育成で活用していくことをいいます。 タレントマネジメントを成功させるには、目的を明確化したり、自社に合ったシステムを導入したりすることが大切です。 加えて、従業員がスキルを発揮できるように、管理者のサポート力を磨く場の提供も求められます。 サイバー大学では、年間999円(税抜)で100教材以上のコンテンツが見放題の「コンテンツパック100」を提供しています。 部下育成におけるコミュニケーション方法等を学べるコンテンツも収録しているので、タレントマネジメントの導入をめざしている場合はぜひご活用ください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけをピックアップすることで、1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現しています。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として活用できます。 社会人として身に付けるべきビジネスマナー等の基礎コンテンツを含む、100コース・1500本以上の厳選動画が閲覧可能です。コース一覧の詳細は無料でこちらからご確認いただけます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.12.11

リーダーシップとフォロワーシップの違い|関係性や高める方法を紹介

2024.12.11

リーダーシップとフォロワーシップの違い|関係性や高める方法を紹介

ビジネススキル

人材教育

人材不足や取り巻く環境、ニーズの変化によって、従来のトップダウンの組織では成果を上げにくくなっている企業も少なくないでしょう。 そのような状況を打破するには、リーダーシップとフォロワーシップのある人材が欠かせません。 従業員のリーダーシップ・フォロワーシップを向上させるには、それぞれがどのような役割を担うのかを押さえておくことが大切です。 そこで今回は、リーダーシップとフォロワーシップの違い、関係性を解説します。 必要なスキルを習得する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 フォロワーシップとは フォロワーシップとは、組織で実績を出すために、リーダーや他のメンバーに能動的な支援・補助をすることです。 たとえば、リーダーの主張や決定に誤りがあると判断したときに自分の意見を伝えたり、リーダーの代わりに他のメンバーの行動を促したりします。 単にリーダーの意見に従うのではなく、リーダーの状況や他のメンバーの様子を見て、能動的に動くことが求められます。 リーダー以外の人に求められる素質、スキルというイメージがありますが、会社としての業績を上げるためにリーダーを含む社員全員に求められる力です。 リーダーシップとフォロワーシップの違い リーダーシップとは、実績を出すためにチームを引っ張っていくリーダーとしてのスキルや素質をいいます。 指導力・統率力と表現されることもあり、めざすべき方向性、今後の指針を示しながら引っ張っていく力が必要です。 一方、フォロワーシップは、リーダーに意見を述べたり、他のメンバーに能動的な行動を促したりすることです。 リーダーが示した方向性や指針に向かってスムーズに進むように、リーダーやメンバーの補助をする役目があります。 必要とするスキルや役割は異なりますが、いずれも組織が実績を出すために欠かせないものです。 リーダーシップとフォロワーシップの関係性 リーダーシップとフォロワーシップは、互いに影響を与え合う関係性です。 リーダーは、目標を達成するための方向性、プロセス等を示します。 それに対してフォロワーは、リーダーの示した方向性をもとに具体的な手順や計画を考え、実行に移すのが役目です。 実際にプロジェクトがスタートしたら、リーダーは進捗管理をしたり、メンバーが能動的に動くように的確な指示をしたりすることになります。 フォロワーは指示通りに動くのではなく、リーダーやメンバーの状況を確認しながら、問題点の提案やアドバイスをしていきます。 つまり、リーダーとフォロワーは、同じ目標に向かって協力し合う関係性です。 信頼されるリーダーのもとにはフォロワーシップを発揮できる人が集まり、優秀なフォロワーが属するチームのリーダーは、高いリーダーシップを示せるようになるでしょう。 フォロワーシップが注目されている背景 フォロワーシップは、アメリカのロバート・ケリー教授が著書で示した言葉です。 ロバート・ケリー教授は、リーダーが組織の成績にもたらす影響力は1~2割、残りの8~9割はフォロワーの存在に左右されるという研究結果を公表しています。 1990年代にはすでに概念として誕生していたフォロワーシップが今また注目を集めているのは、人手不足や企業を取り巻く環境の変化が背景にあります。 本来はマネジメント業務に注力すべき管理職が人手不足により、実務上のリーダーとしての役割を担う機会が増えているのが現状です。 責任のある業務が一人に集中すると業務効率が下がる恐れがあるため、フォロワーシップのある人材を配置してリーダーにかかる負担を軽減する必要が生じてきます。 また、企業を取り巻く政治や経済、社会等の変化が激しい現代では、トップダウンの組織では業績を上げにくくなっています。 環境やニーズの変化に対応するためにも、リーダーの意思決定を鵜呑みにせず、フォロワーとしての役割を果たせる人材が必要とされているのです。 フォロワーシップの5つのタイプ フォロワーシップという概念を示したケリー教授は、フォロワーは以下の5タイプに分類できるとしています。 模範的フォロワー 孤立型フォロワー 順応型フォロワー 実務型フォロワー 消極的フォロワー どのような特徴があるのか詳しく見ていきましょう。 1.模範的フォロワー 模範的フォロワーは、リーダーに建設的なアドバイスをするといった、自主的な行動をすることで組織に貢献できるフォロワーです。 リーダーに対して意見を出すだけでなく、リーダーの補佐としての役割も担うことから「右腕」と表現されることもあります。 めざすべきフォロワーの姿であり、リーダーシップも持ち合わせているのが特徴です。 2.孤立型フォロワー 孤立型フォロワーは、リーダーに意見を述べるものの、自主的な行動が見られないタイプです。 否定的な意見を出すこともあるため、チームの雰囲気を悪くする可能性があります。 その反面、的を射た意見を出す観察力に優れていることから、リーダーが方針や展望を的確に伝え、貢献したいという気持ちが芽生えると模範的フォロワーになる素質があります。 3.順応型フォロワー 順応型フォロワーは、否定的な意見を出すことがほとんどなく、積極的に組織に関与する行動が見られます。 リーダーの方針に対して自身の意見をもたず、忠実に従うのが特徴です。 誠実に仕事をしていくため、安定した成果を出す傾向があります。 能動的な発言を引き出せれば、模範的フォロワーに近づくといわれています。 4.実務型フォロワー 実務型フォロワーは、自分に与えられた仕事を着実にこなすタイプです。 ただ、決められた範囲内の仕事に徹し、組織に大きな影響をもたらすことが少ない傾向にあります。 バランスがよいと評価される反面、チャレンジ精神に欠けるという印象をもたれることが多いです。 5.消極的フォロワー 消極的フォロワーは積極性に欠け、意見を出すことが少ないタイプです。 模範的フォロワーと対照的な存在で、組織への貢献度が低いといわれています。 目立つ存在ではないことからマイナスの印象をもたれることが多く、フォロワーとしての役目を果たせているとはいえないでしょう。 フォロワーシップの具体的な行動例 フォロワーシップを発揮できているといえる具体的な行動例は、以下の通りです。 業務を率先して引き受ける 意見を積極的に伝える リーダーの指針・指示をチームへ適切に伝える 会社や組織全体への貢献を意識する ひとつずつ詳しく紹介します。 業務を率先して引き受ける フォロワーは指示された仕事だけでなく、自分にできる業務は率先して引き受けることが大切です。 リーダーの仕事を巻き取れれば、リーダーは自身にしかできない業務に注力できます。 その結果、リーダーは適切なリーダーシップがとれるようになり、組織の成果が上がりやすくなるでしょう。 意見を積極的に伝える フォロワーには、リーダーの主張や決断に疑問を感じたときに、意見を積極的に伝える役割があります。 フォロワーからの意見は、リーダーが新たな気付きを得るきっかけになり、よりよい意思決定につながります。 また、リーダーと意見を交換することで、リーダーの考えをより深く理解できるようになれば、適切なサポートがしやすくなるでしょう。 リーダーの指針・指示をチームへ適切に伝える 大規模な組織であるほど、リーダーの指針や指示がメンバーに浸透しにくい傾向があります。 また、指針や指示が伝わっていても、業務に反映できていないメンバーがいることも考えられます。 そのようなときにフォロワーがリーダーに代わって指針・指示をメンバーに伝えられれば、業務がスムーズに進みやすくなるでしょう。 会社や組織全体への貢献を意識する フォロワーシップの目的は、リーダーやメンバーに能動的な補助をして、組織としての実績を出すことです。 そのため、目先の利益ばかりではなく、会社や組織全体への貢献を意識して行動することが求められます。 視野が広がれば、より広い範囲でフォロワーとしての役目を果たし、組織・会社全体に貢献できるようになるでしょう。 フォロワーシップを高める方法 フォロワーシップを高めるには、以下の方法が有効です。 研修を取り入れる 日常業務を通してトレーニングする 力を発揮できる機会を設ける それぞれ詳しく紹介します。 研修を取り入れる フォロワーとしての必要なスキルを身に付けるには、フォロワーシップの概要や必要性を学ぶことが大切です。 「何のために身に付けるのか」「どのような場面で発揮されるのか」を理解していなければ、前向きに取り組むことができません。 くわえて、フォロワーシップを身に付けて実践に移すには、ロジカルシンキングや問題解決力といったスキルも必要です。 さまざまなスキルが求められるため、eラーニング等を利用して体系的に学ぶのが効果的です。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、ロジカルシンキングや問題解決力を学べる研修コンテンツを含む100教材以上をeラーニングで受講できます。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする 日常業務を通してトレーニングする フォロワーシップを育成するには、日常業務を通して以下のことを意識し、トレーニングをするのが有効です。 リーダーが示した指針に対して自分なりの意見をもつ リーダーの立場になってチーム全体を見る リーダーやメンバーと積極的にコミュニケーションをとる メンバー同士で支援し合う フォロワーシップは、すぐに身に付くものではなく、日頃の意識の積み重ねが向上につながります。 力を発揮できる機会を設ける 同じ能力のある人でも、所属するチームやリーダーによってどれほどのフォロワーシップを発揮できるのかが変わります。 フォロワーシップを発揮しやすいのは、優れたリーダーのもとです。 貢献したいと思えるリーダーのもとであれば、能動的に意見をしたり、サポートをしたりするモチベーションが高まりやすくなります。 優秀なフォロワーを育成するためにも、信頼される人材をリーダーとして配置し、環境を整えることが大切です。 くわえて、現状はどのフォロワータイプに該当するのかを評価し、その人がめざすべきフォロワーの指針を示したり、目標を与えたりするのも効果的です。 フォロワーシップを高めるには従業員任せにすることなく、力を発揮できる機会を設けることが会社の役目といえるでしょう。 まとめ リーダーシップとフォロワーシップは、互いに影響し合う関係性です。 従業員のフォロワーシップを伸ばすには、貢献したくなるようなリーダーのもとに配置し、日常業務でトレーニングしていくことが大切です。 くわえて、研修を通してフォロワーに欠かせないスキルを体系的に身に付けてもらうことも欠かせません。 サイバー大学では、年間999円(税抜)で100教材以上のeラーニングが見放題の「Cloud Campusコンテンツパック100」を提供しています。 ロジカルシンキングや問題解決力を学べる研修コンテンツも収録しているため、従業員のフォロワーシップ向上をめざしている場合はぜひご活用ください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!Cloud Campusコンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで、1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現しています。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用が可能です。 社会人として身に付けるべきビジネスマナー等の基礎コンテンツを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧等の詳細は無料でこちらからご確認いただけます。 >>Cloud Campusコンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.12.03

リーダーシップがない人の5つの特徴|組織に与える影響や育て方を解説

2024.12.03

リーダーシップがない人の5つの特徴|組織に与える影響や育て方を解説

ビジネススキル

人事制度・組織づくり

人材教育

リーダーは、組織をまとめて目標達成に導く重要な存在です。 リーダーシップのない人がリーダーになると、チームの生産性が低下したり、優秀な人材が流出したりする可能性があります。 チームのモチベーションを高めて成果を出すためには、リーダーシップを身に付けることが大切です。 本記事では、リーダーシップがない人の特徴や組織に与える影響に加えて、リーダーシップを身に付ける方法や注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 リーダーシップがない人の特徴 リーダーシップがない人には、以下のような特徴があるといわれています。 決断力がない メンバーを信頼していない 適切なフォローがない 人の話を聞かない ネガティブな発言が多い それぞれ詳しく紹介していきます。 ①決断力がない リーダーは、チームの方向性を決める人です。 リーダーに決断力がなければ、メンバーはどのように行動すればよいか分からなくなってしまいます。 責任を取りたくないという気持ちから決断を先送りにしたり、あいまいな返答をしたりすると、生産性の低下やメンバーからの信頼低下につながります。 チームを牽引するためには、リーダーの決断力が欠かせないスキルとなるでしょう。 ②メンバーを信頼していない リーダーシップがない人のなかには、メンバーに任せるよりも自分で取り組むほうが効率的と考えている人が多くいます。 そのような環境では、一人で多くの仕事を抱えて生産性を低下させたり、メンバーの成長の機会を奪ったりすることになります。 一人でこなせる仕事には限界があるため、メンバーを信頼して協力しなければ大きな成果を出すのは難しいでしょう。 ③適切なフォローがない リーダーには、仕事を任せたあとメンバーの進捗状況を小まめに確認してフォローする役割があります。 しかし、リーダーシップがない人は、仕事を任せきりにして進捗や問題点を確認しない人が多い傾向にあります。 メンバーから問題の報告があるまで行動しない状況が続くと、トラブルが起きたときの対処が遅れてしまうので注意が必要です。 適切なタイミングでメンバーのフォローをするためには、どのような問題を抱えているかを聞き出す力が求められます。 ④人の話を聞かない メンバーの話に耳を傾けず、自分の考えを押しつける人はリーダーに向いていません。 リーダーは、メンバーの不安や悩み、長所、短所を把握して、業務が円滑に進むように配慮する必要があります。 人の話を聞かないリーダーは、メンバーとの信頼関係を築けずに孤立してしまうでしょう。 ⑤ネガティブな発言が多い リーダーの発言や感情は、チームに大きな影響を与えます。 愚痴や言い訳が多かったり、メンバーの取り組みを否定したりする人がリーダーになると、チームのモチベーションが下がってしまいます。 リーダーは、ミスやトラブルが発生したときにも前向きに解決策を考え、チームのモチベーションを保つ発言や行動をすることが大切です。 リーダーシップがない人が組織に与える影響 リーダーシップがない人がリーダーになると、生産性が低下し、優秀な人材の流出につながる可能性があります。 ここからは、リーダーシップがない人が組織に与える影響を解説します。 影響①生産性やモチベーションが低下する 大きな成果を出す組織になるためには、メンバー全員が同じ方向を向いて仕事に取り組むことが大切です。 しかし、リーダーが明確な目標を共有しなければ、メンバーが目標に向かって行動できなくなり、生産性が低下してしまいます。 誰がどの業務を担当するのかがはっきりしないため、作業の重複や未着手が発生する可能性もでてくるでしょう。 成果が出せない状況が続くと、メンバーの働く意欲やチャレンジ精神がなくなり、チーム全体のモチベーション低下にもつながります。 影響②チームの雰囲気が悪くなる リーダーには、メンバー同士が良好な関係性を保てるようにする役割もあります。 リーダーが率先してコミュニケーションを促さなければ、重要な情報が共有されなくなり、ミスやトラブルが起きやすくなります。 コミュニケーション不足の状態では、メンバーの不満や悩みが解消されないため、チームの雰囲気が悪くなってしまうでしょう。 影響③人材が流出する 優秀な人材は、仕事を通じた成長を求めているケースが多いです。 雰囲気が悪く、自己成長が見込めない職場と判断されると、優秀な人材が流出してしまいます。 その一方で、メンバーの成長を促すために能力以上の仕事を任せたり、厳しく接したりすることも退職の原因となります。一人ひとりの能力と人柄を見ながら接することが大切です。 少子高齢化によって企業の人材確保が難しくなっているため、優秀な人材が辞めてしまうのは企業として大きな損失となるでしょう。 リーダーに求められるスキル リーダーシップを発揮するためには、以下のようなスキルが求められます。 傾聴力 行動力 育成力 観察力 それぞれ詳しく解説します。 スキル①傾聴力 リーダーシップを発揮している人は、メンバーと積極的にコミュニケーションを取っています。 メンバーの不安や悩みを把握して解決方法を考えたり、一人ひとりの特性を理解して指導方法を変えたりすることで、信頼関係を構築しやすくなります。 メンバーの話を聞くことで自身が気付かなかった問題点を発見できれば、業務改善につながることもあるでしょう。 1on1ミーティングを実施して、一人ひとりと対話する機会を設けるのもお勧めです。 スキル②行動力 リーダーには、メンバーの手本となるように率先して行動する姿勢が求められます。 リーダーが進んで取り組む姿を見せることで、メンバーに行動を促し、大きな目標の達成につながりやすくなります。 具体的には、必要な情報を集めたり、アイデアを出したりするような、率先して業務に取り組む姿勢を示すのが効果的です。 リーダーは、メンバーから模範にされていることを意識して、積極的に行動することが大切です。 スキル③育成力 チームの生産性を高め、より大きな成果を出すためには、メンバーも成長する必要があります。 リーダーが細かく指示を出しているとメンバーは成長できません。一人ひとりの能力を信じて仕事を任せることが大切です。 例えば、目標を共有して業務を割り振ったあとは、目標達成までのプロセスをメンバー自身に考えてもらいましょう。 ただし、任せきりにするのではなく、必要に応じてサポートやアドバイスをすることが重要です。 スキル④観察力 リーダーには、チームメンバーや物事を観察して、他人が見逃してしまう変化や違和感に気付く力が必要です。 小さな異変に気付いて早急に対処できれば、大きなトラブルに発展するのを防止できます。 例えば、仕事の進みが遅いメンバーの存在に気付き、早い段階で業務分担を見直すことで納期遅れや大きなミスを防げるでしょう。 リーダーは、日頃からさまざまなことに興味や関心を持ち、観察力を磨くことが大切です。 くわえて、違和感があるときにメンバーにフィードバックをしたり、声かけをしたりするのも効果的です。 リーダーシップを身に付ける方法 組織が同じ目標に向かって進んでいくためには、リーダーシップが欠かせません。 ここからは、リーダーシップを身に付ける方法を解説します。 方法①リーダーシップ研修を受講する リーダーシップを身に付けるためには、リーダーシップへの理解を深めることが大切です。 リーダーには、前向きに人を引っ張っていく力だけでなく、メンバーの特性を理解して適切に業務を分担する力や、メンバー同士の関係性を良好に保つ力も求められます。 まずは、リーダーとしての心構えや必要なスキルを研修で学びましょう。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、管理職向けに「現代のリーダーシップとは」というコンテンツを提供しています。 従業員にリーダーシップへの理解を深めさせたい、リーダシップを身に付けさせたいと考えている方は導入を検討してみましょう。 >>「Cloud Campusコンテンツパック100」をチェックする 方法②チームビルディングに取り組む リーダーシップを身に付けるためには、チームビルディングに取り組むのも効果的です。 チームビルディングとは、目標に向かってメンバーが個性や力を最大限に発揮できるチームづくりをするための手法のことです。 チームビルディングに取り組めば、メンバー間のコミュニケーションを促し、活発に意見交換ができる雰囲気や仕組みをつくることができます。 リーダーシップを身に付けるためにも、チームビルディングの手法や事例を学んでみましょう。 方法③リーダー経験者に相談する リーダーとしてうまくチームをまとめられないときは、リーダー経験者に相談してみましょう。 リーダーだからといって、一人で悩む必要はありません。 メンバーがリーダーを頼るように、リーダーも経験者に頼ってアドバイスをもらいましょう。 経験者を見つけられないときは、本やセミナーで知識を吸収したり、社外の勉強会で相談者を見つけたりするのがよいでしょう。 リーダーシップを発揮するときの注意点 リーダーシップを発揮するときは、威圧的になったり、チームのモチベーションを下げたりしないことが大切です。 チームのパフォーマンスを下げないためにも、それぞれの注意点を押さえておきましょう。 注意点①独裁的にならない リーダーだからといって、メンバーを従わせるという考えを持つのはやめましょう。 自分の判断が正しいと思い込み、一方的に指示を出しているとメンバーとの信頼関係は築けません。 メンバーの不満がたまったり、主体性が失われたりする可能性があるので注意しましょう。 チームのモチベーションを高めるためにも、メンバーの意見を取り入れながらチームの方向性を決めていくことが大切です。 注意点②自身の改善点に目を向ける 期待していた成果が出ないときは、自身にも改善すべき点がないかを考えましょう。 指示通りに動かなかったメンバーが悪いと決めつけると、成果を出せない状況が続いてしまいます。 「伝え方が悪かったのではないか」「スキル以上の仕事を任せていたのではないか」等、リーダーとしての改善点に目を向けましょう。 注意点③変化を起こす 近年のビジネスは変化し続けており、メンバーのスキルや考え方も変化していきます。 リーダーとしてチームを引っ張っていくためには、変化を起こすことが重要です。 柔軟な発想力と決断力を持って新たな目標を掲げたり、チームの変化にあわせて指導方法を変えたりして、チームのモチベーションを保ちましょう。 ただし、頻繁に方向性や指導方法を変えていると、メンバーが混乱してついてこれなくなる可能性があります。 変化を起こす意図を明確にして、メンバーを置き去りにしないようにしましょう。 まとめ 決断力がない人や自分の考えを押しつける人は、リーダーに向いていません。 リーダーシップのない人がリーダーになると、生産性が低下したり、優秀な人材が流出したりする可能性があります。 リーダーシップを身に付けるためには、リーダーシップへの理解を深める研修の受講が効果的です。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、管理職向けの「現代のリーダーシップとは」というコンテンツを提供しています。 リーダーシップを身に付けて組織の生産性やモチベーションを高め、大きな成果につなげましょう。 低コストで厳選コンテンツ見放題!Cloud Campusコンテンツパック100 リーダーシップに関するコンテンツを含む、30カテゴリ、100以上のeラーニングコンテンツが見放題の「コンテンツパック100」。 ニーズの高いコンテンツを厳選することで、1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現しており、利用企業は240社以上になります。 Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用可能です。 「Cloud Campusコンテンツパック100」の詳細は、こちらからご確認いただけます。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする

2024.12.03

リーダーシップとマネジメントの違い|求められるスキルや身に付ける方法を紹介

2024.12.03

リーダーシップとマネジメントの違い|求められるスキルや身に付ける方法を紹介

ビジネススキル

チームを目標達成に導き、会社全体の成長につなげるには、リーダーシップとマネジメント力のある人材が必要不可欠です。 従業員のリーダーシップとマネジメント力の向上を図るには、それぞれの違いや役割、必要なスキルを押さえておくことが大切です。 そこで今回は、リーダーシップとマネジメントの違い、求められるスキルを紹介します。 スキルを身に付ける方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 リーダーシップとは リーダーシップ(leadership)とは、目標に向かって組織を引っ張っていくリーダーとしてのスキルや素質のことをいい、指導力・統率力と表現されることもあります。 メンバーに指示を出すだけでなく、チームによい影響をもたらしながら自主的に行動できるように導いていくことが求められます。 マネジメントとは マネジメント(management)とは、経営や組織の管理、運営することをいいます。 日本企業においては、管理職が部下や業務を管理することを指すのが一般的です。 アメリカの経済学者であるピーター・ファーディナンド・ドラッカーは、マネジメントを「組織として成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義しています。 単に管理するのではなく、部下の状況や業務の課題を把握・分析したうえで、成果を上げるための調整をする役割も担っているといえるでしょう。 リーダーシップとマネジメントの違い リーダーシップとマネジメントには、主に以下の3点に大きな違いがあります。 目標達成のアプローチ方法 求められる場面 影響力を左右する要素 それぞれ詳しく見ていきましょう。 目標達成のアプローチ方法 リーダーシップとマネジメントのどちらも、チームや組織が目標を達成するために必要なスキル・役割ですが、目標達成のアプローチ方法に違いがあります。 リーダーシップは、メンバーの一人ひとりが主体的な行動ができるように促しながら目標達成をめざします。 具体的には、チームの方針を伝えたり、自身が率先して動くことで指針を示したりすることが求められるでしょう。 一方、マネジメントは一人ひとりに主体性をもたせる働きかけもしますが、目標達成のための戦略を多角的な視点をもって策定する役割があります。 例えば、目標達成のためのリソース配分をしたり、目標に適したチームを構築したりすることで目標達成へと導きます。 求められる場面 リーダーシップが求められるのは、主に新しいプロジェクトをスタートするときです。 新しいプロジェクトでは、何から着手すればよいのか悩んでしまうメンバーも出てきます。 そのような場面でリーダーシップを発揮し、進むべき方向性を示すことができれば、メンバーは目標達成のために何をすべきかを理解しやすくなるでしょう。 マネジメントは、すでに方針が定まった組織を目標達成へ導くときに重要な役割を担います。 人材や時間、コストを管理したり、より効率的な業務の進め方を模索したりしながら組織全体の成果を上げる必要があります。 影響力を左右する要素 リーダーシップは、地位や肩書があるからといって必ずしも発揮できるわけではありません。 リーダーの行動や言葉を指針としてメンバーが動くかどうかは、リーダーの人柄や人望、これまでの結果、価値観等が関係してきます。 その人の行動や言葉に信用性があると、チームが動き、リーダーシップを発揮しやすくなります。 一方、マネジメントの役割を円滑に進めるには、地位や肩書が重要です。 実際に組織の人材や予算を管理できるのは、一定以上の役職があることが条件となっているケースが多いでしょう。 リーダーシップ・マネジメントに共通して求められるスキル リーダーシップとマネジメントには、共通して以下のスキルが求められます。 目標設定力 コミュニケーション力 人材育成力 意思決定力 業務遂行力 ひとつずつ詳しく見ていきましょう。 目標設定力 リーダーシップもマネジメントも、目標に向かってチーム・組織を引っ張っていく力が求められます。 とはいえ、適切な目標が設定できていなければ、会社に求められている結果を出すことはできず、目標達成力も欠かせないスキルです。 なかでも、マネジメントでは組織全体の目標だけでなく、メンバーのスキル、意欲から個人の目標まで設定するケースもあります。 コミュニケーション力 チームや組織を目標達成に導くには、メンバー・部下と良好な関係を築く必要があります。 質の高いコミュニケーションは、メンバー・部下の強み等を理解することにつながり、スキルを引き出しやすくなるでしょう。 リーダーシップを発揮するには、メンバーからの意見やアイデアを取り入れることも欠かせないため、聴く力も求められます。 また、マネジメントでは、部下の進捗を適切に管理するために報連相(報告・連絡・相談)を促す力が必要です。 例えば、話しかけやすい雰囲気をつくったり、報連相の聞き方を意識したりする等の工夫が重要となります。 人材育成力 リーダーシップとマネジメントには、メンバー・部下を育成する力が欠かせません。 個々の能力が上がれば、チーム・組織全体のレベルが高まり、パフォーマンスの向上が期待できるでしょう。 人材育成の手法にはティーチングやコーチング、フィードバック等があります。 効率的に人材育成を進めるためにも、メンバーのスキルや状況に応じた適切な方法を取り入れることが大切です。 コーチングやフィードバックをするときのポイントは、以下の記事でご覧いただけます。 ・知ると便利!後輩指導で使える「コーチングスキル」 ・部下の能力を最大限伸ばすフィードバック方法と3つのポイント 意思決定力 リーダーやマネジメント職は、さまざまな場面で最適な意思決定をする役割を担います。 決断を後回しにするとプロジェクトの進行が遅れ、成果を上げられなくなるでしょう。 適切な意思決定をするには、解決したい問題や達成したい目標を定めるのがポイントです。 問題や目標があいまいになっていると、意思決定のために必要な情報を集めることができません。 意思決定をスムーズするには、問題と目標を言語化したうえで、どのような目的をもって意思決定したのか明確化するのが重要です。 業務遂行力 業務遂行力とは、業務をスムーズに進めるうえで必要な専門知識やスキルのことです。 営業職であれば、交渉力やプレゼン力等が業務遂行力とされています。 業務遂行力がないリーダーやマネジメント職は、メンバー・部下に適切なアドバイスができないでしょう。 メンバー・部下から信頼を得て良好な関係を築くためには、業務に関する知識・スキルが欠かせません。 リーダーシップに求められるスキル リーダーシップを発揮してチームメンバーを動かすには、周囲を巻き込む力が求められます。 単に協力を仰ぐだけでなく、メンバーが行動に移しやすくなるような環境づくりが大切です。 具体的には、メンバーに目標達成までの道筋を的確に共有したり、適切なコミュニケーションをとって相手の価値観等を理解したりするスキルが求められます。 マネジメントに求められるスキル マネジメントには、組織や部下を適切に評価するアセスメント能力が不可欠です。 組織の現状を正しく理解できていなければ、どのような目標を立てて進むべきなのか適切な判断ができません。 また、部下の能力を客観的に評価することは、今後どのような育成が必要なのかを判断する重要な材料になります。 適切な人材配置をし、組織を目標達成に導くためにも、アセスメント能力を磨くようにしましょう。 リーダーシップ・マネジメント力を身に付ける方法 リーダーシップ・マネジメント力を身に付ける主な方法には、以下の3つがあります。 研修を受ける コーチングを受ける 日常業務を通してトレーニングする それぞれのポイントを詳しく紹介します。 研修を受ける リーダーシップやマネジメント力に求められるスキルは、中堅社員や管理職向けの研修で学べます。 研修を通して体系的に学べると、効率的にスキルを取得しやすくなります。 社内研修にかけられるリソースがないときは、eラーニングの活用がお勧めです。 eラーニングを活用すれば、時間や場所を問わず学習を進められます。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、マネジメント力の強化やリーダーシップについて学べる学習コンテンツを提供しています。 従業員に質の高い教育を提供するためにも、コンテンツパック100の導入を検討してみましょう。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする コーチングを受ける コーチングとは、コミュニケーションを通して、相談者が抱えている課題や問題に対する解決方法を自らが見つけ出せるよう導くことです。 コーチングの指導者は、相談者自身が答えを出せるようにサポートします。 答えを導くための思考力が身に付くだけでなく、リーダーシップやマネジメント能力を伸ばすうえで必要なコーチング技術を学ぶきっかけとしても活用できます。 日常業務を通してトレーニングする リーダーシップやマネジメントに必要とされるスキルは、日常業務で培えるものが多くあります。 例えば、目標設定力を向上させるには、日常業務を遂行するうえでも日々小さな目標を立てる習慣を身に付けるのが効果的です。 コミュニケーション力も、一朝一夕で身に付くわけではなく、日頃のメンバー・部下との接し方を意識することが大切です。 まとめ リーダーシップとマネジメントは、目標達成までのアプローチ方法や求められる場面に違いがあります。 ただ、どちらもチームや組織が目標を達成するために必要な力・役割であり、目標設定力やコミュニケーション力、人材育成力といった共通して求められるスキルが多くあります。 会社としての成長を図るためにも、リーダーシップ・マネジメント力を身に付ける場を提供することが大切です。 サイバー大学では、年間999円(税抜)で100教材以上のeラーニング用コンテンツが見放題の「Cloud Campusコンテンツパック100」を提供しています。 リーダーシップやマネジメント力に必要なスキルを身に付けられるコンテンツも収録しているので、社員のスキル向上をめざしている場合はぜひご活用ください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!Cloud Campusコンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで、1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現しています。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用が可能です。 社会人として身に付けるべきビジネスマナー等の基礎コンテンツを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧の詳細は無料でこちらからご確認いただけます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.12.03

下請法とは?対象取引や事業者の違反事例を分かりやすく紹介

2024.12.03

下請法とは?対象取引や事業者の違反事例を分かりやすく紹介

下請企業は、資本金の大きな企業と取引する際に不利な立場になりやすいことから、下請法によって保護されています。 下請法に違反した企業は、企業名の公表や罰金等のペナルティが科せられるため、どのような行為が違反になるのかを全社員が把握しておかなければなりません。 本記事では、下請法が適用される取引内容や事業者、違反と見なされる行為を解説します。 違反を防ぐ方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 下請法(下請代金支払遅延等防止法)とは 下請法とは、取引上不利な立場となりやすい下請企業が代金の未払いや無理な値引き等、不当な扱いを受けないように守るための法律です。 違反した企業は、企業名が公表されたり、罰金が科せられたりします。 ただし、すべての取引に適用されるわけではなく、取引内容や企業の資本金額によって適用有無が異なります。 下請法の対象となる取引 下請法が適用される取引は、以下の4つです。 製造委託 修理委託 情報成果物作成委託 役務提供委託 それぞれ詳しく解説します。 製造委託 製造委託とは、製品の販売や製造をする企業が他の企業に仕様を指定して製造を依頼することをいいます。 例えば、家具メーカーが自社のプライベートブランド商品の製造を他の企業に依頼するケースや、家電メーカーが家電製品の製造に必要な部品を他の企業に発注するケースが該当します。 修理委託 修理委託とは、製品の修理を受託している企業が修理を外部委託することを指します。 また、自社で使用している製品の修理作業の一部を他の企業に依頼するのも修理委託です。 具体的には、家電メーカーが顧客から受けた修理依頼を他のメーカーに頼むケースや、製造業者が保有している機器のメンテナンス作業の一部を外部委託するケース等が当てはまります。 情報成果物作成委託 情報成果物作成委託は、ソフトウェアのプログラムや映像コンテンツ等を作成する企業が、これらの作成を他の企業に依頼することをいいます。 例えば、ゲームソフトを販売する企業が他の企業にプログラム業務を任せるケース等が該当します。 役務提供委託 役務とは、運送やビルメンテナンス、警備等のことです。 これらのサービスを提供する企業が受託した仕事を他の企業に任せることを役務提供委託といいます。 例えば、運送業者が荷物の運送の一部を他の運送業者に依頼するケースが該当します。 なお、建設業者が建設工事を外部委託する際は、下請法の適用対象外となるため注意が必要です。 この場合は建設業法によって下請企業が保護されることになります。 下請法の対象となる事業者 下請法の適用有無は、取引企業の資本金額によって以下のように異なります。 取引内容 親企業の資本金額 下請企業の資本金額 製造委託 修理委託 情報成果物作成委託(プログラム作成のみ) 役務提供委託(運送・倉庫保管・情報処理の委託のみ) 3億円超 3億円以下 1,000万円超3億円以下 1,000万円以下 上記以外の情報成果物作成委託 上記以外の役務提供委託 5,000万円超 5,000万円以下 1,000万円超5,000万円以下 1,000万円以下 下請企業には法人企業だけでなく、個人事業主も該当するため注意しましょう。 なお、親企業が資本金の少ない子会社に業務を委託し、子会社が他の企業へ再委託するときに以下の要件を満たすと、下請法で定められた資本金額に該当しない子会社であっても親企業として扱われます。 親企業が実質的に子会社を支配している(親企業が子会社の50%を超える議決権を所有している等) 親企業からの委託の50%以上を再委託している 例えば、資本金3億円超の親企業が実質的に支配している資本金2億円の子会社に製造業務を委託し、子会社が資本金1億円の企業に製造を再委託した場合は下請法が適用されます。 下請法における親事業者の義務 下請法の対象取引をする際は、資本金の多い親企業に以下の4つの義務が定められています。 支払期日を定める義務 発注書面の交付義務 取引記録の保存義務 遅延利息の支払義務 それぞれ詳しく解説します。 支払期日を定める義務 資本金の大きい親企業は、下請企業に依頼した仕事の受領日から60日以内に支払日を設定しなければなりません。 例えば、月末締めの場合は、翌月末または翌々月末払いとするのが一般的です。 双方が合意しても、受領日から60日を超えた日を支払日とすることはできません。注意しましょう。 発注書面の交付義務 口頭でのやり取りでは契約内容があいまいになりやすく、下請企業が損失を受けてしまう可能性があります。 そのような状況にならないために、発注者に対して書面を交付することが義務付けられています。 発注書には、発注内容や納期、受領場所、支払期日等を記載しなければなりません。 取引記録の保存義務 発注者は、下請法の対象取引内容を記録した書類を作成し、2年間保存する義務があります。 取引記録には、実際の受領日や支払額、支払日、発注内容の変更理由等を記載します。 取引記録を紛失しないためにも、適切な文書管理規程を設けておきましょう。 遅延利息の支払義務 支払期日を守らなかった親企業は、下請企業に遅延利息を支払わなければなりません。 遅延利息は、受領日から60日を経過した日から支払日までの日数に年率14.6%をかけて算出されます。 親企業は支払期日に遅れないように、余裕をもって事務処理を進めましょう。 親事業者の禁止行為 親企業が下請企業に業務を依頼する際には、以下の行為が禁止されています。 受領拒否 下請代金の支払遅延 下請代金の減額 不当返品 買いたたき 物の購入強制や役務の利用強制 報復措置 有償支給材料等の対価の早期決済 割引困難な手形の交付 不当な経済上の利益の提供要請 不当な給付内容の変更ややり直し これらの行為は、下請事業者の了承を得ていたとしても違反と見なされます。 禁止行為が発覚すると、罰金や下請代金の減額分の返還を求められることがあるため、注意しましょう。 下請法に違反した場合の罰則 公正取引委員会や中小企業庁は、違反行為をしていないかを確認するために、書面調査や取引記録の確認、立入検査を実施しています。 違反した企業には、以下のようなペナルティが科されます。 勧告を受けた企業名と違反内容の公表 発注書面の未交付や取引記録の未保存:最高50万円の罰金 虚偽報告や立入検査の拒否:最高50万円の罰金 企業名と違反内容が公表されれば、これまで積み上げてきた社会的な信用を失う恐れがあります。 企業イメージを損ねてしまうと、消費者の買い控えや取引先からの契約解除に発展することも考えられるでしょう。 下請法の違反事例 下請法違反を防ぐためには、どのような違反事例があるのかを知っておくことが大切です。 ここからは、実際に勧告を受けた企業の違反事例を紹介します。 事例①下請代金の減額 下請企業が契約どおりに業務を遂行しているにもかかわらず、発注後に代金を下げるのは違反行為です。 自動車部品の製造会社が自動車メーカーから請け負った部品の製造を下請企業に委託した。しかし、下請企業が鉄くずを売却すれば金銭を得られると指摘し、2022年5月から2023年6月までの期間中の対価の一部である約6,193万円を下請代金から差し引いた。 下請企業の合意があったとしても、不良品の納入や納期遅れ等、明確な契約不履行がなければ代金の減額は違反行為となります。 公正取引委員会は、減額した自動車部品の製造会社に対して、減額した金額を速やかに下請企業に支払うよう勧告しました。 さらに、発注担当者に対して下請法の研修を実施したり、下請法違反が起きないように社内体制を見直したりする等の再発防止策を講じることを求めました。 事例②不当な給付内容の変更 発注後に給付内容を変更すると、下請企業の損失につながる可能性があります。 製紙会社は、自社が販売するマスクの製造を外部委託していたが、下請企業が納品準備に取り掛かっている段階で、発注の一部を取り消した。 下請企業は必要な部材をすでに手配していたため、約2,622万円を負担することとなった。 依頼された企業は、発注内容に沿って納品準備を始めるため、発注後の内容変更は違反行為と見なされます。 発注の一部を取り消した製紙会社は、下請企業が負担することとなった約2,622万円を支払っています。 公正取引委員会からは、全社員や取引先企業に対して違反事実と再発防止策を周知するよう勧告されました。 事例③買いたたき 買いたたきとは、親企業が一方的に不当な代金を定めることです。 中古車販売業者が、自社の販売する車や購入者から依頼された中古自動車の表面研磨加工、コーティング加工を下請事業者に委託。 営業本部の意向を踏まえ、従来の単価から27.7%引き下げた発注単価を設定した。 買いたたきによって下請企業の利益が減少すると、経営難につながる可能性があります。 この事例の中古車販売業者には、買いたたき以外にも発注書面の未交付や代金の支払遅延、車両購入の強制等、複数の違反行為がありました。 取引記録も適切に保存されていなかったため、違反行為の全容を明らかにするために第三者による調査をおこない、再発防止のためのマニュアル作成や研修の実施を求めました。 違反行為が複数あったことから、公正取引委員会は今後の違反を防止するための改善状況を継続的に監視することとしました。 下請法違反を防ぐ方法 下請法に違反した企業はペナルティが科せられるだけでなく、社会的な信用を失ってしまうことになります。そうした状況にならないためには、適切な対策をして違反を防ぐことが大切です。 ここからは、違反を防ぐ方法を解説します。 方法①下請法に関する研修を実施する 下請法違反を防ぐためには、どのような行為が違反となるかを全社員に理解してもらうことが大切です。 発注する際のルールや違反行為を正しく理解してもらうために、研修やeラーニングを取り入れましょう。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、全社員向けの「下請代金支払遅延等防止法」等のコンテンツをeラーニングで学べます。 従業員に下請法や個人情報保護法等のコンプライアンスへの意識を高めたい企業は、ぜひ導入を検討してみてください。 方法②下請法に関するマニュアルを作成する 社員が下請法を遵守するためには、マニュアルの作成と徹底した運用が大切です。 マニュアルを見ながら取引をすることで、違反の防止につながります。 マニュアルを作成する際は、自社の業務内容に沿って、どのような行為が違反となるか、禁止行為や適切な対応方法を記載しましょう。 方法③内部監査を実施する 公正取引委員会や中小企業庁の調査によって下請法違反が発覚すると、ペナルティを科せられる可能性があります。 企業名と違反内容が公表されると社会的信用を失ってしまうため、内部監査によって日頃から違反行為が起きていないかのチェックが大切です。 部下の発注作業を上司がチェックする等、違反行為をしていないかの確認を習慣化するのも違反防止につながるでしょう。 まとめ 下請法は、立場の弱い企業が不当な扱いを受けないようにするための法律です。 違反したときは企業名と違反内容が公開されるため、社会的信用を失うことにつながります。 くわえて、罰金を科せられたり下請代金の減額分の返還を求められたりすることもあります。 違反を防ぐためにも、研修の実施やマニュアルの作成によって、どのような行為が違反にあたるのかを全社員に理解してもらうことが重要です。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、全社員向けの「下請代金支払遅延等防止法」等のコンテンツを提供しています。 従業員の下請法への意識を高めて、違反行為のない公正な取引をしましょう。 低コストで厳選コンテンツ見放題!Cloud Campusコンテンツパック100 「コンテンツパック100」では、下請法に関するコンテンツを含む100以上のeラーニングコンテンツが見放題です。 1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現しており、240社以上の企業が利用しています。 コンテンツ内容は毎年見直されているため、最新の内容を学ぶことができ、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用可能です。 「Cloud Campusコンテンツパック100」の詳細は、こちらからご確認いただけます。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする

2024.11.18

DX時代に欠かせないリスキリングとは?企業導入に向けた5ステップを紹介

2024.11.18

DX時代に欠かせないリスキリングとは?企業導入に向けた5ステップを紹介

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ビジネススキル

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人材教育

DX化への対応が求められる昨今、リスキリングの重要性について耳にすることは多いのではないでしょうか。 今後、企業がリスキリングに取り組んでいくのであれば、リスキリングの意味や注目されるようになった背景を押さえておくことが大切です。 そこで今回は、リスキリングの定義や導入時の注意点、ポイントを解説します。 スムーズに導入するための手順も紹介しているので、リスキリングの導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。 リスキリングとは リスキリングとは、新しい職業に就くとき、もしくは現在の職業で仕事の進め方が大幅に変わったときに対応できるよう、必要なスキルを身に付ける、身に付けさせることをいいます。 語源はスキルの再取得という意味のある「Re-skilling」です。 これまで企業が取り組んでいた人材教育は、現状の業務をスムーズに進めるために自社のノウハウを伝える形が主流でした。 しかし、現状の業務に必要なスキルや知識のみでは、近年のDX化に対応できなくなっていることから、リスキリングが重要視されるようになったのです。 リスキリングがDX時代に欠かせない理由 リスキリングは、DX時代の人材戦略のひとつとされています。 DXとは、AIやIoT等のデジタル技術を活用して業務プロセスを改善し、最終的に製品やサービス、ビジネスモデル、組織の変革をめざことです。 したがって、DXを成功させるには、デジタル技術を活用できる人材が求められます。 デジタル技術を活用できる人材がいない企業は、DX時代に対応するために外部人材を採用したり、社員に必要なスキルを身に付けさせたりする必要があります。 リスキリングが注目されている背景 リスキリングが注目されるようになったきっかけは、2020年に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、「リスキリング革命」という構想が発表されたことです。 リスキリング革命とは、第4次産業革命にともなう技術の変化に対応できる新しいスキルを獲得するために、2030年までに全世界で10億人によりよい教育、スキル、仕事を提供するという構想です。 第4次産業革命とは、IoTやAI、ビッグデータ等の活用による技術革新をいいます。 世界経済フォーラムでは、第4次産業革命によって数年で8,000万件の仕事が消失する一方で、9,700万件の新たな仕事が生まれると予測されています。 第4次産業革命に対応するには、DXの推進が不可欠であり、そのためにもリスキリングを取り入れていく必要があるのです。 リスキリングと似た用語 リスキリングと似た用語には、以下のようなものがあります。 リカレント教育 アップスキリング OJT アンラーニング それぞれの意味と、リスキリングとの違いを紹介します。 リカレント教育 リカレント教育とは「働く→学ぶ→働く」のサイクルを回し続けることをいいます。 実務と並行しながら進めるリスキリングに対し、リカレント教育では職場を離れて大学等の教育機関で学ぶのが一般的です。 くわえて、リカレント教育は働く個人が能動的に学ぶことを指しますが、リスキリングでは企業が従業員の学びを先導することに重きを置いているのも違いのひとつです。 アップスキリング アップスキリングとは、すでに保有している知識やスキルをアップデートすることです。 一方、リスキリングは保有していない知識やスキルを新たに身に付けることを意味します。 OJT OJTは、上司や先輩社員を指導役とし、現状の業務に必要なスキルや知識を身に付けてもらう方法です。 対してリスキリングは、現状の業務ではなく、今後新しく増える仕事に必要なスキルや知識を習得することを目的としています。 アンラーニング アンラーニングは、日本語で「学習棄却」「学びほぐし」という意味があり、既存の知識やスキルを取捨選択して新しいものに入れ替えることをいいます。 新しい知識やスキルを身に付けるリスキリングと異なり、既存の知識やスキルの取捨選択が重視されているのが特徴です。 企業がリスキリングに力を入れるメリット 企業がリスキリングに力を入れると、以下のようなメリットが期待できます。 DX人材不足の解消につながる 企業理解の深い人材が新規事業に取り組める 業務効率化・生産性向上につながる 新たなサービスや事業を生み出せる 従業員のモチベーションが高まる それぞれ詳しく見ていきましょう。 メリット①DX人材不足の解消につながる 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施した「企業等におけるDX推進状況等調査分析(DX動向2024調査)」では、DX人材不足がいっそう深刻化していることが公表されました。 DX人材不足の原因には、DXの必要性が急速に高まっていることや、少子高齢化によって労働力が不足していることが挙げられます。 そのような問題を解決するには、会社全体でリスキリングに取り組み、従業員にDXに必要な知識やスキルを身に付けてもらうのが効果的です。 結果的にDX人材を採用する必要がなくなれば、採用コストの削減にもつながります。 メリット②企業理解の深い人材が新規事業に取り組める リスキリングを通して、もともと社内にいた人材にDXといった新しい業務に必要なスキルや知識を習得してもらえば、社内業務や企業の文化に詳しい人材に新規業務を任せられます。 新入社員と比べて社内業務や企業文化を教える手間がかからないので、新規事業をスムーズに進められます。 リスキリングによって企業理解の深い人材に新規事業を任せられれば、他部署との連携をスムーズに進められるでしょう。 メリット③業務効率化・生産性向上につながる リスキリングに力を入れることでDX人材の育成がスムーズに進めば、生産性向上が期待できます。 DX化によって作業の自動化や作業工数の削減が進むと人件費を削減でき、生産性向上につながるでしょう。 メリット④新たなサービスや事業を生み出せる リスキリングによってDX化がスムーズに進み、業務工数の削減を実現できれば、既存事業の拡大・新規事業の開発にリソースを割けるようになります。 それだけでなく、リスキリングによって新しいスキルや知識を身に付けると、新たなアイデアが生まれやすくなるでしょう。 新しいアイデアから新規サービスや事業拡大につながれば、顧客のニーズ変化にも対応できるようになる可能性が高まります。 メリット⑤従業員のモチベーションが高まる 企業がリスキリングに力を入れ、従業員にスキルアップの機会を提供できれば、モチベーションアップにつながるでしょう。 くわえて、DX推進によって業務の無駄をなくしたり、業務を自動化したりすれば残業時間をカットできます。 人手に余裕ができて休暇が取りやすくなることで、従業員のワークライフバランスが整えられるようになるはずです。 従業員のモチベーションが高まれば、優秀な人材が離れていくことを防げるだけでなく、生産性向上や会社の業績アップが期待できます。 リスキリングを取り入れる5つのステップ リスキリングは以下の5つのステップで取り入れるのがお勧めです。 必要なスキルを明らかにする リスキリングのプログラムを作成する 社員に取り組んでもらう 学んだスキルを業務に活用してもらう リスキリングの振り返る 順番に詳しく見ていきましょう。 1.必要なスキルを明らかにする リスキリングを取り入れる際は、まず自社の社員にどのようなスキルを取得してもらうべきかを明確にします。 そのためには、今後必要になるスキルと、現状で保有しているスキルを可視化することが大切です。 例えば、DX推進に取り組む場合は、デジタル技術に関するスキルを保有している社員はいるのか、保有している場合はどのくらいのレベルなのかを明らかにしていきます。 今後必要なスキルと現状の保有状況、保有レベルが分かると、どのようなリスキリングプログラムを取り入れるべきかを判断しやすくなります。 2.リスキリングのプログラムを作成する 取得が必要なスキルが明確になったら、リスキリングのプログラムを作成します。 リスキリングを進める方法には、社内勉強会や研修、eラーニング等があります。 社内勉強会や研修であれば、テキストや教材の準備、外部講師への依頼が必要です。 eラーニングであれば、どのツールを選ぶのかを決める作業が欠かせません。 くわえて、リスキリングの対象者や、受講に対するインセンティブを設けるかも決めておきましょう。 3.社員に取り組んでもらう 次に、作成したプログラムを社員に取り組んでもらいます。 プログラムを提供して終わりではなく、スキルをスムーズに習得してもらうためのサポートも必要になります。 例えば、面談で本人の希望を確認したり、学習の進捗状況をチェックしたりすることが大切です。 なお、リスキリングを実施する際は、従業員のモチベーション低下につながらないように、プログラムに取り組む時間を就業時間内に設けるのが理想です。 4.学んだスキルを業務に活用してもらう 学習プログラムが終了したら、実際に学んだスキルを業務に活用してもらいましょう。 リスキリングでは、学んだスキルを業務に活用できて初めて成功といえます。 しかし、時にはそのスキルを使う具体的な仕事が社内に存在しないこともあります。 そのような場合は、新規事業やプロジェクトの実現性を調査する「フィージビリティスタディ」のような新しいスキルを使える機会を用意するようにしましょう。 5.リスキリングの振り返りをする 最後に、リスキリングの過程や結果の振り返りをし、改善点を探します。 次回のリスキリングの質を高めるためにも、受講者の意見を聞きながら、良かった点・悪かった点を明確にしておきましょう。 リスキリングを取り入れる際の注意点 リスキリングを取り入れる際は、以下の点に注意しましょう。 リソースの確保が必要になる 導入に費用がかかる 社員のモチベーションを維持するのが難しい ひとつずつ詳しく解説します。 リソースの確保が必要になる リスキリングを新たに導入するには、リソースの確保が必要不可欠です。 必要なスキルの明確化やプログラムの選定、作成といった前準備だけでなく、リスキリングを実施するための時間と人手が必要となります。 くわえて、リスキリングを受ける従業員にも時間をつくってもらう必要があります。 リスキリングのリソースを確保するためにも、各部署の協力が欠かせません。 導入に費用がかかる 社内で研修ができないときは、外部講師に費用を払って依頼する必要性が出てきます。 リスキリングの規模が大きくなるほど、教材費や講師料といった費用がかさんでしまいます。 費用対効果を高めるためにも、リスキリングの目的を明確にしたうえで実行することが大切です。 リスキリングにかける費用が限られている場合は、eラーニングの導入を検討しましょう。 eラーニングを活用すれば、常に質の高い教育を提供できるメリットもあります。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、ITスキルを身に付けられる研修コンテンツを含む100教材以上がeラーニングで受講できます。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする 社員のモチベーションを維持するのが難しい リスキリングプログラムを就業時間外に設定すると、社員のやる気が低下する可能性があります。 また、学習内容が社員自身の苦手分野だったり、スキルに関連する新規事業に興味がなかったりすれば、リスキリングへの意欲が低下してしまいます。 社員のモチベーション低下を防ぐためにも、社員の意見を聞きながら、就業時間内に学習時間を設けるようにしましょう。 リスキリングを取り入れる際のポイント リスキリングを取り入れる際は、以下のポイントを押さえるようにしましょう。 会社全体で取り組む 主体的に学べる仕組みを整える eラーニングを活用する それぞれ詳しく紹介します。 会社全体で取り組む リスキリングは基本的に通常業務と並行して進めることとなります。 受講者のみの力では、リスキリングの時間を確保するのは難しいため、所属部署や関連部署の協力が必要です。 会社全体にリスキリングの目的やプログラム内容を共有すれば、理解を得やすくなるでしょう。 主体的に学べる仕組みを整える リスキリングを成功させる鍵は、社員のモチベーションです。 モチベーションが維持できないと、学ぶ時間を設けても、なかなかスキルが身に付かない可能性があります。 新しいことを学んだり、通常とは異なる業務をしたりすることは、社員の負担増加につながります。 社員のストレスを軽減して、モチベーションを維持しやすくするためにも、企業側が主体的に学べる仕組みを整えることが大切です。 例えば、事前に学びたいことや今後のキャリアを確認したうえで、適切なプログラムを提供したり、リスキリングに取り組む人へのインセンティブ制度を設けたりするのが効果的です。 eラーニングを活用する リスキリングを取り入れたくても、リソースの確保が難しく、実行できていないケースは多くあります。 そのような場合は、eラーニングを活用しましょう。 eラーニングを活用すれば、外部講師へ依頼することなく、質の高い教育を提供できます。 くわえて、スマートフォンで気軽に学べたり、学習の進捗状況を確認できたりするメリットもあります。 まとめ 新たな知識やスキルを身に付けるリスキリングは、DX人材の不足解消や、企業の成長に欠かせないものです。 リスキリングを取り入れる際は、企業にとって必要なスキルを明確にし、従業員の適性を確認したうえで適切なプログラムを作成することが大切です。 リスキリングにかける社内リソースがない企業は、eラーニングの導入を検討しましょう。 サイバー大学では年間999円(税抜)で100教材以上のeラーニング用動画コンテンツが見放題の「コンテンツパック100」を提供しております。 ITスキルを身に付けられるコンテンツも収録しているため、リスキリングの導入を検討している場合はぜひご活用ください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで、1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現しています。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用が可能です。 社会人として身に付けるべきビジネスマナー等の基礎コンテンツを含む、100コース・1,500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧の詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.11.18

カスタマーハラスメントの意味や事例|企業がすべき対策を解説

2024.11.18

カスタマーハラスメントの意味や事例|企業がすべき対策を解説

eラーニング

人事制度・組織づくり

顧客や取引先から悪質な指摘や要求を受けるカスハラは、従業員に大きなストレスを与え、健康被害や休職の原因になるケースも少なくありません。 それだけでなく、企業の業績やイメージを悪化させることにもつながります。 従業員を守る義務を果たし、ステークホルダーからの信頼を獲得するためにも、企業は過去のカスハラ事例から適切な対策を立てなければなりません。 そこで今回は、カスハラの事例や定義、判断基準を解説します。 企業がすべきカスハラ対策も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 カスタマーハラスメント(カスハラ)とは カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)とは、顧客や取引先から商品・サービスへの悪質な指摘や過剰な要求を受けることをいいます。 具体的には、大声や暴言で従業員を責めたり、頻繁に来店してその度にクレームを入れたりする行為が挙げられます。 カスハラの判断基準 厚生労働省が公開している「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、以下の2点をカスハラの判断基準としています。 顧客や取引先の要求内容に妥当性はあるか 要求を通すための手段や言動が社会の一般常識で許される範囲か 要求内容の妥当性を判断する際は、顧客等の主張に対して因果関係を確認したうえで「自社に落ち度がないか」「納得のいく根拠があるのか」を検討します。 例えば、自社に落ち度がなければ、顧客の要求は妥当ではないとし、カスハラという判断をしたうえで対応します。 仮に要求内容が妥当であっても、暴言で従業員を責め立てたり威圧的な態度をしたりした場合は、社会の一般常識においてふさわしくない言動として、カスハラに該当する可能性が高いといえるでしょう。 カスハラとクレームの違い 正当なクレームといえるのは、商品やサービス、システム、接客等に対して改善を求める行為です。 一方、カスハラは顧客という立場を利用して、無理な要求をしたり暴力的・威圧的な言動をしたりすることをいいます。 クレームとカスハラに明確な線引きがあるわけではありませんが、悪質なクレームがカスハラに発展するケースは多くあります。 【業種別】カスハラ事例 ここでは、厚生労働省が公表した「カスタマーハラスメント事例集」から一部のカスハラ事例を業種別に紹介します。 カスハラの判断基準の理解を深め、従業員を守るためにも、さまざまな事例を把握しておきましょう。 情報通信業 情報通信業では、以下のようなカスハラ事例があります。 「癒されるね」「下の名前も教えて」とセクハラにあたる言葉をかけた 「徹夜で明日までにバグを直せ」といった無理な要求をした 「頭が悪い」「性格が悪い」といった人格否定に該当する言葉や暴言をかけた このように、情報通信業ではサポートデスクのスタッフに対するカスハラが多く見られました。 郵便業 運輸業・郵便業では、天候不良等によるやむを得ない運用見合わせや遅延に対し、不当な請求や謝罪を要求するケースがあります。 例えば、以下のようなカスハラ事例が挙げられます。 駅構内や電車内で運転見合わせのお詫び放送を繰り返していたところ「いつ発車するのか放送しろ」と厳しく問いただした 自身が危険行為をしていたにもかかわらず、注意喚起を繰り返していた駅員を突き飛ばした 電車の運転再開見込みが分からないことに納得せずスマートフォンで車掌の対応を無断で動画撮影した 電車遅延が理由で利用したタクシー代の負担を要求された なかには、警察への通報まで発展したケースや、顧客からの暴行により社員が負傷したケースもあります。 卸売業・小売業 特に小売業では、顧客と対面することが多く、無理な要求や不当な謝罪を求められることが多くあります。 例えば、以下のような拘束的かつ継続的なクレームを入れた事例が挙げられます。 【事例1】 顧客がプリペイドカードを購入後、返金を申し出た 店舗での返金を受け付けていないと説明したところ「店長を出せ」「店長権限で返金しろ」といった同じ内容で長時間問い詰めた 翌日も同様のやり取りがあったあと、本社の代表電話へ連絡し、本社に訪れてクレームをした 【事例2】 顧客が20年前に購入した商品が動かなくなったと無償修理を要求した 2日間、企業や商品の輸入元へ執拗に電話をかける 電話を通して長時間にわたり、不当な主張・無理な要求を続けた そのほかにも、接客態度や返金対応に納得がいかず、土下座を要求したり暴力をふるったりした事例があります。 宿泊業・飲食サービス業 宿泊業・飲食サービス業では、顧客の立場を利用した無理な要求をする事例が多くあります。 実際に、宿泊業では「顧客が宿泊する度に客室の清掃不備を指摘して、客室のグレードアップや顧客の前での清掃を要求する」といった事例がありました。 飲食サービス業のカスハラ事例には、以下のようなものが挙げられます。 【事例3】 顧客が半額シールの付いた弁当を自身の過失で落とし、販売できない状態となった 従業員が衛生面の観点で販売できない旨を伝える 顧客は納得せず、該当商品を販売するか、他の商品を半額にすることを求めて店内で騒ぎ続けた サービス内容や対応に納得がいかず、大声をあげて威嚇をしたり、暴言を吐いたりする事例もあります。 生活関連サービス業・娯楽業 生活関連サービス業・娯楽業では、以下のようなカスハラ事例がありました。 【事例4】 顧客の安全を配慮し、要求を丁重に断った 顧客は納得がいかず、フロア全体に響き渡るほどの大声で怒鳴り散らした その後も暴言を吐く、靴を投げる、椅子を叩く等2時間にわたり威圧的行動をした 該当の顧客は繰り返し売場に現れ、怒鳴り散らすことが続いた このようなカスハラが従業員のトラウマとなり、休職に追い込まれるケースも少なくありません。 医療・福祉 医療・福祉の現場では、利用者やその家族から以下のようなカスハラを受ける事例があります。 利用者が看護師を叩く、つねる、唾を吐く 利用者やその家族がスタッフに「へたくそ」と発言したり「帰れ」と大声で怒鳴りつけたりする 利用者が看護師や介助者に対し、セクハラに該当する言動をする 厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査報告書(令和5年度)」では、過去3年間に顧客から著しい迷惑行為を受けた病院・施設の割合が53.9%と公表されています。 調書対象となった業種のなかで最も高い割合であったことから、医療・福祉はカスハラに関する相談件数が多い業種といえます。 カスハラは犯罪に該当する場合がある カスハラの内容によっては、以下のような犯罪行為に該当する可能性があります。 傷害罪 暴行罪 脅迫罪 恐喝罪 未遂罪 強要罪 名誉棄損罪 侮辱罪 等 カスハラから大きな事件に発展し、警察や弁護士との提携が必要になった事例もあります。 企業がカスハラ対策すべき理由 カスハラには以下のような悪影響があることから、企業は適切な対策を立てる必要があります。 従業員のストレスの増加やパフォーマンスの低下につながる「 企業のイメージダウンや業績の悪化につながる 企業責任を問われる可能性がある ひとつずつ詳しく見ていきましょう。 1. 従業員に悪影響を与える カスハラは従業員に大きなストレスを与えるため、業務のパフォーマンスが低下したり、従業員の健康被害につながったりする恐れがあります。 なかには、現場対応にトラウマを抱えて休職や退職の原因になってしまうこともあります。 従業員を守るためにも、早急にカスハラ対策をすべきといえるでしょう。 2. イメージダウンや業績の悪化につながる カスハラは対応に時間がかかるものが多く、業務効率が下がる原因になります。 カスハラ対応に追われることで業務に遅れが出れば、他の顧客に満足いくサービスを提供できない可能性も考えられるでしょう。 また、カスハラをする顧客がいる場所には、他の顧客も来訪しにくくなります。 その結果、企業のイメージダウンや業績悪化につながる恐れがあります。 3. 企業責任を問われる可能性がある 企業には「安全配慮義務」があり、従業員が安全かつ健康に働けるように職場環境を整えなければなりません。 カスハラに対して企業が適切な対処をしていない場合、被害に遭った従業員から責任を問われる可能性があります。 実際に、賠償責任が認められた事例がある一方で、顧客トラブルへの対応をしっかりしていたことで賠償責任が認められなかったケースもあります。 企業として従業員を守る責任を果たすためにも、カスハラ対策は必要不可欠です。 企業が取り組むべきカスハラ対策 企業が取り組むべきカスハラ対策には、以下のようなものがあります。 顧客との対等な関係を築く 企業としての姿勢を明確にする 相談しやすい体制を整える 監視カメラや通話録音サービスを活用する カスハラ対応のマニュアルを作成する 従業員にカスハラ対応の研修をする カスハラ事例を社内で共有する 警察や弁護士とスムーズに連携できる仕組みをつくる それぞれ詳しく解説します。 1. 顧客との対等な関係を築く 顧客に対して必要以上に低姿勢で対応したり、無理な要望を受け入れたりすると、カスハラの対象になってしまう可能性があります。 カスハラを防止するためにも、過剰な顧客第一主義を避け、顧客と対等な関係を築きやすい環境を整えるようにしましょう。 2. 企業としての姿勢を明確にする 企業のトップは、カスハラ対策の姿勢を顧客や従業員に明確に示すことが大切です。 企業側がカスハラを許さない姿勢を示し、従業員を守る体制を整えれば、従業員は安心感をもって働きやすくなります。 従業員自身もカスハラに関する相談がしやすくなり、大きなトラブルに発展しにくくなるでしょう。 くわえて、顧客に向けてもカスハラへの姿勢を示せば、迷惑行為を抑制する効果も期待できます。 3. 相談しやすい体制を整える 企業は従業員が相談しやすい体制を整えることが大切です。 従業員が悪質なクレームやカスハラを受けていることが分かれば、トラブルが大きくなる前に対処できます。 具体的には、相談窓口を設置したり、相談対応者向けの研修をしたりするのが効果的です。 4. 監視カメラや通話録音サービスを活用する 監視カメラを設置したり、通話録音サービスを導入したりすれば、実際にカスハラを受けたときの事実確認に役立ちます。 くわえて、監視カメラや通話録音サービスによってカスハラを抑制する効果も期待できるでしょう。 通話録音の事前案内があれば、悪質なクレームの抑止につながります。 従業員をカスハラから守るためにも、監視カメラや通話録音サービスを導入してみましょう。 5. カスハラ対応のマニュアルを作成する カスハラを受けたときに適切な対応ができるように、以下のような内容を記載したマニュアルを作成しましょう。 カスハラの定義 カスハラの判断基準 カスハラへの対処方法(ケース別) カスハラへの知識や対処方法を知らない状態では、実際にカスハラに遭遇したときに慌ててしまいます。 その結果、顧客の無理な要望に応えてしまい、従業員や企業にとって不利な状況に陥ることも考えられるでしょう。 くわえて「カスハラ対応を一人に任せず複数人で対応する」「状況によっては現場監督者が対応する」といったルールをつくることも大切です。 6. 従業員にカスハラ対応の研修をする 従業員がカスハラを受けたときに焦らず適切な対応ができるようになるには、マニュアルでルールを明確化するだけでなく、カスハラの対処法を学べる研修の実施が大切です。 マニュアルを把握していても、感情的になっている顧客を目の前にすると、どのように対応すべきか分からなくなる人もいます。 そのような状況に適切な対応ができるようになるためには、ロールプレイングのような実践形式を取り入れるのが効果的です。 7. カスハラ事例を社内で共有する 社内や社外のカスハラ事例を共有すると、カスハラに遭遇したときの対応方法をより具体的にイメージしやすくなります。 くわえて、従業員の接客態度によってカスハラを引き起こした事例を共有すれば、応対方法を見直すことでカスハラを防止できます。 カスハラは誰にでも起こりうることであるという認識をもってもらうためにも、マニュアルや研修に事例を盛り込むようにしましょう。 8. 警察や弁護士とスムーズに連携できる仕組みをつくる カスハラの内容によっては、警察・弁護士等の協力が必要になることがあります。 その場合は、本社や本部と連携して対処するケースも多いため、どのような方法や流れで進めるのかを事前にルール化しておくことが大切です。 ルールに沿って進めることでスムーズに連携できるようになれば、大きなトラブルに発展する前に対処しやすくなります。 従業員のなかには、現場で解決しなければならないと考えている人もいます。 現場の負担を軽減するためにも、警察や弁護士との連携ができる仕組みやルールを整えるようにしましょう。 まとめ カスハラは従業員の就業環境を害すだけでなく、企業の業績やイメージダウンにつながる可能性があります。 企業として従業員を守る責任を果たすためにも、カスハラ事例からより適切な対策を立てることが必要不可欠です。 サイバー大学では年間999円(税抜)で100教材以上のeラーニング用動画コンテンツが見放題の「コンテンツパック100」を取り扱っております。 ハラスメントのない環境整備や体制作りを学べる研修も収録しているので、従業員が安心して働ける職場に整えるためにもぜひご活用ください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで、1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現しています。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用が可能です。 社会人として身につけるべきビジネスマナー等の基礎コンテンツを含む、100コース・1,500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧の詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする  

2024.11.18

企業がすべき情報セキュリティ対策とは?被害事例と対策も紹介

2024.11.18

企業がすべき情報セキュリティ対策とは?被害事例と対策も紹介

eラーニング

ITスキル

人事制度・組織づくり

セキュリティ対策を怠ると、ウイルス感染やサイバー攻撃によって情報漏洩が発生し、自社だけでなく取引先や顧客にも影響を与える可能性があります。 近年では外部攻撃だけでなく、社員による顧客情報持ち出しや人的ミスによる情報漏洩が発生しているため、企業として適切なセキュリティ対策を講じることが大切です。 本記事では、セキュリティ対策の重要性や企業がすべき対策を解説します。 情報セキュリティの被害事例や個人ができる対策も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 セキュリティ対策とは セキュリティ対策とは、企業の情報資産をウイルス感染や不正アクセス等から保護するための対策のことです。 IT化が進んだ昨今では、さまざまな情報をシステム上に保管しているため、情報漏洩やシステム停止が発生しないように対策する必要があります。 セキュリティ対策をする際は、以下の3つの要素を意識しましょう。 機密性:許可された人物だけが情報にアクセスできること 完全性:他者によって情報が改ざんや削除されないこと 可用性:必要なときに必要な情報にアクセスできること これらの要素の一つでも欠けると、情報漏洩が発生したり、必要な情報にアクセスできなくなったりするので、総合的な視点をもってセキュリティ対策に取り組むようにしましょう。 セキュリティ対策の重要性 情報漏洩やシステムの停止が起きると、企業イメージが低下したり取引先や顧客に損害を与えたりする可能性があります。 セキュリティ対策を講じるときは、なぜ対策をしなければならないのか?ここからはセキュリティ対策の3つの重要性を解説していきます。 1. 情報資産を守るため 企業の情報資産には、知的財産や財務情報、顧客・従業員情報等があります。 知的財産や財務情報が流出すると、企業としての競争力が低下し、業績が悪化する原因になることも考えられるでしょう。 また、顧客情報が漏洩すると、企業の信用が低下するだけでなく、損害賠償を請求される可能性もあります。 そのような状況にならないためには、情報漏洩が発生しないようにセキュリティ対策を徹底することが重要です。 2. 日常業務がストップするのを防止するため ウイルス感染やサイバー攻撃等によって社内システムが停止すると、業務が止まってしまう可能性があります。 日常業務が停止すると、本来得られるはずの利益や営業機会を失い、経済的損失を被ることになります。 また、サービスが提供できなくなると、取引先や顧客からの信用低下、損害賠償の請求につながることも考えられるでしょう。 継続して安定した業務を行うためにも、日頃からセキュリティ対策を取り入れておくことが大切です。 3. 企業の信用を保つため セキュリティ対策が不十分な企業は、情報漏洩やホームページの改ざんによって社会的信用を失う可能性があります。 情報セキュリティ事故が発生しないように機密情報を適切に管理するのは、企業の社会的責任です。 一度失った信用を取り戻すには、想像以上の時間と手間がかかります。 企業としての信用を失うことにならないためにも、適切なセキュリティ対策をしておきましょう。 情報セキュリティの被害事例 ここからは、実際に起きた情報セキュリティの被害事例を紹介します。 セキュリティ対策が不十分な場合に、どのような被害が発生するのかを把握しておきましょう。 被害事例1.外部攻撃による情報漏洩 大手SNS会社と技術協力関係にある企業の子会社A社の取引先のパソコンがマルウェアに感染し、約44万件の個人情報が流出しました。 マルウェアに感染したA社と大手SNS会社の認証基盤が一部共通化していたことでサイバー攻撃を受けたとされています。 大手SNS会社は、今後の対策として認証基盤を子会社から分離させる方針を示しています。 被害事例2.社員による顧客情報の不正持ち出し 学生向けの不動産賃貸業を手がける企業の社員が約2万9,000人の顧客情報を第三者に不正に提供した事例です。 企業は、顧客から「ウォーターサーバーの勧誘がくる」といった計33件の苦情が寄せられたため、社内調査を実施したところ社員による情報漏洩が発覚しました。 社員は、顧客管理システムに不正ログインし、外部にデータを持ち出したとされています。 企業は、再発防止策として顧客管理システムの使用範囲の制限やセキュリティの強化を行いました。 被害事例3.人的ミスによる情報漏洩 大手自動車メーカーが子会社に管理を委託していた顧客情報の一部がクラウド環境の設定ミスにより、外部から閲覧できる状態が10年ほど続いていたことが判明しました。 大手自動車メーカーは、データの取り扱いルールの説明が不十分だったこと等が原因であったと考え、クラウド設定を監視するシステムの導入や従業員への教育を徹底することとしました。 大手自動車メーカーは漏洩した顧客情報が二次利用されたり、複製されたりした被害は確認されていないと公表しているが、顧客一人ひとりに連絡したうえで専用のコールセンターを設置することになった。 企業がすべきセキュリティ対策5選 情報セキュリティの被害を防ぐためには、適切な対策を実施することが大切です。 ここからは、企業がすべきセキュリティ対策を紹介します。 1. マルウェア感染対策 マルウェアとは、ウイルスやフィッシング、スパム等、ネットワーク上で被害を与えることを目的とした悪意のあるソフトウェアのことです。 マルウェア感染対策として、以下のような対策が有効とされています。 マルウェア対策ソフトの導入 ソフトウェアの更新 危険なWebサイトのフィルタリング マルウェアに感染したときは、パソコンのLANケーブルを抜いたり、無線LANのスイッチを切ったりして、それ以上感染を広げないことが重要です。 マルウェアに感染したときに全従業員が迅速に対処できるようにネットワークの遮断方法を教育しておきましょう。 2. 不正アクセス対策 不正アクセスを防ぐためには、適切なアカウント管理をすることが大切です。 企業秘密や顧客情報等の重要な情報へのアクセスは、必要最低限の担当者に制限しましょう。 くわえて、誰が、いつアクセスしたのかの履歴が残るようにしたり、不正アクセスを検知して管理者に通知するシステムを導入したりするのも効果的です。 不正アクセスにすばやく気付くことで、被害を最小限に留められます。 また、退職者のアカウントは不正使用されないように、速やかに削除や無効化するようにしましょう。 3. 情報漏洩対策 リモートワークの導入によって社外で仕事をする機会が増え、パソコンやUSBメモリの紛失によって情報漏洩が発生するリスクが高まっています。 企業は社内だけでなく、社外でパソコンを利用するときに情報漏洩が発生しないように、セキュリティ対策を徹底する必要があります。 例えば、外部にパソコンを持ち出す場合には、事前申請を義務づけたり、端末自体にデータやアプリケーション等を保存せず、社内にあるサーバーで情報を管理する「シンクライアント」を導入するのがよいでしょう。 4. 機器障害対策 ウイルス感染やネットワーク障害、操作ミスによるデータの破損、停電が発生すると、日常業務ができない状況になる可能性があります。 業務が止まると自社だけでなく、取引先に影響を与える可能性があるため、機器障害があったときの対策をしておくことが大切です。 機器障害による業務停止を起こさないためには、定期的にバックアップをとったり、停電時に電力供給が止まらないように無停電電源装置を設置したりする等の対策をしておきましょう。 5. 従業員への教育 セキュリティ対策では、企業だけでなく従業員一人ひとりの危機管理意識を高めることも大切です。 従業員にセキュリティ対策の重要性や対策方法を理解してもらうための研修を実施しましょう。 くわえて、情報セキュリティに特化した部署を設置するのも手段のひとつです。 サイバー大学のeラーニング用動画コンテンツ見放題サービスである「Cloud Campusコンテンツパック100」では、全社員向けの「ID/Password管理の徹底」や「標的型攻撃メールの例と対策」、「外部無線LAN利用禁止」等の情報セキュリティに関するコンテンツを提供しています。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする 個人・従業員ができるセキュリティ対策6選 企業のセキュリティ対策では、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めておくことが重要です。 ここからは、個人レベルで取り入れられるセキュリティ対策を紹介します。 1. パスワード管理の徹底 個人アカウントの不正利用を防ぐためには、推測されにくいパスワードを設定することが大切です。 パスワードを設定する際は、同じパスワードを使い回さないように意識したり、ランダムな英数字の組み合わせにしたりするのがポイントです。 また、設定したパスワードは第三者に知られることがないように管理を徹底しましょう。 企業側が一定期間ごとにパスワードを変更しなければログインできない仕組みや、パスワードを一定回数間違えた場合にログインできない仕組みを構築するのも効果的です。 2. ソフトウェアのアップデート ソフトウェアは、時間の経過とともにセキュリティ上の弱点となる脆弱性が発見されることがあります。 この脆弱性を改善するための修正プログラムが定期的に通知されるので、そのタイミングにアップデートするようにしましょう。 アップデートを怠っていると、サイバー攻撃やウイルス感染の被害を受ける可能性があります。 このような被害を防ぐためにも、小まめにアップデートをしてソフトウェアを最新の状態に保ちましょう。 3. 標的型攻撃への対策 標的型攻撃とは、特定組織の機密情報やアカウント情報を盗み取ることを目的とした攻撃のことです。 例えば、組織内の個人に対して業務内容を装ったメールを送り、メール内のリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いたりすることでウイルスに感染するようにつくられたメール等が標的型攻撃に該当します。 標的型攻撃の被害を防ぐためには、手口を理解して安易にリンクや添付ファイルを開かないように注意することが大切です。 企業側の対策としては、従業員に訓練用メールを送信して開封情報を収集し、従業員の意識調査をしたうえで注意喚起するのが効果的です。 4. メールの誤送信の防止 メールを送信する際に、送信先のアドレスや添付データを間違えることで情報漏洩が発生するリスクがあります。 メールの誤送信を防ぐためには、送信前に宛先や添付データに間違いがないかを確認したり、メールアドレスを入力し始めると宛先の候補を表示してくれるオートコンプリート機能を無効にしたりするのが効果的です。 誤送信を早期に発見するために、関係者を「CC」に入れて送信するのもよいでしょう。 5. SNSの適切な利用 SNSの普及により、企業も個人もSNSを利用する機会が増えています。 SNSの不適切な投稿は、情報漏洩や企業イメージ低下につながる恐れがあるため、適切な利用を心がけることが大切です。 投稿する際は、機密情報や個人情報が含まれていないかを確認してから投稿しましょう。 企業側の対策として、就業規則でSNS利用の規定を定めたり、不適切な投稿を防止するための研修を実施したりするのも効果的です。 6. 生成AIの適正な利用 生成AIでは、学習機能によって入力した情報を第三者が使用したときの回答に使われるケースがあります。 そのため、企業秘密や顧客情報等を入力していると、思わぬ情報漏洩につながる可能性があるので注意が必要です。 そのような事態を防止するためにも、どのような情報を生成AIに入力してはならないのかを事前に調べておきましょう。 企業側の対策としては、生成AIの適正な利用ができるように研修プログラムを取り入れるのがよいでしょう。 まとめ 企業秘密や顧客情報等の情報を取り扱っている企業は、サイバー攻撃やウイルス感染によって情報漏洩が発生するリスクを抱えています。 情報漏洩が発生した企業は、取引先や顧客からの信用を失ってしまいます。 情報セキュリティの被害を防ぐためには、企業だけでなく従業員一人ひとりがセキュリティ対策の重要性を理解したうえで対策していくことが重要です。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、全社員向けの「ID/Password管理の徹底」や「標的型攻撃メールの例と対策」、「外部無線LAN利用禁止」、「生成AIの適正利用」等の情報セキュリティに関するコンテンツを提供しています。 企業の情報資産を守るためにも、適切な対策方法を学んでおきましょう。   低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 情報セキュリティに関するコンテンツを含む、30カテゴリ、100以上のeラーニングコンテンツが見放題の「コンテンツパック100」。 ニーズの高いコンテンツを厳選することで、1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現しており、利用企業は240社以上になります。 Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用可能です。 「コンテンツパック100」の詳細は、こちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする  

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