知っておきたい!初めての後輩指導で使える「コーチングスキル」

スキルアップ人材教育社員研修

新入社員を迎えて、初めて後輩の面倒を見る立場となったとき、先輩としてどのように接し、指導したらよいかと悩むところです。そんなときに知っておくと、後輩指導がスムーズに運び、先輩としての格もあがるのが「コーチング」(coaching)スキルです。

相手の力を最大限に引き出すコーチングとは?

コーチングとは、相手が本来持っている能力やスキル、本人も気づいていないポテンシャルを最大限に引き出し、パフォーマンスを向上させる人材開発手法のひとつです。コーチは相手の話に耳を傾け、その考えや主張を承認したり、相手が自ら答えを導き出せるような質問をしたりすることで、自発的にパフォーマンスを高め、目標を達成させる手助けをします。

スポーツでは、素質に恵まれた選手が優秀なコーチの指導のもとで初めてその才能を開花させ、世界で活躍するという例がよくあります。サッカーや野球といった団体競技でも、監督やコーチ陣の指導があってこそ、各選手の才能がチームプレーに活かされます。職場でも同様に、上司やリーダー、先輩の立場に立つ者が優秀なコーチとして力を発揮することで、部下や後輩がより活躍しやすい環境を整えられるのです。

コーチングを成功させる4つのポイント

後輩の指導で使える具体的なコーチングのポイントを、以下に挙げてみましょう。

話をよく聞くこと

コーチングは相互コミュニケーションなので、コーチはただ指示を出せばいいというわけではありません。

話し手が自分は受け入れられているという安心感を持てるように、相手の言葉に耳を傾けることが大切です。

また、適宜相づちを打ち、話を促すように問いかけることで、相手にとって話しやすい関係を築けます。

フィードバックで信頼関係を築く

こまめなフィードバックも欠かせません。

後輩がプロジェクトの成功に貢献したり、陰ながらいい仕事をしたりしたときは都度評価をし、また、失敗したときにはさりげなくフォローをします。

「自分を見てもらえている」「働きを評価してくれる人がいる」という「承認」を相手に与えることが大切。こうした承認行動は信頼関係の基礎となり、チーム力のアップにもつながるのです。

相手に考えさせる質問で自律性を磨く

相手がするべきことを手取り足取り教え、従わせることがコーチングではありません。

むしろその逆で、自ら気づき、考え、行動に移す自律性をつけさせることでパフォーマンスの向上を図るものです。

そのため、質問のしかたにも工夫が必要です。例えば、遅刻癖のある後輩にあなたはどう声をかけるでしょうか。

「どうしていつも遅れるの?」と問い詰めるだけでは、効果は期待できません。

それより、「どうしたら遅れないようになると思う?」と聞くことで自発的に解決法を考え、実行できるように導くことが大切なのです。

相手のタイプに応じてアプローチを変える

同じ言葉をかけても、受け取り方は人によってさまざまです。

そこで、相手の性格によって接し方を変えていく必要があります。参考にしたいのが、人の性格を9タイプに分類する性格応用心理学「エニアグラム」です。

以下にその9つのタイプをまとめましたので、普段から後輩を観察してタイプを見極め、対応を変えることを心がけてみましょう。

  • タイプ1 完ぺき主義者
    特徴:まじめで責任感が強く、すべて完璧にこなしたがる。
    コーチングポイント:日ごろのひとつひとつの努力を評価する。息抜きの仕方を教える。
  • タイプ2 世話好きな人
    特徴:世話を焼き、人を助けることを好む。
    コーチングポイント:その行為を褒める。自己犠牲のし過ぎに注意を向けさせる。
  • タイプ3 成功を追い求める人
    特徴:結果第一主義で、挑戦意欲が強く行動力がある。
    コーチングポイント:能力や実績を褒める。ときには、結果より周囲との関係の大切さを気づかせる。
  • タイプ4 特別でありたいと思う人
    特徴:感情的でクリエイティブ、自己表現欲求が強い。
    コーチングポイント:個性を尊重する。チームプレーの重要さを説く。
  • タイプ5 知識を得て観察をする人
    特徴:知識が豊富で思慮深く、客観的判断ができるが、理屈っぽくクール。
    コーチングポイント:論理的な話を心がける。他人への気配りや共感力を伸ばす。
  • タイプ6 慎重で安全を求める人
    特徴:几帳面で慎重かつ保守的、忠誠心が高い。
    コーチングポイント:慎重さのあまり考えすぎるので、細かく指示を出す。
  • タイプ7 楽しい至上主義な人
    特徴:アイデアが豊富で、行動力はあるが長続きしない。
    コーチングポイント:長所を伸ばす。地に足をつけて取り組む姿勢を身につける。
  • タイプ8 自己主張が強いチャレンジャー
    特徴:他人との衝突を恐れず、リーダーシップを発揮できる。
    コーチングポイント:自主性を尊重して任せる。妥協や協調の精神を学ばせる。
  • タイプ9 調和を好むマイペースな人
    特徴:調和を愛し、他人との衝突を好まず協調性に富む。
    コーチングポイント:プレッシャーをかけず、話をよく聞く。マイペースに取り組ませる。

後輩指導にあたって注意すべきポイント

コーチングを後輩指導に活用する際には、次の点に注意することが重要です。

相手の立場に立つ

後輩の立場に立ち、相手の目標や課題に共感することが大切です。自分自身が経験したことを押し付けるのではなく、相手自身が答えを出すことを促すことが求められます。

質問を用いたコミュニケーション

コーチングでは、質問を通じて相手の考え方を促すことが重要です。質問を通じて相手自身が答えを出すことで、自己効力感を高めることができます。後輩指導においても、質問を用いたコミュニケーションを心がけることが大切です。

フィードバックの与え方

後輩に対してフィードバックを与える場合は、具体的かつ具体的な内容を伝えるようにしましょう。フィードバックを受け取る側がどのように改善すれば良いのかを明確に伝えることが大切です。また、フィードバックを与える際には、相手の成長に繋がるようなポジティブなフィードバックを心がけることも重要です。

モチベーションの維持

後輩指導を行う場合には、相手のモチベーションを維持することが重要です。自己成長を促すためには、相手のやる気を引き出すことが必要です。自分自身で目標を設定し、それに向かって行動することができるよう、アクションプランを立てることが求められます。

評価の仕方

後輩指導においては、評価の仕方も重要です。成長のためには、適切な評価が必要です。しかし、適切な評価を行うためには、事前に目標や基準を共有しておくことが必要です。また、フィードバックを与える際には、具体的かつ建設的な内容にするようにしましょう。

後輩指導にはコーチングスキルを磨こう

コーチングは対話を通して相手に気づきやきっかけを与え、やる気や可能性を引き出すコミュニケーション手法です。先輩として後輩指導にあたるときに備え、コーチングスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。

今どきの新入社員の育て方については、以下の記事でもご覧いただけます。

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この記事を書いた人

Cloud Campusコラム編集部