2024.05.30
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会議の生産性や参加者のモチベーションを高めるための技法のひとつとして注目されているのがファシリテーションです。
ただ、ファシリテーションが具体的にどのようなものか知らない方も多いでしょう。
そこで今回はファシリテーションの意味やメリット、会議に取り入れる際のポイントを紹介します。
ファシリテーションに必要なスキルも紹介しているので、会議の生産性を高めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
ファシリテーションとは
ファシリテーション(facilitation)とは、会議やミーティングを円滑に進める技法のことです。
会議では、参加者一人ひとりが主体性をもって参加し、それぞれが納得できる結論にたどり着くことが大切です。
参加者の発言を促したり、意見をまとめて合意形成に導いたりすることで会議の目的をスムーズに達成することがファシリテーションの意義といえます。
なお、ファシリテーションの役割を担う人を「ファシリテーター」といいます。
ファシリテーションのメリット
ファシリテーションには、会議の生産性が高まったり、意見が集まりやすくなったりするメリットがあります。
ここからは、ファシリテーションを取り入れるメリットを紹介します。
1. 会議の生産性が高まる
ファシリテーターには、会議の時間を管理しながら特定の議題に時間を使いすぎないように呼びかける役割があります。
議題から話がそれたときに軌道修正をして、時間内に結論まで導けるように舵を取るのも重要な役目です。
このようにファシリテーションを取り入れることで、会議の生産性が高まり、会議が長引くことでほかの業務に支障が出たり、残業時間が増えたりすることを防げます。
会議でなかなか結論が出ないという悩みをもっているときは、ファシリテーターを決めてみるのがお勧めです。
2. 意見が集まりやすくなる
ファシリテーターには、発言できていない参加者に質問を投げかけて意見を出せるようにサポートする役割があります。
くわえて、積極的な意見交換ができるように、参加者の緊張が和らぐような雰囲気を作ることも行います。
ファシリテーターの働きかけで、より多くの意見が集まれば、新たなアイデアが生まれるきっかけになるでしょう。
3. 参加者のモチベーションが高まる
参加するメリットが感じられない会議は、時間だけが過ぎてしまい、参加者のモチベーションが下がる傾向があります。
ファシリテーションを取り入れて有益な意見交換や情報共有ができれば、会議に臨む姿勢もよい方向に変わりやすいでしょう。
またファシリテーターは参加者の様子から「話を理解しているのか」「結論に納得しているのか」を確認する役割も担います。
会議についていけていなかったり、納得できていなかったりする参加者を出さないように会議を進めることで、参加者のモチベーションが下がることを避けやすくなります。
ファシリテーションのポイント|会議前
ファシリテーションをうまく取り入れるには、会議中の振る舞いだけでなく、会議前の準備も大切です。
ここでは、会議をファシリテーションでスムーズに進めるためのポイントを紹介します。
1. 会議の方針を明確化する
会議前は、開催目的やどこまで話し合いを進めるかの目標を明確にしておきましょう。
あらかじめ目的やゴールを明確化することで、質問交換をメインに進めるのか、情報共有に時間を割くべきかといった会議の方向性が定まりやすくなります。
タイムスケジュールを立てて会議を計画的に進めるためにも、事前に会議の方針を決めておきましょう。
2. 参加者の情報を確認する
会議の参加者は誰なのか?を確認することで、会議の進め方だけでなく、あらかじめ参加者に共有すべき情報を洗い出しやすくなります。
同じチームや部署での会議であれば、共通認識があることでスムーズに話し合いを進められるでしょう。
一方、別部署との会議の場合は、認識にずれがあったり情報の理解度が異なっていたりするため、求めている意見や反応を得られない可能性があります。
そのような場合は、事前資料を配布して議論ができる状態で会議に臨んでもらうようにするのが効果的です。
会議中に活発な意見が出る環境にするためにも、参加者の情報を把握しておきましょう。
ファシリテーションのポイント|会議中
会議中のファシリテーションのポイントは、発言しやすい雰囲気を作ったり、中立的な立場で話し合いを進行したりすることです。
次に、会議中のファシリテーションのポイントを詳しく見ていきましょう。
1. 会議開始時にアジェンダを共有する
アジェンダとは「会議の議題」もしくは「会議の議題や目的を明確にするための資料」を指します。
ファシリテーションをスムーズに進めるには、会議開始時に参加者全員でアジェンダを確認するようにしましょう。
参加者全員で会議の目的やゴールを把握しておけば、的確な意見が集まりやすくなったり、話がそれるのを防ぎやすくなったりします。
2. 発言しやすい雰囲気を作る
ファシリテーターは、発言しやすい雰囲気を作ることが求められます。
初対面の人がいるときは、最初に自己紹介をする等して場を和ませるのが効果的です。
また参加者が発言するときに、相づちを打ったり質問をしたりして、相手の考え方に興味がある姿勢を示すことも大切です。
3. 中立的な立場で進行する
ファシリテーターは会議を進行する立場であるため、主観的な考えで意見を聞いたり、結論を出したりするのは避けましょう。
賛成派・反対派、多数派・少数派のどちらかの意見に偏ると、会社にとって利益になる意見を見逃してしまう可能性があります。
そのため、ファシリテーターをする際は、中立な立場で幅広い意見を集め、アイデアをまとめることに集中しましょう。
4. 結論の明確化と合意形成をする
議論が終盤に差し掛かったら、今まで出た意見やアイデアを整理します。
会議には決定すべき事項があるため、最後に結論を明確化して会議を締めくくる必要があります。
例えば、プロジェクトの実施が決まったのなら「誰が」「いつまでに」「何を達成するのか」といった今後のアクションを明確にしましょう。
結論が出なかったときは次回の会議の予定と、何について話し合うのかを決定し、共有するのが理想的です。
ファシリテーションのポイント|会議後
会議で決まったことは当日中に関係者に共有するのが基本です。
ファシリテーターの役割は多岐にわたるため、議事録を作成する担当者を別で立てておくのがお勧めです。
会議内容の共有が遅れると、その後の業務に支障が出るので、ファシリテーターもしくは議事録の担当者は早めに対応するようにしましょう。
ファシリテーションに必要な6つのスキル
ファシリテーションをスムーズに進めるには、以下の6つのスキルが求められます。
・事前準備力
・質問力
・傾聴力
・タイムマネジメント力
・論理的思考力
・合意形成スキル
それぞれ詳しく紹介します。
事前準備力
ファシリテーションにおける事前準備力とは、あらかじめ会議の目的やゴールを明確化したりルールを作ったりして、会議がスムーズに進むようにするスキルのことです。
例えば、事前に以下のようなルールを決めておくと、活発な意見交換を促せます。
【意見交換のためのルール例】
・全員に少なくとも1回は発言してもらう
・ほかの人が話している最中に質問したり発言したりしない
・ほかの人の意見に対してマイナスなことを言わない
このようなルールを決めて、参加者に共有しておけば、会議中に意見が出なくなったり、発言しにくさを感じたりすることが減るでしょう。
質問力
質問力のあるファシリテーターは、参加者の意見を深掘りして、その意見に至った思いを引き出すことができます。
意見の裏側にある思いや狙いを引き出せれば、貴重なアイデアの発見につながることもあります。
議論の質を高めるためにも、ファシリテーターは「そのように思った理由を聞かせてもらえますか」といった質問を投げかけて、意見を深掘りすることが大切です。
傾聴力
参加者から意見を聞き出すためには、質問力だけでなく、傾聴力も求められます。
参加者の話に耳を傾け、熱心に聞いている姿勢を示せば、自然と発言しやすい雰囲気になります。
反対に話を遮ったり、興味のないように見える姿勢を取ったりすると、発言者は萎縮して発言しにくくなるでしょう。
発言しやすい雰囲気を作るためにも、話を聞く姿勢を見直して、傾聴力を磨くことが大切です。
タイムマネジメント力
ファシリテーターは、時間内に会議が終わるようにタイムマネジメントをする役目もあります。
会議前は、会議が予定通りに終了するように、あらかじめ議題の優先順位を決めて時間の割り振りを決めておくとスムーズです。
また会議中も「〇分までに意見を出し合います」のように呼びかけて、参加者に時間の意識をもたせる働きかけもしなければなりません。
論理的思考力
ファシリテーションをスムーズに進めるためには、論理的思考力も欠かせません。
論点がずれたり、重要なポイントを見落としたりしたまま話し合いを続けると、適切な結論を出せない可能性があります。
そのような状況を避けるには、参加者の意見を理解しながら、論点がずれていないか、この意見を深掘りすべきか等を判断しなければなりません。
論点のずれに気付いたり、深掘りすべきポイントを見極めたりするためには、論理的思考力が必要になります。
合意形成スキル
合意形成スキルとは、結論を導き出すスキルといえます。
ファシリテーターは会議の結論を導き出す際に、何を基準にして適切であると判断するのか、異なる意見をどのようにまとめるのかを検討する必要があります。
また、意見が対立したときは落としどころを見つけたり、双方に視点の切り替えを促したりすることも大切です。
ファシリテーションスキルを身に付ける方法
質問力や傾聴力、合意形成スキルといったファシリテーションスキルを身に付けるには、資格を取得したり、研修に参加したりするのが効果的です。
最後にファシリテーションスキルを身に付ける方法を紹介します。
資格を取得する
ファシリテーションスキルを身に付けるためには、ファシリテーションに関する民間資格を取得するのがお勧めです。
ファシリテーターをするうえで必ずしも資格が必要というわけではありませんが、資格取得に向けて講座を受講することでファシリテーションスキルを身に付けられます。
実践的な内容を学べる資格取得講座もあるので、自分に合ったものを選んでみましょう。
研修に参加する
ファシリテーションに特化した研修に参加して、専門家からノウハウを学ぶのもお勧めです。
オンライン研修であれば、手軽にインプットができ、会議で繰り返しアウトプットすることで効率的にスキルを磨けます。
サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、ファシリテーションスキルを伸ばす研修を含む100教材以上のeラーニングを社員研修として利用できます。
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まとめ
ファシリテーションを取り入れれば、会議をスムーズに進めやすくなります。
効果的なファシリテーションをするには、質問力や傾聴力、合意形成スキルが欠かせません。
これらのスキルを身に付けるためには、ファシリテーターに関する資格を取得したり、研修に参加したりするのが効果的です。
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