2024.05.28
ビジネススキル
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ロジカルシンキングとは
仕事では、上司へのホウ・レン・ソウや、顧客への営業活動など、自分の考えを説明するシーンが数多く発生します。話の筋道がはっきりしていなかったり論理の飛躍があったりすると、なかなか相手に理解してもらえません。
そういったことを防ぎ、情報を分析・整理し、根拠から結論までを順序立てて考える手法がロジカルシンキング(論理的思考力)です。
ロジカルシンキングがビジネスで役立つ場面は多岐にわたり、社内の課題解決やプレゼンテーション、営業トーク、文章の作成など、例を挙げればきりがありません。そのため、社会人が養っておくべき必須スキルと考えられています。
また、ロジカルシンキング力は普段の生活の中でも鍛えることが可能です。ぜひ基本を理解しスキルアップに取り組んでみましょう。
ロジカルな人とロジカルでない人の違いは?
まずは事例をもとにロジカルな人はどう考えるか?を見ていきます。
社内の会議室がどこも埋まっている。予約が取れずに会議ができない。あなたならどうしますか?
内容は具体的でなくてもよいので、「自分ならどんなことをまず考えるか?」について考えてみてください。
ロジカルではない人の思考パターン
ロジカルでない人は経験則から物事をすぐ考えてしまいます。
「だいたい月曜の朝は予約が埋まりにくいのでは?」「お昼の時間をズラして会議したことがある」「外部の会議室をスポット利用した部署があったから真似すれば良さそう」などです。
友人との会話であれば問題ないのかもしれませんが、仕事では仲間をうまく説得するためにもきちんと考えることが必要です。
ロジカルな人の思考パターン(4Step)
ロジカルに考える人は「絞る」ことにフォーカスします。
まず「解決すべき問題は何か」について仮説を立てていきます。
<Step1. 仮説を立てる>
✓会議はそもそも必要なのか
✓会議室の予約時間を変更できないか
✓そもそも会議室でやる必要はあるのか
・・・・・
そしてそれぞれについて事実を確認します。
<Step2. 事実を確認する>
✓会議は行う必要がある▶解決できそうにない
✓時間の変更は都合上難しい▶解決できそうにない
✓会議室を使う必要はないかもしれない▶検討余地あり
事実を確認すると検討する余地のある選択肢が出てきます。次は解決に向けてまず理由を絞り込みします。
<Step3. 理由を調べる>
会議室をそもそも利用したい理由って何??
✓ホワイトボードを使いたい
✓面と向かって議論をしたい
✓資料などその場で共有して目を通しながら意見交換したい
ここまで来たら、それぞれの理由に対して解決策を複数出し、解決までのシミュレーションを行います。
<Step4. 解決策を複数考えてベストなものを選ぶ>
✓オープンスペースで会議する
✓メールで共有する
✓白紙のパワーポイントを共有して意見を募る
✓オンラインでそれぞれの席から会議する ▶最も良さそう
ここまで思考できれば、課題、理由、解決策の3つがきちんと理解できているので、より説得力のある説明ができるようになります。
「(例)会議室の予約が取れない状態です。そこで、会議室は使わずオンラインでの会議に変更しましょう。そもそも会議室を使う理由は、お互いに面と向かって議論し、企画についてホワイトボードで意見をまとめて共有して議論がしたいからです。そうあればオンライン上のホワイトボードでも代用可能ですし、事前に資料をメールで共有しておけばその場で意見交換もできます。」
*本例はあくまでも一例です
ロジカルシンキングの基本
ピラミッド構造思考
当然ですが、絡まった糸の様に物事が複雑であればあるほど、それを正しく理解したり解決したりするのは困難になります。
その糸を解きほぐし、どこが絡まっているのか把握するために用いるのが、ピラミッド構造思考です。
ピラミッド構造思考では、結論となるメインテーマをピラミッドの頂点に据え、その根拠を3つ~5つ程度下の階層に列挙します。
そしてまたその下の階層へ根拠を並べピラミッドを構成していきます。
その際には「So What?(だから何?)/ Why So?(それはなぜ?)」の問いかけを繰り返して、きちんと上下に因果関係があるかを確認していくことが必要です。
この思考法を実践すれば、自然と物事を分解することができるので、全体を理解しやすくなります。
誰かに説明する際にストーリー立てて話せるので説得力が生まれますし、解決するべき課題であれば、タスクへ落とし込みやすくなるでしょう。
MECE
MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)とは、事象を「モレなく、ダブリなく」捉え考えることです。
モレがあると、その先の議論なども全体を把握できていない状態で行うことになりますし、ダブりがあると無駄な業務が発生してしまうかもしれません。
MECEを徹底することで、先ほどのピラミッド構造思考の精度も高めることができます。
例えば、「顧客のターゲット層」ごとの議論をする場合、性別や都道府県、年齢のような情報であればダブりなく分類するのは容易でしょう。
しかしMECEを意識しないと、気づかずに「20代」と「アメリカ在住」などダブりがある状態で議論をしてしまいがちなので注意が必要です。
ただし、テーマによってはダブリを完全に排除するのは難しいでしょう。どこまで厳密に行うかはケースバイケースだといえます。
ロジカルシンキング力の鍛え方
ロジカルシンキング力を鍛えるには、基礎を把握したうえで実践あるのみです!
仕事だけでなくプライベートでも、ロジカルシンキングを鍛えるネタは身近にたくさん存在します。いくつか例を挙げてみましょう。
(1)貯金を増やす方法を考えてみる
自分の貯金を増やす方法を、ロジカルシンキングの題材にしてみてはいかがでしょうか?
ピラミッド構造思考で掘り下げてみると、仕事をがんばる、資産運用をしてみる、タバコをやめて支出を減らす、などなどいろいろなアイディアが出てくると思います。
(2)普段目にする広告やマーケティングの狙いを予想してみる
私たちは毎日、電車内の広告やテレビCM、Webサイトの企画ページなど、多くのクリエイティブを目にします。
それらを、制作者や広告代理店の担当になったつもりで、どんな属性の人に何を訴えるために作られたのか推理、分析して文章にまとめてみましょう。また、その推理を元に自分ならどうするか考えてみるのもトレーニングになります。
(3)色々なものを分類してみる
MECEを使って、自分が興味のあるものを独自の切り口で「モレなく、ダブリなく」分類してみましょう。自動車や芸能人の分類、高級時計を買う人の属性でも結構です。
まとめ
ロジカルシンキングは書き出すことで身近な人にチェックしてもらえると、なお成長につながりやすいです。
最近だとChatGPTなどの生成AIを活用することで、もれなくダブりなく思考を深めることも可能です。
どんな事にも「なぜ?」と疑問をもち、粘り強く考え抜く姿勢があれば、ロジカルシンキング力は必ず身につきます。ぜひ皆さんもトライしてみてください。
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