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意思決定プロセスの基本7ステップ|スムーズに進めるポイントを解説

2024.08.01

ビジネススキル

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意思決定プロセスの基本7ステップ|スムーズに進めるポイントを解説

ビジネスは意思決定の連続であり、選択を間違えると会社に不利益をもたらす可能性があります。

そのような状況を避けるには、必要な情報を集めて課題を明確化したうえで適切な意思決定をすることが大切です。

意思決定までの具体的なプロセスを理解していなければ、複数の選択肢から適切な対策を選べず、会社に不利益を与えてしまう原因になるため注意が必要です。

そこで今回は、意思決定プロセスの基礎的なステップを解説します。

意思決定プロセスの注意点やスムーズに進めるポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

意思決定プロセスとは

意思決定とは、目標達成や問題解決のために複数の選択肢から適切なものを選ぶことです。

したがって、意思決定プロセスとは、意思決定までの過程を指します。

適切な意思決定をするには、必要な情報を収集したり、エビデンスから分析したりすることが重要です。

このプロセスを適切に踏むことで、間違った方向に意思決定することを防止できます。

ビジネスは意思決定の連続であり、選択を間違えると会社に不利益をもたらす可能性があります。

そのような状況にならないためにも、従業員一人ひとりが適切な判断ができるように意思決定プロセスを身に付けておくことが大切です。

意思決定プロセスの7つのステップ

意思決定プロセスは基本的に、以下の7つのステップで構成されています。

  1. 意思決定の対象を明確化する
  2. 関連情報を集める
  3. 複数の選択肢を出す
  4. エビデンスを分析する
  5. 選択肢から選ぶ
  6. 実行する
  7. 意思決定を見直す

順番に詳しく紹介します。

1.意思決定の対象を明確化する

適切な意思決定をするには、最初に解決したい問題や達成したい目標を特定することが大切です。

問題や目標があいまいになっていると、意思決定に必要な情報を十分に集めることができません。

意思決定をスムーズに進めるためにも、問題や目標を言語化し、何を目的とした意思決定なのかを明確にしましょう。

2.関連情報を集める

意思決定の対象を明確化したら、問題の解決策や目標達成の施策を導くために必要な情報を集めましょう。

意思決定をするうえで必要となる情報を効率的に収集する方法は、以下の通りです。

  • 市場調査をする
  • 社内や社外の事例を参考にする
  • コンサルタントの評価を受ける

客観的な情報やデータは、意思決定の信ぴょう性を裏付けるうえで必要不可欠です。

ただし、情報を集めすぎると取捨選択が難しくなってしまいます。本当に必要な情報なのかの見極めを意識しましょう。

3.複数の選択肢を出す

次に、集めた情報を参考にしながら、問題解決や目標達成するための施策を出します。

最初からひとつだけに絞ると、よりよい選択肢を見落としてしまう可能性があるので、複数案を用意することが大切です。

質の高い意思決定を進めるためにも、考え方や視点を変えながら思い込みを取り払った案を出すことも意識しましょう。

4.エビデンスを分析する

出し合った案が有効であることを証明するエビデンス(証拠)を準備します。

社内や社外に似た事例がある場合は、事例を分析して案の有効性を言語化しましょう。

成功事例だけでなく失敗事例も確認すれば、その案を実行するうえで注意すべきポイントも明確化できます。

5.選択肢から選ぶ

効果的な案に絞り込めたら、それぞれのメリットとデメリットを明確化し、どの案を実行するのかを検討します。

複数の案を融合させた方が適切なケースもあるので、特定の選択肢に絞ることにこだわりすぎないようにしましょう。

関係者が納得のいく結論に導くためにも、集めた情報や話し合った内容を最大限に活用したうえで意思決定をすることが大切です。

6.実行する

意思決定のあとは、実行に移すフェーズです。

いきなり実行するのではなく、細かいステップに分けて計画を立ててから実行に移すことが大切です。

計画を立てるときは、完了すべきタスクとその期限をスケジュールに落とし込みましょう。

計画を立てられたら、担当者にタスクを割り振って実行に移します。

7.意思決定を見直す

ステップ6で決めたプロジェクトの期間が終了したら、結果やプロセスを見直します。

最初に特定した課題が解決されたのか、目標が達成されたのかを評価します。

このときに結果だけを見るのではなく、途中で問題が発生していないのかも確認しましょう。

結果的に成果が出たとしても、問題が発生している場合は、改善の余地があると判断できるためです。

今後の意思決定に活かすためにも、よかった点と改善すべき点を言語化しておきましょう。

意思決定プロセスの注意点

意思決定プロセスは、以下の点に注意して進めることが大切です。

  • 少ない情報で進めない
  • 過去の成功事例をそのまま模倣しない
  • 周囲の意見を鵜呑みにしない

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

注意点①少ない情報で進めない

意思決定プロセスを少ない情報で進めると、自身の知識や経験に頼って、客観的な意思決定ができなくなる可能性があります。

効率的な意思決定をするには、多様な視点から案を出して吟味することが大切です。

客観的なデータを提示して、関係者に納得してもらうためにも、情報をしっかり集めるようにしましょう。

注意点②過去の成功事例をそのまま模倣しない

過去の事例を参考にすることも重要ですが、過去の成功事例を模倣すれば、必ずしも最適な意思決定ができるわけではありません。

例え、似たような事例でも取り組む時期やプロジェクトメンバーが違えば、選択すべき解決策や施策も変わります。

過去の事例をそのまま取り入れるのではなく、他の事例を参考にしたり、再現性があるのかを分析したりしたうえで採用するのかを検討しましょう。

注意点③周囲の意見を鵜呑みにしない

意思決定をする際は、周囲の意見をそのまま受け入れるのは避けましょう。

周りに流されて意思決定している時点で、適切なプロセスを踏んでいないといえます。

少しでも疑問に感じたことがあれば、情報を自ら調べたり事例を見たりして、適切な選択肢なのかを吟味することが大切です。

また、周りに流されて意思決定した場合、成果が出なかったときに責任転嫁をしてしまう可能性があります。

当事者意識がなかったり、十分な知識がなかったりする人は周りに流されて失敗するケースが多いので、より適切な意思決定をするにも意識や姿勢を変える必要があります。

意思決定プロセスをスムーズに進めるポイント

意思決定プロセスをスムーズに進めるには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

  • 課題の明確化に目を向ける
  • ロジカルシンキングを重視する
  • さまざまな意見を参考にする

ひとつずつ詳しく紹介します。

課題の明確化に目を向ける

適切な意思決定をするには、施策や解決方法の決定ばかりに目を向けるのではなく、課題を明確化する意識も大切です。

課題があいまいなままでは、有効な施策や解決方法は出せないでしょう。

現状をしっかり理解できていなければ、意思決定にどのような情報が必要なのかの判断がしにくくなります。

意思決定プロセスの方向性にずれが起きないようにするためにも、課題の明確化に注力しましょう。

ロジカルシンキングを重視する

意思決定プロセスでは、集めたデータや意見が効果的なものであるかを論理的に判断する能力が求められます。

くわえて、意思決定者だけでなく、意見を出し合ったりプロジェクトを進めたりするチームメンバーにもロジカルシンキングを意識させる必要があります。

ロジカルシンキングを高めるためには「そのように思う理由は何ですか?」「根拠になるデータはありますか?」といった質問を投げかけるのが有効です。

なお、ロジカルシンキングを鍛えるには質の高いインプットが欠かせません。

ロジカルシンキングといった意思決定に必要なスキルに関する研修にかける社内リソースがない企業は、eラーニングの導入を検討しましょう。

さまざまな意見を参考にする

意思決定で避けたいのは、主観的な意見に偏ったり、従来の方法をそのまま模倣したりすることです。

意思決定プロセスには時間がかかります。効率的に進めるために自分の知識や経験、過去の事例だけをもとにすることも少なくないでしょう。

しかし、従来の方法をそのまま続けていくと、企業の成長にはつながりません。

効果的な施策を打つためにも、さまざまな意見を参考にしながら意思決定をすることが大切です。

まとめ

適切な意思決定をするには、必要な情報を収集したり、案を検討したりするプロセスが必要です。

課題の明確化やロジカルシンキングを意識すれば、意思決定をスムーズに進めやすくなるでしょう。

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PDCAを日々の仕事に取り入れる際の注意点 PDCAサイクルの各ステージをバランスよく実行することが重要です。 計画(Plan)に時間をかけすぎると実行(Do)が遅れ、改善(Act)に十分な時間を割けない可能性があります。 各ステージに適切な時間とリソースを割り当て、バランスを保つことが求められます。 また、PDCAサイクルの「反復」を意識することが重要です。 一度のサイクルで完璧な結果を求めるのではなく、継続的な改善を目指すことが大切です。失敗や問題点が発生した場合でも、それを次のサイクルでの学びとして活かし、徐々に改善を図る姿勢が必要です。 最後に、PDCAサイクルを柔軟に適用することが求められます。 状況や環境の変化に応じて、PDCAサイクルの各ステージを調整し、最適な方法を見つけることが重要です。固定的なアプローチに固執するのではなく、常に柔軟な姿勢でPDCAを活用することで、より効果的な結果を得ることができます。 以上の点を踏まえ、PDCAサイクルを日々の仕事に取り入れることで、業務の効率化や品質向上を図り、継続的な改善を実現することが可能となります。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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ロジカルシンキングとは 仕事では、上司へのホウ・レン・ソウや、顧客への営業活動など、自分の考えを説明するシーンが数多く発生します。話の筋道がはっきりしていなかったり論理の飛躍があったりすると、なかなか相手に理解してもらえません。 そういったことを防ぎ、情報を分析・整理し、根拠から結論までを順序立てて考える手法がロジカルシンキング(論理的思考力)です。 ロジカルシンキングがビジネスで役立つ場面は多岐にわたり、社内の課題解決やプレゼンテーション、営業トーク、文章の作成など、例を挙げればきりがありません。そのため、社会人が養っておくべき必須スキルと考えられています。 また、ロジカルシンキング力は普段の生活の中でも鍛えることが可能です。ぜひ基本を理解しスキルアップに取り組んでみましょう。 ロジカルな人とロジカルでない人の違いは? まずは事例をもとにロジカルな人はどう考えるか?を見ていきます。 社内の会議室がどこも埋まっている。予約が取れずに会議ができない。あなたならどうしますか? 内容は具体的でなくてもよいので、「自分ならどんなことをまず考えるか?」について考えてみてください。 ロジカルではない人の思考パターン ロジカルでない人は経験則から物事をすぐ考えてしまいます。 「だいたい月曜の朝は予約が埋まりにくいのでは?」「お昼の時間をズラして会議したことがある」「外部の会議室をスポット利用した部署があったから真似すれば良さそう」などです。 友人との会話であれば問題ないのかもしれませんが、仕事では仲間をうまく説得するためにもきちんと考えることが必要です。 ロジカルな人の思考パターン(4Step) ロジカルに考える人は「絞る」ことにフォーカスします。 まず「解決すべき問題は何か」について仮説を立てていきます。 <Step1. 仮説を立てる> ✓会議はそもそも必要なのか ✓会議室の予約時間を変更できないか ✓そもそも会議室でやる必要はあるのか ・・・・・ そしてそれぞれについて事実を確認します。 <Step2. 事実を確認する> ✓会議は行う必要がある▶解決できそうにない ✓時間の変更は都合上難しい▶解決できそうにない ✓会議室を使う必要はないかもしれない▶検討余地あり 事実を確認すると検討する余地のある選択肢が出てきます。次は解決に向けてまず理由を絞り込みします。 <Step3. 理由を調べる> 会議室をそもそも利用したい理由って何?? ✓ホワイトボードを使いたい ✓面と向かって議論をしたい ✓資料などその場で共有して目を通しながら意見交換したい ここまで来たら、それぞれの理由に対して解決策を複数出し、解決までのシミュレーションを行います。 <Step4. 解決策を複数考えてベストなものを選ぶ> ✓オープンスペースで会議する ✓メールで共有する ✓白紙のパワーポイントを共有して意見を募る ✓オンラインでそれぞれの席から会議する ▶最も良さそう ここまで思考できれば、課題、理由、解決策の3つがきちんと理解できているので、より説得力のある説明ができるようになります。 「(例)会議室の予約が取れない状態です。そこで、会議室は使わずオンラインでの会議に変更しましょう。そもそも会議室を使う理由は、お互いに面と向かって議論し、企画についてホワイトボードで意見をまとめて共有して議論がしたいからです。そうあればオンライン上のホワイトボードでも代用可能ですし、事前に資料をメールで共有しておけばその場で意見交換もできます。」 *本例はあくまでも一例です ロジカルシンキングの基本 ピラミッド構造思考 当然ですが、絡まった糸の様に物事が複雑であればあるほど、それを正しく理解したり解決したりするのは困難になります。 その糸を解きほぐし、どこが絡まっているのか把握するために用いるのが、ピラミッド構造思考です。 ピラミッド構造思考では、結論となるメインテーマをピラミッドの頂点に据え、その根拠を3つ~5つ程度下の階層に列挙します。 そしてまたその下の階層へ根拠を並べピラミッドを構成していきます。 その際には「So What?(だから何?)/ Why So?(それはなぜ?)」の問いかけを繰り返して、きちんと上下に因果関係があるかを確認していくことが必要です。 この思考法を実践すれば、自然と物事を分解することができるので、全体を理解しやすくなります。 誰かに説明する際にストーリー立てて話せるので説得力が生まれますし、解決するべき課題であれば、タスクへ落とし込みやすくなるでしょう。 MECE MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)とは、事象を「モレなく、ダブリなく」捉え考えることです。 モレがあると、その先の議論なども全体を把握できていない状態で行うことになりますし、ダブりがあると無駄な業務が発生してしまうかもしれません。 MECEを徹底することで、先ほどのピラミッド構造思考の精度も高めることができます。 例えば、「顧客のターゲット層」ごとの議論をする場合、性別や都道府県、年齢のような情報であればダブりなく分類するのは容易でしょう。 しかしMECEを意識しないと、気づかずに「20代」と「アメリカ在住」などダブりがある状態で議論をしてしまいがちなので注意が必要です。 ただし、テーマによってはダブリを完全に排除するのは難しいでしょう。どこまで厳密に行うかはケースバイケースだといえます。 ロジカルシンキング力の鍛え方 ロジカルシンキング力を鍛えるには、基礎を把握したうえで実践あるのみです! 仕事だけでなくプライベートでも、ロジカルシンキングを鍛えるネタは身近にたくさん存在します。いくつか例を挙げてみましょう。 (1)貯金を増やす方法を考えてみる 自分の貯金を増やす方法を、ロジカルシンキングの題材にしてみてはいかがでしょうか? ピラミッド構造思考で掘り下げてみると、仕事をがんばる、資産運用をしてみる、タバコをやめて支出を減らす、などなどいろいろなアイディアが出てくると思います。 (2)普段目にする広告やマーケティングの狙いを予想してみる 私たちは毎日、電車内の広告やテレビCM、Webサイトの企画ページなど、多くのクリエイティブを目にします。 それらを、制作者や広告代理店の担当になったつもりで、どんな属性の人に何を訴えるために作られたのか推理、分析して文章にまとめてみましょう。また、その推理を元に自分ならどうするか考えてみるのもトレーニングになります。 (3)色々なものを分類してみる MECEを使って、自分が興味のあるものを独自の切り口で「モレなく、ダブリなく」分類してみましょう。自動車や芸能人の分類、高級時計を買う人の属性でも結構です。 まとめ ロジカルシンキングは書き出すことで身近な人にチェックしてもらえると、なお成長につながりやすいです。 最近だとChatGPTなどの生成AIを活用することで、もれなくダブりなく思考を深めることも可能です。 どんな事にも「なぜ?」と疑問をもち、粘り強く考え抜く姿勢があれば、ロジカルシンキング力は必ず身につきます。ぜひ皆さんもトライしてみてください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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現代は、かつてのように製品を開発してリリースすればビジネスが成功する時代ではありません。 モノや情報があふれる現代のビジネスシーンにおいては、顧客のニーズを深く理解したプロダクト開発や、提供方法・購入後のアフターフォローまで注力することが求められます。 そこで重要となるのが、プロダクト全般の管理を行うプロダクトマネジメントという手法です。 当記事では、プロダクトマネジメントの概要やプロダクトマネジメントが広がった背景、業務フローや必要となるスキルまで解説します。自社にプロダクトマネジメントの機能を導入したい方も、今後プロダクトマネジメントの業務に就きたい方も、参考にしていただければ幸いです。 プロダクトマネジメントとは プロダクトマネジメントの「プロダクト」は製品や商品です。プロダクトマネジメントを直訳すると「製品管理」という意味になります。 しかし、業務としてのプロダクトマネジメントは、単に製品管理をするだけではありません。 一般的に、プロダクトマネジメントの仕事は「上流」と「下流」に分かれます。 上流は、製品をマーケットに投入する以前に「何をつくるべきか」「どうつくるべきか」等、プロダクトの開発工程を考える仕事です。 一方の下流は、製品の市場投入方法や投入後の改廃検討等、マーケティングや製品改良・撤収時期の見極めを行います。 このようにプロダクトマネジメントの仕事は範囲が広く、製品管理だけでなくビジネスマネジメントまでおよぶといえるでしょう。 1930年代、アメリカのP&G社ではじまったプロダクトマネジメントの取り組みが礎となり、その後、HP(ヒューレットパッカード)やトヨタ等の企業で発展していきました。 プロダクトマネジメントとプロジェクトマネジメントの違い プロダクトマネジメントとプロジェクトマネジメントは混同されがちですが、マネジメントの対象が異なります。 プロダクトマネジメントの対象は製品であり、その製品の誕生から撤退するまでが対象です。求められる能力は、開発・技術力やビジネス全般の知識等、幅広いスキルが必要になります。 一方、プロジェクトマネジメントは管轄するプロジェクトが対象であり、決められた期間が過ぎれば終了です。プロジェクトマネジメントのスキルは必要となりますが、どちらかというと対象となるプロジェクトへの知識や理解が必要となります。 それぞれの違いは、以下の表の通りです。   プロダクトマネジメント プロジェクトマネジメント 対象 製品・商品 プロジェクト 期間 製品が市場に存在する限りは続く プロジェクト開始から完了まで 目的 製品価値の最大化 想定した期限・予算内でのミッション達成 求められるスキル 技術・開発の知識やビジネス全般の知識とスキル プロジェクトを管理するスキルや当該プロジェクトへの知見 どちらもプロダクトの開発に関するマネジメントを行うため重複する部分はありますが、プロジェクトマネジメントはプロジェクトを完了させるのが目的です。 プロダクトマネジメントは、企業に自社プロダクトがある限り、継続的に価値や利益を最大化し続ける目的というのが異なる点になります。 プロダクトマネジメントの業務内容 欧米企業と比較して、日本企業ではプロダクトマネジメントを専任で行う人材が少ないといわれています。そのため、プロダクトマネジメントの業務内容のイメージがつかないという方も多いのではないでしょうか。 本章では、プロダクトマネジメントは具体的にどのような業務を担うのかについて紹介していきます。 製品のプロトタイピング 企業方針として製品開発が決定したら、最初にプロトタイピングを進めます。 プロトタイピングとは、製品開発を本格的に始める前に、簡単な機能やデザインのみを実装したプロトタイプ(試作品)をつくることです。 使い心地、必要な工程・リソース等を検証することを指します。 できあがったプロトタイプは、顧客に確認してもらうほか、市場リサーチ等でニーズや改善点等を分析し、さらなる検証を行います。 プロトタイピングで、開発前に製品の改善点や問題点を見つけ出せるため、より品質の高い製品開発を行える点がメリットです。 また、プロトタイプがあることで実際の商品をリアルにイメージでき、新しいアイデアを生み出すきっかけにもなります。 その後、正式に製品開発を行うことになったら、より精緻なスケジュールや予算を決定していきます。 ターゲットの設定、明確化 プロダクトマネジメントを行ううえで、ターゲットユーザーが具体的になっていると、製品の開発もしやすくなります。 できるだけターゲット層の特徴やニーズを明確にし、絞り込むことで製品開発に反映できます。 ターゲット戦略がおろそかになっている場合、見込んだ成果を得ることが難しくなるため、慎重に設定する必要があるでしょう。 このフェーズではマーケティングのフレームワークを使う傾向にあります。 例えば、STP分析や4P分析等です。 【STP分析】 市場を細分化する「Segmentation(セグメンテーション)」 その市場のうち、どの顧客を狙うか「Targeting(ターゲティング)」 その顧客に提供できる、自社の提供価値は何か「Positioning(ポジショニング)」 【4P分析】 ・Product(顧客からみた製品価値) ・Price(価格戦略) ・Place(流通・商流・販売の場所や方法) ・Promotion(広告宣伝・販売促進の方法) プロダクトマネジメントで、開発技術だけでなくマーケティング要素が求められる理由は、このようなプロセスを経るためです。 プロダクトロードマップ・KPI設定 続いて、プロダクトマネジメントをどのように推進していくのかという、プロダクトロードマップを立案します。 同時に、プロダクトマネジメントの成否を確認するためのKPIも設定します。 プロダクトロードマップとは、製品のビジョンやターゲットという概要と、リリースに向けての進捗方法を要約したものです。 プロダクト開発の規模が大きいほど、ステークホルダーが多くなる傾向にあります。 プロダクトロードマップを作成しておくことで、大勢のステークホルダーが、方向性や優先順位等を共有しやすくなるでしょう。 KPIとは、最終成果のみならず、プロセスが順調に進んでいるかを計測するための指標です。 あらかじめ目標数値や中間指標を決めておくことで、指標を参考にしながら途中の軌道修正もスムーズにできるようになります。 効果測定と開発の振り返り 製品をリリースするだけでなく、機能や顧客評価を効果測定し、振り返るのもプロダクトマネジメントの重要な役割です。 プロダクトマネジメントは、自社が対象製品を市場から撤退させるまで続きます。この全体のマネジメントのことを「プロダクトライフサイクル」といいます。 定期的に機能開発を振り返ることで、改良点を見いだせたり、市場でのポジショニング変化の必要性が明確になったりします。 製品の価値を増大させるために、製品に対する分析を継続することが重要です。 プロダクトマネジメントのステークホルダー 大型の開発案件であれば、プロダクトマネジメントには、多くのステークホルダーが存在します。 ステークホルダーの人数や、各メンバーが担うべき役割については企業によって異なりますが、本章では一般的な関係者や役割を紹介します。 CPO(チーフプロダクトオフィサー) CPO(チーフプロダクトオフィサー)とは、最高製品責任者のことです。 CPOの責任や裁量範囲は企業により異なりますが、規模の小さい企業では実質的にCEO(チーフエグゼクティブオフィサー:最高経営責任者)がCPOの役割を担っているケースもあります。 PO(プロダクトオーナー) PO(プロダクトオーナー)は、プロダクトマネジメント全体の責任者、あるいは開発チームの全体責任者を指すことが多いです。 プロダクトコンセプトに基づき、構想をどう開発現場へ落とし込んでいくかを考え、スケジュールやリソースをコントロールしながら実行する役割です。 企業やチームの規模によっては「プロダクトマネージャ」と統合し、POとPMを兼務するような役割になることもあります。 PM(プロダクトマネージャ) PM(プロダクトマネージャ)とは、プロダクトマネジメント全体の実行を主導する役割、あるいは開発チームの実行責任者です。 プロダクトマネジメントの全体計画書や予算・スケジュールを立案し、進捗を確認しながら、何か問題が発生したら調整を行います。 現場メンバーへの指示と経営陣への報告の媒介となるため、プロダクトマネジメントの成否を分かつ重要な存在といえるでしょう。 PMM(プロダクトマーケティングマネージャ) PMM(プロダクトマーケティングマネージャ)とは、顧客が求めているプロダクトを発見し、顧客ニーズを満たせるプロダクトの企画、マーケティング、販売戦略を考える立場です。 PM(プロダクトマネージャ)の役割から派生し、マーケティングに特化した役割として生まれました。 日本国内ではまだPMMを導入している企業は少ないものの、マーケティングが盛んな欧米企業では一般的な職種です。 プロダクトマネジメントに必要な能力 ここまでプロダクトマネジメントの業務について紹介してきましたが、どのようなスキルを持った方に適性があるのでしょうか。 本章では特にプロダクトマネジメント業務に必要な能力を3つ取り上げます。 1. 戦略立案・設計能力 前述した通り、プロダクトマネジメントは、製品管理ではなく製品を中心としたビジネスマネジメントです。 そのため、プロダクトマネジメントを担うには、製品を売るための戦略を描き、実行への道筋を設計する能力が必要となります。 具体的な戦略の内容としては、市場調査からのニーズの発掘という上流工程に始まり、ターゲットやコンセプト設計、リリース後のライフサイクルマネジメント等、多岐にわたります。 単に知見が豊富なだけではなく、実際にビジネスフレームワーク等を用いて、根拠のある戦略を導き出せるスキルが必要となります。 2. マーケティングスキル プロダクトマネジメントでは、マーケターとしての高い能力が必要です。 対象となるプロダクトに応じたマーケティング・セールス戦略を実践し、売上を最大化させるためには、幅広いマーケティング知識や手法を駆使し、実行しなくてはいけません。 例えば、前述したSTP分析や4P分析の古典的なマーケティングのフレームワークにくわえ、最近はデジタルマーケティングに特化した知識も必要となります。 プロダクトマネジメントを担うためには、とりわけマーケティング分野の高い能力は必須です。 3. 数値理解・分析能力 製品の考案~投入~撤収までが範囲になるプロダクトマネジメントは、要所要所で数値を用い、分析する能力が必要です。 プロダクトマネジメントのプロセスは、判断場面が多い傾向にあります。 そのため、根拠となる数値データを読み解き、正しい経営判断を促す役割があります。 もちろん、成果の振り返りの際にも、定量データでの判断が求められるでしょう。 昨今はSaaS等に代表される数値分析ツールが豊富にあるため、最新のITツールを活用する能力も必要といえます。 まとめ 近年、消費者の購買行動の変化スピードは増しています。 一方、製品を作り出すには一定のタイムラグが生じます。変化の激しい時代だからこそ、素早くPDCAを回し、絶えず戦略を見直すプロダクトマネジメントの重要性も増していくでしょう。 戦略立案力やマーケティング力まで求められる能力は広範囲にわたりますが、今後さらに必要な機能といえます。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 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