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ビジネススキル
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2024.04.09

部下のやる気スイッチをオンにするリーダーの特徴と注意点

2024.04.09

部下のやる気スイッチをオンにするリーダーの特徴と注意点

人材教育

人事制度・組織づくり

ビジネススキル

大小はあるものの、みなさん部・課・チーム等に属していると思います。 そこには部長や課長等のリーダーの存在があり、部下を指揮して成り立っています。 今回はリーダーとして部下の業務を円滑に回し、成果が出るような環境づくりをどのように行うべきかを紹介します。 リーダーの立ち位置 まず、部署にとってのリーダーの立ち位置とはどのような物でしょうか? 良く勘違いされるのは「完璧なプレイヤー」であるということです。 特に若いリーダーだと、成果を求めるがあまり仕事を抱え込んでしまったり、「自分でやった方が早い!」と思ったりしがちです。 リーダーが率先して仕事をするのは悪くはありませんが、それでは部署としては崩壊です。 いつまでたっても下は育ちませんし、仕事はたまる一方でリーダーだけが終電で帰り、他のメンバーは仕事がないので定時で帰る。なんてことにもなりかねません。 そこで、ポイントとなるのが部下のやる気スイッチを押すことです。 部下も人間ですので、何かを無理やり「やらせる」ことはできません。 できたとしても効率が悪く、結局また「自分でやった方が早い」となってしまいます。 なので、部下の「やる気スイッチ」が入る環境を整えることで部署を円滑に回すことができます。 やる気スイッチはどうすればオンになる? 具体的にやる気スイッチが入る主な瞬間は以下の通りです。 目標を達成した時 不可能が可能になって成果を上げた時 好きなことをやっている時 リーダーとしてまず行うべきことは目標づくりです。 具体的には小さな目標と大きな目標を作ります。 いきなり大きな目標を立ててしまうと、部下にとっては遠い先の話に聞こえてしまってやる気にはつながりません。 なによりやる気スイッチを押すためには「達成すること」が重要なので、まずはステップごとにクリアしやすい小さな目標を立てましょう。 小さな目標を積み重ねた先に大きな目標へ繋がるイメージを持てると、さらに頑張ろうと思わせることができます。 やる気スイッチがオンにならないときの対策 当然、いくら目標を作っても動かない人も出てきます。 そうなる場合の主な理由は以下の通りです。 知らない 面倒くさい 怖い リーダーが嫌い 「知らない」という人はそもそも目標や与えられている仕事の必要性や情報を理解していません。 なので、情報の共有がされるよう1on1などのコミュニケーションを取り、ツールなども考慮して最新の情報が共有できるようにしていきましょう。 「面倒くさい」「怖い」という人は大抵、手間やリスクが見えています。 リーダーがゴールを明確にイメージできているのであれば、その逆をイメージする人もいます。双方で違うイメージを持ち続けても発展しませんので、どんな手間やリスクを考えているのかしっかり聞いて、解決法を一緒に考えるようにします。 「リーダーが嫌い」というと、そもそも目標を設定しても、その部署での仕事が「好きなことをやっている時」でないので、やる気スイッチが入ることはありません。 しかし、「リーダーが嫌い」と思われるのには案外単純な理由があるのかもしれません。 やっちゃダメ!嫌われるリーダーに共通する行動とは? 嫌われるリーダーがよくやってしまうことは過去を否定する行為です。 例えば何の気なしにリーダーが過去の施策を否定するとします。その施策が実は部下が過去行ってきた施策だとすると、部下は過去の仕事を否定されたのも同然です。過去の仕事に無意味なことはありませんし、失敗していることから学ぶことはたくさんあるので無下にしないようにしましょう。 また、リーダーに部下が付いていきたい、信頼できると「思わせる」のではなく「思われる」必要があります。 「思わせる人」はたいてい実績や成果など、何らかの理由の力で上に立とうとしますが、「思われる人」は普段の発言や行動を周りが評価して、おのずと周りが付いてきます。 特に発言と行動が一致して、しっかりやり遂げる人ほど信頼され、「思われる人」になります。 ここまで来たら、あとは仕事を部下に任せる勇気を出して、部下がたとえ失敗してもきちんと謝り、責任をとる姿勢でいましょう。 やりがいや目標をもった社員は成長して会社の発展につながる このように、自身のリーダーとしての心構えを整え、部下のやる気スイッチが入る環境を作っていきますが、最終的に必要になってくるのはコミュニケーションです。 「管理職に求められる3つのスキル」の記事でも紹介しましたが、結局は人間同士の関わりなのでヒューマンスキルが大切になってきます。 そのためにも、会議だけではなく立ち話などインフォーマルなコミュニケーションもできるだけとるようにし、相手の心情を理解して部署全体が同じ方向を向いていくようにしていきます。 そうすれば、その部下がリーダーになった時もしっかりとその部署は目標を達成し、会社の発展につながっていくことでしょう。 こちらの記事も読まれています: 若手社員のモチベーションを上げるには? 参考サイト: リーダーの仕事は環境作り。スタンドプレーではないーIT media 丸の内キャリア塾 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 リーダーシップを含む、ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題。 Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.04.09

新入社員が育つ環境づくり|意欲を高める3つのコツ

2024.04.09

新入社員が育つ環境づくり|意欲を高める3つのコツ

人材教育

人事制度・組織づくり

ビジネススキル

大卒新入社員の3年目までの離職率は、ここ10年来30%台で推移しています。 約3人に1人は、一人前になる前に離職してしまうことを意味します。 時間と費用をかけたのに新卒社員が離職する要因は何なのか、どうしたら意欲をもって働く環境を作れるのかを本記事ではまとめます。 新入社員はやる気がない? 新卒社員に限ったことではなく、若い世代の特徴として「教えらたれたことをこなす能力は高い」、「真面目で理解力が高い」、「向上心がある」などなどが挙げられています。 一方で、「自主解決能力に欠ける」、「高望みせず、ほどほどで満足する」、「状況に適応する自律性がない」など、複雑でかつスピーディーなビジネスの現場環境で判断力を発揮し、新しい発想をチャンスへとつなげる実践力には乏しいようです。 このような話題になると、「最近の若者は根性が足りない」という諸先輩方の声が聞こえてきそうですが、時代にあわせた新人育成方法を考えることも、人事部にとっては大切な仕事です。 新入社員を育てる環境づくりの現状 産業能率大学が企業の教育担当者を対象にして行なった調査によれば、「中堅社員に求める役割」で第1位に挙げられたのは、「後輩の育成」(72.5%)でした。 しかし、「後輩育成を遂行していますか?」という問いに対し「遂行している」と回答したのはわずか2.9%と極端に実現率が低く、半数以上が「あまり遂行していない」と回答しています。 また、労働政策研究・研修機構による「人材マネジメントのあり方に関する調査」(2014年)では、若手層の人材育成上の課題として「業務が多忙で、育成の時間的余裕がない」「上長等の育成能力や指導意識が不足している」といった回答が多くなっています。 これらの調査結果から考えると、「若手が育たない」と嘆く裏には、「育てられない職場環境」が隠れているということがわかります。 OJTやoff-JTという研修方法を考えるだけでなく、実際に新入社員が配属される現場の指導体制はどうなっているか、指導係は誰なのか、受け入れ体制はできているかも考えていく必要がありそうです。 新入社員の意欲を高める3つのコツ ①職場の一員として認める 新入社員は仕事のことも会社のこともあまり把握できていないため、常に不安を感じています。 まずは、上司や先輩のほうから彼らを仲間として認め、信頼を得るために1on1などのコミュニケーションの場を設けることが重要です。 また、パワハラなどの問題にも上司が気を配らなければなりません。 新人を「新人」として一括りに考えるのではなく、一人ひとりの個人として向き合っていく意識を持つことも重要な要素です。 新入社員に対して高圧的にならず、成長を見守り導くというスタンスを持つべきでしょう。 ②社会人マナーや会社ルールを積極的に共有する 新入社員は不安を抱えながらも、社会人としてのマナーや会社のルールを早く身につけて、会社の戦力として成果を挙げたいと思っています。 既存の社員はその気持ちを理解したうえで指導し、不足している点を補い、成長へと導く姿勢が求められるでしょう。 また、新入社員は既存の社員とは気質が異なるケースがあります。 それを「最近の若者は……」のひとことで片付けてしまうのではなく、いまどきの新入社員に見られる傾向についても理解しておきましょう。 コミュニケーションを密にして世代間のギャップを埋めることが重要です。 ③新入社員のビジネススキル向上を図る 「あいさつ」「言葉づかい」「身だしなみ」「電話対応」など基本的なビジネスマナー研修だけでなく、OJTに対しても現場をサポートしていく必要があります。 教育担当である中堅層に「新人を育てる意識」を持ってもらうよう働きかける、メンター制など「相談できる先輩」がいる環境を整えるなど、自社に適した仕組みを探し、積極的に試していくことが求められています。 また、新入社員教育に適した方法としてeラーニングを実践する企業も多いです。 一体感を持って学習してもらうことでモチベーションを維持し、自発的に目標を設定することや、目標の達成に向けた実践について身につけることが可能です。 新入社員向け研修で検討すべきプログラム まず新入社員に知ってほしいことは「社会人としての常識」や「仕事の基本」と言われるものです。 会社は学校とは違い、仕事をすることで報酬を得る場所なので、社会人・組織人としてふさわしい常識やマナー、コンプライアンス(法令遵守)を最初に身に付けてもらうことが必要です。 1. ビジネスマナー 身だしなみ、挨拶、電話応対、名刺交換などで、身についていて当たり前のマナーです。配属が決まり業務がスタートすると、なかなか研修の機会はありません。取引先への訪問などでは、新入社員であっても会社の顔となるので、まずマナー研修を行いましょう。 2. ホウレンソウ 「ホウレンソウ」と呼ばれる報告・連絡・相談は、社会人の義務として徹底させましょう。とくに「報告」は重要で、慣れないうちは初めからすべて話そうとして、要点がつかめない報告となります。「結論」から話し始めて経過、理由を報告させるよう徹底させることが必要です。 3. コンプライアンス(法令順守) コンプライアンスとは、企業が法律や規制、内部ルール、倫理的な基準に従って適切な行動をとることを指します。 コンプライアンスを学ぶ最大の理由は「やってはいけないことを学ばせるため」です。 <主なコンプライアンス項目> ・法律と規制(労働法、環境法、消費者保護法、競争法、税法など) ・企業内ポリシーと手順 ・個人情報の取り扱い ・情報セキュリティ ・賄賂や贈収賄の禁止 ・インサイダー取引の禁止 すべて覚えることは難しくても、コンプライアンスに関する禁止事項があることを理解し、日々の業務において意識することで、企業の信頼性向上と長期的な成功に繋がります。 4. ITスキル ビジネスシーンではExcel、Word、PowerPointといったオフィスツールが使えることは必須です。 部署によってはExcel、Wordを多用するでしょうし、営業部ではPowerPointを使ったプレゼンテーションができなくては話になりません。 また、メールにもビジネス文書としてのマナーはあります。 件名や文面の書式も大切ですが、最も気にかけなくてはならないことは、「その用件はメールでよいのか」ということと、「宛先は間違えていないか」です。例えば、謝罪をメールで済ませることは社会人としては許されませんし、toとcc、bccの使い分けを知らなければ、インシデント発生の原因にもなります。 基本的なITスキルについては若い世代のほうが慣れていることもありますが、ビジネスにおける使い方は改めて学ぶほうが良いでしょう。 新入社員研修の効果を高める2つのポイント ①現場のニーズを優先する 多くの研修は座学形式で行われますが、配属先で実践しながら学ぶOJTを取り入れるのもよいでしょう。 部署により要求されるスキルは異なりますし、少しでも早く部署に慣れ、チームワークやコミュニケーションの取り方を学んだほうが早く成長することもあります。 現場で学べることには、仕事の指示の受け方、メモの取り方、タイムマネジメント、コスト意識、1日の業務の流れなどがあります。 しかし最も学ばなくてはならないのは、これから働く職場の雰囲気であったり、先輩や上司の仕事ぶりなどの自社の文化です。 帰属意識が高まり組織の一員であることを自覚させ、組織に貢献することで報酬を得ているという認識が強まります。 社会人・組織人としての基本的な常識やマナーを身につけながら、実践で業務を学ぶ。自社に必要・不要な新入社員研修のプログラムを調整することが重要です。 新入社員向けの研修を検討する際は社会人基礎力について理解しておくと参考になります。 ②全社員の意識にも気を配る 新入社員研修=新入社員に対してどのような研修を行うかにフォーカスしてしまいがちですが、全社員が持つ社風も非常に大切です。 「自分の意見が自由に言えない」「社員同士の挨拶や会話がない」「部門長クラスの人間が人材育成に興味がない」という環境では、新入社員のやる気も低下していってしまいます。 社風そのものに問題があると判断した場合は、研修という枠を飛び越えて、全社員の意識を変えるために必要な施策を模索しなければなりません。 新人教育をしっかりと機能させていくためには、会社全体を見渡したうえで本質的な課題を見つけ、解決していくことが大切です。 まとめ|新入社員が育てば会社も成長する 企業にとって、将来を担う人材の確保は、最優先事項の一つです。 人事部には、新入社員を育成できる職場環境づくりのために、地道な継続と積極的推進が求められています。 「新人が育たない」といわれる現代でも、定着率の高い企業はいくつもあります。 そういった企業は何が成功しているのか、自社に足りないものは何なのかを常に考え、一人でも多くの新人を育てることができる環境を作っていきましょう。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 新人教育にも使える厳選コンテンツが1ID 年額999円で見放題になるCloud Campusコンテンツパック100。 ビジネスマナーだけでなく、社会人に必須のビジネス・ITの基礎知識を学べる充実のeラーニングコンテンツが魅力です。 Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする   参考サイト: 新人若手育成のアタリマエを変えよう|人材育成・社員研修のリクルートマネジメントソリューションズ  平成26年版 労働経済の分析 -人材力の最大発揮に向けて-|厚生労働省  第27回(最終回) OJTにおける「課題」とは何か?~新人の成長課題とトレーナーの育成課題<後編>~ | ヒューマンキャピタル Online  新人がイキイキと働くために、人事ができること~誰しもが経験するつまずきを乗り越える方法とは?~ – 『日本の人事部』 恒例の新入社員の特長。2015年は「消せるボールペン型」。その心は?|ブラック企業|【瓦版】  「新入社員意識調査・特徴とタイプ」公益財団法人日本生産性本部) 「新人と中途採用者の研修、教育の方法」ビジネス・ソリューション  

2024.04.09

社会人基礎力とは何か?高める方法や定義を徹底解説

2024.04.09

社会人基礎力とは何か?高める方法や定義を徹底解説

人材教育

ビジネススキル

「社会人基礎力という言葉を耳にすることはあるが、具体的な内容は知らない」 「社員の社会人基礎力がどの程度あるか把握しておきたい」 業種や職種をまたいで、会社で働くうえでの素地として求められる社会人基礎力。 2006年に経済産業省が提唱し、社会人として押さえるべき基礎が詰まった概念ですが、具体的な内容や自社での高め方は実はあまり知られていません。 今回は「社会人基礎力」とはどのような内容で構成され、どのように鍛えていけばよいかについて紹介します。 「社会人基礎力」とは?どのような位置づけなのか? 社会人基礎力とは、2006年に経済産業省で「多様な人々と仕事をしていくうえで必要な基礎的な力」として定義された概念です。 もともとは企業で働く人と、未就業者である学生の間で「身に付けておいてほしい能力水準」に意識の差があったことから、企業と学生間での認識のギャップを埋めるために定義されました。 社会人としての能力は、まず社会人としての心構えや基本的なビジネスマナー等が挙げられますが、さらに必要となるのが社会人基礎力です。 社会人基礎力が十分に備わったのち、各職種で必要となる専門知識・スキルがさらに上乗せされていくイメージでしょう。 参考:経済産業省「社会人基礎力」 社会人基礎力の3つの能力と、12の能力要素 社会人基礎力は「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力と、それらに紐付く12の能力要素で成り立っています。 具体的には以下の表の通りです。 3つの能力 能力要素 内容 前に踏み出す力 (アクション) 主体性 物事に進んで取り組む力 働きかけ力 他人に働きかけ巻き込む力 実行力 目的を設定し確実に行動する力 考え抜く力 (シンキング) 課題発見力 現状を分析し目的や課題を明らかにする力 計画力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力 創造力 新しい価値を生み出す力 チームで働く力 (チームワーク) 発信力 自分の意見を分かりやすく伝える力 傾聴力 相手の意見を丁寧に聴く力 柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力 状況把握力 自分と周囲の人々や物事との関係を理解する力 規律性 社会のルールや人との約束を守る力 ストレスコントロール力 ストレスの発生源に対応する力 ここからは各要素の定義と、どのように伸ばしていったらよいかのヒントについて紹介します。 2.1 前に踏み出す力(アクション) この力は、困難な状況でも一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力です。 3つの構成要素について具体的に紹介していきます。 ①主体性 物事に進んで取り組む力が「主体性」です。 新卒採用時に、多くの企業で重視されている力といえるでしょう。 主体性を伸ばすためには、自己信頼を高める必要があります。 例え小さな課題でも「達成できた」という経験を重ねていくことで、徐々に自分で動いてよい、自ら動くべき、という感覚が生まれてきます。 例えば、部下や後輩が試行錯誤して出した結果に間違いがあったとしても「それではダメだ」と全否定せず、達成できたポイントを認めることも忘れないようにしましょう。 主体性に関する研修のポイントについては社員の主体性を最大限に引き出すための研修設計3つのポイントの記事も参考にしてみてください。 ②働きかけ力 他人に働きかけ巻き込む力が「働きかけ力」です。 会社員として職場メンバーや顧客とやりとりするうえで、必要とされる力でしょう。 働きかけ力を伸ばすためには、身近な人間関係から他者に働きかけていくことが効果的です。 仕事のなかでは部署を横断するプロジェクトに参加させたり、勉強会を主催させる等して、自ら他者とやりとりする環境に身を置くことで、伸ばしやすい力です。 特に新入社員の場合は、見知らぬメンバーに積極的に声をかけにくい状況もあるかと思います。上司や先輩が他のメンバーや他部署メンバーを紹介する等、働きかけしやすい接点をつくりだすと効果的です。 ③実行力 目的を設定し確実に行動する力が「実行力」です。 単に行動をするだけではなく、あくまで目的や目標をかなえるために適切な行動をとることがポイントとなります。 実行力を伸ばすためには、実現可能性が高い目的・目標の設定からチャレンジすることが有効です。 あまりに高い目的・目標を掲げてしまうと、実行の道筋が立てにくくなります。その結果、最初の一歩目が踏み出せず、足が止まってしまう可能性があるからです。 「少し頑張れば達成できそう」というレベルの目的・目標を達成することで、次はより高レベルの目標に向けての実行力が高まるはずです。 2.2考え抜く力(シンキング) この力は、課題に対して疑問を持ち、諦めずに考え抜く力です。 3つの構成要素について具体的に紹介していきます。 ④課題発見力 現状を分析し目的や課題を明らかにする力が「課題発見力」です。 仕事をしていくうえで課題を発見し、それを解決するための基本の力といえます。 課題発見力を伸ばすためには、まずは本人に考えさせ、フィードバックを重ねることが有効です。 特に新卒入社者の場合は、会社で発生する「課題」の見立てに慣れていないことが想定されます。課題の発見方法や、それを他者に伝える方法等を周囲がフィードバックすることで、徐々に力が高まっていくでしょう。 ただしいきなり正解を教えるのではなく、本人に考えさせることが重要です。正解を先に教えてしまうと本人の考える力が鍛えられないため、注意してください。 ⑤計画力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力が「計画力」です。 作業を進めるうえでの段取りを、組み立てる力とも置き換えられます。 計画力を伸ばすためには、納期だけを設定させるのではなく「何をいつ、どれくらいの時間で」作業をするかを見積もらせるようにしましょう。 そのうえで作業終了後には振り返りを行い、その見積もりが正しかったかを検証していきます。 徐々に慣れてきたら少し難易度の高い計画を設定して、効率よく仕事をする訓練をしていきます。 ⑥創造力 新しい価値を生み出す力が「創造力」です。 人によって得手不得手が分かれ、なおかつすぐには鍛えられない要素のひとつです。 経験や知識を増やすことで鍛えられる力ではありますが、まずは日々いろいろな事にアンテナを張って自身の経験としていってもらうことが大切です。 ある程度の経験と知識量が得られたら「デザイン思考」等を取り入れることで、創造力を伸ばせる可能性が高まります。 2.3チームで働く力(チームワーク) チームで働く力は、多様な人々とともに、目標に向けて協力する力です。 ここでは6つの構成要素について、具体的に紹介していきます。 ⑦発信力 自分の意見を分かりやすく伝える力が「発信力」です。 相手にどの程度伝わっているかは分かりにくいため、自分の発信力が把握できないという方も多いのではないでしょうか。 この力を伸ばすには、本人の発言の内容が伝わったかフィードバックすることが必要です。 発信力のフィードバックは大きな仕事だけでなく、日常業務でも可能です。 例えばeメールでのやりとりに対して、伝わる順番で内容が書かれているか、受け手にきちんと伝えたい情報が伝わっているかをフィードバックすることでも、鍛えていけるでしょう。 ⑧傾聴力 相手の意見を丁寧に聴く力が「傾聴力」です。 単に「聞く」だけでなく、相手の心情や意図に配慮して「聴く」ことがポイントになります。 この力を伸ばすには、例えば、コミュニケーションを取り合うようなグループワークの実施が効果的です。 傾聴力が高いイメージとしては、対談番組やニュース等に出てくるインタビュアーがよい例です。相槌のタイミングや、人の話を聞いて意見をどのように引き出しているかを参考にしてもらうのもよいでしょう。 ⑨柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力が「柔軟性」です。 ある程度仕事に慣れてくると、自分なりのルールができて柔軟性が発揮しにくくなるといわれています。 この力を伸ばすには、業務では関わりの少なかった人と接点を持つことが有効です。一緒にプロジェクトを進めたり、異なる環境で仕事を進めたりする等して、刺激や考え方の違いを体感させるのがよいでしょう。 重点的に鍛えたい場合は、会社をまたぐようなプロジェクトや、海外へ行って異国の文化に触れるのも有効な手段のひとつといえます。 ⑩状況把握力 自分と周囲の人々や物事との関係を理解する力が「状況把握力」です。 自分の業務に集中するだけではなく、周囲の状況も把握し、配慮する力ともいえます。 この力を伸ばすには、何かに集中して取り組ませるのではなく、周囲のメンバーのフォローを積極的に行ってもらうことが効果的です。 周囲の状況が判断できるようになると、自分の強みや特長に基づいた貢献領域が分かってくるため、主体的に動けるようになってきます。 ⑪規律性 社会のルールや人との約束を守る力が「規律性」です。 規律性が欠けていると、チーム単位での仕事がスムーズに進みにくくなります。 この力を伸ばすためには、約束や期日、社内ルール等、基本的な行動から始めることが重要です。 しかし、あまりに厳しくルールを守らせてしまうと、やや窮屈な雰囲気にもなってしまいます。本人が取った行動で周囲が困惑したり迷惑したりした場合に、自分の起こした行動の結果を振り返る機会を与えるようにしましょう。 ⑫ストレスコントロール力 ストレスの発生源に対応する力が「ストレスコントロール力」です。 仕事をするなかである程度のストレスは避けて通れないため、自分で対応していく力が重要になります。 この力を伸ばすには、感情だけにとらわれるのではなく、どう乗り越えるかの対応策を考えさせることが効果的です。 人の性格によってストレスの感じ方は変わってきます。指導側は本人の特性に合わせた育成が重要になるでしょう。   ここまでまとめた項目に加えて、チームで働くためにはチームビルディングに関する知識を身に付けておくことも有効です。 再定義で追加された社会人基礎力の3つの観点 昨今では、個人と企業や社会との接点が長くなる「人生100年時代」の潮流があることで、社会人基礎力の重要性がさらに増してきています。 そこで経済産業省は、2018年に個人がライフステージの各段階で活躍し続けるために「人生100年時代の社会人基礎力」として新たに定義しました。 これにより社会人基礎力は、若手社員だけでなく、シニア社員をはじめとした幅広い年齢層の社会人にとって必要な能力と認識されたのです。 ここからは新たに定義に加わった、3つの視点を紹介していきます。 学ぶ「何を学ぶか」 社会人基礎力として新たに取り入れられたのが「学び」という視点です。 学びと聞くと、子供や学生がする学校での学習というイメージが強いかもしれません。 しかし、昨今よく耳にする「生涯学習」「リカレント教育」等のように、社会人になってから新しい分野にチャレンジするために、学ぶ機会も増えてきています。 企業も労働力不足を回避するために、社員に新たなスキルを付与するリスキリングの取り組みが広まっています。 学ぶ内容も一律とは限りません。苦手な部分を克服する学びや、得意な分野をさらに伸ばす学び等、目的に応じて学ぶ内容も変わってくるでしょう。 統合「どのように学ぶか」 何を学ぶのかを明確にしたあとは、「どのように学ぶか」を検討する必要があります。 単に新しい知識を取り入れるのではなく、これまで培ってきた能力や経験、すでに身に付いているスキルと結び付けて、体系的に学ぶことが重要です。 統合的な視点でとらえると、一からすべてを学ぶより効率的に新しい知識が定着するだけでなく、経験に裏打ちされた実践的な能力が得られます。 また、周囲の人たちで各々の得意分野と絡めて学び合いをするのも、学びが企業風土に昇華しやすいので、お勧めの方法です。 目的「どう活躍するか」 学んだうえで「自分が活躍するイメージを固め、そこに向かって行動を起こす」ことは、モチベーションを維持しやすいでしょう。 キャリアアップや新しい業務へのチャレンジなど、人によって目的は違いますが、目的達成に向けて自ら行動する部分は同じです。 一歩前に踏み出し、例え失敗したとしても忍耐強く取り組む力は「前に踏み出す力」の開発にも効果的でしょう。 社会人基礎力の診断方法 社会人基礎力の概要を理解したうえで、自分や、自分のチームメンバーがどの程度の力を備えているか把握したいという方もいるのではないでしょうか。 社会人基礎力を診断する代表的な3つの方法を紹介します。 社会人基礎力検定|一般財団法人 社会人基礎力検定協会 「社会人基礎力検定」は、社会人基礎力検定協会が実施している検定試験です。検定問題は60問で、90分で回答します。 結果は3級・準2級・2級で判定されます。 出題されるのは同一問題ですが、級に応じて合格基準がそれぞれ設定される形式です。70〜80%未満の点数で3級合格、80〜90%未満の点数で準2級合格、90%以上の点数で2級合格となります。 参考:社会人基礎力検定|一般財団法人 社会人基礎力検定協会 ひらく社会人基礎力診断テスト120|経済産業省 経済産業省が実施している「ひらく社会人基礎力診断テスト120」は、セルフチェック式の診断テストです。 設問は120問用意されており、4つの選択肢のなかから当てはまるものを選びます。「よく当てはまる」から「全く当てはまらない」の選択肢から適したものを選ぶだけです。 Web上で回答したあとに自動的にグラフが作成されるので、強みや弱点を視覚的に把握できます。 参考:ひらく社会人基礎力診断テスト120|経済産業省 社会人基礎力診断|マイナビ 「社会人基礎力診断」は、採用に関するサービスを提供しているマイナビが実施している、Webで回答する診断テストです。 回答時間の目安は15分程で、分析後にデータが送付されるため、容易に社会人基礎力の診断ができます。 マイナビの社会人基礎力診断では、ビジネス上の得意部分や苦手部分を把握し、改善するイメージがしやすくなるのが大きな特長です。個人だけではなく、採用担当者にも活用されています。 参考:社会人基礎力診断|マイナビ 社会人基礎力の高め方 最後に、どの社会人基礎力の要素を高めるとしても、共通して推奨したい高め方のステップを紹介します。 「何を鍛えるか」を明確にする 社会人基礎力にはさまざまな能力要素があるため、まず「何を鍛えるか」を明確にすることが重要です。 自部門で鍛えたい力を設定する、本人の申請で鍛えたい力を決める等の方法があります。 どの力を鍛えるとしても、一人ひとりの成長が会社の成長につながることを意識してもらうようにしましょう。 「どう鍛えるか」を決める 「どう鍛えるか」も、鍛える力によってさまざまな方法があります。 OJTや研修受講、社外での学習費用の支援、社内の配置転換等が代表的な育成手法です。 全社一律で社会人基礎力を身に付けてもらう場合は、社会人基礎力専用の育成プログラムを持っている外部に依頼するのもお勧めです。 通常業務で能力を開発する 社会人基礎力は、特別なプログラムだけではなく、通常業務のなかでも少しずつ開発可能です。 例えば、主体性を開発したい社員がいた場合は、会議の場で積極的に発言を促す等の工夫が挙げられます。 通常業務で能力開発を行う場合は、マネジメントのサポートも重要になります。期初の面談で「どの力を今期は鍛えよう」と本人とすり合わせを行い、期中の動きを見守るようにしましょう。 効果測定・振り返りを行う 社会人基礎力の向上には、フィードバックによる客観的な振り返りが役立ちます。 上司や同僚、仕事で関わりのある人等からのフィードバックを取り入れることで、自分では気付いていない部分を発見できる可能性があります。 一人ひとりの振り返りを行うのとともに、マネジメントや人事部門は組織全体の効果測定を行い、次に鍛える力の設定につなげるようにしましょう。 まとめ 社会人基礎力とは、主体性やチームワーク等、仕事をするうえで必要になる基礎的な能力です。 社会人基礎力を向上させるのは、企業にとってのメリットだけではなく、個人にとってもポジティブな影響があります。 人的資本経営の潮流がある昨今においては、ぜひ自社人材の能力の底上げとして、社会人基礎力の向上を心がけてはいかがでしょうか。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 社会人として身に付けるべきビジネスマナー等の基礎コンテンツを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.04.03

部下の能力を最大限伸ばすフィードバック方法と3つのポイント

2024.04.03

部下の能力を最大限伸ばすフィードバック方法と3つのポイント

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人事制度・組織づくり

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マネージャー職に就くと、部下の過去の業績に対するフィードバックをする機会があります。 しかし、効果的なフィードバックを知らなければ部下の能力をうまく引き出せなかったり、やる気を損なってしまったりとマイナス効果を生むことがあります。 この記事では部下の能力をなるべく引き出す効果的なフィードバック方法について解説します。 フィードバックが常にいいとは限らない理由 フィードバックは、部下の現在の立ち位置と目標地点のズレを指摘し、「なぜズレが生じたのか」「何をすべきだったのか」という点に着目します。 過去を振り返るため、必然的に個人のミスや誤り、至らなかった点を掘り下げることとなり、上から目線の批判になってしまいがちです。 ネガティブな指摘を受けることは、誰にとっても気持ちのいいものではありません。 パフォーマンスが芳しくない部下ほど建設的なPDCAが必要ですが、経験を積むほど素直にフィードバックを受け入れるのは難しくなるでしょう。 上司がいくら前向きにフィードバックをしても、そこには問題・欠点・失敗といった否定要素が含まれるため、受け手には攻撃から身を守る気持ちが働きます。指摘をする側にとっても、負担の大きな作業です。 反省や考察を重ねて今後の成果につなげようとするときに、「つらい」「不快」「反発」といった負の感情を残しては、かえって部下のモチベーションを下げることになります。それでは、有益な人材開発の施策とはいえません。 前向きなフィードバックとは 誤りや欠点を含めた過去のできごとを中心に話し合うフィードバックに対し、未来に何ができるかという解決策を話し合うのが「フィードフォワード」と呼ばれるものです。 過去ではなく肯定的な将来に意識を向けて、どうやったら成功するかというアイデアを与えるためのフィードバックです。 フォードフォワードの実践までの流れ 前向きなフィードバックを部下へ行うためにも以下の5つの流れをまず把握しましょう。 準備 まずは部下の強みや成長のポテンシャルを理解し、具体的な改善点や目標を考えておきます。部下はフィードバック=ネガティブな印象を持っている可能性もあるため、上司としてポジティブかつ建設的な姿勢でアプローチする心構えをしておきます。 また、前提として部下が自らの成長に関心を持ち、受け入れる姿勢があることでさらに効果が高まります。前置きとして「どうすれば成長できるか?」「より成果を出せるか?」という姿勢で話を進めたいことを伝えることも重要です。 面談前半 部下とのフィードバックの場を設けます。これは1対1の個別の面談や、チーム全員が参加するミーティングなど、状況に応じて適切な形式を選びます。 面談前半ではまず達成したい目標を共有し、肯定的な視点で話し始めることが重要です。 部下はその目標に対してどういった強みを持っているか?どのように力を発揮してほしいのかを伝えます。 未来に向けた成長と成功に焦点を当てることで、過去の行動やミスを前向きな改善点として捉えるための準備ができます。 面談後半 部下の強みや目標を踏まえて、具体的な改善点やアクションプランを提案します。 これは、具体的なスキルや知識の向上、挑戦的なプロジェクトへの参加、自己啓発の機会の提供などが含まれます。内容は具体的で、かつ部下が実際に取り組める範囲のものであることが大切です。 なるべく部下の立場や感情に共感し、理解することも重要です。フィードバックそのものが相手に対して配慮のあるものであると分かれば、部下もきちんと耳を傾けてくれます。 適切なフィードバックを行うために重要なのは準備です。 部下の強みや目標を日頃からきちんと観察して把握しておくことは、フィードバックを行う際にとても重要です。 フィードバックで効果を出すためのポイント ・目標設定とフォローアップを行う 部下と一緒に目標を設定し、定期的にフォローアップを行うことで成果が期待できます。MBOなどの目標管理制度の導入も有効です。 ・フィードバックの文化づくり フィードバックを部下に提供するだけでなく、上司自身もフィードバックを受け入れる姿勢を持つことで、組織全体でフィードバックの文化が広がります。 ・部下の成長に期待する 部下が希望や目標に向けて成長意欲を持つような提案を行うことは、部下の成長に期待していることのメッセージにもなります。 なぜ期待すべきかと言うと、人は期待されることで成果を出しやすくなると言われているからです。 部下は「期待される」ことで成果を出せる 「人間は期待された通りに成果を出す傾向があるとされる」と1964年に米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された考えです。この考えをピグマリオン効果と言います。 例えば、営業部内でも評判の良い優秀なAさんと、人柄は良いけど成績が伸びないBさんがいます。あるプロジェクトに向けて、この2人にプレゼンをしてもらい、どちらか1つを採用することになりました。 誰もがAさんのプレゼンが圧勝と思っていましたが、Bさんのプレゼンが採用されました。実は、Bさんにはリーダーから「実は実力があるよね、期待しているよ」などといったいわゆる“褒められる”“期待される”といった言葉をかけられていたのです。 企業事例:Google合同会社 たとえば、Googleは有名な「OKR(Objective and Key Results)」という目標管理の手法を採用しています。 OKRでは、上司が部下に対してフィードフォワードを提供し、共に目標を設定し、成果を評価する仕組みがあります。これにより、個人のモチベーション向上やチームのパフォーマンス向上が促進されています。 かなり具体的な内容がまとまっており、スプレッドシートのテンプレ―トまであるので非常に参考になります。 参考:OKRを設定する|Google re:work また、アジャイル開発を採用しているソフトウェア企業では、定期的なフィードフォワードセッションがチーム間で行われることが一般的です。 これにより、アジャイルなプロジェクトの進捗やチームの協力関係が向上し、迅速な改善が可能となります。 さまざまな企業がフィードフォワードを取り入れており、それぞれの文化や特性に合わせた方法で実践しています。成果を上げるためには、上司と部下の信頼関係を築きながら、ポジティブな姿勢で取り組むことが重要です。 フィードフォワードは客観的なアドバイスとして受け入れやすい フィードフォワードでは、否定的な評価をするのではなく、目標の達成につながるアイデアを話し合います。 将来に関する話なので個人への批判が含まれることがなく、客観的なアドバイスとして相手に受け入れられやすいのです。 さらに、自らイニシアティブを取って目標に向かおうとする意欲が、より大きく育ちます。 こうした自発的努力を通じて、人は目標とする自分を実現できるという手応えや、成長しているという実感を得られ、それが働きがいにつながるのです。 上手くいかない!部下の行動を変えるには「感情」を動かすことも重要 前向きなフィードバックを行っているはずなのに、なかなか部下が変わらない… そんなときは人間の脳の仕組みについて知っておくと良いです。 人間には無意識に情動的に働くものと、意識的に理性的に働くものがあります。 主だった人間の行動は情動的で、理性的な認知判断で感情的な部分をコントロールするには相当なエネルギーを使い、すぐに疲れてしまいます。 そこでキーポイントとなるのが、感情と理性の両方への働きかけです。 ただマニュアルや数字目標だけ見せても、感情への働きかけが欠けているとうまく機能しません。 例えば、「充実した1日」や「やりがいのある仕事」について語るビデオを見せて感情に訴えることで、部下が自ら変わろうとするモチベーションを引き出せる可能性が高まります。 人は期待されて伸びる 多くの人は褒められたり期待されることによって嬉しく感じ、期待以上に頑張り、より良い結果を出してもっと認められたいと思います。 部下も前向きなフィードバックを行うことで、行動が変わり成長します。 そのためには理性だけでなく、感情に訴えかけることも重要です。 本ブログでは一緒に働くメンバーのモチベーションアップに役立つ記事を掲載しています。 ぜひ「若手社員のモチベーションを上げるには?」や「『孫子の兵法』から学んでみた。社員の士気を向上させるモチベーションアップ術」もご覧ください。 参照サイト: 「ピグマリオン効果」モチベーションアップの法則 ITマネージャーがやめるべき言動を改善する「フィードフォワード」とは何か|ITmediaエンタープライズ 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.04.02

部下の主体性を引き出すリーダーの資質「サーバントリーダーシップ」とは

2024.04.02

部下の主体性を引き出すリーダーの資質「サーバントリーダーシップ」とは

人材教育

ビジネススキル

グローバル時代において強い競争力を持ち続けられる企業は、「適材適所」という戦略人事の重要性をしっかり認識し、実行しています。そこには、企業が必要とする人材を育成できるリーダーの存在が欠かせません。 そこで、注目されているのが、「サーバントリーダーシップ」という考え方です。時代を生き抜く新しいリーダの資質として、「部下の主体性を引き出し、成長させる能力」が重要視されるようになっています。 メンバーを前向きに変える組織が伸びる リーダーシップと聞くと、部下をぐいぐいと引っ張っていく強い指導者の姿が浮かびます。 トップダウンタイプは、経済成長期の徹底した無駄を省く経営スタイルでは有効でしたが、現在では、個人の強みを生かし、可能性を引き出すことが、結果、強い組織づくりにつながるとの認識が共有されています。 リーダーは、メンバーの能力と才能を見抜き、支援しながら主体性を引き出すことで、一人前のビジネスパーソンに育て上げる「サーバントリーダー」としての役割を担っているのです。 リーダーに求められるタレントマネジメント能力 メンバーのパフォーマンスを最大化しようとするとき、リーダーが考えるべきことは、生産性の向上、部下の技術・知識の向上といった技術・業務面の改良だけではありません。 むしろ、部下の強みや可能性を発掘し、モチベーションを上げて、高いパフォーマンスにつなげていくような、メンタル面での成長のサポートが求められています。 まさに、個々の得意、不得意を見極めるタレントマネジメント能力がサーバントリーダーには必要なのです。 サーバントリーダシップの効果 サーバントリーダーシップが、働く社員の意識にどのような効果をもたらすのか見ていきましょう。 1.自主性が尊重され、モチベーションが上がる 上からの命令に従うのではなく、リーダーがあえて権限を委譲することで、部下の自主性を尊重します。そのため、仕事を任される本人のやる気は上がります。 2.自律的に考える能力が身につく オープンな話し合いを認めるリーダーのもとでは、生産的で活発な意見交換が可能となります。そうすると、業務の改善や問題解決への取り組み方などさまざまなシーンで、自分で考える習慣が身についてきます。 3.自己努力でパフォーマンスを向上させる 上記のような過程を経て、仕事に対するスタンスが、受動から能動的に変わるため、どうしたらサービスを向上できるかといった自己努力ができるようになります。 4.メンターとしてのリーダーの支えが働きがいにつながる 権限を行使したり、服従を強要したりせず、自分の成長に深くコミットしてくれる上司の存在は、期待に応えたいという頑張りにもつながります。 このような意識改革を通すことにより、個々の仕事へのコミットメント力が最大化されていることが分かります。組織として、成果を出すためには欠かすことのできない条件になるでしょう。 人材を育てるリーダーが強い組織をつくる 競争が激しいグローバルビジネスの時代にありながら、人材不足という難題に直面している多くの企業にとって、優秀な人材だけの抜擢では生き残れません。人を育て上げることができるリーダーこそが、グローバル時代に強い組織をつくる原動力となるのです。 参考サイト: 「7 Secrets of ‘Servant Leadership’ That Will Lead You to Success」 Inc.com 「あなたはサーバント・リーダーか、支配型リーダーか?」 プレジデント Online 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 リーダーシップ等のマネジメントスキル系を含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.03.19

仕事上のミスを謝罪するときの3つの注意点

2024.03.19

仕事上のミスを謝罪するときの3つの注意点

人材教育

ビジネススキル

仕事のミスは、誰もが経験するものです。同僚や上司、または他部署や取引先など周りに迷惑をかけてしまい、謝罪が必要となったときは、どのようなことに注意すべきでしょうか。 ミスに気づいたら「すぐに謝罪」 仕事は人と人との関わり合いで成り立つものなので、ときにはトラブルやハプニングが発生することもあります。 もし、自分がミスを犯してしまった場合は、「すぐに謝罪」するのが鉄則です。 ミスの重大さにもよりますが、顧客や取引先にまで影響が及んでしまったときは、すぐにアポを取って直接出向いて謝罪するのが一番誠意の伝わる方法でしょう。 対面で謝罪できない場合は、メールに加えて電話でも謝罪の気持ちを伝えることが大切です。すぐに対応しないと、時間が経てば経つほど相手からの信頼や評価は下がってしまいます。 謝罪をする際の注意点 謝罪するときには、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。以下で確認してみましょう。 言い訳から始めない いきなり言い訳から始めると、相手の心象はますます悪くなります。 まずは自分のミスを素直に認め、真摯に謝罪の気持ちを伝えてください。 自分の保身に走ったり、他人や他部署に責任転換をしたりするのは禁物です。 相手の立場に立って言葉を選ぶ 謝罪の相手が注目しているのは、こちらが犯したミスによって生じた影響をきちんと把握・理解しているかどうかです。 つまり、謝罪の場では相手の立場に立った言葉が求められます。 そこをおろそかにしてしまうと、その場では謝罪を受け入れてくれた相手でも、内心は「わかっていない」と感じているかもしれません。 こちらの落ち度を冷静に説明する 「自分だけの責任ではない」などというようなニュアンスが言葉の端々に感じられると、相手はますます気分を害してしまいます。 どのような間違いがあったのか、客観的な説明に徹することが大切です。 自分の責任のみに言及する 直属の部下が犯したミスであっても、謝罪の場で言及するのは上司である自分の責任に留めるべきです。 ミスをした当事者の話が中心になると、責任転換と受け取られてしまいます。他者を引き合いに出してはいけません。 謝罪の言葉に加えて、今後の対応策や同様のミスを防止する改善策を提示することも大切です。 ほかのビジネスマナーについては、「クライアント先へ訪問する前に確認したいビジネスマナー」もご覧ください。 お詫びをするときの話し方 前述の注意点をふまえ、お詫びをするときの話し方をNG例とともに紹介します。 自分のミスで謝罪する場合 NG例:「ご不快な思いをさせて申し訳ございません」 OK例:「私の確認不足でご迷惑をおかけして申し訳ございません」 「不快」などの言葉を使うと、相手の心象をさらに悪くしてしまいます。ミスそのものについて謝罪しましょう。 部下のミスで謝罪する場合 NG例:「部下には何度も注意したのですが……」 OK例:「私の管理が行き届かず、申し訳ございません」 部下の責任には言及せず、上司としての自分の責任について謝罪します。部下に責任を押し付けるような言い方は、自分への信頼をも失いかねません。 部下への接し方については、「管理職に就いたら部下の信頼をどう獲得する?」でも詳しくご覧いただけます。 謝罪をする際は話し方だけでなく、服装や声の出し方、相手の目を見るなどの振舞いにも気を配らなければなりません。さらに、相手先に出向く際は手土産を用意するといいでしょう。 謝罪の仕方であなたの力量が試される どのような謝罪をするかによって、あなたのコミュニケーションスキルやビジネスパーソンとしての力量が測られるといっても過言ではありません。さらには、今後の取引関係や人間関係も左右するでしょう。 社会人として、きちんとした謝罪の仕方を身に付けたいものです。 最近では、ネットでの「炎上」が深刻な事態に至るケースがあるため、社員へのネットリテラシー教育を進める企業が増えています。 また、社会人としての意識が十分ではない新入社員に向けた教育も重視されています。詳しくは、次の記事もご覧ください。 >マッチ一本が「炎上」のもと!ネットリテラシー研修をしよう 参考: 仕事と人間関係を円滑にする話し方のコツ|テンプ ナレッジマガジン 謝罪、どうする?お詫びをする際のビジネスメールの鉄則|リクナビNEXTジャーナル 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 丁寧な謝罪の仕方からビジネスマナーまで、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.03.12

プロダクトマネジメントとは?具体的な業務内容や必要能力を解説

2024.03.12

プロダクトマネジメントとは?具体的な業務内容や必要能力を解説

ビジネススキル

人材教育

現代は、かつてのように製品を開発してリリースすればビジネスが成功する時代ではありません。 モノや情報があふれる現代のビジネスシーンにおいては、顧客のニーズを深く理解したプロダクト開発や、提供方法・購入後のアフターフォローまで注力することが求められます。 そこで重要となるのが、プロダクト全般の管理を行うプロダクトマネジメントという手法です。 当記事では、プロダクトマネジメントの概要やプロダクトマネジメントが広がった背景、業務フローや必要となるスキルまで解説します。自社にプロダクトマネジメントの機能を導入したい方も、今後プロダクトマネジメントの業務に就きたい方も、参考にしていただければ幸いです。 プロダクトマネジメントとは プロダクトマネジメントの「プロダクト」は製品や商品です。プロダクトマネジメントを直訳すると「製品管理」という意味になります。 しかし、業務としてのプロダクトマネジメントは、単に製品管理をするだけではありません。 一般的に、プロダクトマネジメントの仕事は「上流」と「下流」に分かれます。 上流は、製品をマーケットに投入する以前に「何をつくるべきか」「どうつくるべきか」等、プロダクトの開発工程を考える仕事です。 一方の下流は、製品の市場投入方法や投入後の改廃検討等、マーケティングや製品改良・撤収時期の見極めを行います。 このようにプロダクトマネジメントの仕事は範囲が広く、製品管理だけでなくビジネスマネジメントまでおよぶといえるでしょう。 1930年代、アメリカのP&G社ではじまったプロダクトマネジメントの取り組みが礎となり、その後、HP(ヒューレットパッカード)やトヨタ等の企業で発展していきました。 プロダクトマネジメントとプロジェクトマネジメントの違い プロダクトマネジメントとプロジェクトマネジメントは混同されがちですが、マネジメントの対象が異なります。 プロダクトマネジメントの対象は製品であり、その製品の誕生から撤退するまでが対象です。求められる能力は、開発・技術力やビジネス全般の知識等、幅広いスキルが必要になります。 一方、プロジェクトマネジメントは管轄するプロジェクトが対象であり、決められた期間が過ぎれば終了です。プロジェクトマネジメントのスキルは必要となりますが、どちらかというと対象となるプロジェクトへの知識や理解が必要となります。 それぞれの違いは、以下の表の通りです。   プロダクトマネジメント プロジェクトマネジメント 対象 製品・商品 プロジェクト 期間 製品が市場に存在する限りは続く プロジェクト開始から完了まで 目的 製品価値の最大化 想定した期限・予算内でのミッション達成 求められるスキル 技術・開発の知識やビジネス全般の知識とスキル プロジェクトを管理するスキルや当該プロジェクトへの知見 どちらもプロダクトの開発に関するマネジメントを行うため重複する部分はありますが、プロジェクトマネジメントはプロジェクトを完了させるのが目的です。 プロダクトマネジメントは、企業に自社プロダクトがある限り、継続的に価値や利益を最大化し続ける目的というのが異なる点になります。 プロダクトマネジメントの業務内容 欧米企業と比較して、日本企業ではプロダクトマネジメントを専任で行う人材が少ないといわれています。そのため、プロダクトマネジメントの業務内容のイメージがつかないという方も多いのではないでしょうか。 本章では、プロダクトマネジメントは具体的にどのような業務を担うのかについて紹介していきます。 製品のプロトタイピング 企業方針として製品開発が決定したら、最初にプロトタイピングを進めます。 プロトタイピングとは、製品開発を本格的に始める前に、簡単な機能やデザインのみを実装したプロトタイプ(試作品)をつくることです。 使い心地、必要な工程・リソース等を検証することを指します。 できあがったプロトタイプは、顧客に確認してもらうほか、市場リサーチ等でニーズや改善点等を分析し、さらなる検証を行います。 プロトタイピングで、開発前に製品の改善点や問題点を見つけ出せるため、より品質の高い製品開発を行える点がメリットです。 また、プロトタイプがあることで実際の商品をリアルにイメージでき、新しいアイデアを生み出すきっかけにもなります。 その後、正式に製品開発を行うことになったら、より精緻なスケジュールや予算を決定していきます。 ターゲットの設定、明確化 プロダクトマネジメントを行ううえで、ターゲットユーザーが具体的になっていると、製品の開発もしやすくなります。 できるだけターゲット層の特徴やニーズを明確にし、絞り込むことで製品開発に反映できます。 ターゲット戦略がおろそかになっている場合、見込んだ成果を得ることが難しくなるため、慎重に設定する必要があるでしょう。 このフェーズではマーケティングのフレームワークを使う傾向にあります。 例えば、STP分析や4P分析等です。 【STP分析】 市場を細分化する「Segmentation(セグメンテーション)」 その市場のうち、どの顧客を狙うか「Targeting(ターゲティング)」 その顧客に提供できる、自社の提供価値は何か「Positioning(ポジショニング)」 【4P分析】 ・Product(顧客からみた製品価値) ・Price(価格戦略) ・Place(流通・商流・販売の場所や方法) ・Promotion(広告宣伝・販売促進の方法) プロダクトマネジメントで、開発技術だけでなくマーケティング要素が求められる理由は、このようなプロセスを経るためです。 プロダクトロードマップ・KPI設定 続いて、プロダクトマネジメントをどのように推進していくのかという、プロダクトロードマップを立案します。 同時に、プロダクトマネジメントの成否を確認するためのKPIも設定します。 プロダクトロードマップとは、製品のビジョンやターゲットという概要と、リリースに向けての進捗方法を要約したものです。 プロダクト開発の規模が大きいほど、ステークホルダーが多くなる傾向にあります。 プロダクトロードマップを作成しておくことで、大勢のステークホルダーが、方向性や優先順位等を共有しやすくなるでしょう。 KPIとは、最終成果のみならず、プロセスが順調に進んでいるかを計測するための指標です。 あらかじめ目標数値や中間指標を決めておくことで、指標を参考にしながら途中の軌道修正もスムーズにできるようになります。 効果測定と開発の振り返り 製品をリリースするだけでなく、機能や顧客評価を効果測定し、振り返るのもプロダクトマネジメントの重要な役割です。 プロダクトマネジメントは、自社が対象製品を市場から撤退させるまで続きます。この全体のマネジメントのことを「プロダクトライフサイクル」といいます。 定期的に機能開発を振り返ることで、改良点を見いだせたり、市場でのポジショニング変化の必要性が明確になったりします。 製品の価値を増大させるために、製品に対する分析を継続することが重要です。 プロダクトマネジメントのステークホルダー 大型の開発案件であれば、プロダクトマネジメントには、多くのステークホルダーが存在します。 ステークホルダーの人数や、各メンバーが担うべき役割については企業によって異なりますが、本章では一般的な関係者や役割を紹介します。 CPO(チーフプロダクトオフィサー) CPO(チーフプロダクトオフィサー)とは、最高製品責任者のことです。 CPOの責任や裁量範囲は企業により異なりますが、規模の小さい企業では実質的にCEO(チーフエグゼクティブオフィサー:最高経営責任者)がCPOの役割を担っているケースもあります。 PO(プロダクトオーナー) PO(プロダクトオーナー)は、プロダクトマネジメント全体の責任者、あるいは開発チームの全体責任者を指すことが多いです。 プロダクトコンセプトに基づき、構想をどう開発現場へ落とし込んでいくかを考え、スケジュールやリソースをコントロールしながら実行する役割です。 企業やチームの規模によっては「プロダクトマネージャ」と統合し、POとPMを兼務するような役割になることもあります。 PM(プロダクトマネージャ) PM(プロダクトマネージャ)とは、プロダクトマネジメント全体の実行を主導する役割、あるいは開発チームの実行責任者です。 プロダクトマネジメントの全体計画書や予算・スケジュールを立案し、進捗を確認しながら、何か問題が発生したら調整を行います。 現場メンバーへの指示と経営陣への報告の媒介となるため、プロダクトマネジメントの成否を分かつ重要な存在といえるでしょう。 PMM(プロダクトマーケティングマネージャ) PMM(プロダクトマーケティングマネージャ)とは、顧客が求めているプロダクトを発見し、顧客ニーズを満たせるプロダクトの企画、マーケティング、販売戦略を考える立場です。 PM(プロダクトマネージャ)の役割から派生し、マーケティングに特化した役割として生まれました。 日本国内ではまだPMMを導入している企業は少ないものの、マーケティングが盛んな欧米企業では一般的な職種です。 プロダクトマネジメントに必要な能力 ここまでプロダクトマネジメントの業務について紹介してきましたが、どのようなスキルを持った方に適性があるのでしょうか。 本章では特にプロダクトマネジメント業務に必要な能力を3つ取り上げます。 1. 戦略立案・設計能力 前述した通り、プロダクトマネジメントは、製品管理ではなく製品を中心としたビジネスマネジメントです。 そのため、プロダクトマネジメントを担うには、製品を売るための戦略を描き、実行への道筋を設計する能力が必要となります。 具体的な戦略の内容としては、市場調査からのニーズの発掘という上流工程に始まり、ターゲットやコンセプト設計、リリース後のライフサイクルマネジメント等、多岐にわたります。 単に知見が豊富なだけではなく、実際にビジネスフレームワーク等を用いて、根拠のある戦略を導き出せるスキルが必要となります。 2. マーケティングスキル プロダクトマネジメントでは、マーケターとしての高い能力が必要です。 対象となるプロダクトに応じたマーケティング・セールス戦略を実践し、売上を最大化させるためには、幅広いマーケティング知識や手法を駆使し、実行しなくてはいけません。 例えば、前述したSTP分析や4P分析の古典的なマーケティングのフレームワークにくわえ、最近はデジタルマーケティングに特化した知識も必要となります。 プロダクトマネジメントを担うためには、とりわけマーケティング分野の高い能力は必須です。 3. 数値理解・分析能力 製品の考案~投入~撤収までが範囲になるプロダクトマネジメントは、要所要所で数値を用い、分析する能力が必要です。 プロダクトマネジメントのプロセスは、判断場面が多い傾向にあります。 そのため、根拠となる数値データを読み解き、正しい経営判断を促す役割があります。 もちろん、成果の振り返りの際にも、定量データでの判断が求められるでしょう。 昨今はSaaS等に代表される数値分析ツールが豊富にあるため、最新のITツールを活用する能力も必要といえます。 まとめ 近年、消費者の購買行動の変化スピードは増しています。 一方、製品を作り出すには一定のタイムラグが生じます。変化の激しい時代だからこそ、素早くPDCAを回し、絶えず戦略を見直すプロダクトマネジメントの重要性も増していくでしょう。 戦略立案力やマーケティング力まで求められる能力は広範囲にわたりますが、今後さらに必要な機能といえます。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 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2024.03.12

OJTを教える側に求められることと効果的なやり方を徹底解説

2024.03.12

OJTを教える側に求められることと効果的なやり方を徹底解説

人材教育

ビジネススキル

OJTは、現場で必要となる実務的なスキルを経験を通じて身に付けていく教育方法です。 新入社員に施される印象が強いかもしれませんが、若手の中途入社者にも適用できるため、多くの企業で導入が進んでいます。 ただ、具体的なOJTの方法が分からず、現場の先輩社員に任せっぱなしになっている企業も少なくありません。 特に、自分自身がOJTを受けた経験がない先輩社員が指導する場合は、OJTのノウハウやコツをきちんと把握したうえでOJTを実施しないと、本来の効果を得るのが難しくなります。 今回は、OJTのメリットや注意点、基本的な実施ステップをあらためて解説します。自分自身がOJTを教える側になる方も、OJTの教育担当を任命しようと考えているマネジメントや人事の方も、参考にしていただければ幸いです。 OJTとは OJTとは「On The Job Training」の略称で、業務経験を通じて行われる教育方法のことです。 一般的には、対象者が配属される部署の上司や先輩社員が教育担当者となり、業務に必要な知識やスキルを指導していきます。 現場実務が多い流通業や飲食業等で、新入社員やアルバイト・パート入社者に、店舗での実務を通じて業務習得させる方法が分かりやすいでしょう。 ほかにも営業職の営業同行や、企画職で一緒に資料作成を行う等、OJTが適用できる業種や職種は幅広いといえます。 OJTとOFF-JTとの違い 職場での経験を通じて教育するOJTに対し、職場外での講習会や研修を実施するのが「OFF-JT(Off the Job Training)」という教育方法です。 OFF-JTは新入社員基礎研修等、比較的同じ状況にある社員を複数集めて実施されることが多い傾向にあります。 従って、個別指導でアウトプットをしながら進めるOJTと比較すると、大人数に対してのインプット型である点が特長です。 複数社員に一斉に教育を施せるメリットがある一方で、社員一人ひとりの教育効果を丁寧に追い切れない点がデメリットといえます。 新入社員を例に取ると、会社の基本情報やビジネスマナー等、全員に必要となる教育をOFF-JTで実施し、配属先での教育をOJTで行うという使い分けが一般的でしょう。 OJT実施の目的・メリット 多くの企業で取り入れられているOJTですが、実際にOJTを実施した企業でよく聞かれる狙いやメリットについて、あらためて紹介します。 1. 教育研修の効率化 前述したOFF-JTの代表的な手法である集合型研修と比較すると、OJTは生産性が高い教育方法といえます。 集合型研修を実施する際は、会場の準備・講師の手配・資料の準備・日程調整等、事前の準備にコストやパワーが発生してしまいます。 一方、OJTは教える側の指導担当が社員であれば、特別なコストは発生しません。 準備のためにある程度の労力は必要となりますが、既存業務で使用しているマニュアルや資料を流用できるケースも多いでしょう。 効率的に社員を教育できる点は、OJTの大きなメリットといえます。 2. 社員定着率の向上 社員の定着率を上げることも、OJTを導入する目的やメリットになります。 OJTでは、実際の職場で今後一緒に仕事をしていく先輩社員や上司に指導をしてもらうことになります。職場でのコミュニケーション機会が増えることで、新しく配属された社員が部署に馴染みやすくなる効果が期待できるでしょう。 特に新入社員の場合、仕事以外に職場の人間関係に馴染むかどうかという不安を抱えがちです。OJTは教育効果を狙うだけではなく、新入社員の不安要素を解消し、部署への定着を促す目的もあります。 社員の離職に頭を悩ませる企業が多い昨今、OJTを社員定着率向上のために活用する企業は今後も増えていくことでしょう。 3. 個人の状況や業務に合わせて指導できる OJTのメリットとして、現場や個人の状況に合わせられる柔軟性も挙げられます。 例えば、教育の定着状況や実践度合いを現場で確認し、その状況に応じて次の教育メニューを考えることができます。教えられる側も自分の状況に応じた教育施策を受けられるため、地に足がついた成長ができるでしょう。 また教える側や職場での状況にも、OJTはある程度、柔軟に対応できます。 新しく発生した業務がOJTと相性が良さそうであれば、先輩社員と一緒にやってみる、等のケースです。 常に新鮮な現場の題材で教育できるだけではなく、時には先輩社員の業務の手助けにもつながる効果も期待できるでしょう。 4. OJT担当者(教える側)のスキル向上 OJTを導入すると、教えられる側だけではなくOJT担当者(教える側)のスキル向上も期待できます。 なんらかの知識を他者に伝えようとした際に、新たな気付きや自分自身の学びにつながった経験は、誰しもお持ちではないでしょうか。 教えるプロセスのなかで、新たなビジネスアイデアが湧いたり、業務改善ポイントが見つかったりすることは、OJTを教える側のメリットといえます。 業務上のメリットだけではなく、分かりやすく伝える力やモチベーションを上げるためのコミュニケーション等、教える側の成長も期待できることから、組織的な底上げにもつながりやすいでしょう。 OJTを実施する注意点 OJTは職場主導で進めていきますが、マネジメントや人事部門は何もサポートをしなくてもいいというわけではありません。 本章ではOJTの本来の効果を得るために、組織全体で注意したい点についてお伝えします。 1. 中長期的な計画が必要となる 一般的にOJTの期間は3か月~1年間と中長期的におよぶため、きめ細やかな指導計画をあらかじめ作っておく必要があります。 計画に基づいた教育を施し、実施期間中には進捗や教育効果を確認しながら、計画のチューニングも行わなくてはなりません。 従って、慢性的に人手不足の職場や、繁忙期の渦中にある現場等では、計画が十分に立てられずにOJT本来の効果が得られにくい点には注意が必要です。 2. OJT担当者(教える側)に掛かる負担が大きい OJTで注意したい点としては、OJT担当者(教える側)にもある程度の負荷が掛かる点です。 OJTでは、対象者1名(多くても2〜3名)に対して教育担当社員を一人配置し、丁寧に指導をするのが基本的な方法になります。 OJT担当者は準備や指導のために時間やパワーを割く必要があり、担当社員に掛かる負担は自然と大きくなってしまいがちです。 OJT担当のミッションを担った社員の通常業務を減らす、上司も一緒にOJTをサポートする、全社的にOJTノウハウを共有する等の負荷を減らす工夫が求められるでしょう。 OJTを教える側に求められるスキル 本章では、OJT担当者に求められるスキルについて紹介します。これからOJTを通じて教育を実施するという方は、ぜひ参考にしてください。 コミュニケーションスキル 実務を教えることにはじまり、フィードバックに至るまで、OJTにはコミュニケーションスキルが欠かせません。 単に話す・伝えるスキルだけではなく、対象者の言動を観察することで理解度を推測するような、相手を理解するスキルも必要です。 一方的に知識を詰め込むような方法では、OJTのメリットは十分に得られません。 相手とのコミュニケーションを重ねながら、成長を促すようなコミュニケーションスキルが必要となるでしょう。 フィードバックスキル 本人が実践した内容について、反応・評価を示すフィードバックスキルも、OJT担当者には求められます。 フィードバックは具体的であればあるほど、本人に伝わりやすくなります。 褒める点、改善を求める点については、具体的な根拠を示し、次の成長目標も詳細に伝えるようにしましょう。 OJT初期段階は、本人もできないことが多く、自己効力感を得にくいため、些細なポイントでも褒めることをお勧めします。 一方で、ある程度の成長が確認できたら、大きめの課題に対してネガティブフィードバックすることも必要です。 ネガティブフィードバックを行う際は、「うまくいかなかった点を自覚したうえで、成長のために改善してもらう」という目的を忘れないようにしましょう。 相手を一方的に叱責したり、モチベーションを下げたりするようなフィードバックは避けてください。 OJTの基本的な4ステップ OJTの基本的な指導法として知られているのは「4段階職業指導法」といわれる手法です。 この指導法は、第一次世界大戦中のアメリカで開発されたプログラムで、今は日本の多くの企業で社員教育の土台として活用されています。 本章では4つのステップをOJTに展開する際のポイントを解説します。 1.自らやって見せる(Show) OJTの最初のステップは、教える側自らが「やって見せる(Show)」ことです。 初めにOJT担当者が実演してお手本を「見せる」ことで、相手は具体的な業務や実践のコツを得ることができます。 言葉やテキストだけでは業務のイメージをつかみにくい場合があるため、まずは動きを積極的に取り入れるようにしましょう。 2.説明する(Tell) 次のステップは、「説明する(Tell)」ことです。 ステップ1.で実演した業務について、業務の意義や目的を伝えることで、業務理解をより深めてもらいます。 この際、業務の目標(達成した状態)も同時に伝えると、より目的意識が高まった状態で業務を進められるようになるでしょう。 3.相手にやらせてみる(Do) OJTの3つ目のステップは、相手に「やらせてみる(Do)」ことです。 ステップ1.と2.で習得したイメージをもとに、実際に自分の体を使いながら業務を体験してもらいます。やってみることで、「思っていたより難しい」「実行するときは、この点に注意すべきだ」等、新しい発見があるはずです。 「『わかる』と『できる』は違う」といわれるように、自ら動くステップは非常に重要です。必ず実践するプロセスを踏ませるようにしましょう。 4.評価・指導する(Check) OJTの最後のステップは「評価・指導する(Check)」ことです。 ステップ3.での実践結果をもとにしながら、良かったポイントや改善すべきポイントをフィードバックしましょう。 コツとしては、実践した直後にフィードバックをすることです。1日の終わりにまとめて伝えるよりも、その場で伝える方が相手の記憶が鮮明なため、改善効果が期待できます。 OJTをより効果的に行うコツ ここまでOJTの基本的なノウハウをお伝えしてきましたが、本章ではより育成効果を高めるためのコツを紹介します。 自社でのOJT実践場面をイメージしながら、お読みいただければ幸いです。 育成目標を設定する 前述した「中長期の計画」とも似ていますが、育成対象者の得意・不得意領域や人柄も踏まえた育成目標を設定します。 OJT担当者が中心となって設定しますが、できればほかの同僚や上司等にも共有したりMBOにすると、育成目標のブラッシュアップや周囲の協力が得やすくなります。 育成目標の設定と組織共有があれば、組織ぐるみでの育成体制を構築しやすいでしょう。 事前に基礎知識を学習してもらう いきなりOJTのような実践教育をするよりも、事前に基礎知識を学習してもらうことで、よりOJTの効果を高めることができます。 知識をインプットした後にOJTでのアウトプットを行うため、知識の定着が効率的に進みます。 事前学習は、勉強会のような座学形式や、学習資料を渡して自主的に予習させる形式が考えられます。 トレーニングを反復して行う 学んだことをスムーズに実践の仕事につなげるためには、反復トレーニングが有効です。 育成目標や丁寧な指導があったとしても、実際に課題を克服したり、スキルを安定的に習得したりするまでには、それなりに時間を要します。 一度きりのトレーニングで終わらせるのではなく、ある程度時間が経過したのち、再度取り組みをさせることを念頭に置いておきましょう。 まとめ 多くの企業でOJTは導入されていますが、OJTの本来の効果を得るためには、本記事で紹介したようなポイントを踏まえることが重要です。 教える側や組織活性化にもメリットが高い取り組みなので、しっかり計画を立てて組織全体でOJTに取り組めるように準備してください。 またOJTというと「手取り足取り」のようなイメージもありますが、昨今のトレンドを考慮すると、リモート勉強会やオンライン講座等のバーチャルな学びも組み合わせると、よりOJTの効果が期待できるでしょう。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 OJTを行う際のポイントや注意点をまとめたコンテンツを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.03.12

SNS炎上の原因と対策|国内外5つの事例も紹介

2024.03.12

SNS炎上の原因と対策|国内外5つの事例も紹介

人材教育

人事制度・組織づくり

ビジネススキル

情報リテラシーの意味に変化が起きた要因として挙げられるのは、誰でも気軽にネット上で情報を発信できるようになった影響で、「炎上」などのトラブルが頻発していることです。 アルバイトなども含めた従業員の情報リテラシーを高めることは、企業としても急務です。なぜなら、たった一人の従業員のうっかり事故が、会社全体に悪影響を及ぼしてしまうリスクがあるからです。 今回は、特に話題になっているソーシャルメディアでの「炎上」事例を通して、情報リテラシー研修の必要性について考えていきたいと思います。 事例紹介 まずは、国内と海外での企業に関わる「炎上」事例をご紹介します。 いずれも企業の公式アカウントなどではなく、会社の目が直接届きにくい従業員のプライベートでの行動が、会社にも悪影響を与えてしまった事例です。 国内での「炎上」事例 ・空港 ショップ店員 芸能人が来店した際に、クレジットカード伝票や購入時のサインを店員が撮影し、Twitterに掲載。他のTwitterユーザーからの指摘ですぐに削除したものの、騒ぎは収まらず新聞などでも取り上げられる事態となりました。 結果、従業員が契約解除となっただけでなく、店舗を運営していた会社の役員は報酬の一部を自主返納することを発表。また、空港の公式ウェブサイトからは正式に謝罪文が掲載されました。 ・製薬会社 社員 MR(医薬情報担当者)の女性社員が、「同僚が睡眠導入剤を不正に入手し、飲み会でお酒に入れた」などとツイート。医薬品を適切に扱わなければならないはずのプロが、いたずらに使用したことに対してモラルを疑う書き込みが集中しました。会社は社員に対し調査を実施。ホームページに、お詫びのお知らせが掲載されました。 ・システムエンジニア ある会社のシステムエンジニアが、競合会社の社長について「何もわかってねーなー」などとツイート。他にも過激な発言や自身の会社への批判を繰り返していました。 本人は属している会社を明かしていませんでしたが、その他のツイートなどから会社や実名などを洗い出されてしまいす。その後は「○○会社のエンジニアが」と社名つきで炎上する結果となりました。 海外での「炎上」事例 ・大手ピザショップ 従業員 従業員が、店舗内で食材を鼻に入れたりピザ生地にツバを吐きかけたりといったいたずらを、動画でYouTubeへアップロード。会社の管理の杜撰さを問題視する声が集まり、ニュースなどでも取り上げられる事態となりました。最終的に、社長が謝罪動画を展開してようやく沈静に向かいました。 ・インターネットサービス会社 広報部長 ある大手インターネットサービス会社に所属する広報部長の女性が、 「今からアフリカに行きます。エイズになりませんように。冗談よ、私は白人だから。」という内容をツイート。 彼女のフォロワーは200人足らずだったそうですが、このツイートは差別的と受け止められ、世界中に拡散し炎上することとなりました。この短い文章で会社が信用を失ったのはもちろん、発言した本人は翌日即解雇されてしまいました。 なぜソーシャルメディアで「炎上」が起こるのか ご紹介した事例から、会社やブランドの公式アカウントでなくても、従業員の「炎上」が結果として会社に飛び火し、悪影響を与えてしまうことがお分かりいただけたと思います。 また、ソーシャルメディアでの「炎上」は、アルバイトから役職者まで、果ては経営者までもが当事者となりうるのが特徴です。では、「炎上」が発生してしまうのには、どのような背景があるのでしょうか。 メッセンジャーアプリとの違いの理解不足 特に若い世代で多いのがこのケースです。不特定多数のユーザーがアクセスできる状態になっているにも関わらず、本人は友達のみに情報を発信しているつもりのため、タガが外れて過激な内容を発信してしまうのです。 LINEなどメッセンジャー機能を主とするサービスと、不特定多数と関わりあうことが前提のソーシャルメディアとの使い分けを正しく理解する必要があります。 読み手に対する想像力の不足 みんなが読んでいると認識していても「炎上」は起こってしまう場合があります。そのほとんどが、軽い気持ちで人を不快にさせる内容や、モラルに欠ける内容を書き込んでしまう場合です。 ネット上には、様々な立場の人がいるということを再認識し、投稿する前に本当に問題の無い内容か確認する必要があるでしょう。 また、プライベートのアカウントなら何かあっても自分が謝れば済む、と考えてしまうのも誤解です。職場や仕事に関わる内容を投稿すれば、会社に迷惑がかかる可能性があることを認識しなくてはなりません。 情報リテラシー以外の問題 本来の情報リテラシーだけでなく、別の要因とも絡み合っているケースが多くあります。例えば、従業員の個人情報に対する意識の低さや、業務上の規則を守っていないがゆえに炎上した場合、根本原因はそちらにありソーシャルメディアはそれが露呈するトリガーに過ぎません。 しかし、それらの間接的な要因となった違反行為も、情報リテラシーと紐づけて考えるべきだと思います。規則を守ってもらうことが重要なのはもちろん、「炎上」の要因にはある程度傾向があるので、そこから対策も導き出すことができます。 ネットリテラシー研修をしよう では、これらの従業員による「炎上」を防ぐにはどうすればよいでしょうか?ソーシャルメディアがこれほど普及した世の中、従業員に利用を全面禁止することは不可能です。やはり、従業員の情報リテラシーを高めることが重要です。 「ソーシャルメディア利用ガイドライン」を設けよう まず挙げられるのが、社内で「ソーシャルメディア利用ガイドライン」を設けることです。従業員によって、ソーシャルメディアに関する知識や危機感のレベルはバラバラです。やってはいけないこと、危険なことなどを明確にする必要があります。 ただし、従業員がガイドラインを守ろうとせず、形骸化してしまっては、結局「炎上」を未然に防ぐことは難しいでしょう。そこで次に必要になってくるのが、情報リテラシー研修です。 ガイドラインを形骸化させないための「情報リテラシー研修」 情報リテラシー研修では、従業員にガイドラインの中身を理解してもらうことはもちろん、自主的に守ろうという意識をもってもらうことが重要です。 炎上は他人事ではなく誰にも起こり得ること、ネットリテラシーを高めることが会社と従業員双方を守ることにつながることを理解してもらいます。また、知識だけでなく事例紹介などを通して個々が適切な判断ができるよう、考える力を養うことも必要です。 たった数十文字の書き込みで会社を危機に追い込んでしまう炎上。今や「従業員の自己責任」では済まされない状況です。会社のリスクとして認識し、その回避のため情報リテラシーの向上に取り組む必要があると思います。 参考: 「バイトテロ、ネット炎上を未然に防ぐ―― 今、求められるネットリテラシー教育とは」HRプロ 「新入社員に教えるべきこと、それは“ネットリテラシー”」ITmedia ビジネスオンライン 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 SNS炎上対策とケーススタディが学べるコンテンツを含む100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.07.20

分かりやすい業務マニュアルの作り方とは?作成手順を徹底解説

2023.07.20

分かりやすい業務マニュアルの作り方とは?作成手順を徹底解説

eラーニング

人事制度・組織づくり

ビジネススキル

「新入社員のために業務マニュアルが必要になったが、作り方が分からない」 「今の業務マニュアルの内容が分かりにくいと指摘されたが、改善方法が思いつかない」 業務の円滑な遂行には、マニュアルや手順書の作成が必要不可欠といっても過言ではありません。 しかし作る機会がそこまで頻繁にない業務マニュアルは、作り方のステップや理解を促すコツが分からないという声も聞かれます。 この記事では、業務マニュアルを作成する手順や、内容を伝えやすくするためのポイントを解説します。はじめて業務マニュアルを作成する方や、現在お使いの業務マニュアルを改善したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。 業務マニュアルを作るメリットとは? はじめに、業務マニュアルを作成することで得られるメリットを紹介します。 1-1.業務の品質が担保できる 業務マニュアルがあれば、業務の品質維持・向上が期待できます。 業務の進め方を各個人に任せてしまうと、それぞれが行いやすい手順で進められる反面、タスクの対応もれや品質が個人に依存してしまう恐れがあります。 業務マニュアルを作成すれば、誰でも一定の品質を保ちながら業務を遂行できるのです。 さらに、基準となるマニュアルがあれば各個人の達成度を明確化できるため、指導や評価を行うマネジメント層にも役立つでしょう。 1-2.業務の効率化ができる 業務の流れをマニュアル化することは、作業工数の削減や業務効率に寄与します。 マニュアルがなく業務の流れを説明すると、伝える側にも教わる側にも工数が発生することになるでしょう。作業開始後に業務プロセスを忘れてしまった場合にも、自己流のやり方で進めてしまったり、上長に質問したりしなくてはなりません。 業務マニュアルがあれば、レクチャーの工数を減らし、業務を効率化できる可能性が高まるのです。 業務マニュアルは、引継ぎ場面でも効果を発揮します。常に業務マニュアルの内容を最新化しておけば、異動が決まってから慌てて業務マニュアルを作る必要もなくなります。 作成手順 実際に業務マニュアルを作成するときの、一般的な5つのプロセスを紹介します。 2-1.マニュアルの範囲を決める 作成の準備段階として、業務マニュアルの適用範囲を決定します。 業務マニュアルの作成範囲を決めないまま作成を始めてしまうと、必要な業務がもれていたり、必要のない範囲までマニュアル作成したりする無駄が生じます。 作り直しの手間が発生するだけでなく、運用し始めても作業担当者に必要な情報がなく、効果を発揮しない可能性もあるでしょう。 あらかじめ作成するマニュアルで業務プロセスのどこまでをカバーするのか決めることが大切です。 2-2.作成スケジュールを決める 業務マニュアルの目的や範囲が明確になったら、続けてマニュアル作成のスケジュールを決定します。 「いつまでに、どのくらいの時間をかけて作成するか」という計画がなければ、ほかの業務に追われてマニュアル作成が進まないことや、必要以上に作成に工数をかけることにもなりかねません。 スケジュールの決定時には、併せてマニュアル作成に必要な工数や人材の数も見積もっておくとよいでしょう。 2-3.マニュアルの構成を決める 次にマニュアルの構成を決めます。マニュアル全体の目次や章立てを作るイメージです。 業務によっては「最初に全体像を示したほうが良い場合」「作業プロセスを順序立てて示したほうが良い場合」等のケースが考えられます。対象業務の理解を促しやすい構成を、あらかじめ決める必要があります。 構成ができあがった段階で、上長や他の作業担当者にチェックしてもらうと、作成の手戻りが発生しにくくなるでしょう。 2-4.マニュアルを作成する 実際に構成にそって、内容を埋めていきます。 業務プロセスに応じてマニュアル作成者が異なる場合は、書き方やスケジュールを含めて依頼を行ってください。 2-5.テスト運用・改善を行う マニュアルの作成を終えても、実際に運用しなければ使い勝手は確認できません。 そのため作成後にはテスト運用を行い、問題があればその都度改善を試みることが重要です。 範囲が広い業務のマニュアルなら、一定プロセスごとにテスト運用をして、内容の改善を行う方法も有効でしょう。 分かりやすい業務マニュアルのポイント 誰にでも分かりやすい業務マニュアルにするための、作成ポイントをお伝えします。 3-1.5W1Hを意識する マニュアルの内容は具体的、かつ初めて業務にあたる人にも伝わりやすいことが大切です。 具体性を出すためには、「いつ」「誰が」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」の5W1Hを意識して作成します。5W1Hはビジネスシーンにおける基本の考え方であり、他者に何かを共有する際には欠かせない視点です。 5W1Hを意識してマニュアルを作成することで、利用者が理解しやすいマニュアルになるでしょう。 3-2.見やすさを工夫する マニュアルはイラストや画像・動画等をうまく組み合わせることで、視覚的に分かりやすくなります。 文字だらけのマニュアルは、一目でポイントが分かりづらく、読んで理解するのに時間がかかります。もとより、読む気が起きずにマニュアルが使われないということも発生するでしょう。 昨今は、動画で業務マニュアルを作成するケースも増えています。 イラストや画像と比べると、動きを通じて内容を伝えられるため、読み手の理解を促しやすいメリットがあります。 3-3.誰でも分かるように簡潔に書く 業務マニュアルは、初めてその業務を行う人でも分かるように作ることが大切です。 業務経験のない新入社員でも、内容が理解できるようなマニュアルをめざしましょう。 専門用語や初心者が理解できない言葉はなるべく避け、誰でも分かる言葉で記載することが求められます。 仮に専門用語や業界用語を用いる場合は、注釈を入れるようにしましょう。 3-4.定期的に見直し・改善をする 業務マニュアルを作成したあとはそのまま使い続けるだけではなく、定期的に更新や見直しを行うことが大切です。 運用が変更になったにも関わらず、業務マニュアルが更新されないままだと、現場の混乱を招く原因になります。運用変更時の更新とともに、定期的な見直しの機会を設けましょう。 業務マニュアルのテンプレート例 マニュアルを作成する際に、一般的によく使用されるテンプレートを紹介します。いくつか確認をしてみて、自社の業務マニュアルにフィットしやすいテンプレートを見つけてください。 4-1.Microsoft Word・PowerPoint・Excelの開発元であるMicrosoft社が提供しているテンプレート集です。 Word版では、ビジネスレターや案内状のテンプレートが充実しており、PowerPoint版では背景のデザインが多く用意されているのが特長です。 Excel版では、業務経費報告書や請求書等、数字を扱った業務のテンプレートが多く用意されています。 Word:https://templates.office.com/ja-JP/templates-for-Word PowerPoint:https://templates.office.com/ja-JP/templates-for-Word Excel:https://templates.office.com/ja-JP/templates-for-Word 4-2.bizocean bizoceanは、ビジネスパーソンを対象とした『書式の王様』をはじめ、ビジネスに関連するコンテンツを提供しています。 マニュアルのテンプレートも充実しており、Word・PowerPoint・Excel版が用意されているのが特長です。 bizocean:https://www.bizocean.jp/doc/ 4-3.SILAND.JP SILAND.JPは、Word、Excelのマニュアルテンプレートが用意されています。 操作マニュアルや運用マニュアルの作成用テンプレートが充実しており、システムの操作方法や運用オペレーション等を伝えるときに活用できるでしょう。 SILAND.JP:http://siland.jp/ 業務マニュアルの活用事例 最後に、業務に求められる動きや必要知識をマニュアル化して活用している事例をご紹介します。ぜひ自社の状況と照らし合わせながらご一読ください。 5-1.ケアパートナー株式会社 介護施設内で使われる業務マニュアルと研修関連資料のペーパーレス化を達成した事例です。 ガイドラインやマニュアルをeラーニング化したことで、全国の介護施設の現場から「業務負担が減った」という声が多く寄せられたそうです。 eラーニングの動画を活用して通所介護事業所で提供している機能訓練である「マシントレーニング」の説明や案内を動画にしたところ、「分かりやすい」「OJTの手間が省ける」と好評だったようです。 ▶▶「ケアパートナー株式会社」事例を詳しく読む 5-2.スターティア株式会社 若手営業担当の育成、社内ノウハウの共有を、DX改革としてクラウド上で展開した事例です。 ヒューマンリソースによるマネジメント裁量の若手営業教育が限界になっていた同社。モバイルで効率的に学べるシステムを検討していたそうです。 わずか2名の体制で週2本のコンテンツを公開し、現場の課題に即した企画も採り入れていきました。 初年度で受講率約85%を達成し、他部門への展開で全社的なプロジェクトになったそうです。 ▶▶「スターティア株式会社」事例を詳しく読む 5-3.セゾン自動車火災保険株式会社 リモート研修の需要に合わせ、研修理解度が把握できるeラーニングシステムを構築した事例です。 対面とオンラインで交互に学ぶ新しい研修スタイルを実施しました。研修受講者の学習を促すため、「チャレンジ問題」「リベンジ問題」と称して、同じ問題を2回解くようコースを組んでいます。 1年間で理解度をはかるテストにおける平均が80点となり、また研修時間も2,800時間削減することができ、外部機関からも表彰されたそうです。 ▶▶「セゾン自動車火災保険株式会社」事例を詳しく読む まとめ 業務マニュアルがあると、業務の属人化を防ぐことができ、効率化や品質担保に効果があります。 使う側にとって分かりやすい内容にする必要があるため、あらかじめ作成手順やコツを把握してから着手するようにしましょう。 昨今は動画で動きを取り入れた業務マニュアルも、業務担当者の理解を促しやすいと評判になっています。 自社で使いやすい業務マニュアルの作成方法を探し、現場で活用しやすいマニュアル制作を心がけてください。 eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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