仕事上のミスを謝罪するときの3つの注意点

2024.03.19

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仕事上のミスを謝罪するときの3つの注意点

仕事のミスは、誰もが経験するものです。同僚や上司、または他部署や取引先など周りに迷惑をかけてしまい、謝罪が必要となったときは、どのようなことに注意すべきでしょうか。

ミスに気づいたら「すぐに謝罪」

仕事は人と人との関わり合いで成り立つものなので、ときにはトラブルやハプニングが発生することもあります。もし、自分がミスを犯してしまった場合は、「すぐに謝罪」するのが鉄則です。ミスの重大さにもよりますが、顧客や取引先にまで影響が及んでしまったときは、すぐにアポを取って直接出向いて謝罪するのが一番誠意の伝わる方法でしょう。対面で謝罪できない場合は、メールに加えて電話でも謝罪の気持ちを伝えることが大切です。すぐに対応しないと、時間が経てば経つほど相手からの信頼や評価は下がってしまいます。

謝罪をする際の注意点

謝罪するときには、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。以下で確認してみましょう。

言い訳から始めない

いきなり言い訳から始めると、相手の心象はますます悪くなります。まずは自分のミスを素直に認め、真摯に謝罪の気持ちを伝えてください。自分の保身に走ったり、他人や他部署に責任転換をしたりするのは禁物です。

相手の立場に立って言葉を選ぶ

謝罪の相手が注目しているのは、こちらが犯したミスによって生じた影響をきちんと把握・理解しているかどうかです。つまり、謝罪の場では相手の立場に立った言葉が求められます。そこをおろそかにしてしまうと、その場では謝罪を受け入れてくれた相手でも、内心は「わかっていない」と感じているかもしれません。

こちらの落ち度を冷静に説明する

「自分だけの責任ではない」などというようなニュアンスが言葉の端々に感じられると、相手はますます気分を害してしまいます。どのような間違いがあったのか、客観的な説明に徹することが大切です。

自分の責任のみに言及する

直属の部下が犯したミスであっても、謝罪の場で言及するのは上司である自分の責任に留めるべきです。ミスをした当事者の話が中心になると、責任転換と受け取られてしまいます。他者を引き合いに出してはいけません。

謝罪の言葉に加えて、今後の対応策や同様のミスを防止する改善策を提示することも大切です。

ほかのビジネスマナーについては、「クライアント先へ訪問する前に確認したいビジネスマナー」もご覧ください。

お詫びをするときの話し方

前述の注意点をふまえ、お詫びをするときの話し方をNG例とともに紹介します。

自分のミスで謝罪する場合

NG例:「ご不快な思いをさせて申し訳ございません」
OK例:「私の確認不足でご迷惑をおかけして申し訳ございません」
「不快」などの言葉を使うと、相手の心象をさらに悪くしてしまいます。ミスそのものについて謝罪しましょう。

部下のミスで謝罪する場合

NG例:「部下には何度も注意したのですが……」
OK例:「私の管理が行き届かず、申し訳ございません」
部下の責任には言及せず、上司としての自分の責任について謝罪します。部下に責任を押し付けるような言い方は、自分への信頼をも失いかねません。
部下への接し方については、「管理職に就いたら部下の信頼をどう獲得する?」でも詳しくご覧いただけます。

謝罪をする際は話し方だけでなく、服装や声の出し方、相手の目を見るなどの振舞いにも気を配らなければなりません。さらに、相手先に出向く際は手土産を用意するといいでしょう。

謝罪の仕方であなたの力量が試される

どのような謝罪をするかによって、あなたのコミュニケーションスキルやビジネスパーソンとしての力量が測られるといっても過言ではありません。さらには、今後の取引関係や人間関係も左右するでしょう。社会人として、きちんとした謝罪の仕方を身に付けたいものです。

最近では、ネットでの「炎上」が深刻な事態に至るケースがあるため、社員へのネットリテラシー教育を進める企業が増えています。また、社会人としての意識が十分ではない新入社員に向けた教育も重視されています。詳しくは、次の記事もご覧ください。

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2023.07.25

管理職に必要な3つのスキルと高め方とは

2023.07.25

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人材教育

企業の業績向上、社員の成長、組織の風土形成・・・・・・。管理職が担う責務は多岐にわたります。 そのような重責を担う管理職ですが、あらためて何のスキルが必要かと問われると、具体的にはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。 研修をはじめとした人材開発施策を企画するとしても、まずは管理職に求められる基礎的なスキルを把握する必要があります。 今回の記事では、業種や職種をまたいで、どのような企業でも共通となる管理職としての必要なスキルを取り上げます。スキルの解説だけでなく、スキルの高め方や階層別研修まで紹介するので、参考にしていただければ幸いです。 1.管理職の役割とは 管理職に必要なスキルを考えるためには、まず管理職が担う役割を理解する必要があります。 ここでは一般的に管理職が企業内で果たすべき役割を3つ紹介します。 1-1.業務管理・成果の創出 管理職は自分がマネジメントする組織の業務を適切に管理し、そのうえで求められる成果を創出する役割があります。 一般社員は、自分が担当する業務を確実に遂行することが求められます。一方、管理職はメンバーが担うそれぞれの業務の進捗を把握して、組織全体の業務管理をする必要があります。 個別業務の遂行だけではなく、組織全体を見渡すことが求められているのです。 また、管理職は会社経営の視点も必要となるため、担当組織が会社に対してどのような成果を出せるかを考えることが重要です。さらには自組織だけの成果を創出するだけでなく、ときには隣の部署や上層部と調整をしながら、成果を生み出すことも必要でしょう。 このように、管理職には組織や会社全体の状況を把握したうえで、業務管理や成果創出を担う役割があります。 1-2.メンバーの育成 担当する組織メンバーの成長を支援することも、管理職の重要な役割のひとつです。 管理職として組織をまとめ、成果を出すためには、メンバー一人ひとりが持てる力を発揮することが前提となります。 そのため、管理職は自組織のメンバーの様子を常々気にかけて、把握しておかなければなりません。 仮にメンバーが能力やスキルを発揮しきれていない場合は、原因を特定し、必要な支援を行います。能力面だけでなく、メンバーが悩んでいる場合は相談に乗る等して、メンタル面のケアも求められます。 部下の強みや弱みを把握したうえで、能力が発揮できるチャンスを与えたり、キャリアアップのためのサポートをしたり、管理職はメンバーを育成していかなければなりません。 1-3.経営者層と一般社員の橋渡し 管理職は、会社内において経営者層と一般社員との間に位置するポジションです。 自分の組織のマネジメント視点に加え、常に経営側の視点からも物事を見ることが求められます。もちろん、組織メンバーの目線も忘れてはなりません。 経営側の立場やメンバーの立場を理解したうえで、経営側と一般社員側の橋渡しをするのが管理職の役割です。 社員がそれぞれ異なる方向を向いていては、会社全体の利益を最大限まで引き上げることは難しいでしょう。 管理職は会社の経営理念や方針を、一般社員が理解できるようにしっかりと伝え、組織としての目線をそろえながら働けるよう導かなければなりません。 このような橋渡しの役割を管理職がしっかりと担えれば、一般社員も目の前の仕事だけではなく、経営層と同様の広い視野を持って業務にあたることができるでしょう。 2.【カッツ教授が提唱】管理職に必要なスキル 管理職の役割を果たすためには、実に多くのスキルが求められます。 管理職といっても、会社のなかにはさまざまな階層の管理職がいるだけでなく、部門や職位により役割は異なります。しかしどの階層でも「部門目標の達成」と「部下・後輩の育成」は求められます。この役割を果たすために必要なのがマネジメント能力です。 このマネジメント能力もまた階層によって求められるスキルは異なります。 ハーバード大学のロバート・カッツ教授は、自身の論文で、管理職の階層に応じて求められるスキルを「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」の3つに分けて提唱しました。これが「カッツモデル」と呼ばれる3つのスキルです。 この3つのスキルについて、ここから詳しく紹介していきます。 3. 管理職に必要な3つのスキルの具体的な内容 3つのスキルは、どれかが秀でていればマネージャーとして優れている、という訳ではありません。 自分が担う業務分野や会社の方向性によって、どのスキルがより必要になるか考えながらご一読ください。 3-1.テクニカルスキル テクニカルスキルは業務遂行能力のことで、業務を遂行するために必要となる知識や技術に関するスキルです。 例えば、自社が扱っている製品・サービスに関する知識や技術や業界の知識、業務プロセスに熟達していることがテクニカルスキルに該当します。細かく区分していけば、情報収集力、分析力、プレゼンテーション力等も含まれます。 テクニカルスキルは、管理職のみならず若手社員でも重要視される傾向があるでしょう。 3-2.ヒューマンスキル ヒューマンスキルは対人関係能力のことで、仕事上の人間関係を構築するうえで人を観察・分析し、望ましい働きかけを選択・実行するスキルです。 管理職の場合、多くの関係者と関わりながら仕事をしていきます。 メンバーマネジメントだけでなく、メンバーの上司として顧客や取引先、あるいは会社の経営層と対峙する場面も多いものです。 人と関わりあって成果を出すためには、相手の意向を的確に把握し、適切な提案や解決策を提示する対応が求められます。また、組織間に対立や摩擦が生じたとき、折り合いを付ける調整機能も管理職の役目です。 仕事では、経営層や部下・同僚、顧客や取引先等多くの人と関わります。必ず誰かと関わって仕事を進める側面があるため、このスキルも幅広い階層に求められるでしょう。 3-3.コンセプチュアルスキル コンセプチュアルスキルは概念化能力のことで、全体感を持ち、思案作業から具体的な将来像を描き、解決策を導く能力に関係するスキルです。 例えば、伝わりやすい方針やビジョンを描いたり、現在の環境を分析して計画を立てたり、問題を解決する能力全般がコンセプチュアルスキルには含まれます。 業務上でトラブルが発生したとしても、管理職に本質的な課題をとらえる能力が備わっていれば、速やかに問題を解決に導くことができます。 変化が激しく先行きの見通しがききにくいVUCAの時代といわれる昨今では、より重要性が増しているスキルといえるでしょう。 5.管理職階層によって必要となる3つのスキルの違い 前述した3つのスキルを、階層ごとに比重分けしたのが下の図表です。 ローワーマネジメント(リーダー層)、ミドルマネジメント(幹部層)では、主としてテクニカルスキルとヒューマンスキルが求められ、トップマネジメント(経営層)に進むにつれ、コンセプチュアルスキルのウエイトが高まるとされています。 つまり、上階層になるほど総合判断や問題意識、問題解決の能力が求められるということになります。 注目すべきは、「ヒューマンスキル」は常に同比率であるという点です。管理職である以上、部下を育成しマネジメントしていくためには、人間関係を構築し、部下の働きを観察、分析できなければ部下はついてこないということでしょう。 4.管理職に必要となるスキルの高め方 管理職に必要なスキルは、実践を通じて開発できます。ここでは管理職の業務を行いながら、意識的にスキルを高めるポイントについて解説します。 人事部門主導で管理職のスキル開発する際も、このような現場の仕事とスキルを接続する観点を持つことは意味が大きいでしょう。 4-1.リーダーシップを発揮する 自組織の方針を伝える、メンバーを指導する等マネジメントの各場面で「自分がリーダーである」という自覚を持つことで、リーダーシップが発揮されやすくなります。 また、組織業績の振り返りや成功・失敗のパターン分析を理論的にまとめることで、リーダーとしての説得力が増す効果もあります。 「シェアド・リーダーシップ」「サーバントリーダーシップ」「オーセンティック・リーダーシップ」等、ビジネス環境に応じた「○○リーダーシップ」と呼ばれる理論は数多く存在します。 まずはどのようなリーダーシップを開発するかの目標を定め、意識的にスキル開発を進めるとよいでしょう。 4-2.コミュニケーション力を鍛える コミュニケーションをさらに紐解くと「対人間での情報共有や意思の疎通」のことです。コミュニケーション能力は、それらをスムーズに行うことができる力のことです。 この力を鍛えるうえで大事な観点は「コミュニケーションは双方向のもの」ということです。 コミュニケーション能力を高めようとすると、「いかにうまく相手に伝えるか」を意識しがちです。 相手への情報伝達だけでなく、「相手からの情報をいかに上手に・的確に受け取るか」という観点も持っておきましょう。 コミュニケーション力に苦手意識がある方は、いきなり情報発信を訓練するより、相手の話を「聴く」訓練をする方がやりやすいでしょう。 また、自分が「この人はコミュニケーション力が高い」と感じる身近な人を観察するのも効果的です。 4-3.課題解決力を鍛える 課題を解決するには、何が課題なのかを把握する能力が必要です。 課題解決力は、一朝一夕には身に付きにくいスキルといえます。発生した課題に対して「なぜこうなったのか」「どうしたら解決できるか」と真摯に向き合う姿勢が重要です。真摯に課題に向き合って対応した結果、課題解決力が鍛えられていくのです。 日常的に「なぜ?」「どうして?」と問いかける習慣をつけ、物事の意味や背景を考えて分析するような思考の癖を身に付けましょう。 ただし実際の業務を通じて課題解決力を鍛えようとすると、ややもすると仕事の失敗にもつながりかねません。意図的にスキル開発をしたい場合は、研修等Off-JT(Off-The-Job Training)の場を活用することも推奨されます。 6.管理職向け階層別研修のポイント ここまで3つのスキルを紹介しましたが、具体的にこれらを育成する最適な研修内容はどのようなものでしょうか? 管理職に求められるスキルは階層により異なるので、すべての管理職で同じ内容の研修を行っても意味がありません。職位や人事制度上の等級や組織上の階層ごとに分けて実施する「階層別研修」が理想的です。 階層別研修では、それぞれの階層ごとに必要とされる能力や知識、態度の習得や、期待される役割を自覚させることを目的に実施されます。 「カッツモデル」の3つのスキルに当てはめると、 テクニカルスキル 会社や自部門の業務についての基礎知識や、商品・サービスに関する知識、業界知識等を習得する。 ヒューマンスキル 社員に対する理解やリーダーシップ、部下育成や評価、コミュニケーション能力を習得する。 コンセプチュアルスキル 総合判断や問題意識、問題解決の能力、調整力を身に付ける。 等が挙げられます。 つまり、ローワーマネジメントでは「テクニカルスキル」と、「ヒューマンスキル」を向上できる研修。 ミドルマネジメントでは「テクニカルスキル」は減少しつつも「コンセプチュアルスキル」の基礎と「ヒューマンスキル」を学べる研修。 トップマネジメントではより「コンセプチュアルスキル」に寄った内容と「ヒューマンスキル」を向上できる研修が望ましいと考えます。 7.まとめ 階層別研修では注意すべきことがあります。それは「人事制度上の等級は下だが、年齢は上」という「年上部下」が当たり前になりつつあることです。 年上部下に指示を出したり、部門方針に従わせたりすることは、上から目線で嫌がられるのではないか、あまり管理をしない方がよいのではないかと考えがちです。 いくつになっても人は「他者から認められたい」と願うもの。年上部下に対しても存在承認することが、管理職の重要な仕事です。その「存在承認のやり方」を、年下の部下と変えて行うだけです。 まずは相手の話をよく聞いて理解する「ヒアリング」力を向上させるところから始めてみましょう。自分の話を聞いて理解してくれていると感じると人間関係が良好になり、信頼関係が生まれます。これこそマネジメントする側に必要とされるスキルで、生涯、継続して向上させていくべき「ヒューマンスキル」だと考えます。 eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.07.12

知ると便利!後輩指導で使える「コーチングスキル」

2023.07.12

知ると便利!後輩指導で使える「コーチングスキル」

ビジネススキル

人事制度・組織づくり

人材教育

新入社員を迎えて、初めて後輩の面倒を見る立場となったとき、先輩としてどのように接し、指導したらよいかと悩むところです。そんなときに知っておくと、後輩指導がスムーズに運び、先輩としての格もあがるのが「コーチング」(coaching)スキルです。 相手の力を最大限に引き出すコーチングとは? コーチングとは、相手が本来持っている能力やスキル、本人も気づいていないポテンシャルを最大限に引き出し、パフォーマンスを向上させる人材開発手法のひとつです。コーチは相手の話に耳を傾け、その考えや主張を承認したり、相手が自ら答えを導き出せるような質問をしたりすることで、自発的にパフォーマンスを高め、目標を達成させる手助けをします。 スポーツでは、素質に恵まれた選手が優秀なコーチの指導のもとで初めてその才能を開花させ、世界で活躍するという例がよくあります。サッカーや野球といった団体競技でも、監督やコーチ陣の指導があってこそ、各選手の才能がチームプレーに活かされます。職場でも同様に、上司やリーダー、先輩の立場に立つ者が優秀なコーチとして力を発揮することで、部下や後輩がより活躍しやすい環境を整えられるのです。 コーチングを成功させる4つのポイント 後輩の指導で使える具体的なコーチングのポイントを、以下に挙げてみましょう。 話をよく聞くこと コーチングは相互コミュニケーションなので、コーチはただ指示を出せばいいというわけではありません。 話し手が自分は受け入れられているという安心感を持てるように、相手の言葉に耳を傾けることが大切です。 また、適宜相づちを打ち、話を促すように問いかけることで、相手にとって話しやすい関係を築けます。 フィードバックで信頼関係を築く こまめなフィードバックも欠かせません。 後輩がプロジェクトの成功に貢献したり、陰ながらいい仕事をしたりしたときは都度評価をし、また、失敗したときにはさりげなくフォローをします。 「自分を見てもらえている」「働きを評価してくれる人がいる」という「承認」を相手に与えることが大切。こうした承認行動は信頼関係の基礎となり、チーム力のアップにもつながるのです。 相手に考えさせる質問で自律性を磨く 相手がするべきことを手取り足取り教え、従わせることがコーチングではありません。 むしろその逆で、自ら気づき、考え、行動に移す自律性をつけさせることでパフォーマンスの向上を図るものです。 そのため、質問のしかたにも工夫が必要です。例えば、遅刻癖のある後輩にあなたはどう声をかけるでしょうか。 「どうしていつも遅れるの?」と問い詰めるだけでは、効果は期待できません。 それより、「どうしたら遅れないようになると思う?」と聞くことで自発的に解決法を考え、実行できるように導くことが大切なのです。 相手のタイプに応じてアプローチを変える 同じ言葉をかけても、受け取り方は人によってさまざまです。 そこで、相手の性格によって接し方を変えていく必要があります。参考にしたいのが、人の性格を9タイプに分類する性格応用心理学「エニアグラム」です。 以下にその9つのタイプをまとめましたので、普段から後輩を観察してタイプを見極め、対応を変えることを心がけてみましょう。 タイプ1 完ぺき主義者 特徴:まじめで責任感が強く、すべて完璧にこなしたがる。 コーチングポイント:日ごろのひとつひとつの努力を評価する。息抜きの仕方を教える。 タイプ2 世話好きな人 特徴:世話を焼き、人を助けることを好む。 コーチングポイント:その行為を褒める。自己犠牲のし過ぎに注意を向けさせる。 タイプ3 成功を追い求める人 特徴:結果第一主義で、挑戦意欲が強く行動力がある。 コーチングポイント:能力や実績を褒める。ときには、結果より周囲との関係の大切さを気づかせる。 タイプ4 特別でありたいと思う人 特徴:感情的でクリエイティブ、自己表現欲求が強い。 コーチングポイント:個性を尊重する。チームプレーの重要さを説く。 タイプ5 知識を得て観察をする人 特徴:知識が豊富で思慮深く、客観的判断ができるが、理屈っぽくクール。 コーチングポイント:論理的な話を心がける。他人への気配りや共感力を伸ばす。 タイプ6 慎重で安全を求める人 特徴:几帳面で慎重かつ保守的、忠誠心が高い。 コーチングポイント:慎重さのあまり考えすぎるので、細かく指示を出す。 タイプ7 楽しい至上主義な人 特徴:アイデアが豊富で、行動力はあるが長続きしない。 コーチングポイント:長所を伸ばす。地に足をつけて取り組む姿勢を身につける。 タイプ8 自己主張が強いチャレンジャー 特徴:他人との衝突を恐れず、リーダーシップを発揮できる。 コーチングポイント:自主性を尊重して任せる。妥協や協調の精神を学ばせる。 タイプ9 調和を好むマイペースな人 特徴:調和を愛し、他人との衝突を好まず協調性に富む。 コーチングポイント:プレッシャーをかけず、話をよく聞く。マイペースに取り組ませる。 後輩指導にあたって注意すべきポイント コーチングを後輩指導に活用する際には、次の点に注意することが重要です。 相手の立場に立つ 後輩の立場に立ち、相手の目標や課題に共感することが大切です。自分自身が経験したことを押し付けるのではなく、相手自身が答えを出すことを促すことが求められます。 質問を用いたコミュニケーション コーチングでは、質問を通じて相手の考え方を促すことが重要です。質問を通じて相手自身が答えを出すことで、自己効力感を高めることができます。後輩指導においても、質問を用いたコミュニケーションを心がけることが大切です。 フィードバックの与え方 後輩に対してフィードバックを与える場合は、具体的かつ具体的な内容を伝えるようにしましょう。フィードバックを受け取る側がどのように改善すれば良いのかを明確に伝えることが大切です。また、フィードバックを与える際には、相手の成長に繋がるようなポジティブなフィードバックを心がけることも重要です。 モチベーションの維持 後輩指導を行う場合には、相手のモチベーションを維持することが重要です。自己成長を促すためには、相手のやる気を引き出すことが必要です。自分自身で目標を設定し、それに向かって行動することができるよう、アクションプランを立てることが求められます。 評価の仕方 後輩指導においては、評価の仕方も重要です。成長のためには、適切な評価が必要です。しかし、適切な評価を行うためには、事前に目標や基準を共有しておくことが必要です。また、フィードバックを与える際には、具体的かつ建設的な内容にするようにしましょう。 後輩指導にはコーチングスキルを磨こう コーチングは対話を通して相手に気づきやきっかけを与え、やる気や可能性を引き出すコミュニケーション手法です。先輩として後輩指導にあたるときに備え、コーチングスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。 今どきの新入社員の育て方については、以下の記事でもご覧いただけます。 いまどきの新入社員をどう育てる?教育法と注意点 人材育成における課題―新入社員が育つ環境とは? 採用・研修担当者必読!今どきの若者の働く意識を解読 こちらの記事も読まれています: 管理職に求められる3つのスキル 若手社員のモチベーションを上げるには? 参考: The Nine Enneagram Personality Types|The Enneagram Institute eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 部下の指導にも活用できるコーチングスキルを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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あなたは、「人は変われる」という考えの持ち主ですか? それとも「人は変わらない」と思いますか? どちらかによって、リーダーとしての資質に差が出てくるといいます。 成長のチャンスを奪う「決めつけ」「思い込み」 部下が期待に応えられなかったり、何度言っても失敗を繰り返したりすると、上司が「成長の見込みなし」というレッテルを貼ってしまうことがあります。こうした上司の思い込みが部下への態度にも表れると、その部下のモチベーションは著しく低下し、業績も下降。離職にもつながりかねません。 このように、他者への思い込みが行動や言動に反映することで、それが現実になってしまうことを、心理学では「自己達成的予言」と呼びます。 成長をサポートできるかどうかは「リーダーシップ」の問題 指導する立場にある人が「この部下は変わらない」と決めつけることは、「成長のサポート」というリーダーシップにおける重要な役割を放棄しているのと同じです。こうした見解は、さまざまな大学研究でも検証されています。 「人間は変われる」と考える上司は部下の成長を信じている 米サザンメソジスト大学の研究では、「人間の性質は生来のもので変わらない」と考える上司と、「人間は変われる」と考える上司が、それぞれの部下にどのように接するのかを調べました。その結果、「変わらない」と考える上司は部下のスキルアップに関心がなく、成長をサポートすることに熱心ではなかったそうです。一方で、「変われる」という信念を持つ上司は、フィードバックを怠らない、新しい課題へのサポートを惜しまないといった、部下の学習能力と成長を信頼しているという結果になりました。 「人間は変わらない」と思い込んでいる上司は部下の変化に気付かない また、別の大学研究によると、「部下は変らない」という固定観念を持つ上司は、成長、後退を問わず部下の変化に気づきにくいといいます。そのため、頑張りに気づいてもらえない従業員のモチベーションが低下し、離職につながるケースが多いそうです。一方で、部下の成長を信じる上司の下で働く部下は、成長への意欲と仕事への満足度が高く、離職率が低いという結果が出ています。 「人は変われる」という思考は、リーダーに求められるヒューマンスキル 部下の成長を信じて指導することは、リーダーに必要な能力のひとつです。「部署の環境はリーダー次第!?」でもご紹介したように、優れたリーダーシップを発揮するには、技術や知識、問題を解決に導く能力だけでなく、高いヒューマンスキルが必要になります。組織の上階層になればなるほど、こうしたヒューマンスキルを磨く努力が求められるのです。 リーダーシップ、部下指導についての具体的な方法については、「部下の主体性を引き出すリーダーの資質「サーバントリーダーシップ」とは」「知っておきたい!初めての後輩指導で使える「コーチングスキル」」「管理職に求められる3つのスキル」もご覧ください こちらの記事も読まれています: 社員の能力を伸ばすためにすること チームのモチベーションが上がらないのには理由がある「チームビルディング」がつくる強いチーム 参考: People Won’t Grow If You Think They Can’t Change|Harvard Business Review  KEEN TO HELP? MANAGERS’ IMPLICIT PERSON THEORIES AND THEIR SUBSEQUENT EMPLOYEE COACHING|Wiley Online Library   Do Subordinates Formulate an Impression of their Manager’s Implicit Person Theory?|Wiley Online Library   低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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