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2024.06.13

企業向けeラーニングの選び方|20社一覧を徹底比較【早見表付】

2024.06.13

企業向けeラーニングの選び方|20社一覧を徹底比較【早見表付】

人材教育

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eラーニングシステムを提供する企業は60社以上もあると言われており、選ぶ側からすればかなり迷います。 導入を検討する前に、なるべく多くのeラーニングシステムについて知っておくことで、自社に最適なシステムを検討しやすくなります。 本記事ではeラーニングシステム20社の一覧をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 企業向けeラーニングの比較検討 4つのポイント eラーニング製品を比較検討する際に確認すべきポイントをまとめます。 1.システム(クラウド型/オンプレ型) eラーニングのシステムには、自社のサーバーに置かれた教材コンテンツにアクセスする「オンプレミス型」と、業者のサーバーに置かれたシステムやアプリケーションにアクセスする「クラウド型」があります。 中小規模の企業では、初期投資を抑えつつ比較的短期間で導入でき、サーバー管理の手間も省けるクラウド型を選択するケースが多いようです。 高いセキュリティを求める企業や独自のカスタマイズを希望する企業ではオンプレミス型が選択されています。 2.汎用コンテンツのラインナップ/独自コンテンツ制作機能 eラーニングを自前で制作するのか、販売されている既製コンテンツを購入して活用するのかを決めておきます。 自社の人材育成における目標を達成するために必要なものを検討しましょう。 既製コンテンツであれば、ラインナップ・契約期間・料金などを確認します。 より自社の業務に即したコンテンツが必要であれば、オリジナルeラーニングを内製できる機能を持つシステムを選び、コストや操作性を比較検討してみましょう。 3.操作性 受講者の学習の進み具合や理解度を把握しなければなりません。 最もeラーニングシステムを操作するであろう管理者として使いやすいか?という点を見ておきましょう。 日常業務の負担とならず、見たいデータを抽出したり分析する操作が簡単にできるかどうかは非常に重要です。 特に独自コンテンツを内製する場合は、迷わず作りやすいシステムになっているかも重視しておくべきでしょう。トライアルを行って実際に利用してみると、より操作性に対する評価もしやすくなります。 4.導入コストとランニングコスト オンプレミス型はLMS(Learning Management System)などのシステム開発費、コンテンツの製作費、導入後の運営費などの予算確保が必要です。 クラウド型はシステム構築費用はかかりませんが、受講人数やコースによって利用料金が変わってきます。 また、ITスキルや語学のような汎用コンテンツを利用するのか、業務に即した独自のコンテンツを内製するのかによって、コストや選ぶべき製品が変わってきます。 導入時のイニシャルコストだけでなく、数年にわたって運用する際にかかるランニングコストを把握しておくことも比較検討する上で重要です。 企業向けeラーニングシステム20社徹底比較 eラーニングシステム20社の特徴・コンテンツ・料金を早見表で作成しました。 製品名 主な特徴 コンテンツ受け放題 料金 Cloud Campus ユーザ登録無制限で低コスト!大企業に選ばれるeラーニングの決定版 あり 月額固定 AirCourse 月額200円/名〜で動画研修が受け放題! あり ID単価 ひかりクラウド スマートスタディ eラーニングプラットフォームで変わる社員研修・情報共有 なし ID単価 UMU パフォーマンス直結型AI学習プログラム プラットフォーム なし ID単価 eden LMS 簡単運用・システム管理不要・どこでも受講 シンプルで、柔軟 なし ID単価 月額固定(同時視聴制限あり) etudes 圧倒的に使いやすい学習管理システム(LMS)で人材育成をオールインワンでサポート あり ID単価 Smart Boading OJTも研修もeラーニングも「社員教育」をこの1つで実現 あり ID単価 SAKU-SAKU Testing 様々な教育やテストが簡単に運用できる「管理者」の使いやすさが圧倒的なシステム なし ID単価 LearningBox eラーニングに必要な機能が揃った学習管理システム あり 月額固定 LearningWare ユーザの要望に応える圧倒的な多機能 あり ID単価 学び~と ICT教育向けeラーニングシステム なし ID単価 KnowledgeC@fe 富士通の学習管理システム あり ID単価 playse リーズナブルな導入費で、しっかり人材育成を あり ID単価 Seculio 情報セキュリティ対策をかんたんに 従業員の現状調査から教育・訓練まで あり ID単価 LearnO(ラーノ) 月額4,900円の業界最安値帯料金から提供 なし ID単価 Teachme Biz 手順が見える、伝わる、拡がるマニュアル作成・共有システム なし ID単価 CAREER SHIP eラーニング、研修管理、スキル評価… 人材育成の全てを、これひとつで あり ID単価 Leaf 載せ放題、見放題の 圧倒的に安い”次世代型”LMS あり ID単価 Schoo 「一生学べる学校」 あり ID単価 KnowledgeDeliver 教材作成~学習~運用管理をこれ1つで なし ID単価 各社それぞれの特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。 *詳しい情報につきましては各社の公式サイトをご確認ください。 Cloud Campus 株式会社サイバー大学(ソフトバンクグループ)が提供するeラーニングシステムです。フルオンライン大学の運営に使われるシステムでもあり、安定稼働・セキュリティ面の基準をクリアしています。 一番の特徴はユーザ登録数無制限&月額固定です。ユーザ数が多くなるほどコストメリットが出せる設計で、1,000人が利用すると1名あたり70円~と非常に安くeラーニングを運用できます。そのため大手企業の多くが利用している実績も多数あります。 動画制作ツールも標準機能としてあり、ITに詳しくない人でも直感的に操作できるので管理者に優しいシステムです。 また、100コンテンツ以上が見放題となるオプション(見放題コンテンツパック100)もあり、すぐにeラーニングの運用が行えます。 >>Cloud Campusについて詳しく見る AirCourse KIYOラーニング株式会社が提供するeラーニングシステムです。 既製品の教材750コースが受け放題であることに加えて、自社オリジナルの教材を簡単に作成できます。既にあるコースとオリジナル教材を組み合わせて運用したい方向けのサービスと言えます。 1,000名以上の利用で1人あたり200円で利用できるので、コストを抑えた運用も可能です。 ひかりクラウド スマートスタディ 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)が提供するeラーニングシステムです。 どれだけ動画を保存しても、配信しても、毎月定額で利用ができます。研修のタイミングによって使用していないIDを休止することができ、その分のコストを下げて運用することが可能です。 契約企業専用のカスタマーサポートも用意されており、操作・利用方法の不明点を問い合わせすると、順次担当者が対応してくれます。充実したカスタマーサポートで安心して運用できる点が魅力です。 UMU ユームテクノロジージャパン株式会社が提供するeラーニングシステムです。 UMUはライブ配信学習によるパフォーマンス型双方向ラーニングプラットフォームと呼ばれています。 ライブ配信、マイクロラーニング、AIコーチングなどの双方向学習のトータルサポートにより、従来の一方向学習の課題を解決するとともに、受講者参加型の学習の推進を実現できます。 誰もが教え手にも学び手にもなることができ、インタラクティブな学習設計を、手軽な操作で実現可能です。 eden LMS エデン株式会社が提供するeラーニングシステムです。 eden LMSは技術的な知識なしでパワーポイントや動画などから、効果的な学習教材を簡単に配信可能です。AIによるナレーション追加や字幕追加にも対応しています。 集合研修や実技の講習など、オフライン実施教育における受講履歴管理や参加者募集も可能です。また、人事評価や職歴といった項目の管理もできるので、人材育成全体に関するデータを一元管理できます。 初期費用は0円、ユーザー数も1か月単位で変更できる柔軟な契約が可能で、人事には嬉しい点が多く盛り込まれています。 etudes アルー株式会社が提供するeラーニングシステムです。 自律的なプロフェッショナル人材が育成できるeラーニング教材と、初期費用ゼロの手軽さ、 個人情報を守る強固なセキュリティが選ばれる理由です。 Microsoft Azureの採用で、強固なセキュリティ対策を実現。動画もストリーミング方式の採用でファイル漏洩の心配もありません。 無理なく継続的に使えるシステムとなっており、人材育成のスムーズなDX化に活用されています。 Smart Boading 株式会社FCEトレーニング・カンパニーが提供するeラーニングシステムです。 OJTも研修もeラーニングも「社員教育」をこの1つで実現することをコンセプトにしています。 ライブ型のオンラインレッスンがあって動画で学んだことをその場でプロの講師や他企業の参加者と一緒に、その場で「やってみる」ことができます。 自社内では受けられない、新鮮なフィードバックや、プロ講師からの的確なコミュニケーションにより、理解し、身に付けるまでトレーニングが可能です。 単なるシステム提供ではなく、本当に社員が育つ社員教育を実現するための仕組みを考えた点が人事担当者の好評を得ています。 SAKU-SAKU Testing 株式会社イー・コミュニケーションズが提供するeラーニングシステムです。 CBT(Computer Based Testing)の技術と実績を基に開発されており、様々な教育やテストが簡単に運用できる「管理者」にとって使いやすいシステムです。 「マニュアルを見たけど操作ができない」「何から始めたらいいかわからない」など、運用障壁となる複雑さはなく、だれでも簡単にテストの作成・運用が可能です。 企業内の教育のみならず、検定・資格試験団体の通信講座や、会員様向け教育のプラットフォームとして活用されています。 LearningBox learningBOX株式会社が提供するeラーニングシステムです。 教材作成、問題・テスト作成、採点・成績管理など、eラーニングに必要な機能が揃った学習管理システムはもちろん、メッセージボックス、管理機能・設定、多言語対応(日本語・英語)、EC機能など機能面が充実しています。 また、100アカウントでも年間33,000円から利用できるコスパの高さも魅力。10アカウントまでなら期間無制限・無料で利用できるので、ランニングコストを抑えた上でトライアルも行うことができます。 LearningWare 株式会社プロシーズが提供するeラーニングシステムです。 20年以上にわたり、企業研修から、代理店・フランチャイズ研修、学校教育・研修ビジネス・オンライン講習・オンライン試験まで幅広く活用されています。 導入した企業からのお声の中で一番多いのが「使いやすい」とのことで、受講者にも、管理者にも使いやすいように作られています。 「3社以上のご要望があれば機能を実装する」という方針を掲げており、毎月のバージョンアップで、新しい機能がどんどん追加されています。 ビジネスマナー、Officeなどの新人向けの講座から専門的な教材まで厳選された1,000レッスン以上のeラーニング講座も準備されています。 学び~と エスエイティーティー株式会社(駿台グループ)が提供するeラーニングシステムです。 ICT教育・eラーニングにおいて駿台100年の教育ノウハウと最新の技術を結集し、使いやすさを追求したシステムです。 マイページのレイアウトは管理者・受講者が欲しい情報に最短でたどり着けるように、必要な情報が整理・集約されています。受講者は学習履歴を、管理者は全体の履歴やアクセスログ・使用容量などを即時に確認できるため、操作にストレスを感じることはありません。 また、多言語の切り替えに標準対応しているため、外国の社員が多いグローバル系企業でも導入しやすいメリットがあります。 サポート体制についても、教材の内容やシステムの使い方、受講中に起きたトラブルなど幅広く対応してもらえるため、安心して運用が可能です。 KnowledgeC@fe 株式会社富士通ラーニングメディアが提供するeラーニングシステムです。 富士通の強固なセキュリティ環境なので、大規模ユーザにも安定したeラーニングの運用ができる点で安心感と信頼感があります。 2,900以上の多彩なコンテンツも受講可能であり、人材育成会社という強みを活かして、受講者の学習ニーズを分析した魅力的な教材を揃えています。 様々な業務に対する研修運営実績があり、専任部隊による手厚いサポートがあるのも選ばれる理由の1つです。 playse 株式会社manebiが提供するeラーニングシステムです。 playse. ラーニングは3,000以上の学習教材が見放題となっており、自社に最適なコンテンツを選べます。 またコースマップを活用すれば受講者がスムーズに迷うことなく学習を進められる工夫ができます。教材選びと学習順序を決める負担が軽減され、学ぶことだけに専念してもらえます。 料金体系は利用者数(ID)に応じて料金が変わる従量課金ですが、IDの有効・無効の切り替えが簡単という特徴から、月々の無駄な出費を抑えやすいメリットもあります。 Seculio LRM株式会社が提供するeラーニングシステムです。 「セキュリオ」は情報セキュリティ教育の実施・確認・見直しを担当者の負担なく、かんたんに実施できるクラウドサービスです。 「セキュリオ」は、会社全体の情報セキュリティに対する認識を改善するため、従業員が意識をもって情報セキュリティ対策に取り組むための機能や、ISMS・Pマークの認証取得を検討中または取得済みの企業様が、より快適に認証運用できる機能などが備わっています。 70種類以上の本格的なセキュリティ教育向けeラーニングが使えるため、新入社員研修、年に1度の全社研修などの作業効率化に選ばれています。 LearnO(ラーノ) Mogic株式会社が提供するeラーニングシステムです。 コース設定や受講者データの管理機能など誰でも分かりやすく操作しやすいインターフェースを備えています。導入もリーズナブルな価格で可能なため、中小企業にとっても選ばれやすいシステムです。 テスト受講終了後の画面で、受講者全体の成績と受講者自身の成績の比較がグラフで表示されます。受講者自身が自分の理解度を自分自身でチェック・把握できることは学習のいい動機づけになります。 Teachme Biz 株式会社スタディストが提供するeラーニングシステムです。 主に「マニュアル」の作成から組織に根づく運用までかんたんに実現できるサービスです。 誰でも簡単に教材を作成できるテンプレートが準備されており、文字を入れ込むだけで、受講者が理解しやすいようにデザインされた教材の作成が可能です。画像編集やマニュアルなどのステップ化もできるため、様々な教材作成ニーズに対応できます。 また、作成した教材が活用されているか、アクセスログをもとに分析できます。そのため、教材の改善の有無や課題を明確化でき、受講者のニーズ分析も簡単に行えるようになっています。 CAREER SHIP 株式会社ライトワークスが提供するeラーニングシステムです。 高水準な性能で最適な学習環境を提供し、社内インフラとしても安心して採用できる安定性が確保されています。大手企業など1,500社以上での運用実績のあるシステムです。 機能追加を伴うバージョンアップを年4回行っており、利便性や機能性を継続的にアップデートしています。 日・英・中(簡・繁)・越の五言語対応/中国でのローカル対応もされており、グローバルでの展開もしやすいです。 Leaf 株式会社インソースが提供するeラーニングシステムです。 動画、PowerPoint、PDFなどお手持ちの資料をすぐにeラーニング教材として配信でき、一気に研修をオンライン化できます。 また、集合型研修はもちろん、ZoomによるWeb研修の管理機能も備わっています。受講者名簿作成、受講案内などもスムーズに手間なく行えます。 同時アクセス数無制限となっており、最大29万人の同時利用実績があるので超大規模なeラーニング運営にも向いています。リリース以来、停止実績ゼロという強固かつ安定稼働できる点も魅力のシステムです。 Schoo 株式会社Schooが提供するeラーニングシステムです。 動画教材は各業界における第一人者や専門家を講師として採用しているため、ビジネスに役立つ最新知識を常に学べます。また100種類以上の研修パッケージが用意されており、内定者・新入社員・中堅・管理職など階層別に研修コンテンツを提供できます。 受講者の進捗状況や理解度を詳細に把握できるレポート提出機能の備わっており、管理者の学習管理の効率化もできます。 KnowledgeDeliver 株式会社デジタル・ナレッジが提供するeラーニングシステムです。 企業・官公庁・医療機関など2,000社以上の導入実績があり、売上拡大や研修の効率化、コストカットなど各分野に精通した専門部署のサポート体制が充実しています。 「作成」「学習」「運用管理」機能を標準搭載しており、導入後すぐに利用できます。 管理・受講に関するサポートセンターが設置されており、電話やメールで相談できるため、初めてLMSを導入する方でも安心して利用できるでしょう。 自社に最適なeラーニングシステムを選ぼう 最後にeラーニングシステム導入前に確認すべき点を以下にまとめます。 ✓ そもそもeラーニングに求めるものは何か? ✓ 既製コンテンツを利用するか内製コンテンツを作成するか? ✓ 求める機能が十分に備わっているか? ✓ ランニングコストは予算内か? eラーニングシステムは年々進化しており、最新機能が随時追加されています。 ただ、最新機能があれば良いというわけでなく、eラーニングに不必要な機能を極力省きつつコストを抑えた運用を行う必要があります。 各社特徴を踏まえ自社に最適なeラーニングシステムを選ぶことが重要です。 低コストeラーニングシステムなら「Cloud Campus」 Cloud Campusを導入するメリットは、以下の3つです。 ✓ ユーザ登録数無制限!人数が増えるほどオトク ✓ ITに詳しくない人でも管理・運用しやすい ✓ セキュリティ・安定稼働できる基準をクリア 特にユーザ登録数無制限で定額制なので非常に低コストで運用できる点が選ばれる最大の理由です。 eラーニングは社員教育との親和性が高く、学習者・企業の双方にメリットがあります。 教育コストをなるべく抑えつつ、オンラインでの社員教育を促進するための機能が充実しているのがCloud Campusです。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.04.01

LMS(学習管理システム)とは?メリットから導入ステップまで徹底解説

2024.04.01

LMS(学習管理システム)とは?メリットから導入ステップまで徹底解説

eラーニング

LMSとは何か?デジタルネイティブ世代の社員が増えるなか、インターネットやパソコンを活用した学習管理システム「LMS」が注目を浴びています。 「LMSをそもそもよく分かっていない・・・」 「LMSは聞いたことがあるものの、自社でどのように導入できるか分からない」 「コロナ禍をきっかけに、対面・集合型研修以外の新しい方法を探している」 この記事では、LMSという学習形態の概要や、導入にあたって検討が必要なポイントを解説します。 1. LMSとは LMSはLearning Management System(ラーニングマネジメントシステム)の略で、学習管理システムとも呼ばれています。 インターネットやパソコン/スマートフォンで学習を行う、eラーニングのベースとなるシステムのことです。 多くのLMSでは、受講者がログインして学習する受講機能、教員や管理者が受講履歴や成績管理を行う管理機能から成り立っています。 LMSが企業に普及した背景として、新型コロナウイルスの影響で、従来型の対面・集合型研修の実施が難しくなったことが挙げられます。 そこで対面・集合型ではない学習形式として、eラーニングに注目が集まりました。 なおインターネットが普及する以前のeラーニングでは、CDやDVDなどを使用したパソコン学習が行われていました。管理者が教材を受講者に届け、受講者が各自で教材を使って学習を進める仕組みです。 しかし、従来のeラーニングでは受講者のモチベーション維持が難しく、管理側は受講者の進捗状況が把握できないことが課題になっていました。 そのような課題を解決するために登場したのが、eラーニングの学習管理システム「LMS」でした。 コロナ禍でオンライン会議やWeb接客が普及し、人々のITリテラシーが向上したことを背景に、LMSを導入する企業が増加していったのです。 eラーニングについてもっと詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみて下さい。 >>eラーニングとは?概要からメリットや最新トレンドを徹底解説 2. LMSのメリット・デメリット 具体的にLMSにはどのようなメリットがあるのかについて、受講側と実施側の観点から解説します。 2-1. 受講側のメリット LMSを使用した場合、受講者の学習効果の高まりが期待できます。 LMSを活用した教育の多くは、動画によって講義が行われます。そのため、受講者は視覚的に理解しやすく、繰り返し見返すことで復習することも可能です。 動画教材は、各自の状況で再生速度を調整できるのが特長です。内容の理解が進んでいるコンテンツは速度を速め、理解が難しい箇所はじっくり見ることで、効率よく学習が進められます。 また、自分の能力を把握しやすい点もLMSのメリットです。 LMS上では受講履歴を閲覧することができるので、得意・不得意分野が客観的に可視化されます。次に学ぶべきことの優先順位を把握できることは、目的意識を維持するのに役立つでしょう。 2-2. 実施側のメリット 実施する側の管理者にとって、LMSは教育の工数やコストを削減できるメリットがあります。 対面・集合型であるオフラインの勉強会を実施する場合、場所や講師の確保にコストがかかります。また、資料や会場の事前準備・実施当日のための人的リソースも発生するでしょう。 一方でLMSの場合は、必要な学習コースをオンライン上で受講してもらうため、研修のために場所や講師の確保が不要になります。 さらに紙での管理と比較すると、受講者の学習状況や受講結果のデータが、効率的に一元管理できるのもLMSの特長です。 業務を効率化することで、受講者フォローや振り返りなど、本来重要な業務に時間を使えるというメリットも生まれます。 3. LMSの主な機能 具体的にLMSのシステムで何ができるのかを、主な機能をもとに紹介していきます。 3-1. 受講者向けの機能 受講者向けには、講座閲覧機能や学習機能、テストの受験機能が搭載されています。具体的には以下のような操作が可能です。 講座閲覧:受講可能な講座を閲覧、希望講座の登録を行う 学習機能:研修への参加、講座の動画やスライドなど教材の閲覧 受験機能:テストの受験、レポートの提出、受講履歴や評価を確認 LMSによっては、受講者同士の交流機能や質問チャット機能も搭載されており、受講者を飽きさせない工夫がされているものもあります。 3-2. 管理者向けの機能 管理者向けの機能としては、講座や受講者管理があります。具体的には以下のような操作が可能です。 講座管理機能:講座の登録や編集、教材の作成・編集、講座と教材の紐づけ 受講者管理:受講者登録、講座の割り当て、受講可能期間の設定 学習・履修管理:研修の実施、受講者の学習状況や評価の確認・レポートの採点や評価 その他:受講者からの問い合わせに回答、受講者への学習リマインド 管理者は、「教材作成~受講者の出欠確認~学習進捗管理」の煩雑な研修実施プロセスを、ひとつのプラットフォームで管理できるようになります。 4. LMSの活用シーン LMSは学校や企業の教育現場で主に活用されています。 学校活用では、学内や学生にインターネット環境が整っていれば、パソコンやスマートフォンなどから利用可能です。 オンライン講義や教材の閲覧、テスト受験、課題提出、成績確認、メールの送信等を学校教育で実施しています。 企業でもLMSの普及は急激に進んでいます。 今はSaaSをはじめとしたクラウドサービスを導入する企業が多く、企業研修をインターネットで行えるLMSのニーズが高まっているのです。 研修内容はさまざまで、ビジネスマナーやビジネススキル、コンプライアンスなど企業の状況に応じたテーマが選ばれています。 また教育目的だけではなく、コロナ禍で社内イベントが減っている影響を補完する試みとして、企業カルチャーやビジョンの発信などでLMSを活用している事例もあります。 ▶▶企業でのLMSの活用事例をもっと知りたい方はこちら 5. LMSの種類 LMSには2つの種類があります。導入にあたっては、まずどちらかに決める必要があります。 5-1.オンプレミス型 オンプレミス型は、自社のサーバー内にLMSを構築する形式です。 カスタマイズ性に優れ、細かな部分まで柔軟に手を加えることができます。また、自社のネットワークを利用するため、セキュリティの安全性が高いのもメリットです。 一方でデメリットは、時間とコストがかかる点です。 サーバーの準備から構築、運用までのすべてを導入企業側で行う必要があります。 ネットワーク障害のトラブルも自社で対応しなくてはいけないため、専門知識をもつ人材の確保が求められます。 5-2.クラウド型 クラウド型は、ベンダーが提供するクラウド上のサーバーに構築されているLMSを、インターネットを介して利用する形式です。 導入企業は自分たちでサーバーの用意をする必要がないため、契約後に初期セットアップをすればすぐに使用できます。 構築の初期費用をかけることなく、定額の利用料金だけで運用できる点がメリットです。 また、システムのバージョンアップも自動で行われるため、導入や運用がしやすいという特徴があります。 クラウド型のデメリットとしては、カスタマイズに限界がある点です。 自社の要件に合わせた細かいカスタマイズが必要な場合は、オンプレミス型が適しているでしょう。 また、かつてはセキュリティの観点から、クラウド型を避ける企業も一定数ありました。 しかし近年ではセキュリティを強化したクラウドサービスの充実により、クラウド型を採用する企業が圧倒的に増えている状況です。 またクラウド型のなかでも、特定の専門分野のみを扱う「特化型」と、あらゆる学習のプラットフォームとして活用できる「統合型」に分けられます。 簡単に違いを紹介します。 特化型 特化型は、文字通り特定の学習を提供・管理するのに適したLMSです。 例えば接客業に特化したLMS、動画配信のみを行うLMSなど、さまざまなものがあります。 機能を絞っている分シンプルで使いやすく、コストが抑えられる点がメリットですが、決められた用途以外の拡張性に乏しいデメリットがあります。 統合型 豊富な機能を搭載し、あらゆる研修や学習のプラットフォームとして活用できるのが統合型です。 eラーニングコンテンツの配信だけでなく、対面・集合型も含めた研修全般の受講履歴や出欠確認などを一つのシステム上で管理・運用できるのが強みです。 一方、特化型よりはコストが高い傾向があるため、どのような機能が必要かを考慮して、LMSを選ぶ必要があります。 6. LMS導入までに押さえるべき3ステップ 最後に、実際にLMSを利用するまでの一般的なステップを紹介します。 6-1.目的の明確化 何のためにLMSを導入したいのかを明確にしましょう。 工数削減、学習効果の向上などメリットが多くあるだけに、目的の言語化や優先順位付けは欠かせません。 目的が曖昧なままLMSを導入しても、活用しきれなくなる例は珍しくありません。 例えば、優れた営業社員のプレゼンテーションを社内で共有したいのであれば、動画コンテンツの扱いに秀でたLMSがよいでしょう。 一方、セキュリティや法令に関する知識を社員に身に付けさせたいのであれば、システム上でテストを行える機能が必要かもしれません。 目的を明確化することは、自社でLMSを活用するための第一歩となります。 6-2.運用体制の構築 LMSに限りませんが、あらゆるITシステムは導入して終わりではありません。 導入後、適切に運用されてこそ効果を発揮します。そのため、導入前から運用体制を具体的に決めておくことが大切です。 例えば、LMSに必要な運用業務としては以下のようなことが必要になります。 教材の準備 LMS導入環境の整備 社内の既存システムとの連携 教材・ユーザーの管理 問い合わせへの対応 メンテナンス 利用するLMSのサポート次第で運用体制は変わりますが、ある程度の社内の体制構築は不可欠です。 必要な作業を事前に洗い出し、具体的にいつ誰がどのように行うのかを決めておきましょう。 6-3.導入形式の選択 オンプレミス型・クラウド型によって、相談するベンダー先も変わります。 いずれにしてもLMS導入目的をもとに、自社に必要な条件をピックアップしましょう。そのうえで、条件に近い提供ベンダーを探すことが重要です。 ここでは、LMSを導入する際によく比較検討される項目をご紹介します。 教材作成やカスタマイズは可能か? 動画教材に対応しているか? マルチデバイス対応か? 導入実績は十分か? 希望の導入形態があるか? 目的・用途に合った機能があるか? サポートはあるか? 課金体系に納得感があるか? 提供ベンダーによっては、無料トライアルができる場合もあります。 操作性も含めて自社でやりたいことが叶うかどうかを、できれば導入前に実際の動きで確認するとよいでしょう。 ▶▶Cloud Campus「1か月間無料トライアル」はこちら 7.まとめ 本記事では、LMSの概要について紹介しました。 もともとコロナ禍で広がったLMSですが、受講者の学習効果向上や企業の利便性向上など多くのメリットがあることから、一過性ではない学習形式として定着しはじめています。 LMSを提供する企業もバリエーションが増えているため、自社が実現したいことを明確にしたうえで、最適なパートナー選びをするといいでしょう。   ユーザ登録数無制限!コストをなるべく抑えて幅広い教育としてeラーニングを活用したいならCloud Campusがおすすめです。 220社160万人が使う低コストLMS 内製型eラーニングシステム Cloud Campus eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】  

2024.03.01

インストラクショナルデザインとは?研修を効果的に設計

2024.03.01

インストラクショナルデザインとは?研修を効果的に設計

人材教育

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社内で問題が持ち上がったとき、社員にどういった知識やスキル、態度を身につけてもらえば解決につながるのか、頭を悩ますことが多いのではないでしょうか。その問題解決の成否は、企業側がいかに効果的な研修内容を用意できるか、社員に意欲的に取り組んでもらうかにかかっています。今回は、研修を成功に導くカギであり、日本でも最近ますます注目度が上がっている「インストラクショナルデザイン」について解説していきましょう。 インストラクショナルデザインとは? 「インストラクショナルデザイン」(Instructional Design、以後ID)とは、「それぞれの環境において、最も効果的かつ効率的な教育を設計・開発するための方法論」(『日本の人事部』人事辞典より)のことです。 米国ではすでに1980年代から企業研修分野に導入され始め、大手企業では専属のインストラクショナル・デザイナーを抱え、独自の研修デザインが行われています。 企業戦略を着実に遂行するには適切な人材が必要ですが、IDを活用し、カスタマイズされた研修内容を作成していくことで、将来の業績や成果に結びつく学習の効果と効率を最大限に伸ばすことができるのです。 日本では2000年ごろを境に、eラーニングの普及にともないIDが意識され始めました。日本マクドナルドでは顧客満足度の向上やアルバイト従業員の離職率の改善などに効果を上げたほか、キャノンでもeラーニングのコンテンツ開発にIDを活用するなど、導入例が増加しています。 インストラクショナルデザインの5つのプロセス IDは、「ADDIEプロセス」と呼ばれる5つの基本モデルから形成されます。 1.分析(Analysis):ニーズ調査、問題と対象者分析 組織が抱える問題や課題がどのようなもので、研修が解決策として最適かどうかを分析する。また、社員のなかから対象者を絞り込む。 2.設計(Design):学習目標の設計、eラーニングやOJTなど手段の設定、内容設計 対象者は何ができず、受講後は何ができるようになっているべきかの具体的なゴールを設定する。業績や成果に結びつく目標を立て、最適な手法を選択し、研修効果の測定法や評価指標などを明確化する。 3.開発(Develop):教材、ツールの開発、教授プランの作成 研修で使用する教材やシステムの開発、作成をする。 4.実施(Implement):開発教材の実施、データ収集、フィードバック作成 開発した研修を実施する。評価のためにデータや受講者、講師からのフィードバックを収集する。 5.評価(Evaluate):実施後の評価 研修全体の方向性チェック、問題点の洗い出し、解決策提示を行う。 たとえば、課題が「自律した仕事ができる部下の育成」である場合、まず研修が有効な手段であるかを分析します。 その際、指導する立場のスキル不足が確認されたのであれば、しかるべき対象者に向けた「マネジャー研修」を企画します 。その研修では「部下の能力の見極め方」や「部下とのコミュニケーションのはかり方」、さらに「モチベーションアップの方法」といったスキルを習得してもらうことを目標とし、どういう手法や教材がいいのかを検討するなど、具体策へと移行していきます。 IDは戦略的な人材開発の強い見方 研修の組み立て方ひとつとっても、経営における「戦略的パートナー」としての人事部の役割は、過去にも増して重要視されるようになっています。研修の立案から評価までの各ステップを効果的にサポートし、ゴールへ導くIDの考え方は、単に教材開発の現場にとどまらず、人材開発担当者が身につけるべき理論なのです。 参考サイト: 日本のインストラクショナルデザイン 現状と展望 Next Education インストラクショナルデザイン 日本の人事部 インストラクショナルデザイン 課題解決へのアプローチ 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.02.14

オンライン研修とは?メリットや注意点を実践的に解説

2024.02.14

オンライン研修とは?メリットや注意点を実践的に解説

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「オンライン研修を導入する企業が増えているようだが、自社でも効果があるのか」 「オンライン研修を成功させるにはどうすればいいのか」 このようにお悩みの人事担当者の方も多いのではないでしょうか? コロナ禍をきっかけに、企業で大幅に普及が広がったオンライン研修。働き方改革の潮流も後押しとなり、新しい研修のあり方として注目されています。 しかしこれまでオンライン研修を実施したことがない企業では、具体的な効果や進め方が分からないという声もあるようです。 今回は、オンライン研修のメリット・デメリット、効果を上げるためのノウハウについてお伝えします。 オンライン研修を検討中の方は、自社の状況を思い浮かべながらご一読ください。 オンライン研修とは オンライン研修とは、講師や受講者が同じ場所に集まることなく、オンライン上で開催される研修です。Web会議システムを用い、パソコンやスマートフォンを通じて実施されるのが一般的です。 具体的には、講師のいる会場と各拠点をインターネット回線でつなぎ、受講者は手元のテキストやパソコン画面を確認しながら、講師の音声をヘッドホンで聞いて学びます。 オンライン研修のほか、実施形態に応じて「Web研修」、「ウェビナー(WebとSeminarを組み合わせた造語)」とも呼ばれています。 かつてのオンライン研修は、IT企業のデモに代表される特定場面で活用されていましたが、昨今は企業規模や業種を問わず広がってきており、スタンダードになりつつあるといえるでしょう。 オンライン研修が注目される背景 オンライン研修は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の動きを受け、一気に需要が高まりました。 インターネットを通じた非接触での研修が可能なため、密集・密接を防ぐことができるためです。 Withコロナを掲げるニューノーマルの時代になっても、オンライン研修の普及は広がりを続けています。 働き方改革が進み、時差出勤やテレワークを導入するなど、一人ひとりの働き方そのものを見直す組織が増えているからです。 すべての対面・集合型研修をオンライン研修に置き換える企業も一定数はでてきています。しかし、今後は対面・集合型とオンライン双方の特徴を踏まえて、ハイブリッドで研修を行う企業が増えることが予想されます。 従来型eラーニングとの違い 従来型のeラーニングとは、パソコンやモバイル端末、DVDなどの情報技術を利用して行う学習方法のことを指します。 サーバー(学習管理システム)に保存した教材を配信し、パソコンやスマートフォンなどを用いて受講する形式です。 近年はeラーニングもインターネット回線を介することが当たり前になったため、eラーニングは、オンライン研修のひとつとする考え方もあります。 例えば企業によっては、以下の使い分けをしていることもあります。 eラーニング……録画された講義を受講する「一方向型」 オンライン研修……受講中にリアルタイムで講師や受講生同士のやりとりを行う「双方向型」 いずれにしても厳密な定義ではないため、自社なりに言葉の使い方を区別するようにしましょう。 オンライン研修のメリット 多くの企業で導入が進んだ理由となった、オンライン研修のメリットをお伝えします。 コストや手間が削減できる 対面・集合型研修と比較すると、コストや準備の手間が削減できるのがオンライン研修のメリットです。 交通機関の利用や宿泊などが発生しないため、研修参加時の交通費や宿泊費が発生しません。また、全員が集合できる会場を用意する必要もありません。 受講者側も、研修前後の移動時間を確保する必要がなくなるため、業務時間の調整がしやすいでしょう。短時間の研修であれば、業務の合間に研修を受講でき、自分のペースで学習することが可能になります。 時間や場所がほとんど制限されない オンライン研修は、対面・集合型研修と比較して幅広い受講層に対応することが可能になります。 全員が一か所に集まる必要がないため、インターネットに接続できる環境と機器がそろっていればどこにいても受講可能です。 例えば地方拠点の受講者も、出張の負担なしに研修に参加することができます。 また、研修を録画して共有しておけば、視聴する時間も受講者の自由です。 これまでは時間や場所の制約で参加できなかった人もオンライン研修の対象となることから、社員間の研修格差の改善ができます。 インタラクティブなやり取りができる 講師と受講生とインタラクティブ(双方向)なやり取りができるのも、オンライン研修の魅力です。 Web会議システムを利用したオンライン研修は、複数の受講者をグループ分けすることも可能です。 全体での講義のあと、それぞれのグループに分かれてディスカッションをしたり、講師がフィードバックを与えたりなど、相互のコミュニケーションをとることができます。 さらにオンライン研修では、チャット機能を使って参加者の声を集めることができる特長もあります。例えば、講師への質問をチャットで行い、それに対してのフィードバックを講師がライブで行う、といったインタラクティブな講義も可能です。 オンライン研修のデメリット 次に、オンライン研修を実施した企業から、デメリットとしてよく聞かれる点についてもお伝えします。 横のつながりができにくい 対面・集合型研修と比べて横のネットワークが生まれにくい点は、オンライン研修のデメリットとしてよく聞かれます。 オンライン研修は、他の受講者から受ける刺激や受講者間の交流が、集合型研修と比べると少ない傾向にあります。受講者間の関係性構築を研修の目的としている企業からすれば、やや物足りなさを感じるでしょう。 ただしオンライン研修であっても、グループディスカッションや交流の時間を設けることで、デメリットの解消が期待できます。 内容に向き不向きがある オンライン研修は、実習型や技術の習得を目的とした講習には不向きとされています。 実務に必要な手技や細かい接客技能などを習得する目的の場合、オンライン研修では対応が難しいでしょう。ワークショップや実習をともなった研修をオンラインで行う際は、実施に相応の工夫が必要となる可能性があります。 オンラインでの研修を強行してしまうと、参加者の不満・不評にもつながるため、内容に応じて対面での研修も検討するようにしましょう。 オンライン研修実施のコツ(事前準備) オンライン研修をスムーズに行うための、事前準備のコツについて紹介します。 テクニカルトレーニングを行う オンライン研修を行う場合は、事前にパソコン操作のテクニカルトレーニングを行いましょう。 受講者の職種や業界、あるいは世代によって、オンラインでの研修の操作に不慣れな方もいます。操作方法が分からないと、ワークショップに参加できない、質問ができないなど、研修効果が半減してしまいます。 必要な機材、ログイン方法などの操作マニュアルを用意するのはもちろん、参加者にテクニカルトレーニングを行うよう実施する側に依頼しましょう。 【テクニカルトレーニングの例】 マイクのオン・オフの切り替え方(ミュート操作) カメラのオン・オフの切り替え方 質問やチャットの操作方法 簡単な操作であれば、研修の冒頭にアイスブレイクのひとつとしてテクニカルトレーニングを行うのもお勧めです。 オペレーターを用意する 研修講師とは別に、機材を操作するオペレーター担当者を用意すると、当日の運営がスムーズに進められます。 Web会議システムの操作に慣れた方や、機材トラブルに対応できる方をオペレーターにアサインするといいでしょう。即座に対応できる人がいるだけで、講師や受講者が安心して研修に取り組むことができます。 飽きさせない工夫をする 当日の進行や資料は、なるべくコンパクトにして、受講生を飽きさせない工夫をしましょう。 オンライン研修を長時間行うと、受講者の集中力が切れてしまうことが考えられます。 受講者が集中して研修に参加できるよう、タイムスケジュールはコンパクトにすることが望ましいです。30~60分程度講義を行ったら10分休憩を挟むなど、集中力を保てるようにスケジュールを組みます。 オンライン研修実施のコツ(当日~実施後) 次に、当日およびオンライン研修実施後にやるべき工夫点を紹介します。 カメラオンを推奨する 受講者に対して、カメラをオンにするように促しましょう。 受講者は「顔出し」で研修に参加することで、集中力が高まります。 研修内容によっては、顔が見えることでグループディスカッションも行いやすいでしょう。 講師の観点でも、受講者の反応を確認しながら研修を進行できるメリットがあります。 映り込んでしまう背景が気になるといった意見があったり、プライベートを保護したい場合は、バーチャル背景の活用を案内したりしてください。 内容を録画する オンライン研修の実施映像は、当日に録画しておくことをお勧めします。 受講者の状況によって、研修の開催日程とのスケジュール調整ができず、参加できないこともあるでしょう。業務都合で、当日欠席や途中退席となってしまうケースもあります。 前述したとおり、録画内容を共有すれば、不参加者や途中退席者であっても、後日の受講が可能です。 受講済みの従業員にとっても、録画映像で復習し、理解を深めることができます。 ただし録画の際はそのことを参加者全員へ事前に共有し、トラブルがないよう注意しましょう。 実施後のフォローを行う 受講後は、忘れずにしっかりフォローする必要があります。 フィードバックをしたり、レポート提出を設けたりするなどしてフォローしましょう。 使用するWebツールによっては、オンラインで受講後のアンケートまでできるものもあります。 次の研修企画のための情報収集を行うとともに、気になる受講者は個別にフォローしてください。 まとめ 今回は、企業ではスタンダードになりつつあるオンライン研修について取り上げました。 企業にとってはコストや手間の削減ができ、受講者は自分の時間を確保しながら学べる、メリットが大きい研修形式といえます。 オンライン研修を実施したことがないという企業は、まずは社内の小規模の勉強会からオンライン研修を試してみてはいかがでしょうか。 eラーニングは社員教育との親和性が高く、学習者にとっても企業にとってもメリットの要素が多い学習方法です。自社の研修内容に合わせてより効率的・効果的な提供方法をぜひ検討してみてください。 eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選ラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2024.02.13

eラーニングでコンプライアンス研修を効率的に行う方法

2024.02.13

eラーニングでコンプライアンス研修を効率的に行う方法

人材教育

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コンプライアンスという言葉は、今や社会人なら聞いたことが無い人は居ないというほど世の中に浸透しています。企業においてコンプライアンスが注目され始めた背景には、リスクマネジメントとして経営者に認識されてきたことが挙げられます。また、企業の社会的責任(CSR)を果たすうえでもコンプライアンスの実現が重要視されています。 実際に、たった一人の社員がコンプライアンス違反を犯してしまうことで、損害賠償が発生したりイメージダウンによる業績悪化を引き起こしてしまうことも珍しくありません。そのため企業には、社員一人ひとりにまでコンプライアンス意識を高めてもらう、きめ細やかな対応が求められます。 コンプライアンスとは? コンプライアンスは、日本語で「法令遵守」などと呼ばれることもありますが、語源は英語の“comply”で「(何かに)応じる・従う・守る」という意味です。法律に限らず業務マニュアルやプライバシーポリシーのような社内規則、さらには法の精神や社会倫理なども含め、幅広くルールを遵守するもの、という考え方が広がっています。 そのため、一言でコンプライアンス違反といっても、さまざまな種類があります。 主なコンプライアンス違反の例 インサイダー取引 製品の性能偽装・産地偽装 労働基準法違反など、労働者の権利侵害 ソフトウェアの違法コピーなどの権利侵害 顧客への誤った対応や隠蔽 社員による犯罪行為(刑法違反) 個人情報漏えい 知識の補強だけではない、社内研修の役割 これらのコンプライアンス違反を防ぐために重要な役割を担うのが、社内研修です。なお、実施するべき内容は、大きく「知識面」と「意識面」の2種類に分けることができます。社員が両者をバランスよく身につけてこそ、コンプライアンスレベルの向上が達成できると言えるでしょう。 知識面についての研修 例えば個人情報の取り扱いルールなどは、どんな会社であっても社員一人ひとりにきちんと理解してもらう必要があります。また、インサイダー取引は上場企業だけに必要な知識だと思われがちですが、実は中小企業の社員であっても知っているべき知識です。 これらは体系的な知識も多く含まれるため、eラーニングで製品化されたコンテンツを活用したり、社外講師に研修を依頼したりすることで、効率的に学ぶことができます。また、会社で用意した規定や自社の属する業界や状況に沿った具体的な研修を行いたい場合は、社内講師を用意することも有効です。 その際重要なのは、「知識」だけでなく「考え方」も併せて学ぶことです。なぜなら、コンプライアンスの範疇は広いため、すべての知識を学ぶことは不可能だからです。考え方を学ぶには、実際に起きたコンプライアンス違反の事例を収集し、何が行けなかったのかその背景や原因を議論したり学ぶ、ケーススタディーが有効です。 ケーススタディーでは、犯しやすい判断ミスやなぜ企業にコンプライアンスが求められているのかといった理念や倫理も理解することができるので、判断力を培うことに繋がります。 意識を高める継続的な取り組み 知識があっても判断力があっても、社員にコンプライアンスを守ろうという意識が無いと、取り組みは形骸化してしまいます。つまり、分かっていても「つい」法令違反を犯してしまったり、法の抜け穴をかいくぐるような行為を行ってしまう恐れがあるのです。 社員の意識を高めるには、経営者自身がコンプライアンスに対しての積極的な姿勢をメッセージとして発信し続けることが重要です。決して建前ではなく、企業の価値を高めるために重要視していることを理解してもらうのです。 そして、コンプライアンスを社員一人ひとりが自分事として捉え、進んで守らないと会社はもちろん自身にも大きな影響を受けてしまう、という気持ちをもってもらうことが重要です。そうすることで、違反が発生しづらい、発生しても見逃さない風土を作り上げることができます。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 コンプライアンス研修も取り揃えており、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする   eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】

2024.02.05

【産業医解説】メンタルヘルスとは?職場での3つの予防と4つの対策

2024.02.05

【産業医解説】メンタルヘルスとは?職場での3つの予防と4つの対策

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人事制度・組織づくり

職場のメンタルヘルスについては、近年、精神障害による労災申請も増加の一途をたどっており、職場において対処すべき最優先課題です。 人と人で利害と責任が絡み、ストレスに対しての耐性が労働者個々で異なる以上、完全には不可避でありますが、日頃からその予防と遭遇する局面に適切な対応と避ける準備が必要です。 しかしながら、予防や復職支援の観点から対策はなされているものの、実施へのプロセスが不十分な現状です。 筆者は産業医として具体的な事例と事案に携わった経験から、実践可能な対応策をこの記事を通じて紹介します。職場のメンタルヘルスに必要な「3つの予防」と「4つのケア」を軸に記事を進めていきます。 筆者情報 吉川博昭(医学博士・日本医師会認定産業医・日本ペインクリニック学会認定専門医) 都内医学部卒業。医師免許取得後は麻酔科やペインクリニックを専攻し、医療機関で臨床業務に従事。 職場のメンタルヘルスとは メンタルヘルスは心の病気を指す言葉ではなく、心の健康状態をあらわす言葉です。 身体的な健康との対比に用いられることが多く、精神状態が健康なことは身体活動が健全に行えることの前提条件になるため近年注目を集めています。 「働く人が心身ともに健康的に働ける職場づくりをめざそう」は努力目標ではなく義務となりつつあります。 職場のメンタルヘルスに関連した法案の変遷 職場のメンタルヘルスに関連した法案は、この20年ほど専門家の間で熟考を重ね、労働衛生環境や安全配慮義務に配慮した施策が十分検討されているものの、まだまだ課題が山積みであるともいえます。 2000年 事業場における労働者の心の健康づくり 2004年 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き 2006年 医師による面接指導の新設(過重労働・うつ病・適応障害等)2011年 心理的負担による精神障害の労災認定 2015年 ストレスチェック制度の義務化 2018年 働き方改革関連法 2019年 パワハラ防止法 労働者を取り巻く環境の変化 労働者を取り巻く環境として終身雇用の時代を経て、現在は労働者個人が技術を身に付け、職場を変える流れが主流になりつつあります。事業者としても、従業員が定着せず、離職者が後をたたないような劣悪な労働衛生環境を放置できない時代になりました。 職場でメンタルヘルスを維持するために重要なのは、労働者が一生使えるスキルを身に付ける好奇心と、企業の利益向上のために業務を効率的に遂行するための分担の工夫です。転職も盛んな時代になりましたので、労働者でありながら個人事業主という感覚で、スキル習得に注視すると高い壁も乗り越えやすくなるでしょう。 段階別3つの予防策 メンタルヘルスの予防は一次・二次・三次と3段階あり、すべての段階に関して作業環境や就労時間等の就労環境、家庭環境にも配慮した取り組みが必要です。 一次予防 健康者を対象に、メンタル不調を未然に防ぐ取り組みを指します。 近年はより早い段階での介入が求められており、一次予防の概念を実践している会社がホワイト企業認定されることが多く、メンタルヘルス対策専門の部署を設立していることも多く、いろいろな視点で配慮がなされているのが特長です。 二次予防 メンタルヘルスに不調が現れ始めた労働者を早期発見して適切な対応を行うことです。 早い段階で支援を行うことは、深刻な状態に陥ることを避けることにつながります。適切な配置転換や、就業上の措置を組み合わせることで早期に回復することがあります。 三次予防 メンタルヘルス不調により、休職した労働者の職場復帰支援の段階です。 休職による不安や焦りを緩和させる精神的フォローや、復帰を無理に急かさないような体制の見直し、社会的資源の適切な利用を案内することで離職につながらない体制を整えます。 メンタルヘルス対策における一次予防の重要性と4つのメリット 職員のメンタルヘルスに取り組むことは会社にとってメリットがあることが知られています。健康経営優良法人の認定条件には、「メンタルヘルス対策の実施」が含まれております。 メリット①離職率の低下と従業員定着率のアップ 従業員の定着は企業イメージの向上や採用力の強化につながります。 メリット②業務上のミスの発生率の低下 業務に慣れた職員が対応することは、致命的なミスや事故の危険性が減るばかりでなく、業務効率の向上につながります。 メリット③組織の浄化 ハラスメントの予防やホワイト企業認定は、若手人材や有能なスキルを持った人材確保や業績向上にもつながります。 メリット④会社のイメージ向上と外交戦略 会社の業績向上で、取引先や投資家からの信用力向上につながり外交面でも有利にことが運ぶでしょう。 三次予防からみるリカバリーとコネクション メンタルヘルスの問題で円滑に職場復帰することは、事業規模にもよりますが難しいでしょう。 プログラムを作れない方は、「産業保健総合支援センター」に相談すると良いでしょう。心療内科等、自己の状況を俯瞰して診てくれる医師のもとで適切な治療を受けることで、職場に在籍しながらサポートを受ける道もあることでしょう。 企業に求められる4つのケア 厚生労働省が2015年に公表した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で示された、職場でのメンタルヘルスに必要な「4つのケア」を解説します。 1. セルフケア 労働者個人でのケアになり、ストレスの予防や対処をすること。 ストレスに気付くためには、ストレスチェックの実施も有効です。自己であくまで啓蒙していく方針は骨組の基本姿勢ではあります。 2. ラインによるケア 課長・部長等の職責にある管理監督者がケアを行い、ストレス要因を把握し改善を図る取り組みを行うこと。 部署内や組織内で行うケアであり、内情に即したケアが可能なメリットがありますが、管理職の人が不適切な見識を持つとかえって悪化するデメリットがあります。 管理者がメンタルヘルス研修を受けることが必要になります。 3. 事業所内産業保健スタッフによるケア 事業所内の産業医や衛生管理者等による支援を受けること。 セルフケアやラインによるケアの実施をサポートします。 4. 事業所外資源によるケア 事業所外のサービスやサポートを利用すること。 メンタルクリニック等への受診や、カウンセリング等も含まれるでしょう。 客観視点で有用な一方、旧体制の事業所等ではいじめやハラスメント行為の心配もあり注意が必要です。 産業医と職場のメンタルヘルス 産業医が選任されている事業者においては、従業員の長時間・過重労働対策、健康診断後の面接指導や適正部署への配置転換の提案、休職者の事業復帰プランニング、ストレスチェック等、段階に応じた取り組みを進める対応が可能です。 産業医の専門が精神科でなくとも、適切な医療機関への紹介等、スムーズにことが運びます。 メンタルヘルスからみた職場でのよくある2つの問題 日本人の気質で、真面目は一貫した資質で長所です。 環境改善には能動発信が必要ですが、個人レベルで限界があります。いったんこじれた人間関係を事業所内のスタッフとの折り合いで解決するのは難しいことが多く、第三者に頼ることも大切です。 事業者、従業員ともに悩んでいるケースも少なくなく、介入が必要なケースも増加しています。 1. 就業規則とハラスメント問題 就業規則は国の定めに沿ったものであり、会社は原則遵守する必要があります。ハラスメントは雇用者同士により生じることが多く、そういった状況にならないシステムづくりや被害を受けた人への適切な心のケアが必要になります。 2. テレワークとメンタルヘルス問題 コロナ禍でICT(情報通信技術)の活用が飛躍的に進み、出勤せずとも仕事ができるようになったことはメリットが多いといえます。 しかし労働者の勤務状況やメンタル面の変調を把握しづらく、運動不足問題やコミュニケーションの不足は、不眠や自律神経失調症を招く要因になり得ます。 職場におけるメンタルヘルスからみた精神疾患との関連 職場での精神疾患には、有病率の観点からは通常器質性精神病・躁うつ病・統合失調症・神経症性障害ほか、分類されているものは数多く存在しますが、頻度として一番多いものは躁うつ病を含む気分障害です。 2020年の厚生労働省の労働安全衛生調査によると、約54%(※1)の方が、職場環境にストレスや不安を感じています。 2021年メンタルヘルスの不調で1か月以上休職した事業所の割合は10.6%で退職した労働者がいた割合が5.9%であり(※2)、治療が不十分なまま復職することで、その後退職に至るケースがいまだに多いことが問題となっています。 精神疾患は、特性や性格的傾向やうつのように状態名が病名になっているものが多く、環境要因がその発症に強く関連しています。 ストレスに対する耐性が労働者個々で異なる以上、休職者の多くにつく診断名で「適応障害」は、その環境への適応が難しいという部分でなんらかの予防と発症時の介入が必要不可欠になります。 医師にかかり適切なサポートを受けることで、アルコール依存や自殺等を未然に防ぐことが重要です。 ※1 出典:厚生労働省 令和2年 労働安全衛生調査(実態調査) ※2 出典:厚生労働省 令和4年 労働安全衛生調査(実態調査) 職場のメンタルヘルスと社会的資源の活用 労災認定と傷病手当金の受取に関して、質問されることがあります。 「傷病手当金」は、病気や怪我でやむを得ない理由で仕事を休んだときに健康保険協会から給付されます。 「労災給付金」は、仕事中に労働災害が発生した場合に労災保険から給付されます。怪我のみでなく、うつ病や適応障害等の精神疾患の罹患でも給付されるケースが近年増加しています。申請方式で、タイミングや給付額が異なります。 職場のメンタルヘルスが注目されている昨今、会社に対する損害賠償請求も同時に行い、認定されるケースも増えてきています。 職場のメンタルヘルスと職場復帰に関わるスタッフ 労働者の精神衛生状態に応じて、事業所内の人や事業所外の人を多職種組み合わせ利用するのが一般的です。 職場のメンタルヘルスと職場復帰に関わる職種と、主な仕事内容を一覧表にまとめました。 職種 主な仕事内容 衛生管理者・衛生推進者 従業員の健康を保持するための労働衛生管理体制を整えていく中心的な役割を果たす国家資格者。従業員の数により設置が定められている。 産業医 医師の立場で、事業所に健康管理に必要な方策に関して意見を述べ、ストレスチェックの実施者になり過重労働の面接等も担当する医師。 看護師・保健師 精神衛生状況に対して助言をする等労働者の健康管理の活動を担い、ストレスチェック制度の実施を担当する。 人事労務スタッフ 社員のなかで職場内での環境調整や適正な配置や勤務時間の調整を担当。社員の特性に応じた健康配慮義務を最優先に考える。 精神科医・心療内科医 メンタルヘルスの面から、多くの適応障害に潜む器質の精神疾患の有無を専門家の見地より判断し、適切なアドバイスを行う専門職。 精神保健福祉士 国家資格で、精神障害を抱える労働者の社会復帰に向けての支援を行う専門職。 産業カウンセラー・キャリアコンサルト 労働者の抱える悩みの傾聴(コンサルタント)と適切なアドバイスに関する専門家。 公認心理士・臨床心理士・カウンセラー 臨床心理学の知識や技術を用い、心の問題を専門的に扱う資格職。 職場のメンタルヘルスと自殺 令和3年度の調査においても、年間自殺者の約3割は被雇用者(※)であることが明らかになっています。 予防策は当然なのですが、起こってしまったことに対する再発防止や、遺族への適切な対応も大切です。約1~2週間あけた後で、雇用状況や勤怠の部分等の事業者からの事実開示と専門職の人や中立的な立場の人を含めた説明や、遺族の気持ちに傾聴することは大切でしょう。 ※ 出典:厚生労働省 令和3年中における自殺の状況 優良企業が取り組む職場のメンタルヘルス 一次予防の概念を理解し、実践している会社がホワイト企業になります。メンタルヘルス対策専門の部署を設立していることも多いのが特長です。 上司・同僚だけですと、利害関係が絡むこともあるので、第三者を交えた勉強会やカウンセラーや心理士の先生を雇っているケースも多いです。事業の規模に関係なく、それらの連携をとることで労働者のメンタルヘルスを正確に把握しやすいことが挙げられます。 職場とメンタルヘルスに関するよくあるQ&A 以下の2つは、産業医として事業者様より相談を受ける頻度の高い質問です。 Q1. 若者のほうがストレスに弱く精神疾患になりやすいのでしょうか? 人事の方より、世代間のギャップについて問われることがあります。 スキルの取得によりメンタルが鍛えられ、環境にも順応していくことは確かですが、精神疾病の発病に年齢の要素は明確には定義されていません。 職員の定着率が悪い事業所では、「メンタルヘルスアクションチェックリスト」等、客観評価できるツールも進歩してきています。ぜひ活用ください。 Q2. ストレス過多で休職中の職員を同部署に戻して良いでしょうか? 職員との話し合いが大切です。 しかし同僚や上司との関係性や環境面が適応障害を引き起こしていることが多く、部署移動等、環境調整を行うことが一般的には望ましいでしょう。 時短出勤や残業を減らす取り組み等、焦らせず段階を踏む取り組みが必要です。 まとめ 職場におけるメンタルヘルスは、事業規模に関係なく健全な組織運営と切り離せない問題となりました。 ストレスチェックや労働衛生環境を見直すことにより、予防と早期発見が可能となりました。また、休職者が発生した後も、適切なコネクションとリカバリーの策を講じることで、人的資源を失うことなく健全な組織運営と生産性の高い組織の運営を安定して継続し行うことを可能にすることでしょう。 持続可能な未来と社会の実現のためには、「段階別3つの予防策」と「企業に求められる4つのケア」を適切に組み合わせることが大切です。 三次予防は事業所としても対応が難しく、一次二次の段階で早期対応が望ましいでしょう。 著者情報 吉川博昭(医学博士・日本医師会認定産業医・日本ペインクリニック学会認定専門医) 大阪府出身。 ・都内医学部を卒業し、医師免許取得後は麻酔科やペインクリニックを専攻し、医療機関で臨床業務に携わる。 近年は内科診療・産業医学 ・職場におけるメンタルヘルス等などの生活に密着した御相談にも診療幅を広げ、「健康を通じたハッピーな生活をお手伝いしたい」をテーマにしている。 ・記事の監修や執筆においては、平易で分かりやすい表現を用い、丁寧さを心がけている。 取得資格:医師免許・医学博士・日本医師会認定産業医・日本ペインクリニック学会認定専門医   低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 一般社員にも管理職にも必須のメンタルヘルス関連を含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.10.31

社員の主体性を最大限に引き出すための研修設計3つのポイント

2023.10.31

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企業研修が、講師からの一方的な知識やスキルの伝授に終始している企業も少なくないかもしれません。 研修の目的は、仕事で成果を生むことにあります。 しかし、受け身な学習スタイルがメインとなり、インプットした知識をどう活用するかは参加者に委ねているだけという状態では、仕事での活用は期待できません。往々にして「学びっぱなし」「研修効果が見えない」といった結果に終わってしまいがちです。 今回は、社員の主体性を最大限に引き出すための、研修設計のノウハウについてお伝えします。 社員の主体性が求められる背景 昨今のビジネスを取り巻く環境は、VUCAの時代といわれています。 V(Volatility:変動性)、U(Uncertainty:不確実性)、C(Complexity:複雑性)、A(Ambiguity:曖昧性)の頭文字を取った略称です。 このような、先行きが不透明・複雑で将来の予測が見通しにくい時代には、社員一人ひとりが主体的に考え、行動する重要性が増しています。 例えば、新型コロナウイルス感染症の流行は多くの企業では予想不可能だっただけでなく、実際に企業業績にダメージを受けたという企業も少なくはないでしょう。 このような状況下では、トップダウンの意思決定だけですべての事象に対応していくことは現実的ではありません。上層部からの指示を待っているだけでは、指示が社員にいきわたる頃には、また状況が変化しているということも考えられるからです。 先行きが見通せず、前例もない状況下では、社員一人ひとりが主体性を発揮して、新規事業や新しい提供プロセスの考案、これまでとは異なる働き方への挑戦をしていく必要があります。 主体性が高い社員の特長 ビジネス書として広く知られる『7つの習慣』のなかで、スティーブン・R・コヴィー博士は習慣のひとつとして「主体性を発揮する」ことを提唱しています。 ビジネスシーンに限らず、何かのハプニングが起こった際には、自分自身で行動を選択する必要があるでしょう。このように、元来主体性は特別な訓練で取得するのではなく、すべての人間にそれを発揮する能力が備わっているのです。 ただ、ビジネスシーンでは主体性を発揮している社員と、発揮していない社員に分かれてしまっているのが現実です。 ここでは、あらためて主体性が高い社員の特長を紹介していきます。 特長1. 自分の言動に責任を持つ 主体性が高い社員は、自身の言動に責任を持とうとする傾向があります。 物事の判断基準や行動基準が、自分の価値観やポリシーに基づいており、言動の根拠がはっきりしているためです。 その影響で、自身の言動がもたらした結果に対して、他責ではなく自責思考が働きます。 例え望ましい結果が得られなかった場合であっても、自らの責任と考え内省し、今後に向けての対策を考える等、「失敗から学ぶ」姿勢が強い点が特長です。 一方、主体性が低い社員は、他責傾向が強くなります。 起こった事象に対して「上からの指示通りにやっただけ」や「自分が決めたわけではないから」等と、自分の意志の関与を否定するような言動が増えてしまいがちです。 特長2. 何事にも積極的・能動的 主体性が高い社員は、あらゆることに対して能動的に行動します。 詳細な指示を待つのではなく、自らやるべきこと・やれることを探し出そうとする傾向にあります。 また、日頃から問題意識や課題意識を持っているため、変化に対して気付くスピードが早いことも特長です。 主体性が高い社員はビジネスパーソンとしての成長意欲も強いため、自ら社員としての価値を高めようとし、キャリアアップの道を切り拓くこともできます。 一方、主体性が低い社員は、「待ち」の行動が多くなります。 「待ち」姿勢の社員が多い場合、マネジメントからの指示を待っている時間が無駄になるため、当然ビジネス全体のスピード感が損なわれます。 さらに、細かい指示まで求める社員の場合は、マネジメントの負荷も増すでしょう。 特長3. 周囲に働きかける 主体性が高い社員は、上下の社員や横の部門等、周囲に積極的に働きかける傾向があります。 また、分からないことや問題点をそのまま放置することはありません。自ら調べたり対策を考案したりしたうえで、上司や先輩に質問する点も特長です。 一方、主体性が低い社員は、自分の内側に閉じこもる傾向が強くなります。 分からないことがあっても周囲に質問することが少ないため、不明点を抱えたまま仕事を進めてしまいがちです。その結果、仕事のミスを引き起こすリスクも増えてしまいます。 主体性を高める研修のポイント 人材開発分野の第一人者であり、参加者を主体とした研修方法の実践者として世界的に有名なボブ・パイク氏は、脳科学の見地から、人は「与えられた目標」より「自ら立てた目標」の方が頑張れると述べています。 受け身の学習方法よりも、学ぶ側が積極的に参画する方が理解度も知識の定着率も断然高いことが科学的にも証明されています。 研修は参加者の主体性を尊重してデザインすべきとの認識が米国を中心に主流となっています。 例えば、席順、役割分担、課題、発表の順番等の段取りを決めず、参加者に委ねます。 研修の枠組みは提供しますが、細部に関しては参加者自身に決めてもらうことで参加意識を高めます。 参加者が取り組む課題も、ケーススタディ、ロールプレイ、演習問題、ワークショップ等、複数から自主的に選んでもらいます。そうすることで、参加者がより実践に近いシチュエーションを自ら考えて取り組めます。 主体性を高める具体的な研修デザインとは 具体的に、どのような研修デザインが参加者の主体性を引き出せるのでしょうか。主体性を高めるために効果的な、5つのポイントを説明します。 ①答えを用意しない 講義型の研修は無意味なものではありませんが、覚えるべき情報や活用するシーン等、すべてを講師から学ぶだけでは、そこに参加者の主体性はありません。 参加者自らが気づき考えながら学ばない限りは、単なる知識の「伝授」に過ぎず、知識の定着や職場での実践に結びつきにくいのです。 脳科学的見地からすると、提供した情報やノウハウを職場で活用できる具体的なシーンを参加者自身に考えてもらってこそ、現実へとフィードバックしやすくなり「成果」を生むのです。 ②グループ発表でやり取りを増やす 研修においては、参加者の質問が主体性を高めるプロセスとして欠かせません。「質問」は研修の内容を理解、考察し、不明点や新しい側面を発見することなので、参加者がどれだけ知識を吸収したかを測るバロメーターでもあります。 しかし、日本人の「他人の前で変な質問をすると恥ずかしい」というメンタリティが邪魔をして、活発な質疑応答になりにくいケースが多々あります。 その対策としては、グループディスカッションで事前に質問内容をまとめてもらい、それを発表する形式にするとよいでしょう。個々の発言を取りまとめることができるため、一人ずつの質疑応答スタイルよりも多くの質問が寄せられるはずです。 ③ロールプレイングで動きを取り入れる 一方的な講義形式だけでなく、研修参加者にその場で実践させるロールプレイングを取り入れることも、主体性を高めやすいポイントといえます。 例えば、営業のテクニックの情報を講義形式で教えた後に、あるケースを想定して、実践さながらに参加者自ら営業をしてもらうようなカリキュラムを入れる等です。 講義を聞いて分かったつもりになっていても、ロールプレイングではうまくいかないポイントが見つかる可能性もあります。 自らやってみてできない経験をすることで、「なぜうまくできなかったのか」と主体的な問題意識が芽生えることも期待できるでしょう。 ④上司向けにも研修を実施する 社員に主体性を求めるなら、上司にもメンバーの主体性を引き出すような訓練が必要となります。 例えば、「メンバーが話しているのに途中で遮ってしまう」「すぐに正解を教えてしまう」「自分の指示を押し付けてしまう」等は、社員の主体性を引き出せない代表的なNG行動といえます。 そのような場合は、上司向けに部下の主体性を引き出すための研修を実施しましょう。 上司が変化すれば、主体性を発揮する社員の面積の広がりが期待できるため、組織的に前向きな変化が起こりやすくなります。 まとめ 研修の目的は、学んだ知識を実践に活かすことであり、研修そのものは成果に至るまでの通過点です。 研修を形式的なイベントで終わらせるのではなく、職場に戻った参加者の行動を変えるような研修をめざしましょう。 一緒に読まれている記事 ・やりっぱなしダメ!研修の効果測定をしよう ・時間、コスト…社内研修を取り巻く問題とその改善方法 ・社内研修の種類や効果を高めるための実施プロセスとは?

2023.09.15

eラーニングと集合研修|モチベーションアップに効果的なのはどちらか

2023.09.15

eラーニングと集合研修|モチベーションアップに効果的なのはどちらか

人材教育

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企業が、競争力を強化し、成長していくためには、従業員一人ひとりのパフォーマンスを上げる必要があります。 そして、従業員が自発的に仕事に従事していけるように、モチベーションを高める働きかけが欠かせません。その施策として、多くの企業で実施しているのが研修活動です。 近年では、従来の集合研修に加え、ITを活用したeラーニングを取り入れる企業が増加していますが、果たしてeラーニングは従業員のモチベーションアップに役立つ研修方法なのでしょうか。集合研修と比較しながら、検証してみましょう。 eラーニングと集合研修はどこが違う? まずは、eラーニングと集合研修のメリットとデメリットについて確認しましょう。 eラーニングのメリットのひとつとして挙げられるのは、モバイルデバイスを利用すれば時間や場所の制約を受けることなく学習できる点です。集合研修では、会場の設置、講師の調達といった手間とコスト、参加者のスケジュール調整や移動費など時間と場所の制約が大きく、参加者の人数が増えるほど大きなマンパワーとコストが発生してしまいます。 また、全国展開する企業では、頻繁に集合研修を実施するのが難しいため、あらゆる面でスピード感に欠けてしまいます。その点、eラーニングは全拠点で均一の研修内容を提供可能で、コンテンツを内製すれば業務フローの変更にもスピーディに対応できます。 業務に即した内製コンテンツについては、「Cloud Campus(企業向け)」にて詳しくご覧いただけます。 個人の理解度や目標に沿って、自分のペースで学習ができることも、eラーニングのメリットのひとつです。最近では、脳科学の見地を活用し、学習エンジンが個々の弱点を判別してくれる「アダプティブラーニング」を取り入れたeラーニングも登場しています。 一方、集合研修には、講師やほかの参加者と対面することで、個人学習では得られない臨場感や相互啓発があります。それによって理解度がさらに深まったり、新しい気づきにつながったりすることは、大きなメリットといえるでしょう。 eラーニングのメリット 集合研修のメリット 受講者 ·時間や場所の制約なく、スキマ時間で学習できる·個人のペースで繰り返し学習できる ·理解度を自分で確認しながら、苦手分野を克服できる ·非日常性と臨場感 ·相互啓発ができる ·その場で疑問解決ができる ·その場でフィードバックがもらえる 提供者 ·時間や場所、人数の制約を受けず提供できる ·必要な内容をスピーディに提供できる ·多様なコンテンツを提供できる ·学習の進捗や履歴を把握できる ·効果測定がしやすい ·強制力がある ·一定のカリキュラムを確実に提供できる ·学習者の反応がすぐに確認できる ·一体感や帰属意識の醸成   eラーニングでも集合研修でも発生する「モチベーションの持続」問題にどう対処する? 集合研修は対人学習のため、一見モチベーションアップに高い効果を発揮すると思われますが、内容や進め方によっては受け身の学習となり、学んだ内容が定着しないというケースも多々あるので注意が必要です。 また、研修前の受講者の知識レベルや、研修内容と業務内容の兼ね合いで、受講者によっては研修レベルが低すぎる、もしくは高すぎるということにもなりかねません。そうなると、せっかく時間を割いたのに期待した効果が得られず、かえって受講者のモチベーションを下げてしまう可能性があります。 こうした問題の解決には、eラーニングと組み合わせたブレンディッド・ラーニングが効果的です。例えば、研修後にeラーニングでテストや繰り返して学習できる機会を提供する、研修前に受講者にeラーニングで事前学習してもらい知識レベルを高めておくといった解決方法があるでしょう。 ブレンディッド・ラーニングの詳細は、「ブレンディッド・ラーニングでスムーズな人材育成を!」でもお読みいただけます。 eラーニングだけでの研修は個人学習となるため、受講者のモチベーションを維持することが難しくなることがあります。 特に、提供者が受講者にコンテンツを丸投げするだけの運用方法だと危険です。 そうならないためにも、受講者の質問を受け付ける窓口の設置、テストの実施、褒賞の用意、受講者同士が交流できるSNSの提供など、常に受講者に寄り添うサポート体制を整えることが重要です。 ブレンディッド・ラーニングで高い学習効果を狙おう eラーニングと集合研修には、それぞれに長短所があります。 業務内容や目的に合わせて使い分け、お互いを補完させるブレンディッド・ラーニングを実施することで、より高い学習効果を目指してみてはいかがでしょうか。 なお、弊社では「eラーニングコンテンツ」を多数取り扱っております。お手軽に学んでいただくことがでるので、ぜひご活用ください。 こちらの記事も読まれています: 新入社員にもベテラン社員にも社員研修が必要な理由 参考:  eラーニングの活用事例|日本の人事部   eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】

2023.07.28

社員研修のよくある失敗事例と成功させる3つのカギ

2023.07.28

社員研修のよくある失敗事例と成功させる3つのカギ

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人事制度・組織づくり

社員研修の失敗事例は成功のもと ビジネスを取り巻く環境が激しく変化している現代で、自社が設定した成果に貢献する人材を効果的に育成することは、どの企業にとっても最も大きな課題であるというのは過言ではないと思います。しかしながら、本当に効果・効率の観点で研修を成功させている企業はひと握りのようです。 では、どのような研修が成功しているのでしょうか? “失敗は成功のもと”という昔から伝わる言葉もあるので、“よくある失敗のパターン”を探ることで「成功する研修のヒントが得られるのでは!?」と思い、さっそく調べることにしました。今回は、人材育成の担当者が知っておくべき研修の失敗パターンから、研修を成功させるカギについて考えていきたいと思います。 社員研修のよくある失敗パターンとは? さまざまな企業で実践されている研修の失敗パターンを調べていくと、以下3つの理由がよく挙げられていることに気づきました。 目的が不明瞭である そもそも、なぜその研修をやる必要があるのか、やることでどのようなメリットがあるのか等の目的を明確に定め、しっかり社員(受講者)に伝えなければ「やらされ感」は強くなってしまいます。また、義務感だけになってしまうと、せっかく事前準備して提供した知識やスキルも身につきません。 社員(受講者)の知識のバラつきが大きい 研修内容に関する事前知識が受講者間で大きなバラつきがあると、均一的な学習効果を発揮ことができません。たとえば、語学研修を実施する際、英語アレルギーのある初心者と帰国子女だった上級者を、同じ教室で同じ内容で学ばせても均一的な学習効果が得られないことは想像に難くないでしょう。これは、語学研修以外でも同様のことが言えます。 目標設定と効果測定をしていない スタンダードな研修の目標項目としては「期限」と「数値(達成度)」が挙げられます。『その研修で、いつまでに、どのような状態(数値化)にさせるのか』ということを事前に設定しておく必要があります。また、「〇月〇日までにセキュリティについて学習させる」という曖昧な設定では「どの程度まで」理解させられたのかというレベルを明確にしていないので、研修を振り返った際に、本当に効果があったのか悪かったのかが、わからなくなってしまいます。 社員研修を成功させる3つカギ 上述した内容については、人材育成の担当者にとっては、心当たりがあることも含まれていたのではないしょうか。そして、これらの失敗パターンを解消させることができれば、研修を成功に近づけられるはずです。 1.目的を明確化する 研修の必要性やメリットを明確に定義し、事前に社員へ周知することで、社員の気持ちが引き締まり、モチベーションアップに繋がります。また、一人ひとりの研修に取り組む姿勢もポジティブになります。 2.社員(受講者)の知識のバラつきを未然に防ぐ 集合研修前に最低限知っておかなければならいない知識は、eラーニングを利用した自己学習を促すことで、バラつきを回避できます。さらに、その後の集合研修では、実務スキルの向上に特化するなど、学習目的に応じて役割を分けることでさらなる学習効果が見込めます。 3.目標設定と効果測定を定着化させる 目標設定のポイントとしては『達成するまでの期限』と『数値化された達成目標』を設定することです。 たとえば、スタッフの接客スキルを養成する研修であれば、『〇分以内に、製品に関する5つの特長を説明できるようにする』といった具体的に数値化されていることが望ましいです。 また、知識レベルの効果測定方法としては、学習管理システム(LMS)に搭載されている確認テスト機能を使って、受講者の理解度を点数で見える化をすることも良い手段です。これらを実施して成果を出し続けていくためには、社内の取り組みとして定着化させる必要があります。 最後に 研修で目に見える成果を上げることはなかなか難しいことですが、失敗パターンを予め知っておくことで、失敗を未然に防ぎ、成功までの近道を発見できることもあると思います。 一気に研修体制を変更することが難しい場合、まずは3つのカギを意識して自社の研修体制を見直してみてはいかがでしょう。 <参考サイト> 「社内研修」の失敗事例と改善のためのポイント(日本の人事部) 【やりっぱなし研修撲滅宣言!~今日から始める行動定着型研修~】第25回 目標設定が失敗する3つの理由(HRプロ) 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.07.26

社内講師で研修を行うメリット・デメリット

2023.07.26

社内講師で研修を行うメリット・デメリット

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人事制度・組織づくり

最近耳にするようになった、社内講師、社内認定講師をご存知ですか?これまでの集合研修のスタイルは社外の企業向け研修会社による講師派遣が一般的でした。 しかし近年では、社員の中から講師を選抜したり、手上げ制で講師を募集したりし、自身の得意分野を生かした社員研修を行う事例が増えてきています。ここでは、社内講師についてご紹介し、それぞれのメリットとデメリットをみていきましょう。 社内講師はどうやって決めるの? まずは、必要とされる研修の内容を人事で確定させます。その研修内容を基に、社内で適任な講師を選定し、人事から講師候補に対してアプローチするのが一般的です。 一方、「仕事を通じた経験が人を成長させる」という事に重きをおき、「自ら手を挙げた人にチャンスを与える」というポリシーの元、さまざまな知識や経験・ノウハウを持った社員が自ら社内講師として応募する会社も出てきています。 社内講師のメリット/デメリット それでは、社内講師のメリット/デメリットについてみていきましょう。 メリット 業務に直結した指導ができ、効率的 社外講師を派遣してもらう分のコストが不要になる 教える側も指導者としての実力が鍛えられる 研修ノウハウが蓄積できる 会社の状況に最適化した研修ができる 講師が社内に在籍しているので、研修後のフォローがしやすい 日程調整等しやすい デメリット 講師の選定が難しい(適任の社員が見つからない場合も) 研修の運営体制が整うまで時間がかかる 品質が担保されない(講師によりばらつきがあり、研修効果にムラが出る) 講師担当の業務が増えるため、会社のサポート体制が必要になる 社内にない知識や刺激を得ることができない 役職のある社内講師などには、意見がしづらい場合がある 社内講師に期待されること では、実際に社内講師の導入を検討する場合、期待されることを考えてみましょう。 講師自身の成長 講師として社員の前で研修を行う事により、受講者だけでなく、講師自身の成長も期待できます。単にプレゼン力や指導力が上がるだけでなく、受講者からの意見や感想を聞くことで、新たな経験やノウハウを獲得していくことができます。 体験談の共有 同じ会社で働く社員の体験談は、聞き手の社員にとっても、自身の業務に置き換えて、話の内容や状況が理解し易いのではないでしょうか?自身の実際の体験談を共有・浸透させる事が重要になってきます。 企業方針の浸透 人事サイドからすると、社内講師だからこそ成し得る、企業の方針に紐づいた業務推進の浸透を促すことが可能です。社外講師では、理解しづらい企業の在り方や経営方針について、社員への浸透を行う事が実現可能です。 受講者が研修で学んだことを実践できる 一番の目的は、受講者研修で実際に学んだことを、実践できるかどうかという事にあります。 受講者の理解を促すために、単純な座学だけではなく、ワークショップやeラーニングも取り入れたブレンディドラーニングの活用も効果的であると考えます。 ニーズを考えて使い分けを 以上のように、社内講師には、メリットが数多くありますが、運営のコストなどデメリットもあります。企業が必要とする社員のスキル習得のために必要な研修を、社内講師・社外講師で上手く使い分ける事が必要になってきます。 昨今では、社内講師育成の支援をする会社も出てきています。社員への教育効果と効率を考えたうえで、使い分けを検討していく必要がありそうです。 参考サイト: ソフトバンク流 研修内製化の真実(2016/2/4確認) “300年以上成長し続ける企業”を目指すソフトバンクグループの 人材育成戦略(前編) ――なぜ、研修を内製化するのか(2016/2/4確認) “300年以上成長し続ける企業”を目指すソフトバンクグループの 人材育成戦略(後編) ――研修を内製化する仕組みが、人と組織を成長させる(2016/2/4確認) 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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