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LGBT研修とは?目的や研修内容を解説

2024.05.08

人事制度・組織づくり

人材教育

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  • ダイバーシティ
  • LGBT
LGBT研修とは?目的や研修内容を解説

誰もが働きやすい職場環境を実現するためには、LGBTに対する理解を深めることが大切です。

LGBTについて学ぶ機会がなければ、無意識な差別発言や行動によって社内のLGBT当事者に不快な思いをさせたり、優秀な人材の離職につながったりする可能性があります。

この記事では、LGBT研修の目的や研修内容を解説します。

LGBT研修の実施を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。

LGBTとは

LGBTは、Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシュアル)、Transgender(トランスジェンダー)の頭文字をとった言葉で、性的少数者を指します。

LGBT以外に「LGBTQ」や「LGBTQ+」といった派生形も存在します。

LGBTQは、性的指向や性自認が男女のどちらにも当てはまらなかったり、流動的であったりすることを表すQuestioning(クエスチョニング)やQueer(クィア)の頭文字のQをくわえた言葉です。

LGBTQ+は、特定の性的指向や性自認に該当しないことを表現する「+」をくわえ、多様な性的少数者がいることを表現しています。

LGBT研修が必要とされる背景

LGBT研修は、社内のダイバーシティを推進したり、LGBT向けの商品やサービスの開発をめざしたりするために必要とされています。

ここでは、LGBT研修が必要とされる社会的背景を解説します。

ダイバーシティの推進

社会全体としてダイバーシティやグローバル化が進んでいることから、年齢・性別・国籍・価値観等が異なる多様な人材を受け入れる姿勢が企業に求められています。

さらに、少子高齢化によって労働人口の減少が続き、人材確保が難しくなっている背景もダイバーシティが推し進められている要因となっています。

そんななかで優秀な人材を確保したり、離職を減らしたりするためにもLGBT研修を実施して多様な人材への理解を深め、誰もが働きやすい環境をつくる必要があるのです。

LGBTの市場規模の拡大

電通ダイバーシティ・ラボが実施した「LGBTQ+調査2020」によると、LGBTの市場規模は、5.42兆円と公表されています。

また、宝塚大学看護学部の日高庸晴教授による2016年のLGBT当事者の意識調査では、回答者15,064人のうち約62%の当事者がセクシュアルマイノリティにフレンドリーな企業の商品を優先して購入したいと回答しています。

参考:LGBT当事者の意識調査

このような背景から、LGBTへの理解を深め、LGBT向けの商品やサービスを提供することが企業の収益アップにつながると予測できるでしょう。

LGBT研修の目的

LGBT研修の実施により、社員がLGBTに関する正しい知識を身に付けることは、誰もが働きやすい職場環境の実現や、優秀な人材確保のために重要とされています。

ここからは、企業におけるLGBT研修の目的を解説します。

目的①ハラスメントの防止

LGBTに関する知識がなければ、職場で差別的な発言をしてしまうハラスメントが発生する可能性があります。

例えば、異性愛者を前提とした会話は、LGBT当事者に不快な思いをさせてしまうことになります。

そのため、研修を通して当事者への理解を深め、被害者の悩みを減らしたり、無意識に加害者になることを予防できるLGBT研修を積極的に取り入れることが大切です。

これにより、人権侵害による訴訟リスクの回避にもつながります。

目的②働きやすい職場環境の実現

LGBTを差別しないのはもちろん、悩みを理解して相談に乗ったり、サポートしたりする人を増やすことで、誰もが働きやすく生産性の高い職場環境を実現できるようになります。

働きやすい職場環境の実現は、優秀な人材の離職防止にもつながります。

目的③優秀な人材の確保

LGBT研修によって多様な人材を受け入れる姿勢をもっている企業は、社会的信用度が高まります。

また、LGBT研修を実施していることをアピールすれば、LGBT当事者だけでなく多くの優秀な人材に出会える可能性も高まるでしょう。

LGBT研修の主な内容

LGBT研修で取り扱ったほうがよい主な内容を解説します。

LGBTの基礎知識

LGBT研修では、「LGBTとはどのような人のことを指すのか」「日本にどれくらいのLGBT当事者がいるのか」といった基礎知識を学びます。

LGBTへの理解を深め、自分の周囲にLGBT当事者はいないという思い込みをなくすことが、無意識な差別の防止につながります。

LGBT当事者が抱える悩み

LGBT当事者の実体験に基づいた体験談や事例を聞くことは、当事者が抱える悩みを理解する第一歩です。

どのような発言や行動がLGBT当事者への差別になるのかを学び、自身の発言や行動を振り返って、無意識のうちにLGBT当事者を差別していないかを確認することが大切です。

適切な対応方法

誰もが働きやすい環境をつくるには、LGBTの基礎知識を理解して差別をなくすだけでなく、LGBT当事者をサポートできる人材を育てることが大切です。

そのため、LGBT当事者からカミングアウトを受けたり相談されたりしたときに、適切な対応が取れるような知識を身に付けておくことが求められます。

さまざまなケースに対応するためにも、LGBT当事者だけでなく、それ以外の視点も重要です。LGBTに詳しい講師を招き、当事者以外の立場からの失敗経験やLGBTを支援する立場になった経緯等を聞く機会をつくるのもよいでしょう。

LGBT研修を実施する際のポイント

LGBT研修を効果的に実施するためのポイントを解説します。

研修の目的を明確に示す

LGBT研修を実施する際は、研修の目的や必要性を社員に共有することが大切です。

受講者がLGBT当事者でない限り、明確な目的がなければ積極的に学ぼうという姿勢になることは難しいでしょう。そのような状態で受講することにならないためにも、LGBT研修を実施する重要性と、今後の企業成長のために必要であることを社員に説明しておきましょう。

また、無意識のうちにLGBT差別をすることで訴えられたり、社内で罰則を受けたりするリスクを説明しておくことも効果的です。まずは受講者が自分ごとにできるように「なぜ受講するのか」の目的を明確にすることから始めましょう。

研修の振り返りを行う

LGBT研修は、一度受講したら終わるものではありません。

LGBT研修で学んだ内容を活かしてもらうためには、研修後も継続して学習することが大切です。

新入社員が配属される年度初めだけに実施するのではなく、長期的にフォローアップできる環境を整えていきましょう。

研修の振り返りをする習慣がない場合は、各職場の定例会議で事故事例やトラブル事例とともに紹介するのも効果的です。

研修後に効果を測定する

LGBT研修は実施するだけでなく、その後の効果測定が重要です。

効果測定をしなければ改善すべき点を見直せず、研修の効果が薄れてしまいます。

例えば、営業のデモンストレーションのなかに客先担当者がLGBT当事者を想定したケースを取り入れるのもよいでしょう。研修後に大きな効果が見られない場合は、受講者へのアンケートを実施して改善を繰り返していきましょう。

LGBT研修の依頼先を選ぶポイント

社外に依頼してLGBT研修を実施する際に「どのようなポイントに注目して依頼先を選べばよいか」といった悩みを抱える担当者も多いでしょう。

ここからは、LGBT研修の依頼先を選ぶポイントを解説します。

ポイント①講師

LGBT研修の講師を選ぶ際は、LGBT当事者と非当事者の両方の立場から意見が聞けるように意識することが大切です。

ある程度研修実績のある講師であれば、話術等のスキルに大きな差はありません。

そのため、非当事者の視点で失敗談やLGBT当事者をサポートする立場になった経緯等の話ができ、LGBT当事者が直面してきた事実もきちんと伝えられるかといった点を重視しましょう。

LGBT当事者に会ったことがない受講者が多い場合は、当事者を呼んで直接話を聞くことでLGBTに対する理解を深めやすくなります。

ポイント②研修内容

LGBT研修を社外に依頼する際は、自社に必要なカリキュラムやプログラムを提供しているかを確認しましょう。

ニーズに応じてカリキュラムをカスタマイズできれば、より自社に適した研修を実施できます。

また、LGBTの基礎知識や対応方法といった研修内容が同じであっても、話を聞くことをメインとする講義形式であるか、グループワークやディスカッション等を豊富に行う実践形式であるかといった違いもあります。

ポイント③研修の実施方法

研修の実施方法には、集合研修・オンライン研修eラーニングといった種類があります。

集合研修は、対面で研修を実施するためグループワークやロールプレイングを行いやすく、オンライン研修は、会場の手配が不要で講師も受講者もどこからでも参加できるのが特長です。

eラーニングは、会場の手配やスケジュール調整が不要で、時間や場所を問わず学習できます。

それぞれ特長が異なるため、自社のニーズに合う実施方法を選択できる依頼先を選びましょう。

ポイント④実績や口コミ

信頼できるLGBT研修会社を選ぶためには、LGBT研修の実施実績や、利用企業の声を確認しましょう。

取引先の企業名や利用者の声をホームページで公開している研修会社は、信頼度が高いといえます。

また、ニーズや悩みが似ている同規模の同業他社への研修実績がある会社は、自社のニーズにも合う研修を実施できる可能性が高いでしょう。

まとめ

多様な人材を採用して活かすダイバーシティの推進やLGBTの市場規模の拡大によって、LGBTに対する理解を深めることが重要とされています。

LGBT研修の実施により、社員がLGBT当事者の抱える悩みや適切な対応方法を学ぶことは、無意識な差別やハラスメントの防止にもつながります。

LGBTに関する正しい知識を身に付け、誰もが働きやすい職場環境をつくりましょう。

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