2024.02.14
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「オンライン研修を導入する企業が増えているようだが、自社でも効果があるのか」
「オンライン研修を成功させるにはどうすればいいのか」
このようにお悩みの人事担当者の方も多いのではないでしょうか?
コロナ禍をきっかけに、企業で大幅に普及が広がったオンライン研修。働き方改革の潮流も後押しとなり、新しい研修のあり方として注目されています。
しかしこれまでオンライン研修を実施したことがない企業では、具体的な効果や進め方が分からないという声もあるようです。
今回は、オンライン研修のメリット・デメリット、効果を上げるためのノウハウについてお伝えします。
オンライン研修を検討中の方は、自社の状況を思い浮かべながらご一読ください。
オンライン研修とは
オンライン研修とは、講師や受講者が同じ場所に集まることなく、オンライン上で開催される研修です。Web会議システムを用い、パソコンやスマートフォンを通じて実施されるのが一般的です。
具体的には、講師のいる会場と各拠点をインターネット回線でつなぎ、受講者は手元のテキストやパソコン画面を確認しながら、講師の音声をヘッドホンで聞いて学びます。
オンライン研修のほか、実施形態に応じて「Web研修」、「ウェビナー(WebとSeminarを組み合わせた造語)」とも呼ばれています。
かつてのオンライン研修は、IT企業のデモに代表される特定場面で活用されていましたが、昨今は企業規模や業種を問わず広がってきており、スタンダードになりつつあるといえるでしょう。
オンライン研修が注目される背景
オンライン研修は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の動きを受け、一気に需要が高まりました。
インターネットを通じた非接触での研修が可能なため、密集・密接を防ぐことができるためです。
Withコロナを掲げるニューノーマルの時代になっても、オンライン研修の普及は広がりを続けています。
働き方改革が進み、時差出勤やテレワークを導入するなど、一人ひとりの働き方そのものを見直す組織が増えているからです。
すべての対面・集合型研修をオンライン研修に置き換える企業も一定数はでてきています。しかし、今後は対面・集合型とオンライン双方の特徴を踏まえて、ハイブリッドで研修を行う企業が増えることが予想されます。
従来型eラーニングとの違い
従来型のeラーニングとは、パソコンやモバイル端末、DVDなどの情報技術を利用して行う学習方法のことを指します。
サーバー(学習管理システム)に保存した教材を配信し、パソコンやスマートフォンなどを用いて受講する形式です。
近年はeラーニングもインターネット回線を介することが当たり前になったため、eラーニングは、オンライン研修のひとつとする考え方もあります。
例えば企業によっては、以下の使い分けをしていることもあります。
eラーニング……録画された講義を受講する「一方向型」
オンライン研修……受講中にリアルタイムで講師や受講生同士のやりとりを行う「双方向型」
いずれにしても厳密な定義ではないため、自社なりに言葉の使い方を区別するようにしましょう。
オンライン研修のメリット
多くの企業で導入が進んだ理由となった、オンライン研修のメリットをお伝えします。
コストや手間が削減できる
対面・集合型研修と比較すると、コストや準備の手間が削減できるのがオンライン研修のメリットです。
交通機関の利用や宿泊などが発生しないため、研修参加時の交通費や宿泊費が発生しません。また、全員が集合できる会場を用意する必要もありません。
受講者側も、研修前後の移動時間を確保する必要がなくなるため、業務時間の調整がしやすいでしょう。短時間の研修であれば、業務の合間に研修を受講でき、自分のペースで学習することが可能になります。
時間や場所がほとんど制限されない
オンライン研修は、対面・集合型研修と比較して幅広い受講層に対応することが可能になります。
全員が一か所に集まる必要がないため、インターネットに接続できる環境と機器がそろっていればどこにいても受講可能です。
例えば地方拠点の受講者も、出張の負担なしに研修に参加することができます。
また、研修を録画して共有しておけば、視聴する時間も受講者の自由です。
これまでは時間や場所の制約で参加できなかった人もオンライン研修の対象となることから、社員間の研修格差の改善ができます。
インタラクティブなやり取りができる
講師と受講生とインタラクティブ(双方向)なやり取りができるのも、オンライン研修の魅力です。
Web会議システムを利用したオンライン研修は、複数の受講者をグループ分けすることも可能です。
全体での講義のあと、それぞれのグループに分かれてディスカッションをしたり、講師がフィードバックを与えたりなど、相互のコミュニケーションをとることができます。
さらにオンライン研修では、チャット機能を使って参加者の声を集めることができる特長もあります。例えば、講師への質問をチャットで行い、それに対してのフィードバックを講師がライブで行う、といったインタラクティブな講義も可能です。
オンライン研修のデメリット
次に、オンライン研修を実施した企業から、デメリットとしてよく聞かれる点についてもお伝えします。
横のつながりができにくい
対面・集合型研修と比べて横のネットワークが生まれにくい点は、オンライン研修のデメリットとしてよく聞かれます。
オンライン研修は、他の受講者から受ける刺激や受講者間の交流が、集合型研修と比べると少ない傾向にあります。受講者間の関係性構築を研修の目的としている企業からすれば、やや物足りなさを感じるでしょう。
ただしオンライン研修であっても、グループディスカッションや交流の時間を設けることで、デメリットの解消が期待できます。
内容に向き不向きがある
オンライン研修は、実習型や技術の習得を目的とした講習には不向きとされています。
実務に必要な手技や細かい接客技能などを習得する目的の場合、オンライン研修では対応が難しいでしょう。ワークショップや実習をともなった研修をオンラインで行う際は、実施に相応の工夫が必要となる可能性があります。
オンラインでの研修を強行してしまうと、参加者の不満・不評にもつながるため、内容に応じて対面での研修も検討するようにしましょう。
オンライン研修実施のコツ(事前準備)
オンライン研修をスムーズに行うための、事前準備のコツについて紹介します。
テクニカルトレーニングを行う
オンライン研修を行う場合は、事前にパソコン操作のテクニカルトレーニングを行いましょう。
受講者の職種や業界、あるいは世代によって、オンラインでの研修の操作に不慣れな方もいます。操作方法が分からないと、ワークショップに参加できない、質問ができないなど、研修効果が半減してしまいます。
必要な機材、ログイン方法などの操作マニュアルを用意するのはもちろん、参加者にテクニカルトレーニングを行うよう実施する側に依頼しましょう。
【テクニカルトレーニングの例】
マイクのオン・オフの切り替え方(ミュート操作)
カメラのオン・オフの切り替え方
質問やチャットの操作方法
簡単な操作であれば、研修の冒頭にアイスブレイクのひとつとしてテクニカルトレーニングを行うのもお勧めです。
オペレーターを用意する
研修講師とは別に、機材を操作するオペレーター担当者を用意すると、当日の運営がスムーズに進められます。
Web会議システムの操作に慣れた方や、機材トラブルに対応できる方をオペレーターにアサインするといいでしょう。即座に対応できる人がいるだけで、講師や受講者が安心して研修に取り組むことができます。
飽きさせない工夫をする
当日の進行や資料は、なるべくコンパクトにして、受講生を飽きさせない工夫をしましょう。
オンライン研修を長時間行うと、受講者の集中力が切れてしまうことが考えられます。
受講者が集中して研修に参加できるよう、タイムスケジュールはコンパクトにすることが望ましいです。30~60分程度講義を行ったら10分休憩を挟むなど、集中力を保てるようにスケジュールを組みます。
オンライン研修実施のコツ(当日~実施後)
次に、当日およびオンライン研修実施後にやるべき工夫点を紹介します。
カメラオンを推奨する
受講者に対して、カメラをオンにするように促しましょう。
受講者は「顔出し」で研修に参加することで、集中力が高まります。
研修内容によっては、顔が見えることでグループディスカッションも行いやすいでしょう。
講師の観点でも、受講者の反応を確認しながら研修を進行できるメリットがあります。
映り込んでしまう背景が気になるといった意見があったり、プライベートを保護したい場合は、バーチャル背景の活用を案内したりしてください。
内容を録画する
オンライン研修の実施映像は、当日に録画しておくことをお勧めします。
受講者の状況によって、研修の開催日程とのスケジュール調整ができず、参加できないこともあるでしょう。業務都合で、当日欠席や途中退席となってしまうケースもあります。
前述したとおり、録画内容を共有すれば、不参加者や途中退席者であっても、後日の受講が可能です。
受講済みの従業員にとっても、録画映像で復習し、理解を深めることができます。
ただし録画の際はそのことを参加者全員へ事前に共有し、トラブルがないよう注意しましょう。
実施後のフォローを行う
受講後は、忘れずにしっかりフォローする必要があります。
フィードバックをしたり、レポート提出を設けたりするなどしてフォローしましょう。
使用するWebツールによっては、オンラインで受講後のアンケートまでできるものもあります。
次の研修企画のための情報収集を行うとともに、気になる受講者は個別にフォローしてください。
まとめ
今回は、企業ではスタンダードになりつつあるオンライン研修について取り上げました。
企業にとってはコストや手間の削減ができ、受講者は自分の時間を確保しながら学べる、メリットが大きい研修形式といえます。
オンライン研修を実施したことがないという企業は、まずは社内の小規模の勉強会からオンライン研修を試してみてはいかがでしょうか。
eラーニングは社員教育との親和性が高く、学習者にとっても企業にとってもメリットの要素が多い学習方法です。自社の研修内容に合わせてより効率的・効果的な提供方法をぜひ検討してみてください。
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