2023.07.20
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「新入社員のために業務マニュアルが必要になったが、作り方が分からない」
「今の業務マニュアルの内容が分かりにくいと指摘されたが、改善方法が思いつかない」
業務の円滑な遂行には、マニュアルや手順書の作成が必要不可欠といっても過言ではありません。
しかし作る機会がそこまで頻繁にない業務マニュアルは、作り方のステップや理解を促すコツが分からないという声も聞かれます。
この記事では、業務マニュアルを作成する手順や、内容を伝えやすくするためのポイントを解説します。はじめて業務マニュアルを作成する方や、現在お使いの業務マニュアルを改善したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
業務マニュアルを作るメリットとは?
はじめに、業務マニュアルを作成することで得られるメリットを紹介します。
1-1.業務の品質が担保できる
業務マニュアルがあれば、業務の品質維持・向上が期待できます。
業務の進め方を各個人に任せてしまうと、それぞれが行いやすい手順で進められる反面、タスクの対応もれや品質が個人に依存してしまう恐れがあります。
業務マニュアルを作成すれば、誰でも一定の品質を保ちながら業務を遂行できるのです。
さらに、基準となるマニュアルがあれば各個人の達成度を明確化できるため、指導や評価を行うマネジメント層にも役立つでしょう。
1-2.業務の効率化ができる
業務の流れをマニュアル化することは、作業工数の削減や業務効率に寄与します。
マニュアルがなく業務の流れを説明すると、伝える側にも教わる側にも工数が発生することになるでしょう。作業開始後に業務プロセスを忘れてしまった場合にも、自己流のやり方で進めてしまったり、上長に質問したりしなくてはなりません。
業務マニュアルがあれば、レクチャーの工数を減らし、業務を効率化できる可能性が高まるのです。
業務マニュアルは、引継ぎ場面でも効果を発揮します。常に業務マニュアルの内容を最新化しておけば、異動が決まってから慌てて業務マニュアルを作る必要もなくなります。
作成手順
実際に業務マニュアルを作成するときの、一般的な5つのプロセスを紹介します。
2-1.マニュアルの範囲を決める
作成の準備段階として、業務マニュアルの適用範囲を決定します。
業務マニュアルの作成範囲を決めないまま作成を始めてしまうと、必要な業務がもれていたり、必要のない範囲までマニュアル作成したりする無駄が生じます。
作り直しの手間が発生するだけでなく、運用し始めても作業担当者に必要な情報がなく、効果を発揮しない可能性もあるでしょう。
あらかじめ作成するマニュアルで業務プロセスのどこまでをカバーするのか決めることが大切です。
2-2.作成スケジュールを決める
業務マニュアルの目的や範囲が明確になったら、続けてマニュアル作成のスケジュールを決定します。
「いつまでに、どのくらいの時間をかけて作成するか」という計画がなければ、ほかの業務に追われてマニュアル作成が進まないことや、必要以上に作成に工数をかけることにもなりかねません。
スケジュールの決定時には、併せてマニュアル作成に必要な工数や人材の数も見積もっておくとよいでしょう。
2-3.マニュアルの構成を決める
次にマニュアルの構成を決めます。マニュアル全体の目次や章立てを作るイメージです。
業務によっては「最初に全体像を示したほうが良い場合」「作業プロセスを順序立てて示したほうが良い場合」等のケースが考えられます。対象業務の理解を促しやすい構成を、あらかじめ決める必要があります。
構成ができあがった段階で、上長や他の作業担当者にチェックしてもらうと、作成の手戻りが発生しにくくなるでしょう。
2-4.マニュアルを作成する
実際に構成にそって、内容を埋めていきます。
業務プロセスに応じてマニュアル作成者が異なる場合は、書き方やスケジュールを含めて依頼を行ってください。
2-5.テスト運用・改善を行う
マニュアルの作成を終えても、実際に運用しなければ使い勝手は確認できません。
そのため作成後にはテスト運用を行い、問題があればその都度改善を試みることが重要です。
範囲が広い業務のマニュアルなら、一定プロセスごとにテスト運用をして、内容の改善を行う方法も有効でしょう。
分かりやすい業務マニュアルのポイント
誰にでも分かりやすい業務マニュアルにするための、作成ポイントをお伝えします。
3-1.5W1Hを意識する
マニュアルの内容は具体的、かつ初めて業務にあたる人にも伝わりやすいことが大切です。
具体性を出すためには、「いつ」「誰が」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」の5W1Hを意識して作成します。5W1Hはビジネスシーンにおける基本の考え方であり、他者に何かを共有する際には欠かせない視点です。
5W1Hを意識してマニュアルを作成することで、利用者が理解しやすいマニュアルになるでしょう。
3-2.見やすさを工夫する
マニュアルはイラストや画像・動画等をうまく組み合わせることで、視覚的に分かりやすくなります。
文字だらけのマニュアルは、一目でポイントが分かりづらく、読んで理解するのに時間がかかります。もとより、読む気が起きずにマニュアルが使われないということも発生するでしょう。
昨今は、動画で業務マニュアルを作成するケースも増えています。
イラストや画像と比べると、動きを通じて内容を伝えられるため、読み手の理解を促しやすいメリットがあります。
3-3.誰でも分かるように簡潔に書く
業務マニュアルは、初めてその業務を行う人でも分かるように作ることが大切です。
業務経験のない新入社員でも、内容が理解できるようなマニュアルをめざしましょう。
専門用語や初心者が理解できない言葉はなるべく避け、誰でも分かる言葉で記載することが求められます。
仮に専門用語や業界用語を用いる場合は、注釈を入れるようにしましょう。
3-4.定期的に見直し・改善をする
業務マニュアルを作成したあとはそのまま使い続けるだけではなく、定期的に更新や見直しを行うことが大切です。
運用が変更になったにも関わらず、業務マニュアルが更新されないままだと、現場の混乱を招く原因になります。運用変更時の更新とともに、定期的な見直しの機会を設けましょう。
業務マニュアルのテンプレート例
マニュアルを作成する際に、一般的によく使用されるテンプレートを紹介します。いくつか確認をしてみて、自社の業務マニュアルにフィットしやすいテンプレートを見つけてください。
4-1.Microsoft
Word・PowerPoint・Excelの開発元であるMicrosoft社が提供しているテンプレート集です。
Word版では、ビジネスレターや案内状のテンプレートが充実しており、PowerPoint版では背景のデザインが多く用意されているのが特長です。
Excel版では、業務経費報告書や請求書等、数字を扱った業務のテンプレートが多く用意されています。
Word:https://templates.office.com/ja-JP/templates-for-Word
PowerPoint:https://templates.office.com/ja-JP/templates-for-Word
Excel:https://templates.office.com/ja-JP/templates-for-Word
4-2.bizocean
bizoceanは、ビジネスパーソンを対象とした『書式の王様』をはじめ、ビジネスに関連するコンテンツを提供しています。
マニュアルのテンプレートも充実しており、Word・PowerPoint・Excel版が用意されているのが特長です。
bizocean:https://www.bizocean.jp/doc/
4-3.SILAND.JP
SILAND.JPは、Word、Excelのマニュアルテンプレートが用意されています。
操作マニュアルや運用マニュアルの作成用テンプレートが充実しており、システムの操作方法や運用オペレーション等を伝えるときに活用できるでしょう。
SILAND.JP:http://siland.jp/
業務マニュアルの活用事例
最後に、業務に求められる動きや必要知識をマニュアル化して活用している事例をご紹介します。ぜひ自社の状況と照らし合わせながらご一読ください。
5-1.ケアパートナー株式会社
介護施設内で使われる業務マニュアルと研修関連資料のペーパーレス化を達成した事例です。
ガイドラインやマニュアルをeラーニング化したことで、全国の介護施設の現場から「業務負担が減った」という声が多く寄せられたそうです。
eラーニングの動画を活用して通所介護事業所で提供している機能訓練である「マシントレーニング」の説明や案内を動画にしたところ、「分かりやすい」「OJTの手間が省ける」と好評だったようです。
5-2.スターティア株式会社
若手営業担当の育成、社内ノウハウの共有を、DX改革としてクラウド上で展開した事例です。
ヒューマンリソースによるマネジメント裁量の若手営業教育が限界になっていた同社。モバイルで効率的に学べるシステムを検討していたそうです。
わずか2名の体制で週2本のコンテンツを公開し、現場の課題に即した企画も採り入れていきました。
初年度で受講率約85%を達成し、他部門への展開で全社的なプロジェクトになったそうです。
5-3.セゾン自動車火災保険株式会社
リモート研修の需要に合わせ、研修理解度が把握できるeラーニングシステムを構築した事例です。
対面とオンラインで交互に学ぶ新しい研修スタイルを実施しました。研修受講者の学習を促すため、「チャレンジ問題」「リベンジ問題」と称して、同じ問題を2回解くようコースを組んでいます。
1年間で理解度をはかるテストにおける平均が80点となり、また研修時間も2,800時間削減することができ、外部機関からも表彰されたそうです。
まとめ
業務マニュアルがあると、業務の属人化を防ぐことができ、効率化や品質担保に効果があります。
使う側にとって分かりやすい内容にする必要があるため、あらかじめ作成手順やコツを把握してから着手するようにしましょう。
昨今は動画で動きを取り入れた業務マニュアルも、業務担当者の理解を促しやすいと評判になっています。
自社で使いやすい業務マニュアルの作成方法を探し、現場で活用しやすいマニュアル制作を心がけてください。
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