2023.07.20
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eラーニング導入で失敗しやすい3つのポイント
eラーニング導入にはたくさんのメリットがある一方、うまく活用できずに失敗してしまうケースも多くあります。この記事ではeラーニング導入における失敗例と成功する企業が押さえている導入プロセスについて紹介します。
まずはeラーニング導入のよくある失敗例を3つご紹介します。
- 受講者のモチベーションを維持するしくみがない
- 十分な準備期間がないまま運用開始してしまう
- 導入後に発生するコストを把握していなかった
よくある失敗例① 受講者のモチベーションを維持するしくみがない
eラーニング導入にあたり、多くの企業で課題となるのが受講率のキープです。
eラーニングのメリットである「いつでも好きな場所で学習できる」という点が裏目に出て、モチベーションが維持できなくなり、学習を継続できなくなることがあるからです。
よくある根本的な原因として受講者の学ぶ動機や必要性がそもそも薄いことが上げられます。
対策としては、管理を受講者個人に任せるのではなく、アドバイザー制度や評価制度を設けて、成果をフィードバックできる体制を整えることが重要です。また、学習者同士の交流が可能なSNS機能や、ゲーム感覚で楽しく学習できるゲーミフィケーションを取り入れることも、モチベーションの維持に効果的です。
よくある失敗例② 十分な準備期間がないまま運用開始してしまう
優れたコンテンツや機能を持つツールの作成にはそれなりの時間と労力がかかります。
十分な準備期間を確保したうえで研修の計画をスタートしないと、予定しているコンテンツ作成が間に合わなかったり、コンテンツ同士の整合性のチェックが不十分でクオリティに問題が生じたりと、失敗につながる可能性があります。
よくある失敗例③ 導入後に発生するコストを把握していなかった
eラーニングにかかるコストを事前に把握しておくことが重要です。
導入時の初期費用だけでなく、導入後もコンテンツの追加やアップデートが必要になる場合があります。
それ以外にも社員数増によるサーバーの増強や、動画閲覧の従量課金でさらなる追加コストが発生する可能性があります。
eラーニングの導入後に発生するメンテナンスも想定しておかないと運用中に思わぬコスト増となります。最悪の場合は継続が難しくなったり、実情にそぐわないシステムを使い続けざるを得なくなるなど、さまざまな弊害が生じる可能性があります。
以上、紹介した3つの失敗例に事前に対策しておくことが、eラーニング導入の失敗リスクを減らすことにつながります。では、eラーニング導入に成功する企業の一般的な意思決定プロセスをまとめます。
eラーニング導入までのプロセス【これで安心】
eラーニング導入に向けてLMS(Learning Management System:学習管理システム)の検討を行います。導入検討にあたり押さえておくべきポイントは以下の通りです。
- 導入目的とメリットの明確化
- システム検討(オンプレミス型・クラウド型)
- 各社のeラーニングシステムについて情報収集
- 費用とランニングコスト
- アップロード可能容量
- セキュリティ対策
- トライアル
1つずつ見ていきましょう。
1. 導入目的とメリットの明確化
なぜeラーニングなのか?どんな課題を解決するのか?を明確にしておきましょう。教育は効果を明確に数字にしにくいからこそ、目的をはっきりさせておかないと「費用のムダ」と思われかねません。
とはいえeラーニングを導入していなければ運用のイメージはしにくいかと思います。
そこで人材教育・研修の担当者が「eラーニング導入の効果を実感できた」と思うメリットを8つまとめまてみました。
1. 研修のために人を集める手間や調整が省ける
集合研修では、会場や講師の確保、参加者の日程調整などが必要ですが、eラーニングは時間や場所の制約がありません。2.準備費や運営費、人件費などのコスト削減ができる
集合研修を開催するたびに発生する会場費、講師代、資料準備費、運営費といったコストを削減できます。さらに、社員が研修のために費やす移動時間や拘束時間から発生する間接的な人件費の節約にもなります。3.得られたノウハウや情報を手軽に全社で共有・平準化できる
成果を出している社員のスキルやノウハウ、解決策などを全社で共有できます。集合研修だと現地に集まる必要がありますが、eラーニングなら即座に全社へ展開できるスピード感もメリットです。4.受講できなかった社員をスピーディにフォローアップできる
長期出張などで集合研修に参加できなかった社員がいても、再講習の日程調整が不要です。社員個人の都合のいいタイミングでフォローアップできます。5.集合研修と組み合わせることで効果が高まる
事前にeラーニングで参加者の知識レベルを揃えておくことで、集合研修をスムーズで効果的に実施できます。また、集合研修後のフォローアップとしてeラーニングを活用すれば、知識やスキルの定着にも効果を発揮します。6.個人・全体の進捗状況や学習履歴を管理できる
集合研修は参加者の理解度や定着度の計測が難しく、テストやアンケートを実施すると集計や評価といった煩雑な作業が発生します。しかし、eラーニングなら学習の進捗や理解度、定着度、履歴などを一括管理できます。7.いつでもどこでも受講できる
集合研修は日常の業務をストップして数時間、場合によっては数日間を費やします。eラーニングであれば、移動中のようなスキマ時間にスマホやタブレットで学習できます。8.繰り返し受講できるので理解度が深まる
自分が苦手だと思うテーマや、知識が定着していないと思う項目を、何度でも自己学習ができます。そうすることで理解が深まり、一度きりの集合研修ではフォローが難しい知識のムラを克服できます。
eラーニングには提供側にも受講者側にもメリットが数多くあります。eラーニング導入をすべき理由を検討し、明言できるようにしておくと良いでしょう。
導入形態(オンプレミス型・クラウド型)
LMS(Learning Management System:学習管理システム)は大きく2種類あります。
イントラネット/オンプレミス型
サーバーやネットワーク機器、あるいはソフトウェアなどを自社で保有し運用するシステム形態です。特にセキュリティ面において人事関連データを含む機密情報を外部に置きたくない企業や、自社オリジナルのシステムを求める大企業に選ばれています。
ただ、初期導入費用が比較的高価(受講者数や導入サービスの内容等により異なる)であり、クラウド環境の進展などを背景に導入は減少傾向にあります。
SaaS/クラウド型
eラーニング提供業者のサーバーにアクセスしてシステムやアプリケーションを利用する形態です。高価な機材やソフトが不要なのでコストを抑えて安価に運用できます。導入の申し込みをすれば数日で利用可能となるため、スピーディに導入できるメリットもあります。現在は9割以上のLMSがクラウド型となっています。
現状のeラーニングだとクラウド型が主流となります。
イントラネット/オンプレミス型は、主に個人情報保護などセキュリティ面を厳重に管理したい企業(銀行など)に一定のニーズがあります。
eラーニングコンテンツ検討(既製・内製)
既製コンテンツ
情報セキュリティ、コンプライアンス、ビジネスマナーなど予め制作されている教材です。最近では「見放題」のeラーニングも増えており、量や質にこだわったラインナップが増えています。
内製コンテンツ
自社の需要に応じて作成するオリジナルコンテンツです。オリジナルのコンテンツは、社外秘の情報やノウハウ、特定のスキルなどをシェアできます。一般的ではなく、自社の目的に沿った研修をしたいときは、内容をカスタマイズできる内製コンテンツが向いています。
自社で取り扱うeラーニングは既製か内製のどちらが多いのかも検討しておきましょう。内製を行う場合でも、自社ではなくコンテンツ制作代行会社への協力を行うパターンもあります。
LMSは各社それぞれに強みが違うため、目的に合わせて選ばないと無駄なコストが発生する可能性もあります。導入目的に立ち返りながら選定を進めていきましょう。
費用とランニングコストの把握
導入時にかかる費用、月々のランニングコストをきちんと問い合わせしておきましょう。以下、LMSに一般的にかかる費用をまとめます。
初期費用…サーバ構築などにかかる費用
基本料金(1ID)…社員1名あたりにかかる利用料
オプション料金…追加機能を使うためにかかる費用
従量課金…動画の視聴数などサービスの利用量に応じてかかる費用
既製コンテンツ利用料…各社で用意されたコンテンツ利用にかかる費用
*あくまで一般的な例であり、料金体系は各社異なるため検討時はこれ以外の料金がかかる場合もあります。
アップロード可能容量の把握
LMSの多くは容量制限が設けられています。スマートフォンに例えるならストレージと同じ意味合いです。
写真や動画などをたくさん保存するとストレージに空きがなくなり保存できなくなります。
一般的には動画の容量が最も多く消費されるため、自社でアップロードするのは合計どのくらいの容量なのかを把握しておくことが重要です。
主にランニングコストに影響するため、利用を想定しているLMSの容量も事前に把握しておきましょう。
セキュリティ対策の把握
一般的なビジネススキルや汎用知識だけではなく、業務マニュアルや営業・技術情報など社外秘情報もeラーニング化が可能です。
そのため、サーバーの保護、機密の漏洩やシステムへの不正侵入対策、アクセス権の管理など、厳重な対応が求められます。
また、管理者が個人の学習履歴を把握することから、個人情報の管理にも配慮する必要があります。
<セキュリティチェック項目>
・本人認証(ログイン)の有無
・通信の暗号化(SSL)の有無
・第三者によるデータの盗難や改ざんに対する安全性
・不正侵入における対策の有無
・教材や内部情報のアクセス権保護の有無
・不正利用における対策の有無
・サーバーの管理運営における安全性
・システム稼働におけるバックアップ等の有無
・操作・利用ログなど履歴管理の有無
導入に向けたトライアルとスケジューリング
ここまでの検討事項をもとに、eラーニングの運営会社と打ち合わせを行い、製品の選択や機能・仕様の設定について話し合いましょう。
候補先が決まったら各社に無料トライアルを依頼します。
トライアル時の主な確認ポイントは3つあります。
- 操作性(受講者にとって利用しやすいか)
- 機能性(目的に合わせた機能がそろっているか)
- 利便性(管理運用していくにあたって面倒ではないか)
実用までのイメージが掴めたら、社内導入に向けて最終調整です。
ここまでご紹介した確認事項をまとめておけば、導入の目的、メリット、かかるコスト、運用におけるリスク管理まで把握できるはずです。
計画性のある検討を行うことでeラーニング導入における失敗リスクを最小限に抑えられます。
eラーニング導入前に読んでおきたいe-book
eラーニング導入時に、多くの企業がまず悩むのがシステム選定です。
eラーニングシステムを提供する企業は60社以上あり、やみくもに調べてもなかなかうまくいきません。
本eBookでは、自社にマッチしたシステムを選定するために押さえるべきポイントを網羅。
運用開始後のフォロー体制など、成果を出すために事前に検討しておきたい施策についてもご紹介します。
220社160万人以上が利用する内製型LMS「Cloud Campus」
eラーニング企業の1例として「Cloud Campus」をご紹介します。
企業向けのフルオンライン教育プラットフォームとして提供されており、ソフトバンク、セブンアンドアイフードシステムズ、花王などの大手企業が採用する内製型LMSです。
ユーザー登録数無制限で月額固定
大手企業に選ばれる理由の1つがコストパフォーマンスです。
Cloud Campusはユーザー登録数無制限なので、利用人数が多いほどコストメリットが大きくなります。料金も月額固定なので、先々まで予算の見通しが立てやすいことも特徴です。
ITに詳しくなくてもOK!誰でもカンタンに操作できる
内製で自社オリジナルのeラーニングコンテンツを制作するなら、なるべく手軽に、簡単に作れる機能があると便利です。
「Cloud Campus」は特にITに詳しくない初心者でも直感的にeラーニングコンテンツを制作できる機能が備わっています。
PC画面で撮影しながらスライドの説明動画を簡単に作成できます。
さらに社員同士のコミュニケーションツールとなる「Q&A」や、意見のディスカッションができる「ディベート」機能など双方向のアクティブな学びができる機能が網羅されています。
クラウド型でも高水準なセキュリティ
サイバー大学提供のCloud Campusは、ソフトバンクグループのポリシーに則った高水準のセキュリティを完備しています。
ラーニングシステムの導入を検討する際は、以下のような基本的なセキュリティ対策が整備されたシステムの利用が望まれます。
・本人認証
ディレクトリサービスなどを利用した認証強化で不正利用を防止・通信の暗号化
利用者のデバイスとサーバーの通信データをSSL(Secure Sockets Layer)で暗号化し、第三者によるデータの盗難や改ざんを防止・不正侵入防止
ファイアーウォール環境を強化し、社内ネットワークを保護・利用権限の整備
教材や情報単位でアクセス権を設定し、不正使用を防止・サーバーの保護
サイバーへの侵入・改ざんの防止、システムの全面停止を防ぐバックアップ・二重化対策、操作・利用ログで履歴を管理
ここまで紹介した資料の一部は無料でダウンロードすることが可能です。気になったらぜひ情報収集の一環としてチェックしてみてください。
内製型eラーニングシステム
Cloud Campus
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公式サイトはこちら>>ユーザ登録数無制限のLMS「Cloud Campus」
eラーニングの活用事例|Cloud Campus
eラーニングのフレキシブルな特徴はさまざまなシーンで活用され、業績の向上に大きく貢献しています。人材教育で抱えていた課題をeラーニングによって解決し、企業の成長につなげている事例をご紹介します。
1.株式会社プレミアムウォーターホールディングス
プレミアムウォーターホールディングスは、ナチュラルミネラルウォーター(天然水)の製造から販売、品質管理、アフターサービスまでを製販一体型で行っている企業です。
eラーニング導入前の問題点
スタッフ一人ひとりの知識やノウハウに差があり、これらを統一するべく研修コンテンツの内製化を実施。
しかし、手間がかかりすぎる事、理解度テストがなく効果が分かりにくいという課題がありました。
また、進捗管理が徹底できておらず、受講率をなかなか改善できていませんでした。
eラーニング導入後の効果
「Cloud Campus」のコンテンツ制作ツールを活用して「動画+スライド」のコンテンツや、理解度を測るテストを迷うことなく制作できるようになりました。
また、ユーザー登録から受講、受講履歴の参照まで、担当者が単独にて一気通貫で行えるので、未受講の社員へ受講促進メールを送りやすくなり、受講率100%を達成することができました。
記事はこちら >> 受講率100%を達成!会社統合後の社内制度研修を、内製のeラーニングコンテンツで実施
2.株式会社ジェイアール東日本都市開発
主に高架下と線路近接用地の管理および店舗などの開発を行う「開発管理事業」「ショッピングセンター事業」「オフィス・住宅事業」「物販・飲食事業」の4事業部門が連携し、お客さま満足度の向上と沿線価値の創造、住みたくなる街づくりの実現に向けた良質なサービスを提供する企業です。
eラーニング導入前の問題点
お客様からの声の半数が接客に対するクレームだったことから、接客スキル向上の必要性を感じていました。
ショッピングセンター19館・スタッフ数約1.2万人がバラバラに位置しており、各拠点ごとに受講履歴管理と権限管理を各施設で行えるeラーニングシステムが必要でした。
加えてコロナ禍もあり、集合研修を開催することが困難になったため、集まらずに研修ができる環境の構築が必要になりました。
eラーニング導入後の効果
研修をオンライン化したことでスタッフがいつでも学べる環境を整えることができ、「研修の受講で、接客のノウハウが学べて嬉しいです」とモチベーションのアップに繋がりました。
各拠点のスタッフ一人ひとりの受講履歴管理ができるようになり、入店前研修は全スタッフ必須の運用が可能になりました。
理解度テストも設けて正解率80%を合格とし、不合格の場合には再受講も促すことで接客スキルの向上に繋がりました。
記事はこちら >> 接客スタッフ1万人以上のスキル・モチベーションアップをCloud Campusで実現
そのほか導入事例はこちらからも読めます。
Check >> eラーニング導入に役立つ10社以上の導入事例
人材教育の強化にeラーニングが欠かせない時代に
eラーニングは社内の情報流通を活性化させ、かつ、コストも削減できます。eラーニングは、社員教育の効率や効果の最大化に欠かすことができません。この機会に、導入を検討してはいかがでしょうか。