2022.12.19
人事制度・組織づくり
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最近では、疑似体験や身体を動かすことを通じてチームワークやコミュニケーション能力を鍛える、ワークショップ形式の研修スタイルが生まれています。非常にユニークな内容で、一見、業務とは無関係に思えるのですが、実は仕事に必要なスキルや意識を育てる効果的な方法です。今回は、国内外のユニークな研修制度をいくつかご紹介します。
「無人島でサバイバル研修」日清食品
日清食品が新しく管理職に就く40代の社員を対象に行っているのが、瀬戸内海の無人島でのサバイバル研修です。食糧として渡されるのは、チキンラーメン3袋、米2合、小麦粉300gと水のみ。その他の持ち物も、最低限のサバイバルグッズが支給されるだけです。参加者は3~4人のグループに分かれ、試行錯誤をしながら2泊3日の無人島生活を送ります。
この研修の目的は、管理職になって課題に直面したときに、逃げることなく自ら打開策を見つける力を身につけることだといいます。2時間以上かけても火が起こせず、チキンラーメンをそのままポリポリと食べるグループもあるほどで、悪戦苦闘する経験を通して判断力、創造力、忍耐力を養うのです。
「全員参加の4週間新人研修」ザッポス(米国)
靴の通販会社であるザッポスは、社員が企業文化を共有することを重視しています。採用の時点でザッポスの文化になじめるかどうかを判断材料としており、入社後も4週間もの期間を費やす研修によって、経営理念と企業文化を共有する機会を設けています。この研修は、役職や部署に関わらず全員参加が義務づけられており、コールセンターでの実地トレーニングを中心に進められます。カスタマーサービスを事業の柱としていることから、その大切さを実感してもらうとともに、自由な社風にあってもルールと規律をしっかり学び、顧客業務のプロとしてのスキルを身につけてもらうのです。
新入社員一人ひとりにメンターが付き、技能試験に合格しないと採用は取り消されてしまいます。
「ヒッチハイク研修」イカイグループ
人材アウトソーシングのイカイグループでは、新入社員を対象にヒッチハイク研修を実施しています。その内容は、携帯も財布も持たずに、本社から100km離れたところからヒッチハイクで帰ってくるというものです。見ず知らずの人を相手にするヒッチハイクは、簡単なことではありません。行動を起こす積極性やコミュニケーション能力が問われます。そこには、ヒッチハイクの「失敗」と「成功」の体験を成長につなげるという狙いがあるのです。
「幼稚園研修」ダイハツモータース
自動車販売の青森ダイハツモータースでは、新人社員を対象に5日間の幼稚園研修を行っています。販売店を訪れる客層の6割は女性で、子連れの方が多いといいます。社員が子どもへの対応に不慣れだと商談がうまく進まず、業績に影響が出るとの判断からスタートしました。幼稚園で実際に子どもと過ごすことでコミュニケーションのとり方を学び、店内をファミリーフレンドリーに演出するアイデアにつなげることを最終目標としています。
「出前授業」コニカミノルタ
オフィス関連製品・サービスのコニカミノルタでは、企業人として社会貢献することを目的に、新入社員による中学・高校への「出前授業」を実施しています。「理科離れ」が進む世代に、もっと理科・科学に興味を持ってもらえるよう、複合機のコピープロセスを実例に静電気の性質に関する授業をするのです。相手が理解しやすいように話を組み立てる訓練となるだけでなく、準備の過程を通して、チームワーク、スケジュール管理、リーダーシップ、コミュニケーションスキルを磨くことも目的としています。
アイデアしだいで効果大の研修に
このように、通常の研修の枠組みに縛られないユニークな研修が行われています。社員教育の方法も視点を変えてアイデアを出してみてはいかがでしょうか。
研修を成功に導くには、おもしろいアイデアのみならず、研修後の効果測定までを考慮した事前計画がカギを握ります。「よくある失敗パターンから考える、社員研修を成功させる3つのカギ」や「やりっぱなしダメ!研修の効果測定をしよう」でも取り上げているので、参考にしてください。
また、近年人気のeラーニングや動画を利用した研修は、効率的な学習効果を実現するとともに、大幅なコストダウンに貢献しています。詳細については、「eラーニングで効率的に!避けては通れないコンプライアンス研修」「人事部チェック!注目研修ツール「研修動画」採用の8つのメリット」をご覧ください。
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