組織改革でイノベーションを生む3つの方法

2022.04.12

人事制度・組織づくり

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組織改革でイノベーションを生む3つの方法

市場の変化がますます早くなっているビジネス環境では、新市場や新たな商品価値を創造するイノベーションの重要性が高まっています。「グローバルビジネスに必要な人材「イノベーションリーダー」に求められる能力と資質とは?」では、グローバルビジネスにおけるイノベーション思考の重要性をご紹介しましたが、今回は、ビジネスイノベーションを生むために必要な組織づくりについて述べていきます。

イノベーションへの先入観が障害に?

世界3,000人超の経営者を対象とした調査「GE Global Innovation Barometer 2014」にて、「イノベーションを成功させるために当てはまるプロセスはどちらか」という質問に対し、

「(1)きちんとしたイノベーション・プロセスを通じて、計画的に生み出している」
「(2)クリエイティブな個人のやりとりから自発的に生まれてくる」

という2つの回答を用意しました。

回答の内容をみると、(1)と答えた経営者はグローバルでは62%、日本では40%でした。対して(2)と回答した経営者はグローバルでは38%、日本企業の経営者は60%という結果となり、両回答でグローバルと日本の比率が逆になっています。

前出の調査結果からは、日本の経営者にはイノベーションを体系的に組織・管理する意識が弱く、個人のクリエイティブな能力により生まれるという考え方が強いことがわかります。また、別の調査では、日本は「イノベーションは技術が牽引するものだ」という先入観が強いことが明らかになっています。

技術主導のイノベーションが事業化されないことも

しかし、技術主導のイノベーションが開発部門に留まり、うまく事業化されないケースが多いようです。せっかく世界に誇れる技術でありながら、その技術が持つ価値に見合った利益につながらなかったり、事業ベースに乗せて活かしきれなかったりしているのです。

つまり、イノベーションの重要性は強く認識しているものの、多くの日本企業ではスローガンだけが先行していたり、部分的な改革に留まっていたりするのが現状です。これは、イノベーションを生み出すプロセスが事業化と結びつくようにメカニズム化されていないことに原因があります。

組織改革によるイノベーションを実現するフレームワーク

近年では、イノベーションを推進する経営組織をつくる「イノベーション・マネジメント」の重要性が世界で認識されており、欧州各国が研究とガイドラインの制定に取り組んでいます。

日本の経済産業省でも、「企業・社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」を発表し、日本の企業がどのように組織改革を行なえばイノベーションをプロセス化できるのかを示した「イノベーション・マネジメント・フレームワーク」とフレームワークへの取組み度を定量評価できる評価項目別の算出法などを提案しています。

イノベーションへの取り組みを経営全体のフレームで捉え、メカニズム化することでイノベーションの成果をムダにすることなく既存事業に還元するマネジメントこそが、グローバルビジネスでの成長に欠かせないものとなっているのです。

イノベーション・マネジメントがグローバル経営の課題に

こうしたイノベーションをマネジメントするフレームワークは、デザイン思考により生み出される革新的な事業構想を速やかに実行することにも貢献するでしょう。今後、日本企業が国際競争力を維持するためには、イノベーション・マネジメントを経営課題として取り組むことが求められているのです。

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ネットリテラシーが高い人というと、ひと昔前は情報検索能力に長けている人などを指すことが多かったと思います。しかし近年では、それだけでなくネット利用のリスクを正しく理解し、TwitterやYouTubeといったソーシャルメディアを、適切に利用できる人のことを指す機会が多くなっています。 ネットリテラシーの意味に変化が起きた要因として挙げられるのは、誰でも気軽にネット上で情報を発信できるようになった影響で、「炎上」などのトラブルが頻発していることです。アルバイトなども含めた従業員のネットリテラシーを高めることは、企業としても急務です。なぜなら、たった一人の従業員のうっかり事故が、会社全体に悪影響を及ぼしてしまうリスクがあるからです。 今回は、特に話題になっているソーシャルメディアでの「炎上」事例を通して、ネットリテラシー研修の必要性について考えていきたいと思います。 事例紹介 まずは、国内と海外での企業に関わる「炎上」事例をご紹介します。いずれも企業の公式アカウントなどではなく、会社の目が直接届きにくい従業員のプライベートでの行動が、会社にも悪影響を与えてしまった事例です。 国内での「炎上」事例 ・空港 ショップ店員 芸能人が来店した際に、クレジットカード伝票や購入時のサインを店員が撮影し、Twitterに掲載。他のTwitterユーザーからの指摘ですぐに削除したものの、騒ぎは収まらず新聞などでも取り上げられる事態となりました。 結果、従業員が契約解除となっただけでなく、店舗を運営していた会社の役員は報酬の一部を自主返納することを発表。また、空港の公式ウェブサイトからは正式に謝罪文が掲載されました。 ・製薬会社 社員 MR(医薬情報担当者)の女性社員が、「同僚が睡眠導入剤を不正に入手し、飲み会でお酒に入れた」などとツイート。医薬品を適切に扱わなければならないはずのプロが、いたずらに使用したことに対してモラルを疑う書き込みが集中しました。会社は社員に対し調査を実施。ホームページに、お詫びのお知らせが掲載されました。 ・システムエンジニア ある会社のシステムエンジニアが、競合会社の社長について「何もわかってねーなー」などとツイート。他にも過激な発言や自身の会社への批判を繰り返していました。 本人は属している会社を明かしていませんでしたが、その他のツイートなどから会社や実名などを洗い出されてしまいす。その後は「○○会社のエンジニアが」と社名つきで炎上する結果となりました。 海外での「炎上」事例 ・大手ピザショップ 従業員 従業員が、店舗内で食材を鼻に入れたりピザ生地にツバを吐きかけたりといったいたずらを、動画でYouTubeへアップロード。会社の管理の杜撰さを問題視する声が集まり、ニュースなどでも取り上げられる事態となりました。最終的に、社長が謝罪動画を展開してようやく沈静に向かいました。 ・インターネットサービス会社 広報部長 ある大手インターネットサービス会社に所属する広報部長の女性が、 「今からアフリカに行きます。エイズになりませんように。冗談よ、私は白人だから。」という内容をツイート。 彼女のフォロワーは200人足らずだったそうですが、このツイートは差別的と受け止められ、世界中に拡散し炎上することとなりました。この短い文章で会社が信用を失ったのはもちろん、発言した本人は翌日即解雇されてしまいました。 なぜソーシャルメディアで「炎上」が起こるのか ご紹介した事例から、会社やブランドの公式アカウントでなくても、従業員の「炎上」が結果として会社に飛び火し、悪影響を与えてしまうことがお分かりいただけたと思います。 また、ソーシャルメディアでの「炎上」は、アルバイトから役職者まで、果ては経営者までもが当事者となりうるのが特徴です。では、「炎上」が発生してしまうのには、どのような背景があるのでしょうか。 メッセンジャーアプリとの違いの理解不足 特に若い世代で多いのがこのケースです。不特定多数のユーザーがアクセスできる状態になっているにも関わらず、本人は友達のみに情報を発信しているつもりのため、タガが外れて過激な内容を発信してしまうのです。 LINEなどメッセンジャー機能を主とするサービスと、不特定多数と関わりあうことが前提のソーシャルメディアとの使い分けを正しく理解する必要があります。 読み手に対する想像力の不足 みんなが読んでいると認識していても「炎上」は起こってしまう場合があります。そのほとんどが、軽い気持ちで人を不快にさせる内容や、モラルに欠ける内容を書き込んでしまう場合です。ネット上には、様々な立場の人がいるということを再認識し、投稿する前に本当に問題の無い内容か確認する必要があるでしょう。 また、プライベートのアカウントなら何かあっても自分が謝れば済む、と考えてしまうのも誤解です。職場や仕事に関わる内容を投稿すれば、会社に迷惑がかかる可能性があることを認識しなくてはなりません。 ネットリテラシー以外の問題 本来のネットリテラシーだけでなく、別の要因とも絡み合っているケースが多くあります。例えば、従業員の個人情報に対する意識の低さや、業務上の規則を守っていないがゆえに炎上した場合、根本原因はそちらにありソーシャルメディアはそれが露呈するトリガーに過ぎません。 しかし、それらの間接的な要因となった違反行為も、ネットリテラシーと紐づけて考えるべきだと思います。規則を守ってもらうことが重要なのはもちろん、「炎上」の要因にはある程度傾向があるので、そこから対策も導き出すことができます。 ネットリテラシー研修をしよう では、これらの従業員による「炎上」を防ぐにはどうすればよいでしょうか?ソーシャルメディアがこれほど普及した世の中、従業員に利用を全面禁止することは不可能です。やはり、従業員のネットリテラシーを高めることが重要です。 「ソーシャルメディア利用ガイドライン」を設けよう まず挙げられるのが、社内で「ソーシャルメディア利用ガイドライン」を設けることです。従業員によって、ソーシャルメディアに関する知識や危機感のレベルはバラバラです。やってはいけないこと、危険なことなどを明確にする必要があります。 ただし、従業員がガイドラインを守ろうとせず、形骸化してしまっては、結局「炎上」を未然に防ぐことは難しいでしょう。そこで次に必要になってくるのが、ネットリテラシー研修です。 ガイドラインを形骸化させないための「ネットリテラシー研修」 ネットリテラシー研修では、従業員にガイドラインの中身を理解してもらうことはもちろん、自主的に守ろうという意識をもってもらうことが重要です。炎上は他人事ではなく誰にも起こり得ること、ネットリテラシーを高めることが会社と従業員双方を守ることにつながることを理解してもらいます。また、知識だけでなく事例紹介などを通して個々が適切な判断ができるよう、考える力を養うことも必要です。 たった数十文字の書き込みで会社を危機に追い込んでしまう炎上。今や「従業員の自己責任」では済まされない状況です。会社のリスクとして認識し、その回避のためネットリテラシーの向上に取り組む必要があると思います。 参考: 「バイトテロ、ネット炎上を未然に防ぐ―― 今、求められるネットリテラシー教育とは」HRプロ 「新入社員に教えるべきこと、それは“ネットリテラシー”」ITmedia ビジネスオンライン 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 SNS炎上対策とケーススタディが学べるコンテンツを含む100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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マネージャー職に就くと、部下の過去の業績に対するフィードバックをする機会があります。 しかし、効果的なフィードバックを知らなければ部下の能力をうまく引き出せなかったり、やる気を損なってしまったりとマイナス効果を生むことがあります。 この記事では部下の能力をなるべく引き出す効果的なフィードバック方法について解説します。 フィードバックが常にいいとは限らない理由 フィードバックは、部下の現在の立ち位置と目標地点のズレを指摘し、「なぜズレが生じたのか」「何をすべきだったのか」という点に着目します。 過去を振り返るため、必然的に個人のミスや誤り、至らなかった点を掘り下げることとなり、上から目線の批判になってしまいがちです。 ネガティブな指摘を受けることは、誰にとっても気持ちのいいものではありません。 パフォーマンスが芳しくない部下ほど建設的なPDCAが必要ですが、経験を積むほど素直にフィードバックを受け入れるのは難しくなるでしょう。 上司がいくら前向きにフィードバックをしても、そこには問題・欠点・失敗といった否定要素が含まれるため、受け手には攻撃から身を守る気持ちが働きます。指摘をする側にとっても、負担の大きな作業です。 反省や考察を重ねて今後の成果につなげようとするときに、「つらい」「不快」「反発」といった負の感情を残しては、かえって部下のモチベーションを下げることになります。それでは、有益な人材開発の施策とはいえません。 前向きなフィードバックとは 誤りや欠点を含めた過去のできごとを中心に話し合うフィードバックに対し、未来に何ができるかという解決策を話し合うのが「フィードフォワード」と呼ばれるものです。 過去ではなく肯定的な将来に意識を向けて、どうやったら成功するかというアイデアを与えるためのフィードバックです。 フォードフォワードの実践までの流れ 前向きなフィードバックを部下へ行うためにも以下の5つの流れをまず把握しましょう。 準備 まずは部下の強みや成長のポテンシャルを理解し、具体的な改善点や目標を考えておきます。部下はフィードバック=ネガティブな印象を持っている可能性もあるため、上司としてポジティブかつ建設的な姿勢でアプローチする心構えをしておきます。 また、前提として部下が自らの成長に関心を持ち、受け入れる姿勢があることでさらに効果が高まります。前置きとして「どうすれば成長できるか?」「より成果を出せるか?」という姿勢で話を進めたいことを伝えることも重要です。 面談前半 部下とのフィードバックの場を設けます。これは1対1の個別の面談や、チーム全員が参加するミーティングなど、状況に応じて適切な形式を選びます。 面談前半ではまず達成したい目標を共有し、肯定的な視点で話し始めることが重要です。 部下はその目標に対してどういった強みを持っているか?どのように力を発揮してほしいのかを伝えます。 未来に向けた成長と成功に焦点を当てることで、過去の行動やミスを前向きな改善点として捉えるための準備ができます。 面談後半 部下の強みや目標を踏まえて、具体的な改善点やアクションプランを提案します。 これは、具体的なスキルや知識の向上、挑戦的なプロジェクトへの参加、自己啓発の機会の提供などが含まれます。内容は具体的で、かつ部下が実際に取り組める範囲のものであることが大切です。 なるべく部下の立場や感情に共感し、理解することも重要です。フィードバックそのものが相手に対して配慮のあるものであると分かれば、部下もきちんと耳を傾けてくれます。   適切なフィードバックを行うために重要なのは準備です。 部下の強みや目標を日頃からきちんと観察して把握しておくことは、フィードバックを行う際にとても重要です。 フィードバックで効果を出すためのポイント ・目標設定とフォローアップを行う 部下と一緒に目標を設定し、定期的にフォローアップを行うことで成果が期待できます。 ・フィードバックの文化づくり フィードバックを部下に提供するだけでなく、上司自身もフィードバックを受け入れる姿勢を持つことで、組織全体でフィードバックの文化が広がります。 ・部下の成長に期待する 部下が希望や目標に向けて成長意欲を持つような提案を行うことは、部下の成長に期待していることのメッセージにもなります。 なぜ期待すべきかと言うと、人は期待されることで成果を出しやすくなると言われているからです。 部下は「期待される」ことで成果を出せる 「人間は期待された通りに成果を出す傾向があるとされる」と1964年に米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された考えです。この考えをピグマリオン効果と言います。 例えば、営業部内でも評判の良い優秀なAさんと、人柄は良いけど成績が伸びないBさんがいます。あるプロジェクトに向けて、この2人にプレゼンをしてもらい、どちらか1つを採用することになりました。 誰もがAさんのプレゼンが圧勝と思っていましたが、Bさんのプレゼンが採用されました。実は、Bさんにはリーダーから「実は実力があるよね、期待しているよ」などといったいわゆる“褒められる”“期待される”といった言葉をかけられていたのです。 企業事例:Google合同会社 たとえば、Googleは有名な「OKR(Objective and Key Results)」という目標管理の手法を採用しています。 OKRでは、上司が部下に対してフィードフォワードを提供し、共に目標を設定し、成果を評価する仕組みがあります。これにより、個人のモチベーション向上やチームのパフォーマンス向上が促進されています。 かなり具体的な内容がまとまっており、スプレッドシートのテンプレ―トまであるので非常に参考になります。 参考:OKRを設定する|Google re:work また、アジャイル開発を採用しているソフトウェア企業では、定期的なフィードフォワードセッションがチーム間で行われることが一般的です。 これにより、アジャイルなプロジェクトの進捗やチームの協力関係が向上し、迅速な改善が可能となります。 さまざまな企業がフィードフォワードを取り入れており、それぞれの文化や特性に合わせた方法で実践しています。成果を上げるためには、上司と部下の信頼関係を築きながら、ポジティブな姿勢で取り組むことが重要です。 フィードフォワードは客観的なアドバイスとして受け入れやすい フィードフォワードでは、否定的な評価をするのではなく、目標の達成につながるアイデアを話し合います。 将来に関する話なので個人への批判が含まれることがなく、客観的なアドバイスとして相手に受け入れられやすいのです。 さらに、自らイニシアティブを取って目標に向かおうとする意欲が、より大きく育ちます。 こうした自発的努力を通じて、人は目標とする自分を実現できるという手応えや、成長しているという実感を得られ、それが働きがいにつながるのです。 上手くいかない!部下の行動を変えるには「感情」を動かすことも重要 前向きなフィードバックを行っているはずなのに、なかなか部下が変わらない… そんなときは人間の脳の仕組みについて知っておくと良いです。 人間には無意識に情動的に働くものと、意識的に理性的に働くものがあります。 主だった人間の行動は情動的で、理性的な認知判断で感情的な部分をコントロールするには相当なエネルギーを使い、すぐに疲れてしまいます。 そこでキーポイントとなるのが、感情と理性の両方への働きかけです。 ただマニュアルや数字目標だけ見せても、感情への働きかけが欠けているとうまく機能しません。 例えば、「充実した1日」や「やりがいのある仕事」について語るビデオを見せて感情に訴えることで、部下が自ら変わろうとするモチベーションを引き出せる可能性が高まります。 人は期待されて伸びる 多くの人は褒められたり期待されることによって嬉しく感じ、期待以上に頑張り、より良い結果を出してもっと認められたいと思います。 部下も前向きなフィードバックを行うことで、行動が変わり成長します。 そのためには理性だけでなく、感情に訴えかけることも重要です。 本ブログでは一緒に働くメンバーのモチベーションアップに役立つ記事を掲載しています。 ぜひ「若手社員のモチベーションを上げるには?」や「『孫子の兵法』から学んでみた。社員の士気を向上させるモチベーションアップ術」もご覧ください。 参照サイト: 「ピグマリオン効果」モチベーションアップの法則 ITマネージャーがやめるべき言動を改善する「フィードフォワード」とは何か|ITmediaエンタープライズ 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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米国の企業文化コンサルタントが、世界各国で2万人以上の社員を対象にアンケート調査を行い、50社におよぶ企業の分析、数々の研究、文献を精査したところ、「社員のパフォーマンスのよしあしは、その仕事をするモチベーションにより決まる」との結果にいたりました。しかし、モチベーションにもさまざまな種類があります。どのようなモチベーションが、社員のパフォーマンスを向上させるのでしょうか。 人が動く6つの動機とは? 人が仕事のために動くとき、そこには何らかのモチベーションが存在します。「仕事が楽しくてしかたがない」「出世したい」「経済的安定がほしい」「上司からのプレッシャー」など、さまざまな動機づけがあるのです。 「内発的動機づけ」の研究において第一人者であるロチェスター大学のエドワード・L.デシ氏とリチャード・フラスト氏(著書『人を伸ばす力-内発と自律のすすめ』)は、1980年代に人が動く動機を6つのカテゴリーに大別しました。そして、冒頭で触れた企業文化コンサルタントのリンジー・マクレガー氏とニール・ドシ氏は、それらを現代の職場環境に置き換え、人が働く動機には次の6種類があるとしました。 1.楽しみ(Play) 仕事自体が楽しいから働く。楽しみとは、新しいことへの好奇心。楽しみが大きいと、たとえ仕事で難題にぶつかってもチャレンジ精神が刺激される。 2.意義(Purpose) 仕事が生み出す価値に意義を感じる。仕事のアウトプットが社会的貢献につながることに働きがいを感じる。 3.可能性 (Potential) 仕事を頑張ることが自身の向上につながる。仕事で成果を上げることが自らの能力を高めるとの信念に基づく。 4.感情的圧力 (Emotional pressure) 恐怖、同調圧力、恥など、仕事内容とは関係のない外部からの感情的な圧力によって、自分自身が脅かされているために働く。 5.経済的圧力(Economic pressure) 報酬を得るため、または、処罰を逃れるために働く。仕事内容や自己実現とは関係ない外的圧力によるものとなる。 6.惰性 (Inertia) 働く理由がわからず、仕事内容や自発的要素とは無関係な「昨日も働いていたから、今日も働く」という動機づけ。 「楽しみ」「意義」「可能性」を感じないと人は動かない 上記の6つの動機のうち、1~3は仕事に対する個人の自発的な意志や、行動を変えようという意欲が原動力となる内発的モチベーションです。残る4~6は、仕事内容と結びつかない外的圧力による間接的モチベーションであるため、かえってパフォーマンスを低下させる可能性があります。 なお、新しいリーダーの資質として注目を集める「サーバントリーダシップ」では、部下の主体性を引き出し成長させることでモチベーションを高め、働きがいへとつなげていきます。 内発的モチベーションが高いパフォーマンスをもたらす ハーバード・ビジネススクールのテレサ・アマビール氏による最近の研究では、内発的モチベーションがより高いパフォーマンスをもたらすことを証明しています。 その研究では文章の創作が好きな被験者を集め、ひとつのグループには創作する理由として「自己表現の場」「言葉で遊ぶのが好き」といった「楽しみ」を示すモチベーションを与えました。そして、もうひとつのグループには「自分の文才で誰かを感心させたい」「ベストセラー作家になって経済的安定が得たい」といった「感情的・経済的圧力」に該当するモチベーションを与えました。 すると、後者の外発的「圧力」によって書いたグループの創造性よりも、前者の「楽しみ」という内発的動機によって書いたグループの創造性のほうが26%高いという結果になりました。 また、別の研究では、ある分析作業を任せた2つのグループのうち、一方に「がんの医療研究に役立つ」との「意義」を与えたところ、もう一方のグループ(「意義」を与えられず、分析結果は破棄されると知らされていた)より報酬額が少なかったにも関わらず、分析により長い時間をかけ、質も後者のグループより高いという結果になりました。 このように、自発的モチベーションがパフォーマンスに好影響を及ぼすことが証明されているのです。 社員のモチベーションが低いときは会社の組織づくりの見直しを 社員のパフォーマンス向上に成功している企業は、「楽しみ」「意義」「可能性」の3つのモチベーションを最大化することに成功しています。逆に、社員のパフォーマンス向上に失敗している企業は、「感情的圧力」「経済的圧力」「惰性」で社員が動いているのかもしれません。しかし、社員が自発的に働きたくなる職場づくりは、特定の部署だけでは成し得ません。企業文化の形成として捉え、人事からの積極的な働きかけが欠かせないでしょう。 なお、モチベーションアップや人材評価については、「知っておきたい!初めての後輩指導で使える「コーチングスキル」」や「今さら聞けない「人材アセスメント」を成功させる3つのポイント」もあわせてご覧ください。 こちらの記事も読まれています: 仕事の効率化はコミュニケーションが取りやすい職場から 仕事に集中できる環境作り 参考: How Company Culture Shapes Employee Motivation|Harvard Business Review Record Display|APA PsycNET Breaking Monotony with Meaning:Motivation in Crowdsourcing Markets (PDF) |Cornell University Library  低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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