eラーニングとは?概要からメリットや最新トレンドを徹底解説

2023.07.18

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eラーニングとは?概要からメリットや最新トレンドを徹底解説

eラーニングとは何か?企業で導入するメリットは?どのような活用事例があるのか?

この記事ではこれらの疑問にお答えしていきます。

eラーニングとは?

eラーニングとは「インターネットや電子機器を使ったオンライン学習」のことです。社員を集めて同じ時間に行う集合研修とは違い、PCやスマートフォン、タブレットなどを使っていつでもどこでも学べるのが特徴です。

企業のeラーニング運用には学習管理システム(LMS)がよく使われています。

LMSはeラーニング制作や学習履歴の管理を行えるシステムです。

LMSについての詳細を知りたい方はこちらをご確認ください。

>>LMSとは?メリットや導入ステップまで分かりやすく解説

eラーニングを導入する目的は?

主な目的は大きく3つあります。

  1. 研修のオンライン提供
  2. 研修コストの削減
  3. 研修履歴の管理

eラーニングは全社員に向けてオンライン上で教育コンテンツを配信できます。

共通認識や社内ノウハウなどの知識をすぐに共有可能です。

内容を動画化して配信できるので研修コスト削減にもつながります。

また、最も多い利用目的の1つが履歴管理です。全社員の研修受講率の把握、テストなどで理解度をスコア化することで知識の定着度をより明確にできます。

学習者・研修担当者それぞれでのeラーニング活用の目的もまとめておきます。

学習者から見たeラーニングの目的

・業務に役立つ知識を身につけるため

・研修/授業として受講するため

・予習や復習のため

・コンプライアンスや情報セキュリティなど義務研修を受けるため

・スキルアップ/キャリアアップをするため

 

研修担当者・教職員から見たeラーニングの目的

・いつでもどこでも学習できる環境を作るため

・集合研修/授業のオンライン提供のため

・各部門における早期戦力化のための基礎研修を提供するため

・社員/生徒の場所を気にせず学習機会を提供するため

・研修/授業の機会を増やすため

・研修費用・労力の省力化のため

・コンプライアンス等の教育を徹底するため

・新商品やノウハウの情報を伝えるため

・全国各地の代理店・店舗へ研修を均一に提供するため

・研修講師/教員による内容のバラつきを回避するため

・学習履歴管理、効果測定の仕組みを整えるため

eラーニングの歴史と現在の市場環境

コンピュータを用いた学習や教育の考案により、CAI(コンピュータ支援教育: computer-assisted instructionまたはcomputer-aided instruction)、CBT(computer-based training)、 WBT(web-based training)などの開発・発展が進み、1990年代に用語「eラーニング」が誕生したと言われています。

現在ではIT技術の向上により、だれでも、いつでも、どこからでもアクセス可能になりました。

日本では2001年ごろから注目され、2020年ごろから特に企業や大学でeラーニングが急速に普及しはじめました。

右肩上がりを続けるeラーニング国内市場規模【2022年時点】

出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3233
 

2019年まで成長はゆるやかでしたが、2020年に入って市場全体の成長が一気に加速。

2023年度の国内eラーニング市場規模は提供事業者売上高ベースで前年度比1.8%増の3,773億円。法人向け(企業・団体内個人を含む)のBtoB市場規模が1,123億円(前年度比4.4%増)、個人向けのBtoC市場規模が2,650億円(同0.7%増)であり、両市場ともに引き続き市場拡大が見込まれています。

個人向けeラーニング市場だけでなく法人向けも拡大傾向にあり、各企業がeラーニングを導入するのは当たり前という時代になりつつあります。

流行する背景には日本の高齢化による人手不足も関わっており、教育を行う人材が不足しているとも言われています。

つまり、eラーニングは教育人材不足の時代に検討すべき手段の1つとなっています。

あらゆる世代がオンライン学習に慣れてきている以上、教育研修をeラーニングで提供する動きは今後さらに加速していくでしょう。

eラーニング活用のメリット

①いつでもどこでも受講できる

受講者は時間に縛られずいつでもどこでも受講できます。スマホ等を活用すれば「すきま時間」で受講も可能です。

全国に支店や支社があっても社員を一か所に集める必要はありません。全社員に時差なく一律で研修を提供できます。

また、緊急性の高いトラブル対応や新製品情報の全社周知にも効果的です。授業形式であっても予習・復習どちらにも活用できます。

②学習効果が高まる

eラーニングは理解できるまで何度でも視聴できるため、受講者は理解度を高めやすいです。動画で表現できるので「面白い」「興味が持てる」など学習意欲を高めることも可能です。

企業向け研修としては主に「知識の習得」に活用され、集合研修との組み合わせで研修効果が高まるというデータもあります。

コロナ禍における研修のオンライン化に関する調査_パーソル総合研究所 p.33より抜粋

また、集合研修の予習をeラーニングで行い、研修当日はディスカッション・発表などに時間を集中するなどより高い研修効果も期待できます。

企業の講師も研修内容を編集・更新できるので、常に内容をアップデートしながら研修を提供できます。

③効果測定と受講状況の確認

集合研修では難しい進捗状況の確認や効果測定も手軽に行えます。

eラーニングの最後に小テストを入れることで、社員一人ひとりの理解度を数字で管理できるようになります。視聴履歴も取れるので、誰が、いつ、どのくらい視聴して、完了しているかどうかまで確認でき、効果的な進捗のフォローアップが可能です。

④コストの削減

研修場所の確保、日程調整の手間、会場費、講師や受講者の交通費、資料の印刷費などあらゆる面でコストの削減が可能です。

eラーニングは新人研修、コンプライアンス教育などはもちろん、全社的な共通認識の周知などにも効果的とされています。社員一人ひとりに必要な知識を浸透させるコストそのものを減らせる点もメリットと言えます。

eラーニング活用のデメリット

①実践スキルの習得には不向き

オンデマンド配信が前提のため、講師とリアルタイムな会話を行うような実践を伴う内容には不向きです。

eラーニングは主に知識のインプット用教材として活用されます。

ただし、ライブカメラやマイクを使って講師と遠隔での会話や、受講者が動画を撮影してそれを講師が評価するなどの方法でカバーすることは可能です。

②受講者のモチベーションが継続しにくい

緊張感が薄れやすいこと、読み飛ばし・早送りなどの手抜きが起こりやすく、モチベーションの維持が課題になります。

いつでもどこでも受けられる=後回しにされる傾向もあります。

受講者に受けてもらえる工夫、進捗確認の通知などの対策も検討すべきです。

また、eラーニングが受講者にとって有益な研修であることも理解してもらう必要があります。

自分にとって役立つ研修だと理解してもらうことで「受ける必要性を感じにくい」「忙しい」という不満を少しずつ解消することも大切です。

おすすめ記事>>モチベーションが持続するeラーニング教材を作成する3つのコツ

③受講者のネットワーク環境に左右される

インターネットにアクセスできる環境がなければそもそも受講できません。

ネット速度によってはeラーニングが途中で止まってしまう等の懸念もあります。

企業としてはどの端末(PC、スマートフォン、タブレット等)からの受講が多いのかも考慮しておくとよいでしょう。

eラーニングのメリット・デメリット一覧表

受講者から見たeラーニングとその他の研修のメリット・デメリットをまとめます。

メリット デメリット
書籍・テキスト ・学習進度や成果がわかりやすい
・書き込みなどアレンジしやすい
・ネット環境に左右されない
・静止画のみで単調になりがち
・一度に大量に持ち運びにくい・文字のみだとイメージしづらい可能性あり
対面集合研修 ・緊張感を持って学べる
・質問、発表など双方向のやり取りがしやすい
・学習者同志の交流ができる
・会場まで出向く必要がある
・開催時間に合わせて出席が必要
・学習進捗が見えにくい
オンライン集合研修 ・対面と同じ臨場感で研修を受けられる
・質問、発表など双方向のやり取りがしやすい
・ディスカッションなども可能
・映像や音声を共有しやすい
・実技がともなう学習には不向き
・インターネット環境とパソコン・スマホなどの端末が必要
・開催時間に合わせて出席が必要
eラーニング ・自宅や外出先など好きな場所で学習できる
・繰り返し視聴するなど自分のペースで学習できる
・映像や音声での理解ができる
・学習履歴や学習進捗がひと目で分かりやすい
・質問、発表など双方向のやり取りがしにくい
・実技がともなう学習には不向き
・学習者間の交流がしにくい
・インターネット環境とパソコン・スマホなどの端末が必要
・受け身学習になりがち

 

eラーニングの使い方

LMSの多くは受講機能、制作機能、管理機能の3つを備えています。

受講者(学習者)、管理者(学習提供者)それぞれの使い方をみていきましょう。

受講者(学習者)の使い方

インプット学習

・スライド型教材で学ぶ
・電子教科書/マニュアルで学ぶ
・動画で学ぶ
・ライブ講義で学ぶ

音声やアニメーション付きの分かりやすい教材が増えています。またライブ配信ツールも一般化しており、リアルタイムでオンライン上での学習ができるようにもなってきています。


アウトプット学習

・理解度テストを受ける
・レポートを提出する
・撮影した動画を投稿する
・ディスカッションする

学習内容がきちんと定着しているか、自分の弱点や傾向が自動的に分析できるシステムもあります。また、オンライン上で仲間とディスカッションすることも可能です。


コミュニケーション

・質問する
・連絡事項を確認する
・ディスカッションボードに書き込む
・アンケートに回答する
・同じ環境上で学ぶ仲間と交流する

学習を進める上でわからないところは質問機能を活用して問い合わせたり、同じeラーニングを活用している仲間と交流機能が備わったシステムもあります。

管理者(学習提供者)側の使い方

ユーザー登録

・受講者情報を作成する
・受講者グループを作成する(部門/学部など)
・管理者へ権限を付与する


コース作成

・新規コース(学習項目や順序)を作成する
・教材資料(PowerPointなど)を作成する
・講義動画を収録/編集/加工する
・テスト/アンケートを作成する
・コースに各素材を登録する


コース公開(受講登録)

・誰に何をいつ受講させるか(履修)を登録する
・受講期間/制限を設定する


受講履歴管理

・受講の有無を確認する
・学習進捗を確認する
・テストの結果を確認する
・成績を管理する
・解答結果を分析する


フォローアップ

・未完了の受講者に連絡する(メール/メッセージ/電話など)
・質問や問い合わせに対応する
・インフォメーションやメッセージを出す

受講者からの「質問」や「レポート」で未対応のものがあれば、その都度指導者の画面に表示し対応を促す機能や、受講者の学習意欲を下げる対応漏れを防ぐ機能を備えたシステムもあります。

学習進捗の確認(未完了/進行中/完了)、課題提出の有無、テストの得点と合否、アンケート集計など管理者向け機能は様々です。システムによってはQ&Aなど質疑応答ができるものもあります。

eラーニング成功のカギは「進捗管理」にあります。

eラーニングは便利な一方、受け身でサボりやすい学習方法でもあります。

なるべく抵抗なく直感的に扱え、細やかな配慮が行き届く運用管理機能を備えたシステムを選定することが重要です。

昨今では多機能なLMSが主流になり、数千名以上の運用を2~3名で行えるケースも多くなっています。

【企業導入事例】3社のeラーニング活用方法

ここからはCloud Campusの企業活用例をご紹介します。

理解度80%以上の「効果が見える」研修に(セゾン自動車火災保険株式会社)

 

保有件数115万件を突破した『おとなの自動車保険』をはじめとして、自動車保険、火災保険などを取り扱う企業です。

課題は①リソース不足、②研修効果の不透明さの2点ありました。

社員が講師として集合研修を行うため労働時間を拘束しなければならず、研修中の現場リソース不足が問題化していました。

また、せっかく実施した研修も効果が全く分からない状態でした。

そこでLMSでテストを自社開発し、研修後のテストにおいて受講者平均が約80点以上と見える化に成功。

また、スキル研修の日数が8日から6日に短縮。1年間で約2,800時間の研修時間削減も実現しています。

事例記事:2,800時間削減で理解度80%超!研修が表彰されるほど効率化

駅の商業施設スタッフ1万人へ一挙に研修提供(株式会社ジェイアール東日本都市開発)

 

駅を中心としたショッピングセンターや飲食店など都市開発を得意とするJR東日本グループの不動産企業です。

コロナ禍の影響で従来の集合研修の開催が難しくなりました。集まらずに研修可能なシステムの必要性を感じてeラーニングを検討。これまでの研修は店長以外は参加できず、各店舗のスタッフのスキルに偏りが出てしまっていました。

eラーニング導入で全スタッフが空き時間に研修を受けられる体制に刷新。接客スキルとモチベーション向上にも成功しています。

事例記事:接客スタッフ1万人以上のスキル・モチベーションアップを実現

法定研修をオンライン化して有償提供(一般社団法人アジルラーニング)

 

都内で17園の保育園を運営するチャイルドビジョンを母体とし、法定研修「保育士等キャリアアップ研修」を保育士向けに展開しています。

保育士たちから「研修を受けたいけどシフト調整が難しく、受けることができない」という悩みが多く聞かれ、オンライン学習であれば場所や時間に捉われないため、eラーニングシステムの構築を決断。

2022年度はeラーニング提供した講座の定員枠の98%が埋まりました。

仕事やプライベートに忙しい保育士たちの満足度も90%以上と大好評となっています。

事例記事:法定研修オンライン化で満足度90%超!保育士がいつでも受講できる学習環境を実現

さらに情報収集をしたい方は以下も参考にしてみてください。

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知っておきたい最新トレンド

リスキリング

社会環境としてDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されており、DXに対応する人材育成の必要性の高まりからリスキリングが注目されています。

リスキリングは働きながら新たな知識・スキルを習得する必要があるため、AI技術を用いた学習レコメンド、時間・場所に制約がない学習を可能にするeラーニングとの親和性が非常に高いとされています。

業務上必要となるスキルの体系化や、個人が有するスキルの可視化・データ化などが必要であり、こうしたプラスアルファの機能を備えたeラーニングシステム/LMSの開発が基本となっていくでしょう。

ブレンデッドラーニング

対面での研修、質疑応答、eラーニング(オンライン学習)など様々な学習方法を組み合わせた学びを指します。

例えば対面研修かeラーニングどちらに参加してもよい、という選択肢を与えることです。

対面のほうが学びやすい人、オンラインで動画を何度も見返すほうが合っている人、耳で音声から学ぶほうが頭に入りやすい人など適正は人によって違います。

社員一人ひとりが最適な学習方法を「自由に選べる」ようにし、ダイバーシティを実現していく方法として注目されています。

反転学習

先に予習しておき、研修ではディスカッションやプレゼンテーションなど実践をメインで行う学習方法です。 通常の研修→復習というプロセスが逆転することから、この名称が用いられます。

反転学習は特にeラーニングとの相性が良いと言われています。

知識やルールを事前に学ぶことで、効率よく実践スキルが身につきます。

アクティブラーニング

教員・講師による一方向的な講義形式ではなく、学習者の能動的な参加を取り入れた学習法を指します。

ITテクノロジーの発展により、常に新しい知識を学び、変化に対応しなければいけない時代です。右へ倣えの精神や、知識偏重の詰め込み型教育だけでは革新的な発明を生み出せない、そんな危機感が教育の現場にはあります。

学習者が自ら考えて学ぶ仕組みを整えるための手法として注目されています。

参考資料:これまでの論点の整理『「未来の教室」ビジョン2.0」の作成に向けて』 

eラーニング導入にあたり必要なもの

本格的な導入にあたり、押さえるべき項目は主に4つあります。

  1. 社内教育制度の設計
  2. 学習管理システム(LMS: Learning Management System)
  3. 学習教材(動画・テストなど)
  4. 学習者への支援

1. 社内教育制度の設計

どのような人材を育成したいか?という目的を明確にすることが重要です。

企業の目指す姿から必要な仕事が決まり、どのようなスキルを持つ人材が必要なのかが決まります。

例えば、旭化成グループは戦略的にデジタル人財育成に取り組んでおり、自社が求める人財像として「事業の背景を理解したうえで課題を整理し、解決できる人財」、「データサイエンスを課題に則して活用可能な形に変え、実装、運用できる人財」、「情報処理、人工知能、統計学などの知識を有し、活用できる人財」の3種類の人財の確保・拡充のためにKPIを設定しています。

どのような人財が必要なのか?は経営戦略の根幹にも関わる非常に大切な要素。一過性の教育にするのではなく、各企業ごとの軸を明確にした制度設計が求められます。

参考:https://www.asahi-kasei.com/jp/company/dx/strategy/

2. 学習管理システム(LMS:ラーニングマネジメントシステム)

eラーニングを運用するにあたりLMSの検討が必要です。

LMSにはユーザー登録、教材の登録・管理、受講履歴の管理など重要な機能があります。既存のLMSを活用すれば一からシステムを構築する必要がなくなります。

開発コストを抑えながらすぐにeラーニングを運用できる点が最大のメリットです。

eラーニングの目的・使い方・対象者は企業や教育機関によって様々です。

目的に沿うLMSを選ぶこと、場合によっては自社向けにカスタマイズを行い、より効果的に活用を検討しましょう。

LMSを提供する企業は60社以上あると言われているため、情報収集にはランキングサイトなどを活用し、一気に情報収集することをおすすめします。

参考:https://it-trend.jp/e_learning

3. 学習教材(動画・テストなど)

eラーニング用の学習教材の調達・制作も検討が必要です。よく使われる学習教材は以下の通りです。

  1. テスト教材(選択式や記述式で回答する形式)
  2. スライド型教材(PowerPoint、PDFなど)
  3. 授業・講義を収録した動画教材
  4. スライドと動画教材を組み合わせたもの(動画+スライド)
  5. リアルタイムで配信するLIVE動画

eラーニングコンテンツの中でも主流は動画教材です。

ブロードバンド化で大容量のコンテンツを手軽に配信できるようになり、Youtube、Instagramストーリーズ、TikTokなど動画を見ることが日常的になりました。

動画は作業のイメージをそのまま伝えられるため、さらなる学習効果向上が期待できます。

動画の多くは据置きカメラやパソコン・スマートフォンで収録したものです。

昨今ではリモートワークの浸透により、Zoomなどで会議録画し、そのまま研修用動画として活用する企業も増えています。

企業や教育機関でオリジナルのeラーニング教材を内製する動きも増えています。

内製であれば自社内の課題や教育目的に最適な教材を作成できます。より高い教育効果を見込めるメリットがあります。

教材は自社で内製するのか、外部の協力企業に制作委託するのか、販売されているeラーニングコンテンツをそのまま活用するかなどを決める必要があります。

4. 学習者への支援・フォロー方法

eラーニングの継続率が10%以下だと言われています。学習者に任せきりではうまくいきません。

自ら受けたくなるような工夫やフォローも検討しておきましょう。

また、人事評価に組み込むことでより強力に受講者たちの学びを促進できます。

eラーニング導入前に役立つe-book

これだけは押さえたい!eラーニング導入&運用ガイド

eラーニング導入時に、多くの企業がまず悩むのがシステム選定です。

eラーニングシステムを提供する企業は60社以上あり、やみくもに調べてもなかなかうまくいきません。

本eBookでは、自社にマッチしたシステムを選定するために押さえるべきポイントを網羅。

運用開始後のフォロー体制など、成果を出すために事前に検討しておきたい施策もご紹介します。

人材育成の課題が解決できるeラーニング3つのポイント

人材採用における売り手市場化などの社会的な影響を受け、人材育成に力を入れる企業が増えています。

集合研修が一般的ですが、コストや研修担当者・受講者の負担、効果測定といった面で頭を悩ませているケースも…。

こうした問題を解決するために、人材育成においてeラーニングを活用するメリットとそのポイントをご紹介しています。

 

eラーニングは社員教育との親和性が高く、学習者・企業の双方にメリットがあります。自社の研修内容に合わせてより効率的・効果的な提供方法をぜひ検討してみてください。

  1. eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説
  2. eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説
  3. 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】

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以前、「可能性は無限大!eラーニングを導入してみよう」でも解説したeラーニングのメリットは世界的に認識され、その需要が高まっています。今回は、今後順調に成長すると予測される世界の企業向けeラーニング市場についてご紹介します。 世界の企業向けeラーニング市場は2020年までに310億ドル規模に 米リサーチ会社大手のTechnavioによると、世界の企業向けeラーニング市場は2016年から2020年までに11.4%増の310億ドル規模に達すると予測されます。米国では1995年にeラーニングを導入している企業はわずか4%足らずでしたが、今日では77%が導入済みです。世界番付上位500企業の「フォーチュン・グローバル500」では、41.7%がeラーニングを実施しています。 地域別で見ると、特にアジアでのeラーニング市場(個人向け・法人向け含む)の成長が年率17.3%増と著しく、国別の過去5年間の成長率でも上位3位はインド(55%増)、中国(52%増)、マレーシア(41%増)とアジアの国々が占めています。インドでは2014年のeラーニング企業数が140社でしたが、うち100社は過去3年間に設立されるほどのブームとなっています。 堅調な国内の企業向けeラーニング市場 日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が2015年に国内企業360社を対象に行った調査では、eラーニングの実施率は80%と、2013年調査時の62.3%から大きく増加する結果となりました。特に従業員数3,000人以上の企業では、90%以上の高い実施率となっています。 また、矢野経済研究所の調査によると、2015年度の日本国内eラーニング市場規模は個人向けが前年比92.7%と縮小した一方で、企業向けは前年比102%と堅調に推移しています。 海外でも利用度が高いのはコンプライアンス研修 個人向けを含めたeラーニング市場全体をみると、米国では高等教育向けeラーニングが市場の成長を牽引しています。特に、大学の講座をベースとした動画配信のMOOC(Massive Open Online Courses)が注目されており、2018年までに28%の成長が予測されています。 eラーニングの主要市場である米国では、どのような教育にeラーニングを利用しているのでしょうか。企業研修業界誌『training』による2014年の調査によると、最も頻繁に利用される教育テーマは「コンプライアンス」(87%)でした。これは日本でも同様で、コンプライアンス研修にeラーニングを採用している企業は54.2%と半数を超えています(JMAM調査)。 さらに、米国では「IT/システムトレーニング」(82%)「デスクトップアプリケーション」(80%)、「業界専門知識(エンジニアリング等)」(78%)、「マネージメント・管理」(75%)「セールストレーニング」(74%)と続きます。 幅広い活用が可能なeラーニング このように、eラーニングのメリットと効果は世界中に浸透しています。今後も企業内教育には幅広い活用が可能なeラーニングの需要が高まっていくでしょう。なお、eラーニング導入の検討にあたっては、「eラーニング導入支援」をご覧ください。 こちらの記事も読まれています: 時間、コスト…社内研修を取り巻く問題とその改善方法 「学習手法」をブレンドすると違った味を生み出せる? 参考: Global Corporate E-learning Market to Reach over USD 31 Billion by 2020, says Technavio|Business Wire Global E-Learning market infographic|Decebo  The Growth of GLOBAL E-learning|Elearning! Magazine  eラーニング市場に関する調査結果 2016|矢野経済研究所  The Top eLearning Statistics and Facts For 2015 You Need To Know|eLearning Industry  2014 TRAINING INDUSTRY REPORT(PDF)|Training Magazine    eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】

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人事制度・組織づくり

人材教育

社員研修で講師をすることになったら、何から準備したらよいのでしょう。研修内容を分かりやすく伝えるためには?会場の規模は?考えることや準備することが数多くあるかと思います。 事前の準備をしっかりと行って、今後も一緒に働く社員のためにも“記憶に残る研修”、“分かりやすい研修”にしたいものです。 今回の記事は、社内で研修講師を成功させるための具体的なノウハウをまとめました。 ご自身が研修講師を務める方はもちろんのこと、社内で研修講師を依頼する方も、ぜひ参考にしていただければ幸いです。 研修講師とは 研修講師とは、企業で実施される教育研修や講座の講師を務める人のことです。 研修のテーマは企業によってさまざまかと思いますが、研修講師にもある程度得意分野があります。 「スキル開発が得意な講師」「経営層向けの講義が得意な講師」等です。 テーマに応じて、その領域が得意な人物が講師を務めることが、研修成功の秘訣でしょう。 なお研修講師は、社内の人間に講義を依頼する「社内研修講師」と、外部の研修提供企業や個人コンサルタントに講義を依頼する「社外研修講師」に分かれます。 この記事では、社内講師が研修を実施するケースを想定してお伝えしていきます。 社内研修の目的 社内の人間で研修講師を行う際、一般的にどのような目的や効果があるのかを紹介します。 講師自身が成長できる 講師として社員の前で研修を行うことにより、受講者だけでなく、講師自身の成長も期待できます。 単にプレゼン力や指導力が上がるだけでなく、受講者からの意見や感想を聞くことで、新たな視点や経験、ノウハウを獲得できるでしょう。 体験談が共有できる 同じ会社で働く社員の体験談は、聞き手の社員にとっても、自身の業務に置き換えやすいでしょう。 リアリティを感じられる体験談があることで、研修内容の説得力が増す効果もあります。 講師自身も自らの経験の棚卸しができ、これまでのキャリアの成長を実感できます。 企業方針が浸透できる 企業の方針やミッション・ビジョンは、社外の講師ではなかなか研修で扱えない内容です。 一方、社内講師だからこそ成し得る、企業の方針に紐づいた業務推進の浸透を促すことが可能です。 似たようなテーマとして、部門ミッションや業務プロセス変更の際も、社内研修がふさわしいでしょう。 自身も関係者である社内講師が研修を行うことで、社内への浸透度を深めることが期待できます。 受講者が研修で学んだことを実践できる 社内で研修を行う大きな目的のひとつは、研修で実際に学んだことを実践できるかどうかということにあります。ともに実践する仲間である社内講師が研修を行うことで、現場で活用するリアリティが増すことが期待できます。 なお、具体的な手法として、単純な座学だけではなく、ワークショップやeラーニングも取り入れたブレンディッド・ラーニングの活用も効果的であると考えられます。 社内講師で研修を実施するメリット・デメリット 社内講師で研修を実施することの、メリットやデメリットをあらためてお伝えします。 社内の研修講師のメリット 社内業務のことに精通している社員であれば、社外の研修講師よりも業務に直結する指導が可能になります。特に業務の詳しい内容を扱う研修であれば、社内講師のメリットが大きくなるでしょう。 その他、社外講師を派遣する分のコストが減る、研修後に継続的なフォローがしやすい等も、社内講師の利点といえます。 社内の研修講師のデメリット 社内で研修講師を依頼する際、注意したいのが講師社員の負荷です。 通常業務をやりながら、研修の準備・実施等の時間を捻出しなくてはならなくなるため、一時的な業務逼迫も予想されます。 従って、社内講師をアサインする部門が「業務調整をする」「本人のスケジュールを考慮する」「準備をサポートする」等のフォロー体制を整える必要もあります。 研修講師に求められるスキル 研修を成功させるために、一般的に研修講師に必要といわれるスキルを2つ紹介します。 研修に限らず、通常の業務でも活用できるスキルなので、ぜひ高める努力をしていただければと思います。 ファシリテーションスキル 受講生自身に問いかけ、考えを引き出すようなアプローチをファシリテーションスキルといいます。 従来は研修講師が講義を行い、正解や方法を教える研修が一般的でした。ただしこの方法の場合、講義が一方通行になってしまい、受講者の参加意識が低まる傾向がありました。 そこで「問いかける」「引き出す」「互いの意見を混ぜ合わせる」の3つのアプローチを行い、受講者自身の研修への参画意識を高めるファシリテーションスキルが、研修講師には求められるのです。 コミュニケーションスキル 研修では講師と受講者のやりとりが発生するため、講師自身のコミュニケーションスキルは重要です。 社内研修だからといって、くだけたコミュニケーションをしてしまうと、講義内容の説得力が欠けるリスクがあります。 「話す」「聴く」「場を見る」等研修実施の場で発生するやりとりで、円滑に進行を進めるためには、コミュニケーションスキルが不可欠でしょう。 社内研修を成功させるコツ 研修内容をどうしよう?資料は?といったように、研修開催に必要なものは数多くあるうえ、準備に時間がかかるものもあります。研修当日になって、必要なものが揃っていなければ大変です。研修の講師を担当することになった際には、まずチェックリストを作成し、準備を怠らないようにしましょう。 研修の日時や場所はもちろん、研修テーマの検討、リハーサル、必要になる準備物(資料・名札・マジック・プロジェクター・パソコン等)を細かくリスト化し、段取りを確認しましょう。 1. 事前準備 はじめに、研修実施前に準備すべきことを6点お伝えします。 1-1. 心構え 仮に、新入社員の講師を実施することを例にして、どのような心構えをすべきかを解説します。 新入社員は、社会人の見本としてあなたの身だしなみをみています。実際に講師として新入社員の前に立つときは、会社の顔として研修に参加することを意識し、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。 また、講師のあなたは大切にすべき心構えを忘れてはいけません。新入社員研修で身に付けるべきことは、単に「報・連・相」「名刺のもらい方」といったスキルだけではありません。「組織人」「社会人」としての意識をもってもらうことも重要なのです。会社の将来を担う人材を育てる、重要な役割だということを意識して新入社員研修に臨みましょう。 このような研修を実施する際のマインドセットは、相手の立場に立って行うようにしてください。 1-2. ゴール設定・時間管理を行う テーマや受講者のレベルにあわせ、研修のゴール設定を行います。 「参加者は何を知りたいのか」「伝えるべきことは何か」を自分のなかで整理整頓しておくことで、研修のゴールを見失いにくくなります。 そのゴールに導くプロセスを想定し、研修時間内での進行管理のイメージも持っておくようにしましょう。 1-3. 台本の作成 台本は伝えたいテーマにあわせて必ず作成するようにしてください。 台本がないと、伝えたいテーマが参加者に的確に伝わりにくくなります。「何が言いたかったのだろう?」「何を学ぶ研修だったのだろう?」といった残念な感想になってしまいます。 また、台本作成の際には専門用語を多用しすぎないよう注意しましょう。 1-4. スライドの作成 台本の次に、それらを視覚的に伝えるスライドを作成します。 見やすさ、分かりやすさを重視して、テキストだけでなく、図表や画像を適宜入れることがお勧めです。 スライドは、印刷してテキストとして参加者が持ち帰ることもあるため、後から復習しても分かりやすい内容になるよう意識しましょう。 1-5. 想定される質問の回答を用意する 忘れがちなポイントかもしれませんが、想定質問に対しての準備も行うようにしてください。 当日質問をされても慌てないよう、ある程度回答のイメージも考えておきましょう。 1-6. 事前の練習を万全に行う 研修成功のためには、事前に複数回は練習するようにしましょう。 台本を読み返し、スライドを動かすタイミングを確認してください。自分の様子を客観的に把握するため、動画を撮って練習を重ねるのもお勧めです。 2. 話の構成を考える 当日の話の構成として、気を付けるべき点を大きく3つに分けてお伝えします。 2-1. アイスブレイク 講師はできる限り研修会場に最初に入り、受講者に積極的に挨拶をする等のアイスブレイクをしましょう。 アイスブレイクにより、研修開始前に場が和やかで暖かい雰囲気になります。 2-2. 自己紹介 研修の冒頭には、講師自身の自己紹介をしてください。 社内講師の場合は少し照れくさいかもしれませんが、あらためてご自身の経歴や仕事をするうえでのポリシー、研修に対する意気込み等を語るようにしましょう。 「目の前にいる講師はどのような人物なのか」が理解されると、講師と受講者との距離感が縮まりやすくなります。 2-3. 参加者に発言の機会を設ける 研修中は、要所要所で参加者に発言を促すようにしましょう。 あらかじめ「この箇所で、参加者に質問をしてみよう」等と設定しておくと、当日スムーズに進行しやすくなります。 3. 話し方 最後に、研修講師として覚えておくべき話し方のナレッジを紹介します。 スピードや声の大きさを意識する 話すスピードはややゆっくり、そして大きく明瞭な声で話すのが、優秀な研修講師の持つ特長です。 1対1で話すときには小さな声でも相手に届くかもしれませんが、研修のような1対多数のときには勝手が違います。 話している声が聞こえない、聞き取りにくいと研修効果が薄れるため、普段よりも明るく大きな声を意識して話していきましょう。 3-1. ボディーランゲージ・ジェスチャー 話し方同様、身振り・手振り等のボディーランゲージを大きくすることは、研修講師として意識したいポイントです。 話の内容にふさわしいジェスチャーがあれば、情報の説得力が増すでしょう。 3-2. 手元を見ずに全体に目を配る つい手元の台本やテキストが気になるところですが、研修講師が手元ばかり見ているのは避けたい動作です。 テキストを読むだけなら、配布すれば事足ります。わざわざ研修講師がその場で話して伝えることには意味があることを意識し、参加者全体に目を配るようにしましょう。 3-3. PREP法を活用する PREP法とは、「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)」という情報構成です。最初と最後に要点を説明するため、聞き手に説得力を感じさせるメリットがあります。 PREP法を習得すれば、相手に伝わりやすいプレゼンテーションができるようになります。 3-4. 例え話を交える 研修では、一般的な理論ばかりを伝えることは避け、例え話を効果的に挟みましょう。 書籍やインターネットで調べれば分かることを伝えるだけでは、研修の場を無駄遣いしていることになりかねません。 なるべく「この理論を○○業界で例えるなら」等と、参加者の興味を喚起しやすい情報にアレンジしてください。 3-5. 事例や体験談を交える 例えば新入社員研修であれば、あなた自身が新入社員の頃、聞いてみたかった話やイメージしやすいエピソードを研修のなかに盛り込んでみてはいかがでしょうか。 あなた自身や身の回りで起こった失敗談や、その失敗をどう乗り越えて現在に至るのか。また逆に、仕事で成功したりお客様に喜ばれたりしたエピソードも、新入社員が仕事に親近感を抱くきっかけになるはずです。この機会に、自分の社会人人生を振り返って、自分だけのオリジナルトークを用意してみてください。 まとめ 社内講師を行うことは、講師自身の成長や受講者への研修内容の浸透等、多くのメリットがあります。 ただし「社内だから」と慢心して準備が不十分だったり、当日の進行が慌ただしかったりすると、研修の本来の効果が薄まりかねません。 今回の記事で「仮に自社で社内研修をする際、どのようなやり方が効果的なのだろうか」を検討する参考にしていただければ幸いです。   ユーザ登録数無制限!コストをなるべく抑えて幅広い教育としてeラーニングを活用したいならCloud Campusがおすすめです。 220社160万人が使う低コストLMS 内製型eラーニングシステム Cloud Campus eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】

2023.07.24

動画マニュアルとは?メリットや注意点を完全ガイド

2023.07.24

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マニュアルは紙やPDFファイルがこれまで主流でしたが、IT技術の発達や新型コロナウイルスの流行等によって、動画で制作する企業が増加しました。 「紙でマニュアルを作成しようとすると、制作にパワーや時間がかかりすぎる」 「若手社員から、テキストのマニュアルでは動きのイメージがつかないと指摘された……」 こうした企業の悩みを解決するには動画でマニュアル制作がおすすめです。本記事では動画マニュアルのメリットや注意点、制作プロセスを紹介します。 動画マニュアルとは 動画マニュアルとは業務手順や社内の教育講座等、企業にとって必要な情報を動画形式で説明したものです。 マニュアルといえば、今までは紙に印刷した冊子やパンフレットか、パンフレット形式のPDFファイルが一般的でした。 しかし最近では、映像に音声やテロップを加えた動画マニュアルが、広く普及しはじめています。スマートフォンやタブレットを通して、テレビを閲覧するような感覚で見られるようになりました。 従来の紙冊子マニュアルに比べ、短時間で効率よく多くの情報を伝えられるため、多くの企業や学校から動画マニュアルは注目を集めています。 動画マニュアルの種類 これまで紙冊子のマニュアルを利用されていた方からは、動画マニュアルがどのような場面で効果を発揮するか分からないとの声も聞かれます。 ここでは、動画マニュアルの代表的な種類を紹介します。 2-1.デモ・操作マニュアル デモ・操作手順マニュアルは、機器の操作や使用手順を説明する動画です。 主にメーカーや工場、機器を使用するオフィス業務で、機器の取扱書として動画マニュアルの導入が進んでいます。機器を操作するタイミングや具体的な動作等、動画で直感的に伝えるためです。 実際の様子を映像で見ながら学べるため、初めて行う作業でも具体的にイメージがしやすくなります。 もちろん社内向けだけではなく、自社製品を購入した顧客に対し、操作方法を動画マニュアルで伝えることも可能です。 2-2.業務手順マニュアル 業務手順マニュアルは、ある業務のプロセスや、進行にあたってのノウハウをまとめた動画です。 営業部門から、人事や経理部門のバックヤード部門まで、業務手順マニュアルは幅広く使われています。単なる業務プロセスの説明だけでなく、動画を活用することで動き方のノウハウを伝えやすくなります。そのため、業務の効率化だけでなく、業務成果につなげることも可能でしょう。 業務手順マニュアルは、新入社員や異動社員等人の出入りが激しい部門で、導入が進む傾向があります。 2-3.研修・教育マニュアル 動画内容は幅広く、部門にもとめられるスキル開発や、新入社員研修に代表される階層別教育等が、マニュアルの対象となります。 特に研修・教育マニュアルで多いのが、接客や営業等の動きがともなう業務です。 例えば、ハイパフォーマーの営業ロールプレイングやプレゼンテーションを、動画でマニュアル化するケースです。 接客や営業部門は、対面・集合型研修に参加する時間を捻出しにくいため、短時間で学べる動画マニュアルのメリットを感じやすい部門といえるでしょう。 2-4. 社内向けメッセージ 企業の戦略ビジョンの紹介、働く意識の共有などについてのイメージ映像を社内向けにまとめた動画です。 たとえば、米フランチャイズの「Dunkin’ Donuts(ダンキンドーナツ)」では、新従業員向けにウエルカムプレゼンテーションを作成し、働くにあたっての3つの心得を動画にまとめています。 動画には社長が登場し、「Friendliness」(スマイルの大切さ)、「Service with Speed」(お客さまの時間を尊重する)、「Serving Great Products」(素晴らしい商品を提供しているという誇り)について映像と共に説明しています。そして最後に、「No Dunkin without You」という文句で新しい仲間を歓迎し、やる気を促すという内容になっています。 文書だとなかなか伝わらないことも、動画であれば経営者が伝えたいメッセージへの理解度が高まるのです。 動画マニュアルのメリット 動画マニュアルを導入した企業から、メリットとしてよく聞かれる点についてお伝えします。 3-1.テキストよりも理解度が高まりやすい 動画のメリットの一つは、テキスト情報よりも相手に伝わりやすいという点です。 特に、体の動きをともなう操作や手順が複雑な業務では、テキストや画像だけのマニュアルより、視覚や聴覚で情報を伝える動画の効果は感じやすいでしょう。 これまで紙冊子マニュアルで理解しにくかった内容も、動画を見たらすんなり理解できたという現象も多く見られます。 さらに動画では、細かい動きのニュアンスやタイミングについて、テキストと画像の組み合わせに比べて、はるかに多くの情報を凝縮できるのが利点です。 理解度が高まりやすいことに加え、多くの情報を効率的に伝えられるのが、動画マニュアルのメリットといえます。 3-2.繰り返し学習できる 動画マニュアルは繰り返し再生して何度も見直せるため、納得ができるまで学習できるのもメリットです。 複雑な作業工程や操作方法等は、一度見ただけでは理解しにくいこともあります。動画を何度も反復して見ることで、習熟度を効率よく上げられます。 もちろん、すでに理解している部分は早送りもできるため、学ぶ側の理解度に応じた閲覧ができるのも動画マニュアルの利点でしょう。 3-3.制作のコスト・手間の削減になる 動画マニュアルは、初回の制作にはコスト・手間は発生するものの、中長期的な目線では、紙冊子のマニュアルよりは、コストや手間の削減効果があるといえます。 紙冊子マニュアルであれば、使用者が増えるたびに印刷コストが発生するでしょう。一方、動画マニュアルは一度制作してしまえば、何度でも利用可能です。さらに、マニュアルを使った勉強会や研修の開催場所も必要ありません。 制作側だけでなく、学ぶ側も自分の都合がよい時間に動画を閲覧できるため、双方の効率を上げる効果があるでしょう。 3-4. 研修の質を標準化できる 研修担当者の力量などにより、教育レベルに差が出ることも問題です。同じ動画マニュアルを活用することで、本社、支社に関わらず研修の質を標準化することができます。 特に全国に何百店舗も展開している企業であれば、最も売上の高い店舗の運営を動画マニュアル化することで全店舗のレベルを一気に高めることができます。 3-5. 映像化しにくい「価値観」や「理念」を伝えやすくなる 価値観やビジョンなどはスピーチや文章だけでは伝わりにくく、受け取り方の差も大きくなります。 映像化することで、抽象的な概念が伝わりやすくなるだけでなく、同一の内容をすべての拠点で提供することもできます。 社長からのメッセージを動画にすることで、言葉の奥にあるニュアンス、想い、力強さなど五感で感じることで理解度がさらに増していきます。 検討にあたっての注意点 動画マニュアルを活用するには、あらかじめ注意すべき点もあります。代表的なものを紹介しましょう。 4-1.閲覧用の端末が必要になる 動画マニュアルを閲覧するためには、パソコン・スマートフォン等の端末が必要になります。 また、インターネット上に動画を保存する場合には、閲覧するためにインターネット環境を整備しなければいけません。 社内や社員の環境次第では、動画マニュアルを閲覧するために事前準備の必要があることを覚えておきましょう。 4-2.動画の撮影や編集には専門知識が必要となる 動画の撮影と編集には、それなりの専門知識が必要です。 ナレーションや効果音を入れる、撮影した動画に効果エフェクトを入れる等凝った動画の制作は、社内だけでは難しい場合もあるでしょう。 どのような動画マニュアルを制作したいかに応じて、社外の動画プラットフォームや動画制作会社の活用を検討することも必要となります。 制作手順 実際に動画マニュアルを制作する3つのステップを紹介します。 5-1.構成を考え、台本にする はじめに、動画の構成を台本にまとめましょう。 動画マニュアルで「何を伝えたいのか?」の目的を明確にし、動画の方向性や内容を決めていきます。「何を」「どんな順序で」「どんな映像で」を考えていくイメージです。 既存の紙冊子マニュアルからの切り替えであれば、紙では「何を伝えきれなかったか」を明確にし、課題となった部分を動画に盛り込みましょう。 台本は文章で書くほかに、イラストを中心にした絵コンテのようなものでも構いません。台本で撮影全体の流れを把握してから撮影することで、無駄な撮り直しが防げます。 伝えたい内容を過不足なく盛り込むために、あらかじめセリフや動作等を台本に書き出しておくことが大切です。 5-2.動画を撮影する 台本を元に、必要な動画を撮影します。 撮影する秒数やアングルを台本でしっかり決めておくと、撮影時に悩むことが少なくなり、スムーズに撮影が進むでしょう。 撮影時に関係者に立ち会ってもらい、撮影した映像を一緒にチェックするのもお勧めです。分かりやすく映像が撮れているかを随時チェックすることで、あとから撮り直しをする事態を防げます。 5-3.動画の編集を行う 動画の撮影が終わったら、効果を高めるための編集を加えましょう。 例えば、編集では以下のような作業が考えられます。 字幕・テロップの挿入 BGMや効果音の挿入 ナレーション用の音声データの録音・挿入 不要なシーンのカット 特に字幕があると、音声が出せない状況の閲覧者に対しても、情報を伝えることができます。 近年は電車内や外出先等、音を出せない場所で閲覧する人も多いため、字幕を用意するのが親切でしょう。 企業の活用事例 最後に、動画マニュアルを活用している事例を紹介します。ぜひ自社の状況と照らし合わせながらご一読ください。 6-1.ジェイアール東日本都市開発株式会社 商業施設のスタッフ1万人以上に向けた接客マニュアルをeラーニング化した事例です。 きっかけは、コロナ禍で集合研修が開催できなくなり、代替策としてeラーニング導入を検討したことでした。 これまで集合研修は各店舗の店長にしか実施できておらず、スタッフに対する教育の有無が店舗によってバラつきがありました。 接客マニュアルをeラーニング化し、全店舗一律でオンラインで閲覧できるような環境を整えました。 eラーニング化によってスタッフに直接研修を届けられるようになり、研修効率が非常に高まったそうです。 動画マニュアルによる接客スキル向上だけでなく、スタッフのモチベーションアップにもつながった成功事例です。 ▶▶「ジェイアール東日本都市開発」事例を詳しく読む 6-2.三井住友建設株式会社 同社は、コロナ禍で集合教育の実施が難しくなってからは、Zoomを使ったリモート教育を行っていました。しかし、その大半は講義形式であるため、リアルタイムで行う必要は特になかったそうです。 そこで、あらかじめ講義を動画に撮っておき、それぞれのタイミングで見られる「自立型の学習コンテンツ」を作ることを思い立ち、eラーニングシステムを導入しました。 マニュアルだけでなく、社長からの全社メッセージなども動画化することで企業文化の浸透にも役立てています。 社員は週1~2回程動画コンテンツを閲覧しており、受講率100%の動画もあるそうです。 ▶▶「三井住友建設」事例を詳しく読む まとめ 動画マニュアルは、紙冊子やテキストでは伝えきれないような大量の情報や、細かいニュアンスを的確に伝えられる画期的な方法です。 もちろん、動画マニュアルを最大限に活用するには、導入後も継続的に見直しながら運用していくことが大切です。 動画マニュアルの効果を社員の習熟度で確認しながら見直しを行い、定期的に更新していくことで、運用効果をさらに上げていきましょう。 eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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