2023.02.08
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あなたは、「人は変われる」という考えの持ち主ですか? それとも「人は変わらない」と思いますか? どちらかによって、リーダーとしての資質に差が出てくるといいます。
成長のチャンスを奪う「決めつけ」「思い込み」
部下が期待に応えられなかったり、何度言っても失敗を繰り返したりすると、上司が「成長の見込みなし」というレッテルを貼ってしまうことがあります。こうした上司の思い込みが部下への態度にも表れると、その部下のモチベーションは著しく低下し、業績も下降。離職にもつながりかねません。
このように、他者への思い込みが行動や言動に反映することで、それが現実になってしまうことを、心理学では「自己達成的予言」と呼びます。
成長をサポートできるかどうかは「リーダーシップ」の問題
指導する立場にある人が「この部下は変わらない」と決めつけることは、「成長のサポート」というリーダーシップにおける重要な役割を放棄しているのと同じです。こうした見解は、さまざまな大学研究でも検証されています。
「人間は変われる」と考える上司は部下の成長を信じている
米サザンメソジスト大学の研究では、「人間の性質は生来のもので変わらない」と考える上司と、「人間は変われる」と考える上司が、それぞれの部下にどのように接するのかを調べました。その結果、「変わらない」と考える上司は部下のスキルアップに関心がなく、成長をサポートすることに熱心ではなかったそうです。一方で、「変われる」という信念を持つ上司は、フィードバックを怠らない、新しい課題へのサポートを惜しまないといった、部下の学習能力と成長を信頼しているという結果になりました。
「人間は変わらない」と思い込んでいる上司は部下の変化に気付かない
また、別の大学研究によると、「部下は変らない」という固定観念を持つ上司は、成長、後退を問わず部下の変化に気づきにくいといいます。そのため、頑張りに気づいてもらえない従業員のモチベーションが低下し、離職につながるケースが多いそうです。一方で、部下の成長を信じる上司の下で働く部下は、成長への意欲と仕事への満足度が高く、離職率が低いという結果が出ています。
「人は変われる」という思考は、リーダーに求められるヒューマンスキル
部下の成長を信じて指導することは、リーダーに必要な能力のひとつです。「部署の環境はリーダー次第!?」でもご紹介したように、優れたリーダーシップを発揮するには、技術や知識、問題を解決に導く能力だけでなく、高いヒューマンスキルが必要になります。組織の上階層になればなるほど、こうしたヒューマンスキルを磨く努力が求められるのです。
リーダーシップ、部下指導についての具体的な方法については、「部下の主体性を引き出すリーダーの資質「サーバントリーダーシップ」とは」「知っておきたい!初めての後輩指導で使える「コーチングスキル」」「管理職に求められる3つのスキル」もご覧ください
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参考:
- People Won’t Grow If You Think They Can’t Change|Harvard Business Review
- KEEN TO HELP? MANAGERS’ IMPLICIT PERSON THEORIES AND THEIR SUBSEQUENT EMPLOYEE COACHING|Wiley Online Library
- Do Subordinates Formulate an Impression of their Manager’s Implicit Person Theory?|Wiley Online Library
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