2025.12.15
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- データ分析
データ分析とは、データを統計学やツールを用いて解析し、現状の把握や問題の特定、将来の予測をすることです。データ分析は、客観的な事実に基づいた合理的な意思決定や業務効率化につながります。データ分析でビジネスを加速させるためには、目的の明確化や組織全体でのデータリテラシー向上といったポイントを押さえることが大切です。
本記事ではデータ分析の意味や種類、具体的な導入メリットを解説します。データ分析の導入・活用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
データ分析とは
データ分析とは、収集したさまざまなデータを統計学といった手法を用いて、傾向やパターンを読み解くことです。数字を単に眺めるのではなく、目的をもってデータを掘り下げ、価値ある情報を引き出す作業といえます。
データ分析の主な目的は、現状を適切に把握したり、未来を予測して意思決定に活かしたりすることです。データ分析で得られた知見は、新たな製品開発やマーケティング戦略の改善、業務効率化といった多岐にわたる分野で活用できます。データの量が増え続ける昨今、データ分析の重要性はますます高まっています。
データ分析の種類と目的
データ分析には、以下のような種類があります。
- 記述的分析
- 推測統計学
- 機械学習
- ビッグデータ分析
それぞれの分析内容や目的を詳しく解説します。
1. 記述的分析
記述統計学は、収集されたデータの特徴や性質を要約したり、表現したりする手法です。具体的には、以下のような手法が該当します。
- 平均値や中央値といった代表値の算出
- データのばらつきを示す標準偏差の算出
- データの分布を可視化するグラフ作成
記述的分析の目的は、データの全体像を適切にとらえて、現状を把握することにあります。複雑なデータをシンプルに整理することで、次のステップである予測のための基盤を整えられます。
2. 推測統計学
推測統計学は、一部のデータから全体の傾向を推測したり、仮説を検証したりする手法です。代表例としては、全国の有権者から無作為に選んだ数百人の意見(標本)を基に、選挙全体の投票結果(母集団)を予測する世論調査が該当します。
母集団を予測できる適切な標本ができていれば、比較的少ないデータから全体像を論理的に導けます。記述統計学が現状を把握するのに対し、推測統計学は全体像や将来の洞察を得ることをめざす分析方法です。
3. 機械学習
機械学習とは、大量のデータを基にコンピュータが自ら法則や傾向を見つけ出し、新しいデータを判断・分類できるようにする技術です。人間がプログラムするのではなく、コンピュータがデータから法則や傾向を自動学習するのが特徴です。
機械学習は、膨大なデータを基に意思決定の精度を高め、業務や判断の自動化をめざします。例えば、過去の取引データから不正な取引パターンを学習し、新たな不正行為を検出するシステムに使用されています。
4. ビッグデータ分析
ビッグデータ分析は、従来のデータベース管理システムでの処理が難しい巨大かつ高速に生成・更新されるデータ群(ビッグデータ)を対象とした分析です。ビッグデータには、SNS投稿やセンサーデータ、Web上の行動履歴といったさまざまなデータが含まれます。
ビッグデータ分析では、企業や社会に存在する膨大なデータを整理・可視化し、現状把握や課題発見、意思決定の支援をめざします。交通情報や気象データをリアルタイムで分析し、最適な物流ルートを瞬時に判断する技術がビッグデータ分析の応用例です。
データ分析をするメリット
データ分析をするメリットには、以下のようなものがあります。
- 意思決定の精度を高められる
- 業務の効率化を図れる
- 新たなビジネスチャンスの発見につながる
それぞれ詳しく解説します。
意思決定の精度を高められる
データ分析は、主観や勘に頼るのではなく、客観的なデータに基づいた意思決定を可能にします。例えば、新商品の開発で過去の販売データや市場調査の結果を活用すれば、どのターゲット層にどのような特徴の商品が受け入れられやすいかを論理的に予測できるようになるのです。
データに基づいた根拠のある判断は、社内の関係者に対しても説明責任を果たしやすくし、スムーズな合意形成を促進します。データドリブンな意思決定は、企業の競争力を維持・向上させるための必須条件といえるでしょう。
業務の効率化を図れる
データ分析では、現状の業務プロセスにある無駄や非効率な点を特定することができます。製造業であれば、生産ラインのセンサーデータを分析することで「どの工程でボトルネックが発生しているのか」「どの設備が故障しやすいか」を適切に把握できます。これらのデータを活用し、人員配置や設備投資の見直しをすれば、コスト削減と生産性の向上につながるでしょう。
また、顧客からの問い合わせデータを分析すれば、頻繁に寄せられる質問を抽出できます。その結果を基にFAQの整備やチャットボットの導入を進めることで、カスタマーサポートの業務を効率化できます。
新たなビジネスチャンスの発見につながる
データ分析では、顧客の潜在ニーズを発見したり、市場の小さな変化を早期に察知したりすることができます。顧客の潜在ニーズや市場の変化は、新たなビジネスモデルの創出につながる可能性が高いです。
例えば、気象データと地域ごとの販売データを基に特定の気象条件下でのみ発生する需要を発見できれば、新しいプロモーションを企画できます。データ分析は、従来の枠にとらわれない発想の転換を促し、新たなビジネスチャンスのヒントにつながるでしょう。
データ分析で使われる手法

データ分析で使われる手法には、以下のようなものがあります。
- アソシエーション分析
- バスケット分析
- クロス集計
- クラスター分析
- 因子分析
- ロジスティック回帰分析
- 決定木分析
- ABC分析
- 主成分分析
- グレイモデル
ひとつずつ詳しく解説します。
アソシエーション分析
アソシエーション分析とは、データのなかから同時に発生しやすい要素同士の関係性を見つける手法のことです。動画配信サービスでは「Aという映画を視聴した人は、Bという作品もよく見ている」といった傾向を発見できます。顧客の行動傾向や商品の関連性を把握でき、販売戦略やサービス改善に活用できます。
バスケット分析
バスケット分析は、アソシエーション分析を購買データに応用した手法のことです。主に小売業やECサイトで活用されており、顧客が買い物(バスケット)でどの商品と一緒に購入しているかを探ることができます。商品間の同時購入パターンを把握できれば、店舗の棚割りや、ECサイトのお勧め機能の最適化につながるでしょう。
例えば、パンを購入した人が牛乳やジャムも購入するというデータを取得できると、それらを近くに陳列したり、セット販売を提案したりできます。バスケット分析を取り入れれば、客単価の向上や顧客満足度の改善が期待できます。
クロス集計
クロス集計は、複数の異なる質問項目や属性を組み合わせて集計し、それぞれの関係性を調べる分析手法のことです。「性別」と「購入した商品の種類」を組み合わせて集計すれば、「男性はガジェット系商品を購入する傾向が強い」といった具体的な傾向を表として可視化できます。単なる合計値や平均値ではとらえきれない、データの偏りや属性間の差異を把握できる手法です。
クラスター分析
クラスター分析は、データセット内の似た性質をもつデータ同士を自動的に集め、グループ(クラスター)に分ける手法のことです。顧客の購買履歴や属性情報を元に、共通点のある顧客をいくつかのグループに分類し、それぞれに合わせたマーケティング施策を立てる「セグメンテーション(市場細分化)」に活用されます。
顧客分析だけでなく、商品分類や地域分析といった多様な分野で、パターンを見つけるための分析手法としても利用されています。
因子分析
因子分析とは、多くのデータ項目の背後にある共通の要因を見つけ出す手法のことです。表面的には異なるように見える複数の質問や変数から、共通して影響を与えている構造を明らかにします。
顧客満足度アンケートで「スタッフの対応」「店舗の清潔さ」「価格の納得感」等の複数の質問項目がある場合に、因子分析を行うと「接客満足」「価格満足」といった少数の要因にまとめられることがあります。複雑なデータを少数の因子に整理すれば、全体の傾向を把握しやすくなり、改善すべきポイントを明確にできるでしょう。
ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析は、複数の要因から特定の事象が起こる確率を分析する手法です。顧客の年齢や年収、Webサイトの閲覧履歴等の変数から、その顧客が商品を購入する確率やサービスを解約する確率を予測する際に利用されます。
通常の回帰分析が売上額や滞在時間等の連続的な数値を予測するのに対し、ロジスティック回帰は「購入する/購入しない」のように結果を0〜1の範囲の確率として出力します。そのため、マーケティングのターゲティングや信用スコアリングといった「はい/いいえ」で判断を求められる場面で幅広く活用されている手法です。
決定木分析
決定木分析とは、データを条件ごとに分岐させながら分類や予測を行う手法です。木の枝のように結果に至るまでの判断過程を視覚的に理解しやすくなります。例えば「どのような顧客が商品を購入するのか」を分析する場合は、「年齢が30代以上か」「過去に同カテゴリー商品を購入したか」といった条件を元にデータを分岐させることで、「購入する可能性が高い顧客層」を明確にできます。
数値データだけでなく、性別・職業・地域といったカテゴリーデータも扱いやすいため、顧客の購買行動分析や離脱要因の特定、マーケティング戦略の立案に広く活用される手法です。
ABC分析
ABC分析は、商品や顧客等を売上高や利益等の重要度に応じてA・B・Cの3つのグループにランク付けし、管理の優先順位を決めるための手法です。一般的に、パレートの法則(上位20%が全体の80%の成果を生み出す)に基づいて「A:重要度の高い上位層(全体の70〜80%を占める)」「B:中程度の層」「C:重要度の低い下位層」に分けます。
小売店の販売データをABC分析すると、「Aランク=売上の大半を支える主力商品」「Bランク=安定して売れる準主力」「Cランク=売上貢献が小さい商品」と把握できます。Aランクの商品には重点的な在庫管理や販促をし、Cランクの商品は見直し・廃盤を検討するといった戦略的な意思決定に活用できる手法です。
主成分分析
主成分分析とは、 多くの変数を少数の代表的な指標(主成分)にまとめ、データの特徴や傾向を効率的に把握するための手法です。例えば、製品に対するアンケートで「デザイン」「使いやすさ」「価格満足度」「信頼性」といった複数の項目がある場合に、それぞれの回答を主成分分析すると「総合的な満足度」や「コスパ重視」といった共通する評価軸に要約できます。
主成分分析と因子分析は、いずれも多くの変数を少数の要因でまとめる手法ですが、目的が異なります。主成分分析はデータのばらつきをできるだけ保ちながら要約するのに対し、因子分析は複数の項目の背後にある潜在的な要因(因子)を推定することが目的です。
主成分分析は、多数の変数を整理してデータの全体像をシンプルに可視化できるため、マーケティングや品質管理、顧客分析で広く活用されています。
グレイモデル
グレイモデルは、データが少ない状況や情報が不確実な状況に有効な時系列予測モデルです。新しく登場した製品や技術、成長途中の新興市場では、過去のデータが十分に集まっていないことがあります。グレイモデルは、限られたデータしかない状況でも将来の売上や需要を予測できるため、短期的な経営判断や戦略立案に役立つ手法です。
データ分析を取り入れる際の手順

データ分析を取り入れる際は、以下の手順で進めるのが一般的です。
- データ分析の目的や目標を定める
- データを収集・整理する
- 収集データを基に現状を分析する
- 結果を施策に反映・検証する
- データ分析・施策の評価をする
順番に詳しく解説します。
1. データ分析の目的や目標を定める
データ分析を始めるときに重要となるのが、「なぜ分析をするのか」という目的と目標を明確に定めることです。「とりあえずデータを集めてみる」といった曖昧なスタートでは、何のための分析なのか分からなくなり、時間とコストを浪費してしまいます。
データ分析を始める前に「顧客離脱率を10%削減する」「来月の売上を前月比5%増加させる」といった具体的かつ測定可能な目標を設定しましょう。
2. データを収集・整理する
目的と目標が定まったら、達成するためにどのようなデータが必要かを定義し、データを収集・整理します。データ収集・整理をする際は、必要なデータが社内のデータベースにあるのか、外部の市場データやWeb上の公開情報を調べたほうがいいのかを特定します。
収集したデータは、そのままでは分析に使えない場合が多く、欠損値の処理や表記ゆれの修正、データの統合といった前処理(クレンジング)が必要です。データ準備の工程は、分析全体の品質と結果を左右するため、丁寧に進めることが大切です。
3. 収集データを基に現状を分析する
準備したデータを活用し、適切な手法を使って現状分析をします。顧客の購買履歴やアクセスログを集めた場合は、単に売上やアクセス数を確認するだけでなく、「どの商品がどの顧客層に人気があるのか」「特定の時間帯やキャンペーン期間での購買傾向はどうか」といったビジネス上の意味を読み解くことが大切です。
分析結果はグラフや表、ヒートマップの形式で視覚的に整理することで、関係者間で共有しやすくなります。売上の高い商品や顧客セグメントを棒グラフで示したり、購入パターンを時系列に並べた折れ線グラフにしたりすると、意思決定や次の施策につなげやすくなります。
4. 結果を施策に反映・検証する
データ分析では、得られた洞察を基に具体的なビジネス上のアクションを計画したうえで、実行に移すことが最終目的です。「特定の顧客層の離脱率が高い」という分析結果が出たら、「その層に特化したキャンペーンを実施する」といった施策を打ち出します。アクションを設定する際は、目的達成に直結する実行可能な内容にしましょう。
5. データ分析・施策の評価をする
施策を実行したあとは、その施策が目標達成にどれだけ貢献したかを評価します。施策実行後と実行前のデータを比較し、効果の有無と大きさを定量的に確認します。目標が達成できていなければ、何が原因だったのかをデータ分析で探り、施策を修正することが大切です。
データ分析の精度とビジネス成果を高めるためにも、PDCAサイクルを回し続けましょう。
データ分析をするときのポイント

データ分析をするときは、以下のポイントを押さえておきましょう。
- データ分析ツールを活用する
- データ分析に必要なスキルのある人材を確保する
- 個人情報や顧客データを適切に管理する
それぞれ詳しく解説します。
データ分析ツールを活用する
データ分析ツールを活用すれば、データ分析の効率と精度を高められます。データ分析ツールには、Excelのような表計算ソフトやBI(ビジネスインテリジェンス)ツール、DMP(データマネジメントプラットフォーム)等があります。分析にかかる時間と労力を削減するためにも、目的やデータの種類に応じたツールを導入してみましょう。
データ分析に必要なスキルのある人材を確保する
どれだけ高性能なツールを導入しても、適切に使いこなせる人材がいなければ、データ分析はうまくいかないでしょう。データ分析を円滑に進めるには、データサイエンスの知識やPython、R等のプログラミング能力にくわえ、ビジネス課題を理解したうえで施策に落とし込める洞察力をもった人材の確保が必要です。
しかし、専門人材の獲得競争が激化する昨今、外部からの採用は容易ではありません。外部からの人材確保が難しい場合は、既存の社員を育成し、データ分析スキルを身に付けてもらうのが有効です。より多くの社員に効率的にスキルを習得してもらうには、eラーニングの活用がお勧めです。eラーニングであれば、時間や場所の制約がなく、社員が自分のペースでスキルを習得できます。
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個人情報や顧客データを適切に管理する
データ分析の基盤となる個人情報や顧客データは、取り扱いに細心の注意が必要です。個人情報保護法等の関連法規を遵守し、データの収集から保管、利用、廃棄に至るまで、厳格な管理体制の構築が大切になります。
データ漏洩や不適切な利用は、企業の社会的信用を損なうことにつながりかねません。適切なデータ管理を徹底しましょう。
まとめ
データ分析は、客観的な事実に基づいた意思決定や業務効率化につながる、現在の企業経営に欠かせないものです。自社での導入・活用を成功させるためには、目的・目標を明確にし、適切なツールを活用することが大切です。
データ分析を最大限に活用していくには、統計的な知識やデータ処理のスキルをもった専門人材の育成や確保が不可欠となります。従業員のデータ分析スキルやデータリテラシーを効率よく高めたいのであれば、時間や場所を選ばず、体系的な学習を低コストで進められるeラーニングの活用が有効です。
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