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社員のITスキルアップ方法|求められる知識や活用シーンを紹介

2025.10.27

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社員のITスキルアップ方法|求められる知識や活用シーンを紹介

デジタル化が加速する現代では、情報セキュリティやデジタルツールの活用といった基礎的な能力から、プログラミングやデータサイエンスといった高度な専門技術まで求められるシーンが増加しています。

技術革新が加速し、DX推進が企業の優先事項となる昨今、社員一人ひとりのITスキルを底上げすることは、業務効率化や生産性向上、企業の競争力を高めるうえで重要な要素です。

ITスキルアップを組織的に実現するためには、資格取得支援やeラーニングといった教育施策の導入が鍵となります。

本記事では、職種別に求められるITスキルの種類や、効果的にスキルアップを図る具体的な方法を詳しく解説します。自社のDX推進や社員のリスキリングに課題を感じている人事・研修担当者やマネージャーの方は、ぜひ参考にしてください。

ITスキルとは

ITスキルとは、情報技術(Information Technology)を活用して、業務上の課題を解決したり、新たな価値を創造したりする能力の総称を指します。

単にパソコンを操作できるといった技術的な面に留まらず、インターネットやデータ、セキュリティに関する知識を身に付け、デジタル環境で適切に行動できる総合的なリテラシーも含まれます。

ビジネスパーソンに求められるITスキルの種類

ITスキルの定義は、業種によって異なります。

社会人全般に求められる基礎的なITスキルには、以下のようなものがあります。

  • 情報セキュリティ対応スキル
  • デジタルツールの活用スキル
  • ITインフラとデータの基礎活用スキル

それぞれ詳しく解説します。

情報セキュリティ対応スキル

情報セキュリティ対応スキルとは、サイバー攻撃や情報漏洩から企業の情報資産を守るための知識と能力のことです。

具体的には、パスワードの管理や不審なメールへの対応方法、機密情報の取扱ルール等が挙げられます。

IT技術の進化にともない、サイバー犯罪の手口もますます巧妙化しています。

こうした状況を踏まえると、全従業員が高いセキュリティ意識をもつことが不可欠です。

万が一、情報漏洩事故が発生した場合、企業の信頼は大きく損なわれてしまいます。

そのような事態を避けるためにも、情報を取り扱うすべてのビジネスパーソンが情報セキュリティに関する最低限の知識を身に付けることが大切です。

デジタルツールの活用スキル

デジタルツールの活用スキルは、日常業務で使われる多様なツールを目的に応じて効率的に使用する能力です。

特に以下のようなツールは、多岐にわたる業務で活用されます。

項目 具体的なツール 活用シーン
オフィスソフト Word、Excel、PowerPoint等 事務作業の効率化やデータ管理、資料作成
コミュニケーションツール 社内チャットツール(Slack、Chatwork等)やWeb会議システム(Zoom、Google Meet等) チーム内での迅速な情報共有、リモート環境での円滑なコミュニケーション、会議時間の効率化
情報収集ツール インターネット検索、SNS、社内データベース 業務に必要な情報の迅速な入手、情報整理によるナレッジ共有
自社ツール SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)、ERP(統合基幹業務システム)等、自社で導入している業務特化型ツール 業務プロセスの標準化と効率化

デジタルツールを活用するときは、単に操作できるだけでなく、目的に応じて使い分けたうえで業務に役立てる応用力も必要です。

ITインフラとデータの基礎活用スキル

ITインフラとデータの基礎活用スキルは、基本的な仕組みを理解し、デジタル機器を使いこなすための土台となる能力です。

具体的には、以下のような能力です。

項目 概要 習得の重要性
ネットワークの基本理解 インターネット接続、クラウドサービスの仕組みといった、IT環境が動作する基本的な原理の理解 システムトラブル発生時の適切な対応や、IT部門との円滑な連携に必要となる
OS・デバイス管理 PCやスマートフォンのOS(Windows、macOS等)におけるファイル管理、設定変更 自身の業務デバイスを適切に操作・管理し、業務効率とセキュリティ向上につながる
データの基礎 CSV、PDFといったファイル形式の違いと用途の理解、データの適切な格納場所(ローカル、サーバー、クラウド)の判断 部門間でのデータ連携を円滑にし、情報資産の安全な管理につながる

ITインフラとデータの基礎活用スキルは、企業活動を支えるシステムやデータを適切に扱うためにも、習得しておきたい基礎スキルといえるでしょう。

デジタル人材に求められるITスキルの種類

AIやビッグデータを活用し、DX推進を担うデジタル人材には、従来のITエンジニアに求められてきた技術的な専門知識にくわえて、ビジネス課題を解決するための高度なスキルが求められます。

デジタル人材に求められる応用的なITスキルの種類は、以下の通りです。

  • プログラミングスキル
  • データサイエンススキル
  • クラウドスキル
  • プロジェクトマネジメントスキル

一つずつ詳しく解説します。

プログラミングスキル

プログラミングスキルは、ソフトウェアやアプリケーションの開発、システムの構築に必要な能力です。

デジタル人材には、PythonやJavaといった開発領域に応じたプログラミング言語を習得し、活用できる能力が求められます。

単なるコーディング能力だけでなく、RPA(Robotic Process Automation)を活用した既存業務の自動化や既存システムの改修・連携といった、ビジネス課題を解決するための実装力も重要です。DX推進には、欠かせないスキルといえるでしょう。

データサイエンススキル

データサイエンススキルは、大量のデータから有益な情報を引き出し、意思決定や問題解決に役立てる能力のことを指します。

具体的には、 統計学や機械学習等の専門知識を使って、データを収集・解析し、結果を可視化するスキルが挙げられます。

データサイエンススキルは、顧客データから解約リスクの高い層を特定する分析、マーケティング効果の最大化に向けたA/Bテストの設計等で活用できるスキルです。

クラウドスキル

クラウドスキルは、現代のITインフラで欠かせないクラウド環境を理解し、適切に活用・管理するための専門スキルです。

クラウドサービスの選定や設定、保守管理等が適切に行えるスキルが求められます。

企業の多くは、コスト削減や運用管理の負担軽減を目的に、自社のITインフラをクラウド環境へ移行しています。

クラウドスキルのあるデジタル人材は、ビジネス環境に合ったクラウドサービスを選定・導入し、スムーズな移行をするうえで欠かせないでしょう。

プロジェクトマネジメントスキル

デジタル人材には、ITを扱う専門的な技術だけでなく、システム開発や新規サービス導入といったITプロジェクトを成功へと導くための管理能力も求められます。

具体的には、技術的な知識にくわえて、予算・スケジュール管理、チームメンバーとのコミュニケーション力等が含まれます。

DX推進は部門をまたいで実施されるため、計画を柔軟に見直したり、チーム全体をまとめたりしながら目標達成に導くリーダーシップも必要不可欠です。

ITスキルアップが重要とされている理由

ITスキルアップが重視されている理由には、以下のようなものがあります。

  • DX化を推進するため
  • IT人材不足に対応するため
  • 企業の競争力を高めるため
  • 新しい働き方に対応するため

それぞれ詳しく解説します。

DX化を推進するため

DXでは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務そのものを変革し、新しい価値を創造することをめざします。

DXを実現するには、一部のIT人材だけでなく、経営層から現場社員まで全社的なITリテラシーの向上が必要です。

社員がITスキルを身に付けることで、現場の課題をIT技術を用いて解決するアイデアが生まれやすくなり、システムやデータを効果的に活用できるようになります。

社員一人ひとりがデジタル技術を理解し、活用できる能力をもつことは、企業が競争優位性を確立するための土台となるでしょう。

IT人材不足に対応するため

日本は、世界的に見ても深刻なIT人材不足に直面しています。経済産業省の2018年度の調査によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。

デジタル化の加速やAI・IoT・ビッグデータ等の先端技術への需要増加により、IT人材の需要が供給を上回っているのが現状です。

そのため、外部から優秀なIT人材を採用することは容易ではなく、コストがかかりやすくなります。IT人材不足の課題解決には、既存社員にITスキルを習得させ、自社の業務を理解したIT人材を社内で育成する内製化が有効です。

出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」

企業の競争力を高めるため

社員のITスキルが向上し、IT技術を有効活用できるようになれば、業務効率の向上につながります。

業務効率化によって創出されたリソースを新しい事業アイデアの創出や実行に充てれば、企業の競争力を高めることにつながります。

ITスキルの高い人材が多くいる企業は、市場の激しい変化に対応でき、持続的な競争力を生み出せるようになるでしょう。

新しい働き方に対応するため

新型コロナウイルス感染症の流行以降、リモートワークといった新しい働き方が定着しつつあります。

柔軟な働き方を維持・発展させるためには、社員が自律的にITを活用できる能力が欠かせません。

Web会議システムやクラウドストレージ等のさまざまなツールを安全かつ効率的に活用できるようになれば、場所や時間に縛られない働き方ができるようになります。

IT活用により業務の自動化や効率化が進めば、勤務時間や場所を柔軟に選択できるようになり、社員のワークライフバランスの改善や多様な人材の確保にもつながります。

【業種別】ITスキルの活用シーン

ここでは、以下の業種におけるITスキルの活用シーンを紹介します。

  • ITエンジニア
  • 営業職
  • 事務職
  • マーケティング職・企画職

一つずつ詳しく見ていきましょう。

ITエンジニア

ITエンジニアは、応用的なITスキルが最も求められる職種とされています。

ITエンジニアは、専門知識・技術を活用しながら、新規システムの開発や既存システムの保守運用、クラウドインフラの設計・構築といった業務を行います。

つまり、企業のIT戦略を技術面から支える核となるポジションといえます。

営業職

営業職は、デジタルツールを駆使することで業務効率と成果を高めることができます。

具体的には、以下のようなシーンで成果につなげられます。

項目 活用シーン
商談管理の効率化 CRM/SFA(顧客管理・営業支援システム)を活用し、商談履歴や進捗を正確に管理する
提案力の向上 顧客データ分析の基礎を活用し、論理的な裏付けに基づく提案資料を作成する
営業アプローチの拡大 Web会議システム等で、遠方のクライアントとの商談をスムーズに進める

営業活動にITスキルを取り入れれば、売上や受注率の向上が期待できるでしょう。

事務職

事務職にとってのITスキルアップは、定型業務の自動化や効率化につながります。

デジタルツールの活用スキルを身に付けることで、以下のような業務の効率アップが見込めます。

項目 活用シーン
定型業務の自動化 Excelの関数やVBAを使って、毎日のデータ集計等の定型作業を自動化する
情報管理の最適化 Google Drive等のクラウドストレージを活用し、部門間のファイルを体系的に整理する
文書作成の効率化 生成AIツール等を使い、会議の議事録や資料作成を効率化する

ITスキルを活用して定型業務を効率化すれば、これまで手作業に費やしていた時間を企画立案や業務改善等の付加価値の高い業務に充てられるようになるでしょう。

マーケティング職・企画職

マーケティング職や企画職では、データに基づく論理的な意思決定能力が重要です。データサイエンススキルとデジタルツールの活用スキルが中心となり、以下のような業務に活かせます。

項目 活用シーン
施策の立案 Webアクセス解析データや販売データに基づき、次のマーケティング施策や新商品の企画を立案する
ターゲット分析 顧客セグメントの分析を行い、最適な顧客層へ向けた戦略を構築する
効果検証 データに基づき、広告運用の効果検証や予算の最適な配分を実施する

マーケティング職や企画職におけるITスキルは、市場と顧客を深く理解したうえで、効果的な戦略を立案するために欠かせない能力といえるでしょう。

社員のITスキルアップの具体的な方法

社員のITスキルアップの具体的な方法には、以下のようなものがあります。

  • 資格取得のサポートをする
  • OJTを導入する
  • 外部研修を活用する
  • eラーニングを導入する

一つずつ詳しく解説します。

資格取得のサポートをする

社員のITスキルアップのきっかけとして、資格取得のサポートは有効な方法です。

具体的には、ITパスポート試験や基本情報技術者試験といった、社員のレベルや目標に合わせた資格を推奨し、受験料の補助や合格時の一時金の支給といった支援制度を設けます。

資格取得は、ITスキルの体系的な知識を身に付けられるだけでなく、ITスキルがあることの客観的な証明となります。

資格取得といった明確な目標を定めれば、社員の学習モチベーションが向上しやすいでしょう。

ただし、 実務に直結しない知識で終わる可能性があるため、資格取得後のスキル定着や実務活用を別途サポートする必要があります。

OJTを導入する

OJT(On-the-Job Training)は、日常業務を通じて先輩社員から直接指導を受ける方法です。

現場の先輩社員が日常業務のなかでツールの使い方やシステム運用ルール等を指導するため、業務に直結した知識やノウハウを効率的に身に付けられます。他の方法と異なり、教育のための費用がかかりにくいのも特長です。

ただし、指導者の指導力に依存したり、指導者が通常業務に追われて教育時間が確保しにくかったりすることで、全社員へ均一な教育を提供するのが難しい傾向があります。

外部研修を活用する

外部の研修会社が提供するセミナーを利用する方法は、社内に専門的な知識やノウハウのある人材が不足しているケースに適しています。

外部研修のなかには、プログラミングやクラウド技術といった高度で体系化されたカリキュラムが用意されているものもあります。外部のプロ講師から専門性の高い内容を直接学べるため、社員は専門性を深めることができます。

ただし、 会場費や講師代が高額になりやすく、コスト負担が大きくなる可能性に注意が必要です。

eラーニングを導入する

eラーニングは、インターネットを通じて動画教材やデジタルコンテンツを配信する学習形態です。

時間や場所の制約を受けないため、自分のペースで学習を進められるメリットがあります。

学習履歴を保管しておけば、社員ごとの進捗状況や理解度を把握したうえで個別フォローをすることも可能です。

ただし、eラーニングは受動的な学習になりやすく、実践的なスキルが身に付きにくい傾向があります。eラーニングの効果を高めるには、学習の促進や、実務への応用につなげる工夫を取り入れていくことが大切です。

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社員のITスキルアップにつながる資格

社員のITスキルアップにつながる資格には、以下のようなものがあります。

  • ITパスポート試験
  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験

それぞれ詳しく解説します。

ITパスポート試験

ITパスポート試験は、ITを利活用する基礎力を身に付けたい人を対象とした経済産業省認定の国家試験です。

試験では、情報セキュリティやコンプライアンス、ネットワーク、経営戦略といったITを活用するために必要な基礎知識が幅広く出題されます。

社員のITリテラシーを向上させるファーストステップとして取得を支援するのがお勧めです。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、ITパスポート試験より専門性の高い国家試験です。

ITエンジニアの登竜門として位置づけられており、プログラミングやシステム開発の基礎知識が出題されます。

IT部門との連携の円滑化を目的として、非IT部門の社員に取得を推奨するのもお勧めです。これからITエンジニアをめざす方や、営業や企画職等でIT部門と連携する可能性がある方に取得を促すのが望ましいでしょう。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位資格で、応用的な知識と実践力が問われます。

この試験は、ITを活用したサービスを開発するにあたって必要な知識・技術を保有している中堅レベルのITエンジニアを主な対象とし、技術から管理、経営まで幅広い知識と応用力を証明できます。

高度IT人材や、IT戦略を担うマネージャー層が取得をめざすケースが一般的です。

まとめ

社員のITリテラシーを高めることには、業務効率化や生産性向上といった効果が期待できます。

社員のITスキル習得をサポートするときは、資格取得支援やOJT、eラーニングといった支援策を講じることが大切です。

なかでもeラーニングは、時間や場所に縛られず、社員が自身のペースで基礎知識を習得できるため、多忙な社員が多い企業に適しています。

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世界経済フォーラムでは、第4次産業革命によって数年で8,000万件の仕事が消失する一方で、9,700万件の新たな仕事が生まれると予測されています。 第4次産業革命に対応するには、DXの推進が不可欠であり、そのためにもリスキリングを取り入れていく必要があるのです。 リスキリングと似た用語 リスキリングと似た用語には、以下のようなものがあります。 リカレント教育 アップスキリング OJT アンラーニング それぞれの意味と、リスキリングとの違いを紹介します。 リカレント教育 リカレント教育とは「働く→学ぶ→働く」のサイクルを回し続けることをいいます。 実務と並行しながら進めるリスキリングに対し、リカレント教育では職場を離れて大学等の教育機関で学ぶのが一般的です。 くわえて、リカレント教育は働く個人が能動的に学ぶことを指しますが、リスキリングでは企業が従業員の学びを先導することに重きを置いているのも違いのひとつです。 アップスキリング アップスキリングとは、すでに保有している知識やスキルをアップデートすることです。 一方、リスキリングは保有していない知識やスキルを新たに身に付けることを意味します。 OJT OJTは、上司や先輩社員を指導役とし、現状の業務に必要なスキルや知識を身に付けてもらう方法です。 対してリスキリングは、現状の業務ではなく、今後新しく増える仕事に必要なスキルや知識を習得することを目的としています。 アンラーニング アンラーニングは、日本語で「学習棄却」「学びほぐし」という意味があり、既存の知識やスキルを取捨選択して新しいものに入れ替えることをいいます。 新しい知識やスキルを身に付けるリスキリングと異なり、既存の知識やスキルの取捨選択が重視されているのが特徴です。 企業がリスキリングに力を入れるメリット 企業がリスキリングに力を入れると、以下のようなメリットが期待できます。 DX人材不足の解消につながる 企業理解の深い人材が新規事業に取り組める 業務効率化・生産性向上につながる 新たなサービスや事業を生み出せる 従業員のモチベーションが高まる それぞれ詳しく見ていきましょう。 メリット①DX人材不足の解消につながる 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施した「企業等におけるDX推進状況等調査分析(DX動向2024調査)」では、DX人材不足がいっそう深刻化していることが公表されました。 DX人材不足の原因には、DXの必要性が急速に高まっていることや、少子高齢化によって労働力が不足していることが挙げられます。 そのような問題を解決するには、会社全体でリスキリングに取り組み、従業員にDXに必要な知識やスキルを身に付けてもらうのが効果的です。 結果的にDX人材を採用する必要がなくなれば、採用コストの削減にもつながります。 メリット②企業理解の深い人材が新規事業に取り組める リスキリングを通して、もともと社内にいた人材にDXといった新しい業務に必要なスキルや知識を習得してもらえば、社内業務や企業の文化に詳しい人材に新規業務を任せられます。 新入社員と比べて社内業務や企業文化を教える手間がかからないので、新規事業をスムーズに進められます。 リスキリングによって企業理解の深い人材に新規事業を任せられれば、他部署との連携をスムーズに進められるでしょう。 メリット③業務効率化・生産性向上につながる リスキリングに力を入れることでDX人材の育成がスムーズに進めば、生産性向上が期待できます。 DX化によって作業の自動化や作業工数の削減が進むと人件費を削減でき、生産性向上につながるでしょう。 メリット④新たなサービスや事業を生み出せる リスキリングによってDX化がスムーズに進み、業務工数の削減を実現できれば、既存事業の拡大・新規事業の開発にリソースを割けるようになります。 それだけでなく、リスキリングによって新しいスキルや知識を身に付けると、新たなアイデアが生まれやすくなるでしょう。 新しいアイデアから新規サービスや事業拡大につながれば、顧客のニーズ変化にも対応できるようになる可能性が高まります。 メリット⑤従業員のモチベーションが高まる 企業がリスキリングに力を入れ、従業員にスキルアップの機会を提供できれば、モチベーションアップにつながるでしょう。 くわえて、DX推進によって業務の無駄をなくしたり、業務を自動化したりすれば残業時間をカットできます。 人手に余裕ができて休暇が取りやすくなることで、従業員のワークライフバランスが整えられるようになるはずです。 従業員のモチベーションが高まれば、優秀な人材が離れていくことを防げるだけでなく、生産性向上や会社の業績アップが期待できます。 リスキリングを取り入れる5つのステップ リスキリングは以下の5つのステップで取り入れるのがお勧めです。 必要なスキルを明らかにする リスキリングのプログラムを作成する 社員に取り組んでもらう 学んだスキルを業務に活用してもらう リスキリングの振り返る 順番に詳しく見ていきましょう。 1.必要なスキルを明らかにする リスキリングを取り入れる際は、まず自社の社員にどのようなスキルを取得してもらうべきかを明確にします。 そのためには、今後必要になるスキルと、現状で保有しているスキルを可視化することが大切です。 例えば、DX推進に取り組む場合は、デジタル技術に関するスキルを保有している社員はいるのか、保有している場合はどのくらいのレベルなのかを明らかにしていきます。 今後必要なスキルと現状の保有状況、保有レベルが分かると、どのようなリスキリングプログラムを取り入れるべきかを判断しやすくなります。 2.リスキリングのプログラムを作成する 取得が必要なスキルが明確になったら、リスキリングのプログラムを作成します。 リスキリングを進める方法には、社内勉強会や研修、eラーニング等があります。 社内勉強会や研修であれば、テキストや教材の準備、外部講師への依頼が必要です。 eラーニングであれば、どのツールを選ぶのかを決める作業が欠かせません。 くわえて、リスキリングの対象者や、受講に対するインセンティブを設けるかも決めておきましょう。 3.社員に取り組んでもらう 次に、作成したプログラムを社員に取り組んでもらいます。 プログラムを提供して終わりではなく、スキルをスムーズに習得してもらうためのサポートも必要になります。 例えば、面談で本人の希望を確認したり、学習の進捗状況をチェックしたりすることが大切です。 なお、リスキリングを実施する際は、従業員のモチベーション低下につながらないように、プログラムに取り組む時間を就業時間内に設けるのが理想です。 4.学んだスキルを業務に活用してもらう 学習プログラムが終了したら、実際に学んだスキルを業務に活用してもらいましょう。 リスキリングでは、学んだスキルを業務に活用できて初めて成功といえます。 しかし、時にはそのスキルを使う具体的な仕事が社内に存在しないこともあります。 そのような場合は、新規事業やプロジェクトの実現性を調査する「フィージビリティスタディ」のような新しいスキルを使える機会を用意するようにしましょう。 5.リスキリングの振り返りをする 最後に、リスキリングの過程や結果の振り返りをし、改善点を探します。 次回のリスキリングの質を高めるためにも、受講者の意見を聞きながら、良かった点・悪かった点を明確にしておきましょう。 リスキリングを取り入れる際の注意点 リスキリングを取り入れる際は、以下の点に注意しましょう。 リソースの確保が必要になる 導入に費用がかかる 社員のモチベーションを維持するのが難しい ひとつずつ詳しく解説します。 リソースの確保が必要になる リスキリングを新たに導入するには、リソースの確保が必要不可欠です。 必要なスキルの明確化やプログラムの選定、作成といった前準備だけでなく、リスキリングを実施するための時間と人手が必要となります。 くわえて、リスキリングを受ける従業員にも時間をつくってもらう必要があります。 リスキリングのリソースを確保するためにも、各部署の協力が欠かせません。 導入に費用がかかる 社内で研修ができないときは、外部講師に費用を払って依頼する必要性が出てきます。 リスキリングの規模が大きくなるほど、教材費や講師料といった費用がかさんでしまいます。 費用対効果を高めるためにも、リスキリングの目的を明確にしたうえで実行することが大切です。 リスキリングにかける費用が限られている場合は、eラーニングの導入を検討しましょう。 eラーニングを活用すれば、常に質の高い教育を提供できるメリットもあります。 サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、ITスキルを身に付けられる研修コンテンツを含む100教材以上がeラーニングで受講できます。 >>Cloud Campus「コンテンツパック100」をチェックする 社員のモチベーションを維持するのが難しい リスキリングプログラムを就業時間外に設定すると、社員のやる気が低下する可能性があります。 また、学習内容が社員自身の苦手分野だったり、スキルに関連する新規事業に興味がなかったりすれば、リスキリングへの意欲が低下してしまいます。 社員のモチベーション低下を防ぐためにも、社員の意見を聞きながら、就業時間内に学習時間を設けるようにしましょう。 リスキリングを取り入れる際のポイント リスキリングを取り入れる際は、以下のポイントを押さえるようにしましょう。 会社全体で取り組む 主体的に学べる仕組みを整える eラーニングを活用する それぞれ詳しく紹介します。 会社全体で取り組む リスキリングは基本的に通常業務と並行して進めることとなります。 受講者のみの力では、リスキリングの時間を確保するのは難しいため、所属部署や関連部署の協力が必要です。 会社全体にリスキリングの目的やプログラム内容を共有すれば、理解を得やすくなるでしょう。 主体的に学べる仕組みを整える リスキリングを成功させる鍵は、社員のモチベーションです。 モチベーションが維持できないと、学ぶ時間を設けても、なかなかスキルが身に付かない可能性があります。 新しいことを学んだり、通常とは異なる業務をしたりすることは、社員の負担増加につながります。 社員のストレスを軽減して、モチベーションを維持しやすくするためにも、企業側が主体的に学べる仕組みを整えることが大切です。 例えば、事前に学びたいことや今後のキャリアを確認したうえで、適切なプログラムを提供したり、リスキリングに取り組む人へのインセンティブ制度を設けたりするのが効果的です。 eラーニングを活用する リスキリングを取り入れたくても、リソースの確保が難しく、実行できていないケースは多くあります。 そのような場合は、eラーニングを活用しましょう。 eラーニングを活用すれば、外部講師へ依頼することなく、質の高い教育を提供できます。 くわえて、スマートフォンで気軽に学べたり、学習の進捗状況を確認できたりするメリットもあります。 まとめ 新たな知識やスキルを身に付けるリスキリングは、DX人材の不足解消や、企業の成長に欠かせないものです。 リスキリングを取り入れる際は、企業にとって必要なスキルを明確にし、従業員の適性を確認したうえで適切なプログラムを作成することが大切です。 リスキリングにかける社内リソースがない企業は、eラーニングの導入を検討しましょう。 サイバー大学では年間999円(税抜)で100教材以上のeラーニング用動画コンテンツが見放題の「コンテンツパック100」を提供しております。 ITスキルを身に付けられるコンテンツも収録しているため、リスキリングの導入を検討している場合はぜひご活用ください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで、1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現しています。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用が可能です。 社会人として身に付けるべきビジネスマナー等の基礎コンテンツを含む、100コース・1,500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧の詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2025.03.10

eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説

2025.03.10

eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説

eラーニング

人材教育

eラーニング導入で失敗しやすい3つのポイント eラーニング導入にはたくさんのメリットがある一方、うまく活用できずに失敗してしまうケースも多くあります。この記事ではeラーニング導入における失敗例と成功する企業が押さえている導入プロセスについて紹介します。 まずはeラーニング導入のよくある失敗例を3つご紹介します。 受講者のモチベーションを維持するしくみがない 十分な準備期間がないまま運用開始してしまう 導入後に発生するコストを把握していなかった よくある失敗例① 受講者のモチベーションを維持するしくみがない eラーニング導入にあたり、多くの企業で課題となるのが受講率のキープです。 eラーニングのメリットである「いつでも好きな場所で学習できる」という点が裏目に出て、モチベーションが維持できなくなり、学習を継続できなくなることがあるからです。 よくある根本的な原因として受講者の学ぶ動機や必要性がそもそも薄いことが上げられます。 対策としては、管理を受講者個人に任せるのではなく、アドバイザー制度や評価制度を設けて、成果をフィードバックできる体制を整えることが重要です。また、学習者同士の交流が可能なSNS機能や、ゲーム感覚で楽しく学習できるゲーミフィケーションを取り入れることも、モチベーションの維持に効果的です。 よくある失敗例② 十分な準備期間がないまま運用開始してしまう 優れたコンテンツや機能を持つツールの作成にはそれなりの時間と労力がかかります。 十分な準備期間を確保したうえで研修の計画をスタートしないと、予定しているコンテンツ作成が間に合わなかったり、コンテンツ同士の整合性のチェックが不十分でクオリティに問題が生じたりと、失敗につながる可能性があります。 よくある失敗例③ 導入後に発生するコストを把握していなかった eラーニングにかかるコストを事前に把握しておくことが重要です。 導入時の初期費用だけでなく、導入後もコンテンツの追加やアップデートが必要になる場合があります。 それ以外にも社員数増によるサーバーの増強や、動画閲覧の従量課金でさらなる追加コストが発生する可能性があります。 eラーニングの導入後に発生するメンテナンスも想定しておかないと運用中に思わぬコスト増となります。 最悪の場合は継続が難しくなったり、実情にそぐわないシステムを使い続けざるを得なくなるなど、さまざまな弊害が生じる可能性があります。 以上、紹介した3つの失敗例に事前に対策しておくことが、eラーニング導入の失敗リスクを減らすことにつながります。では、eラーニング導入に成功する企業の一般的な意思決定プロセスをまとめます。 eラーニング導入までのプロセス【これで安心】 eラーニング導入に向けてLMS(Learning Management System:学習管理システム)の検討を行います。導入検討にあたり押さえておくべきポイントは以下の通りです。 導入目的とメリットの明確化 システム検討(オンプレミス型・クラウド型) 各社のeラーニングシステムについて情報収集 費用とランニングコスト アップロード可能容量 セキュリティ対策 トライアル 1つずつ見ていきましょう。 1. 導入目的とメリットの明確化 なぜeラーニングなのか?どんな課題を解決するのか?を明確にしておきましょう。教育は効果を明確に数字にしにくいからこそ、目的をはっきりさせておかないと「費用のムダ」と思われかねません。 とはいえeラーニングを導入していなければ運用のイメージはしにくいかと思います。 そこで人材教育・研修の担当者が「eラーニング導入の効果を実感できた」と思うメリットを8つまとめまてみました。 1. 研修のために人を集める手間や調整が省ける 集合研修では、会場や講師の確保、参加者の日程調整などが必要ですが、eラーニングは時間や場所の制約がありません。 2.準備費や運営費、人件費などのコスト削減ができる 集合研修を開催するたびに発生する会場費、講師代、資料準備費、運営費といったコストを削減できます。さらに、社員が研修のために費やす移動時間や拘束時間から発生する間接的な人件費の節約にもなります。 3.得られたノウハウや情報を手軽に全社で共有・平準化できる 成果を出している社員のスキルやノウハウ、解決策などを全社で共有できます。集合研修だと現地に集まる必要がありますが、eラーニングなら即座に全社へ展開できるスピード感もメリットです。 4.受講できなかった社員をスピーディにフォローアップできる 長期出張などで集合研修に参加できなかった社員がいても、再講習の日程調整が不要です。社員個人の都合のいいタイミングでフォローアップできます。 5.集合研修と組み合わせることで効果が高まる 事前にeラーニングで参加者の知識レベルを揃えておくことで、集合研修をスムーズで効果的に実施できます。また、集合研修後のフォローアップとしてeラーニングを活用すれば、知識やスキルの定着にも効果を発揮します。 6.個人・全体の進捗状況や学習履歴を管理できる 集合研修は参加者の理解度や定着度の計測が難しく、テストやアンケートを実施すると集計や評価といった煩雑な作業が発生します。しかし、eラーニングなら学習の進捗や理解度、定着度、履歴などを一括管理できます。 7.いつでもどこでも受講できる 集合研修は日常の業務をストップして数時間、場合によっては数日間を費やします。eラーニングであれば、移動中のようなスキマ時間にスマホやタブレットで学習できます。 8.繰り返し受講できるので理解度が深まる 自分が苦手だと思うテーマや、知識が定着していないと思う項目を、何度でも自己学習ができます。そうすることで理解が深まり、一度きりの集合研修ではフォローが難しい知識のムラを克服できます。 eラーニングには提供側にも受講者側にもメリットが数多くあります。eラーニング導入をすべき理由を検討し、明言できるようにしておくと良いでしょう。 導入形態(オンプレミス型・クラウド型) LMS(Learning Management System:学習管理システム)は大きく2種類あります。 イントラネット/オンプレミス型 サーバーやネットワーク機器、あるいはソフトウェアなどを自社で保有し運用するシステム形態です。特にセキュリティ面において人事関連データを含む機密情報を外部に置きたくない企業や、自社オリジナルのシステムを求める大企業に選ばれています。 ただ、初期導入費用が比較的高価(受講者数や導入サービスの内容等により異なる)であり、クラウド環境の進展などを背景に導入は減少傾向にあります。 SaaS/クラウド型 eラーニング提供業者のサーバーにアクセスしてシステムやアプリケーションを利用する形態です。高価な機材やソフトが不要なのでコストを抑えて安価に運用できます。導入の申し込みをすれば数日で利用可能となるため、スピーディに導入できるメリットもあります。現在は9割以上のLMSがクラウド型となっています。 現状のeラーニングだとクラウド型が主流となります。 イントラネット/オンプレミス型は、主に個人情報保護などセキュリティ面を厳重に管理したい企業(銀行など)に一定のニーズがあります。 eラーニングコンテンツ検討(既製・内製) 既製コンテンツ 情報セキュリティ、コンプライアンス、ビジネスマナーなど予め制作されている教材です。最近では「見放題」のeラーニングも増えており、量や質にこだわったラインナップが増えています。 内製コンテンツ 自社の需要に応じて作成するオリジナルコンテンツです。オリジナルのコンテンツは、社外秘の情報やノウハウ、特定のスキルなどをシェアできます。一般的ではなく、自社の目的に沿った研修をしたいときは、内容をカスタマイズできる内製コンテンツが向いています。 自社で取り扱うeラーニングは既製か内製のどちらが多いのかも検討しておきましょう。内製を行う場合でも、自社ではなくコンテンツ制作代行会社への協力を行うパターンもあります。 LMSは各社それぞれに強みが違うため、目的に合わせて選ばないと無駄なコストが発生する可能性もあります。導入目的に立ち返りながら選定を進めていきましょう。 費用とランニングコストの把握 導入時にかかる費用、月々のランニングコストをきちんと問い合わせしておきましょう。以下、LMSに一般的にかかる費用をまとめます。 初期費用…サーバ構築などにかかる費用 基本料金(1ID)…社員1名あたりにかかる利用料 オプション料金…追加機能を使うためにかかる費用 従量課金…動画の視聴数などサービスの利用量に応じてかかる費用 既製コンテンツ利用料…各社で用意されたコンテンツ利用にかかる費用 *あくまで一般的な例であり、料金体系は各社異なるため検討時はこれ以外の料金がかかる場合もあります。 アップロード可能容量の把握 LMSの多くは容量制限が設けられています。スマートフォンに例えるならストレージと同じ意味合いです。 写真や動画などをたくさん保存するとストレージに空きがなくなり保存できなくなります。 一般的には動画の容量が最も多く消費されるため、自社でアップロードするのは合計どのくらいの容量なのかを把握しておくことが重要です。 主にランニングコストに影響するため、利用を想定しているLMSの容量も事前に把握しておきましょう。 セキュリティ対策の把握 一般的なビジネススキルや汎用知識だけではなく、業務マニュアルや営業・技術情報など社外秘情報もeラーニング化が可能です。 そのため、サーバーの保護、機密の漏洩やシステムへの不正侵入対策、アクセス権の管理など、厳重な対応が求められます。 また、管理者が個人の学習履歴を把握することから、個人情報の管理にも配慮する必要があります。 <セキュリティチェック項目> ・本人認証(ログイン)の有無 ・通信の暗号化(SSL)の有無 ・第三者によるデータの盗難や改ざんに対する安全性 ・不正侵入における対策の有無 ・教材や内部情報のアクセス権保護の有無 ・不正利用における対策の有無 ・サーバーの管理運営における安全性 ・システム稼働におけるバックアップ等の有無 ・操作・利用ログなど履歴管理の有無 導入に向けたトライアルとスケジューリング ここまでの検討事項をもとに、eラーニングの運営会社と打ち合わせを行い、製品の選択や機能・仕様の設定について話し合いましょう。 候補先が決まったら各社に無料トライアルを依頼します。 トライアル時の主な確認ポイントは3つあります。 操作性(受講者にとって利用しやすいか) 機能性(目的に合わせた機能がそろっているか) 利便性(管理運用していくにあたって面倒ではないか) 実用までのイメージが掴めたら、社内導入に向けて最終調整です。 ここまでご紹介した確認事項をまとめておけば、導入の目的、メリット、かかるコスト、運用におけるリスク管理まで把握できるはずです。 計画性のある検討を行うことでeラーニング導入における失敗リスクを最小限に抑えられます。 eラーニング導入前に読んでおきたいe-book これだけは押さえたい!eラーニング導入&運用ガイド eラーニング導入時に、多くの企業がまず悩むのがシステム選定です。 eラーニングシステムを提供する企業は60社以上あり、やみくもに調べてもなかなかうまくいきません。 本eBookでは、自社にマッチしたシステムを選定するために押さえるべきポイントを網羅。 運用開始後のフォロー体制など、成果を出すために事前に検討しておきたい施策についてもご紹介します。 240社150万人以上が利用する内製型LMS「Cloud Campus」 eラーニング企業の1例として「Cloud Campus」をご紹介します。 企業向けのフルオンライン教育プラットフォームとして提供されており、ソフトバンク、セブンアンドアイフードシステムズ、花王などの大手企業が採用する内製型LMSです。 ユーザー登録数無制限で月額固定 大手企業に選ばれる理由の1つがコストパフォーマンスです。 Cloud Campusはユーザー登録数無制限なので、利用人数が多いほどコストメリットが大きくなります。料金も月額固定なので、先々まで予算の見通しが立てやすいことも特徴です。 ITに詳しくなくてもOK!誰でもカンタンに操作できる 内製で自社オリジナルのeラーニングコンテンツを制作するなら、なるべく手軽に、簡単に作れる機能があると便利です。 「Cloud Campus」は特にITに詳しくない初心者でも直感的にeラーニングコンテンツを制作できる機能が備わっています。 PC画面で撮影しながらスライドの説明動画を簡単に作成できます。 さらに社員同士のコミュニケーションツールとなる「Q&A」や、意見のディスカッションができる「ディベート」機能など双方向のアクティブな学びができる機能が網羅されています。 クラウド型でも高水準なセキュリティ サイバー大学提供のCloud Campusは、ソフトバンクグループのポリシーに則った高水準のセキュリティを完備しています。 ラーニングシステムの導入を検討する際は、以下のような基本的なセキュリティ対策が整備されたシステムの利用が望まれます。 ・本人認証 ディレクトリサービスなどを利用した認証強化で不正利用を防止 ・通信の暗号化 利用者のデバイスとサーバーの通信データをSSL(Secure Sockets Layer)で暗号化し、第三者によるデータの盗難や改ざんを防止 ・不正侵入防止 ファイアーウォール環境を強化し、社内ネットワークを保護 ・利用権限の整備 教材や情報単位でアクセス権を設定し、不正使用を防止 ・サーバーの保護 サイバーへの侵入・改ざんの防止、システムの全面停止を防ぐバックアップ・二重化対策、操作・利用ログで履歴を管理 ここまで紹介した資料の一部は無料でダウンロードすることが可能です。気になったらぜひ情報収集の一環としてチェックしてみてください。 無料でダウンロード 内製型eラーニングシステム Cloud Campus 資料請求はこちら 公式サイトはこちら>>ユーザ登録数無制限のLMS「Cloud Campus」 eラーニングの活用事例|Cloud Campus eラーニングのフレキシブルな特徴はさまざまなシーンで活用され、業績の向上に大きく貢献しています。人材教育で抱えていた課題をeラーニングによって解決し、企業の成長につなげている事例をご紹介します。 1.株式会社プレミアムウォーターホールディングス プレミアムウォーターホールディングスは、ナチュラルミネラルウォーター(天然水)の製造から販売、品質管理、アフターサービスまでを製販一体型で行っている企業です。 eラーニング導入前の問題点 スタッフ一人ひとりの知識やノウハウに差があり、これらを統一するべく研修コンテンツの内製化を実施。 しかし、手間がかかりすぎる事、理解度テストがなく効果が分かりにくいという課題がありました。 また、進捗管理が徹底できておらず、受講率をなかなか改善できていませんでした。 eラーニング導入後の効果 「Cloud Campus」のコンテンツ制作ツールを活用して「動画+スライド」のコンテンツや、理解度を測るテストを迷うことなく制作できるようになりました。 また、ユーザー登録から受講、受講履歴の参照まで、担当者が単独にて一気通貫で行えるので、未受講の社員へ受講促進メールを送りやすくなり、受講率100%を達成することができました。導入事例」ページでは、ほかにも事例をご紹介しています。--> 記事はこちら >> 受講率100%を達成!会社統合後の社内制度研修を、内製のeラーニングコンテンツで実施 そのほか導入事例はこちらからも読めます。 Check >> eラーニング導入に役立つ10社以上の導入事例 人材教育の強化にeラーニングが欠かせない時代に eラーニングは社内の情報流通を活性化させ、かつ、コストも削減できます。eラーニングは、社員教育の効率や効果の最大化に欠かすことができません。この機会に、導入を検討してはいかがでしょうか。 eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】  

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