2023.01.27
人材教育
eラーニング
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すき間時間を活用し、短時間で学べるマイクロラーニングが昨今注目を浴びています。
「テレワークが進むなか、社員を長時間拘束する対面・集合型研修がそぐわないと感じる」
「営業社員が、外出先でこまめに学べるようなナレッジを提供したい」
こうした悩みを持つ方にとってマイクロラーニングは最適な解決策の1つです。
ただ、意味や活用方法は具体的に分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事ではマイクロラーニングのメリット・デメリットや活用場面を紹介していきます。
マイクロラーニングとは
マイクロラーニングとは、短時間かつ小容量のプログラムによる学習スタイルです。
時間の明確な定義はありませんが、一般的には1回の学習時間は1~5分、最長でも10分程度までといわれています。
学習形式は数分の動画視聴による学習やクイズ形式の勉強など多種多様で、学習手段も学習アプリやWeb上の記事など自由度の高さが特長です。
マイクロラーニングは、2017年にATD(Association for Talent Development)という人材開発組織の会長トニー・ビンガム氏が紹介したことで注目されるようになりました。
当時のeラーニングコンテンツの多くは、1回60分程度のプログラムで構成されていました。忙しい現代社会において、もう少しコンパクトな学びが求められていたのです。
短時間に要点を集約したマイクロラーニングコンテンツなら、忙しくても採り入れやすいと注目を集めました。
マイクロラーニングが普及した背景
マイクロラーニングは、どのような背景を受けて世の中に広まっていったのでしょうか。ここでは二つの代表的な背景を紹介します。
企業の教育・研修の変化
働き方の多様化にともない、企業研修や教育方法のあり方も見直しが進んでいます。そのような背景をうけて、マイクロラーニングは普及していきました。
かつての企業研修といえば、一か所に受講者を集めて、数時間~数日かけて集中的に行う形式がスタンダードでした。
しかしフレックスタイム制やテレワークの導入が進んだことで、一か所に従業員を集める対面・集合研修を実施しにくくなったのです。
さらに新型コロナウイルス感染症対策の潮流もあったことから、どこでも短時間で学べるマイクロラーニングは、多くの企業で広まっていきました。
また、人々にスマートフォンが普及したことで、いつでもどこでも学習できる環境が整ったことも、マイクロラーニングの追い風となりました。
スマートフォンとマイクロラーニングは相性がよく、日常のちょっとした空き時間に学習コンテンツを閲覧できるからです。
こうした企業教育を取り巻く環境の変化により、マイクロラーニングは注目されるようになりました。
志向・生活様式の変化
マイクロラーニングの普及の背景として、若手世代を中心とした志向や生活様式の変化が挙げられます。
主にパソコンを使うeラーニングは、ジェネレーションX世代(1965~1980年頃)に向いていた形式です。パソコンが普及した時期に育ったこの年代の方には、従来型eラーニングは馴染みがある学習形態でした。
一方、現代の労働力の高い割合を占めているのは、その後のミレニアル世代(1981~1990年頃)に生まれた人々です。この世代の人々はモバイルデバイスが普及した時期に育ったため、それらを使ったマイクロラーニングとの相性がよいのです。
このような世代による志向や使用システムの変化が、マイクロラーニングが注目を浴びる原因となっています。
マイクロラーニングのメリット
マイクロラーニングのメリットとして、代表的な3点を紹介します。
短時間で学習できる
マイクロラーニングの特徴は、5~10分ほどの短時間で学習できることです。一つのコンテンツに要点が詰め込まれているので、ポイントを押さえた学習が可能です。
またスマートフォンやタブレットを活用する短時間の学習は、通勤や休憩時間など、ちょっとしたすき間時間での学びにも適しています。
従来型eラーニングは一つのコンテンツは長時間に及びやすいので、まとまった時間を確保できないと、後回しになりがちな点が課題でした。
一方マイクロラーニングなら、忙しい方であっても日常生活に取り込みやすいメリットがあります。
集中力が続きやすい
短時間学習を繰り返す方法は、集中力を保ちやすく学習効果が高いと考えられます。
スマートフォンやタブレットがあればいつでもどこでも学習できるので、本人の意欲次第で、何度でも繰り返し学習ができます。
短時間のコンテンツを繰り返し学習することで、記憶への定着も期待できるでしょう。
また理解力を確かめられるのも、マイクロラーニングのメリットの一つです。
クイズ形式の学習を採り入れることで、気軽な感覚で自分の理解度を把握できます。
覚えられていない箇所や自分の弱点が明確になるため、効率的に学習が進められます。
変化に対応しやすい
マイクロラーニングには、教材作成側にとっても教材の作成や修正が容易というメリットがあります。
従来型eラーニングの場合は、一つのコンテンツが数十分~1時間程度のものが多いので、作成するのはもちろん、修正するのも容易ではありません。
一方マイクロラーニングの場合、一つの教材がコンパクトにできているので、作成や修正に要する時間や手間は少なくて済みます。
法律関係の学習のような頻繁に内容の更新が必要な分野では、なおさら負担軽減につながるでしょう。
マイクロラーニングのデメリット
マイクロラーニングを検討している方は、事前にデメリットや注意点も把握する必要があります。
複雑な学習テーマには不向き
マイクロラーニングは1回のコンテンツが短いため、難解で複雑なテーマは苦手です。
例えば、専門的で深い知識を習得するためには、丁寧で分かりやすい説明や長時間の学習が求められます。
その内容を短時間のコンテンツの中にまとめるのは難しく、仮にまとめたとしても理解しにくい内容になるおそれがあります。
さらに、営業で必要な対人スキルのような動きやディスカッションが必要な内容は、マイクロラーニングよりも双方向型のほうが身に付きやすいものです。
複雑な学習テーマの場合は、対面・集合型研修や長い時間のeラーニングなど、マイクロラーニング以外の手法を検討することをお勧めします。
システムの準備が必要
マイクロラーニングを中長期的に運用する場合、システムの導入が必要です。
導入後もシステムの管理や教材の更新などの作業が発生するため、人員やコストを準備する必要があります。
自社のみでシステム構築が難しい場合は、外部に委託する方法が一般的です。
自社専用の学習プラットフォームを作りたいなら、外部のシステム開発会社に依頼をすることになります。この場合、構築期間やコストはそれなりに発生するでしょう。
一方、昨今はシステムに不慣れな方でも操作がしやすい、クラウド型のラーニングシステムが増えています。自社開発と比べると、構築期間やコストは抑えられる傾向があります。
クラウド型eラーニングシステムについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
Check>>eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説
外部委託する場合は、事前にコストや必要人員を確認し、期待される効果に見合うなら導入を検討するとよいでしょう。
マイクロラーニングの活用場面例
マイクロラーニングの活用場面は幅広く、年々新しい学習プログラムが増えている状況です。
マイクロラーニングは単に短時間で学べるだけでなく、学びが習慣化しやすい効果もあります。現在では「生涯学習」の潮流を受けて、企業研修のみならず、幅広い世代の日常生活での学びに活用できる期待が高まっています。
具体的には、以下のような活用がマイクロラーニングの代表例です。
- 語学学習
- 新入社員の教育(ビジネスマナー、基礎的なビジネススキルなど)
- 管理職研修のフォローアップ
- 営業職におけるTips・ノウハウ
- 趣味の知識獲得
- 資格試験対策における要点確認
なかには、企業独自のいわゆる「社内用語」を、企業理解の一環としてクイズ形式でマイクロラーニング化した事例もあります。
マイクロラーニングが持つ「楽しく学べる」特性を活かし、今後もさまざまな場面での活用が見いだされるでしょう。
まとめ
1回数分程度の学習を積み重ねるマイクロラーニングは、学習効果が高く、忙しい現代人に適した学習方法として注目されています。
人生100年時代と言われるいま、自身のスキルを高め続ける姿勢が必要とされています。マイクロラーニングは、まさに現代社会に求められる学習方法といえるでしょう。
また導入においては、使いやすいプラットフォーム選びが大切です。
企業・従業側双方にとって使いやすいものを選び、効果的な学習を実現しましょう。
近年では内製でマイクロラーニングを意識したコンテンツ作りを行う企業も多いです。
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