2025.03.24
人材教育
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研修の効果や質を高めるためには、研修実施後に振り返りをすることが大切です。
研修の振り返りで効果や満足度を確認できれば、今後の研修計画が立てやすくなります。
くわえて、受講者が学んだことを復習する機会にもなり、知識がより定着しやすくなる効果も期待できます。
従業員への研修をより充実させるためにも、研修の振り返り方法を押さえておきましょう。
本記事では、研修の振り返りをする目的やタイミング、振り返り方法を解説します。
振り返りに役立つフレームワークも紹介するので、研修の効果や質を向上させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
研修の振り返りをする目的
研修の振り返りをする主な目的は、以下の3つです。
- 研修の効果を測定するため
- 研修の質を高めるため
- 学習内容を定着させるため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
研修の効果を測定するため
研修を実施したあとは、振り返りをして効果を測定することが大切です。
あらかじめ設定した目的やゴールの達成度、改善点を確認しましょう。
振り返りのタイミングは研修直後だけでなく、一定期間経過後にするのも効果的です。
一定期間が経ったタイミングに振り返りをすれば、研修内容の定着度をチェックできます。
効果が十分でなかった場合は、研修内容が受講者の知識レベルに合っていなかったり、教材や講師の説明に分かりにくい部分があったりする可能性があります。
効果測定の結果を基に、研修内容の改善や適切なフォローをして社員のスキルアップをサポートしましょう。
研修の質を高めるため
研修の振り返りは、研修の質を高めることにつながります。
研修後に教材の分かりやすさや研修時間等の満足度を調査し、改善点を明確にしましょう。
満足度の調査結果を基に教材や講師、研修時間を見直すことで、より質の高い研修が実施できるようになるでしょう。
学習内容を定着させるため
研修の振り返りは、受講者が学んだことを整理する機会になります。
研修直後に学習内容を復習するとともに今後の行動目標を設定してもらうことで、日常業務で学習内容を踏まえた行動を取りやすくなります。
また、研修直後だけでなく定期的に振り返りの機会を設けることで、継続的な学習を促せるでしょう。
研修の振り返りをするタイミング
研修の振り返りは、研修直後だけでなく一定期間経過後にも実施することが大切です。
ここでは、研修の振り返りをするタイミングを解説します。
研修直後
まずは、研修直後に振り返りをしましょう。
受講者の記憶が薄れる前に理解度や満足度を調査すれば、研修の効果や質を高めるために必要な情報を収集しやすくなります。
また、研修直後に振り返りの時間を設けることで受講者が学習内容を整理でき、日常業務で学習内容を踏まえた行動ができるようになるでしょう。
一定期間経過後
振り返りをするのは研修直後だけでなく、研修から一定期間が経過したタイミングにするのも効果的です。
時間が経つにつれて学習内容を忘れやすくなるため、知識やスキルを定着させるためのフォローアップ研修を実施しましょう。
また、研修で学んだ内容が日常業務でどれくらい活かせるかは、一定期間過ごしてみなければ分かりません。
日常業務における効果を確認するためにも、一定期間経過後に振り返ることが大切です。
受講者が学んだことを活かせていない場合は、原因を明確にするための振り返りの機会を設けましょう。
くわえて、研修内容が活かせるように配置転換や社内体制を整備するのも手段の一つです。
研修の振り返り方法
研修の振り返り方法には、主に以下の4つがあります。
- 理解度チェックテスト
- アンケート
- レポート
- プレゼンテーション
それぞれ詳しく解説します。
理解度チェックテスト
理解度チェックテストは、受講者が研修内容をどのくらい理解できたのかを確認するツールとして活用できます。
また、事前にテストがあることを伝えておけば、受講者の集中力を高めることにもつながるでしょう。
研修前に同じ内容の理解度チェックテストを実施しておくと、研修前後の知識レベルを比較することもできます。
アンケート
アンケートは、研修の満足度を確認するのに適しています。
理解しにくかった理由や改善してほしい点を記述形式で回答してもらうこともできます。
アンケートを作成する際は、以下の項目を含めましょう。
- 研修の満足度(講師・教材・時間等)
- 発見した自身の課題
- 学びをどう活かすか
- 分かりにくかった点
記述式が多いアンケートは回答に時間がかかるため、選択形式をメインにして負担を軽減しましょう。
レポート
研修の振り返りをより丁寧にしたい場合は、レポートがお勧めです。
レポート作成を依頼するときは、以下のような内容を記載してもらいましょう。
- 研修目的
- 学んだこと
- 学びをどう活かすか
- 問題点や改善点
- 感想
受講者は研修で学んだことをレポートにまとめることで、学習内容を復習できます。
また、研修実施者は受講者から提出されたレポートを分析し、研修の改善点や受講者の課題、行動目標を把握できます。
プレゼンテーション
研修で学んだことを発表してもらうのも効果的です。
発表するためには、研修内容を深く理解しておく必要があるため、プレゼンテーションの準備をすることで、より知識が定着しやすくなるでしょう。
また、プレゼンテーションによる振り返りは、社員のプレゼンスキルを向上させる効果も期待できます。
研修の振り返りに役立つフレームワーク
ここでは、研修の振り返りをする際に役立つフレームワークを紹介します。
KPT
KPTとは「Keep(継続)」「Problem(問題)」「Try(挑戦)」の頭文字を取った言葉で、課題解決に適したフレームワークです。
KPTを活用する際は、以下の内容を書き出します。
Keep(継続) | これからも続けていくべき事柄を抽出する |
Problem(問題) | 改善すべき問題点を洗い出す |
Try(挑戦) | 問題点を改善するために今後すべきことを具体的なアクションに落とし込む |
KPTの項目には「これからも継続すべき良い点」が含まれているため、ポジティブな振り返りができます。
良い点と課題を整理することで今後すべきことが明確になり、行動目標を設定しやすくなるでしょう。
YWT
YWTは「やったこと(Y)」「分かったこと(W)」「次にやること(T)」の頭文字を取った言葉で、取り組みの振り返りに適したフレームワークです。
YWTを活用する際は、以下の内容を書き出しましょう。
やったこと(Y) | 取り組んだことを振り返る |
分かったこと(W) | 取り組んだ結果、感じたことや気付いたことを書き出す |
次にやること(T) | YとWを踏まえて次にやるべきことを具体的なアクションに落とし込む |
YWTを活用すれば、経験から得た学びを整理して自己成長につながる行動目標を設定できます。
PDCA
PDCAは、計画をブラッシュアップするのに適したフレームワークです。
PDCAを活用する際は、以下の4項目を書き出します。
Plan(計画) | 目標を設定する |
Do(実行) | 立てた計画を実行する |
Check(評価) | 実行した結果を目標と比較する |
Action(改善) | 評価結果を踏まえて改善する |
この4ステップを1サイクルとして繰り返すことで、継続的に計画をブラッシュアップできます。
カークパトリックの4段階評価
カークパトリックの4段階評価とは、以下の4段階で研修効果を測定する方法です。
第1段階(反応) | アンケートを通して受講者の満足度を調査する |
第2段階(学習) | 理解度チェックテストやレポート提出によって受講者の理解度をチェックする |
第3段階(行動) | 受講者が研修で学んだことを日常業務で活かせているかを確認する |
第4段階(結果) | 研修の実施が企業の業績につながったかを測定する |
カークパトリックの4段階評価では、受講者の満足度や理解度だけでなく、研修内容が日常業務や企業の業績に効果をもたらしているかといった点まで確認します。
受講者の理解度や満足度が高い研修を実施できたとしても、日常業務に活かせていなかったり、企業の業績アップにつながったりしていなければ改善の必要があります。
研修にどれほどの効果があるのかを確認したいときは、カークパトリックの4段階評価を活用してみましょう。
研修の振り返りを今後に活かすコツ
研修の質や効果を高めるためには、受講者から集めた情報を分析して、次の研修に活かすことが大切です。
分析結果を関係者間で共有し、改善策を考えて実行しましょう。
改善策として「受講者の知識レベルにあった教材や担当講師を見直す」「研修時間や研修内容を見直して受講者の集中力を高める」等が考えられます。
従業員に役立つ研修にするためにも、改善を繰り返していきましょう。
まとめ
研修は実施したら終わりではなく、実施後に振り返りをすることが大切です。
研修直後や一定期間経過後に振り返ることには、効果や質を確認できたり、研修内容を定着させたりする効果が期待できます。
人材育成に効果的な研修をするためにも、理解度チェックテストやフレームワークを活用してみましょう。
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