2022.02.22
人材教育
人事制度・組織づくり
ひとくちに「集中力」といっても、さまざまな種類があります。集中力に欠けて仕事がはかどらなかったり、ひとつの仕事に集中しすぎて周りが見えなったりする人は、集中力を正しく使い分けることができていないのかもしれません。
集中力がないのではなく状況に合わない集中力を使っている?
スポーツ心理学によると、集中力には4つの種類があります。元ニューヨーク・ロチェスター大学準教授で、米国のオリンピック陸上競技選手のメンタルトレーニングも担当していたロバート・M・ナイデファー氏は、それを集中力のおよぶ範囲と向きによって分類しています。それぞれの集中力が、スポーツと仕事の両面においてどのような使われ方をするのか見てみましょう。
1. 狭く内向きの集中
細かい作業や瞬間の動作に集中している状態です。
・スポーツの場合:フィギアスケートでジャンプをする瞬間
・仕事の場合:企画書の作成や細かいデータ入力
2. 狭く外向きの集中
特定の相手やものごとに集中している状態です。
・スポーツの場合:ゴルファーがショットを打つ瞬間やサッカーのPK戦
・仕事の場合:上司の話を聞くときや商談をするとき
3. 広く内向きの集中
自分以外のものを広く分析して、その結果から決断をする際に必要とされる集中力です。
・スポーツの場合:試合の戦略や練習の計画を立てるとき
・仕事の場合:戦略や事業計画を立てるとき
4. 広く外向きの集中
外部の広い範囲で起きている変化を敏感に察知し、対応するために必要な集中力です。
・スポーツの場合:サッカーのような団体競技で試合を有利に展開させるとき
・仕事の場合:観客の様子を把握しながらイベントを進行するとき
スポーツで秀でた成績を残せるかどうかは、状況に応じてうまく集中力を使い分けることができるかどうかにかかっています。それはビジネスでも同様で、仕事のできる人は、集中力の使い分けがうまいのです。逆に、一生懸命やっているのに仕事がはかどらないというときは、状況に合わない集中力を使っている可能性があります。
なお、仕事の効率化については、「仕事の効率化はコミュニケーションが取りやすい職場から」「モチベーションも仕事効率もアップできる!ユニークな企業制度」なども参考にしてください。
自分の得意な集中と苦手な集中を知ろう
誰にでも得手不得手があるものです。仕事の内容や状況が変わると、うまく成果を出せないこともあるでしょう。ここでは、リーダーとしてプロジェクトを任された途端に、仕事をうまく進められなくなった例を挙げてみます。
今までは、チームの一員として報告書をまとめたり、企画書を作ったりする業務を担当していたため、「狭い」集中力を使えば仕事をこなすことができました。しかし、部下の様子に気を配ったり、チーム全体の動きを把握したりといったリーダーの仕事に必要なのは、「広い」集中力です。このように、必要な集中力の違いに気がつかないと、新しい仕事に対応することができないかもしれません。
ビジネスシーンでは、自分の得意とする集中と苦手とする集中を知ることが重要です。そのうえで、自分の業務にはどの集中力が必要で、どのような使い分けをしていくべきか対策を練るようにしましょう。
集中力を使い分けて効率アップ!
4つの集中力の違いを知り、業務内容に合わせた使い分けをマスターすることで、仕事の効率アップが期待できます。それに加えて、「eラーニングで職場のメンタルヘルスをマネジメントしよう」「部下の主体性を引き出すリーダーの資質「サーバントリーダーシップ」とは」も参考にして、ビジネスにおけるセルフマネジメントや意識改革についてもチェックしましょう。
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