2020.10.27
人材教育
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- 研修
社内研修を実施していると、受講者や人事担当者から様々な悩みを耳にします。
受講者からは、自分のキャリアアップにマッチする研修が無い、そもそも研修を受ける時間が無いなど。人事担当者からは、研修費用がかかりすぎるなど…。
ここでは、社内研修を進めていく中での問題点や、それをどのように改善していくことが出来るのか、ご紹介していきたいと思います。
研修実施上の問題点は?
まず、社内研修実施にあたり他社ではどのような問題を抱えているのでしょうか?
「日本の人事部」が行った調査では以下のような結果となっています。
研修実施上の問題
時間(業務に支障が生じる)・・・64.5%
予算・費用負担・・・57.6%
研修の効果測定が不明確・・・50.8%
研修対象者の意識不足・・・50.3%
経営者・上司の研修への意識不足・・・35.3%
参加者のモチベーション不足・・・29.9%
短期的な売上・成果を優先させる風潮・・・18.7%
どのような研修が適切かわからない・・・10.2%
研修の目的が不明確・・・10.2%
異動・離職が多いため育成コストが回収困難・・・7.3%
研修に選抜されなかった者のモチベーション低下・・・5.0%
その他・・・1.7%
特になし・・・1.5%
※回答者数:のべ2,743社、2,857名
出典:日本の人事部「日本の人事部 人事白書2015」『研修実施上の問題』より抜粋
筆者も社内研修に参加したいと思った時、一番心配するのは研修に時間を割くことで業務に支障が生じてしまうのではないか、ということです。いずれ自分の役に立つと分かってはいても、目の前にある仕事をこなしていくことを優先に考えてしまいます。また、人事担当者からすると、講師や会議室の確保・研修対象者の研修時間分の人件費等、コストに見合った効果が出せるか不安に感じるのではないでしょうか?
問題点の改善。研修を実りあるものにするために・・・
上記のように問題点は数多くありますが、これらは必ずしも別個のものではなく、実際は相互に関連性があることが多いと考えられます。
「研修の効果が分からないから、時間がもったいない、費用も抑えたい。」
「目的が不明確だから、参加者のモチベーションがあがらない。」など。
会社のコストとなる「時間」「費用」にどうしても注目してしまいますが、根本的な問題点を改善するためは、研修で身につけられる内容を具体化させることはもちろん、経営者・役職者の、研修に対する意識改革や啓蒙活動も行う必要があるでしょう。
では次に、それらの問題点を改善していくための具体的な施策を考えてみたいと思います。
具体的な施策
1. 目的・ゴールを明確にする
研修毎の目的と、ゴールを明確に設定する事で、対象者は自分にあった研修を、必要に応じて受講する事が出来ます。
2.適切な対象へ、受け入れられやすいタイミングで実施する
新入社員であれば、現場に出る前に必要なビジネスマナーやコンプライアンス研修。今後のキャリアについて悩みが生じる中堅社員にはキャリアアップ研修。組織を束ね、数字を管理する必要性がある役職者には、マネジメントや財務諸表に関する研修を行う等、対象者を適切に絞り、受講者が必要とするタイミングでアプローチする事が大切です。
3.ビジネストレンドを押さえた内容で分かりやすく伝える
研修テーマに即して、業界で話題になっているビジネストレンドや時事ネタを盛り込む事で、より研修内容が飲み込みやすくなります。
4.実践してみる
講師から一方的に講義を受けるのではなく、研修の中で実際に試してみる事、体感してみる事により、より研修内容が定着しやすくなります。
5.更なるスキルアップのための研修に誘導する
研修で習得した知識や技術をより生かせるためのスキルアップのための研修に誘導する事で、対象者の成長意欲向上に繋がります。
また、研修講師は社内にいる?!社内講師のメリット・デメリットにもあるように社内で講師を内製化する事により、講師自身のモチベーションアップも期待できます。
6.テストする
研修日当日にテストをする、もしくはeラーニングによる事前・事後テストで研修内容の定着を促す事に繋がります。こちらはブレンディッドラーニングのブログでもご紹介しています。
7.みんなで頑張る
自ら意見し、受講者同士で対話させることにより「やらされている意識」を「自ら取り組む意識」へ変換させることに繋がります。また、グループワークをつかってみんなで考えながら課題解決方法を導き出すのも有効です。
8. 経営者・役職者の研修に対する理解を深める
上に列挙したような施策を行っても、経営者・上司が研修に対しマイナスなイメージをもっていては、円滑な研修実施は困難です。経営者・役職者が積極的に研修へ参加し、部下にもキャリアアップのため、参加を促すような環境を目指しましょう。
まとめ
研修の問題点を改善するには、前述のような施策以外にも工夫次第で様々な方法があると思います。人事担当者だけで悩むのではなく、受講者や役職者も巻き込み風通しの良い環境を作って、どんどん研修内容をバージョンアップしていきましょう。
参照サイト:
- 「日本の人事白書2015 研修実施上の問題点」(2016/3/10確認)
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