2023.02.20
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『ディープラーニング』は人工知能の分野で大きな注目を集めている技術です。
ただ、調べてみても内容が難しくて、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では初心者の方でも『ディープラーニング』について詳しくなれるよう、丁寧にまとめていきます。
ディープラーニングってそもそも何?
ディープラーニング(Deep Learning)は深層学習と呼ばれており、1950年代からすでに研究が始まっていた歴史の長い技術です。
もとになっているのは「ニューラルネットワーク」という人間の脳の神経回路の仕組みを模したアルゴリズムです。
コンピュータは単純な計算処理を高速に行うことは得意で、人間を遥かに凌いでいますが、人間にとっては簡単な「物体を認識する」という処理はコンピュータにとっては非常に複雑で苦手とする処理でした。
そこで、コンピュータの苦手とする処理を人間の脳のメカニズムをコンピュータ上で人工的に実現し、その苦手な処理を得意にしてみようということで生まれたのがニューラルネットワークです。
そして『ディープラーニング』とは、従来よりも脳のメカニズムを正確に模した最新のニューラルネットワーク技術のことを指す言葉です。
さらに詳しい内容に興味がある方はこちらのリンク集からご覧ください。
<参考サイト>
- TechCrunch:これは便利―Google+/Picasa Webにアップロードした写真が画像認識によってキーワード検索できるようになった。
- Think IT:未来を先取り!技術者なら知っておきたいディープラーニング
- ITmediaビジネスオンライン:ディープラーニングとは何なのか? そのイメージをつかんでみる
- ケータイWatch:ケータイ用語の基礎知識「第714回:ディープラーニングとは」
- Yahoo! JAPAN、人工知能技術「ディープラーニング」を導入し、音声認識精度を向上
ディープラーニング最新の研究事例
最近では、ディープラーニングの応用分野が拡大しており、医療や金融、自動車産業など、様々な分野で利用されています。
ディープラーニングの最新の研究例の1つとして、Googleが2021年6月に発表した「MUM」が挙げられます。
MUMは、検索エンジンの質問応答能力を向上させることを目的としており、ディープラーニング技術を駆使して、複数の言語にまたがる情報を理解し、迅速に回答を生成することができるとされています。
そのほか、ディープラーニングの最新研究例としてGAN(Generative Adversarial Networks)を用いた画像生成技術が注目を集めています。
GANは、2つのニューラルネットワークを競わせることで、本物の画像に近い新しい画像を生成することができます。例えば、GANを使って、本物の写真と見分けがつかないような人工的な顔写真を生成することが可能になっています。
もう1つの最新例としては、2022年に発表された「DALL·E 2」があります。
DALL·E 2は、オープンAIによって開発された画像生成モデルで、自然言語の説明に基づいて、画像を生成することができます。例えば、「青い月の上に立つ象」という文章を入力すると、その内容に沿った画像を生成することができます。
ディープラーニング|企業導入事例
最新の企業導入事例として、以下の3つを紹介します。
トヨタ自動車 – 工場の生産管理
トヨタ自動車は、ディープラーニングを活用して、工場の生産管理を改善する取り組みを進めています。製品の欠陥率や生産ラインの停止時間などを予測し、生産ラインの最適化を図ることで、生産効率の向上を目指しています。
マイクロソフト – 自然言語処理
マイクロソフトは、自然言語処理技術にディープラーニングを導入し、音声認識や文章生成などの分野で高い精度を実現しています。また、その技術を活用して、AIアシスタント「Cortana」や機械翻訳サービス「Microsoft Translator」を提供しています。
LINE – 画像解析
LINEは、画像解析技術にディープラーニングを活用して、顔認識や物体検出などの機能を提供しています。また、その技術を活用して、AIアシスタント「Clova」や、AIによる自動応答システムの開発にも取り組んでいます。
身近な活用サービス事例
「結局のところ生活者にとって何がどう便利になるの?」という皆さんのために、すでにサービス化されている事例をいくつか挙げてみます。
画像認識
米GoogleのクラウドサービスGoogleフォトの画像検索をはじめとして、米MicrosoftのBing画像検索、米YahooのFlickr画像検索など、ウェブ画像検索ではすでに標準的になっているそうです。
また、以下サイトの記事にこの件について詳しく書かれていましたので参考までに載せておきます。
<参考サイト>
これは便利 Google+/Picasa Webにアップロードした写真が画像認識によってキーワード検索できるようになった。
私もさっそくGoogle フォトの画像検索をしてみましたが、アップロードした写真は、自動的に物体の認識やシーンの認識が行われ、その認識したラベル(タグ)による検索結果が反映されました。(私は「赤ちゃん」というキーワードで検索したところ赤ちゃんの写真のみ表示されました。すごい!)
また、日本国内でも2015年7月NTTコミュニケーションズのオンラインストレージサービス「マイポケット」において、『ディープラーニング』を用いて画像を解析し、自動でタグ付けを行う自動認識技術を東大出身の技術者が創設したモルフォ社が提供することがニュースで取り上げられています。
自然言語処理
自然言語処理とは、テキスト情報から意味を抽出したり、変換したりする処理のことです。
例えば、文章を自動要約したり、質疑応答させたりします。しかし、自然言語処理の実例は少なく、研究段階ということが実情みたいです。
そんな数少ない『ディープラーニング』の成功例としては、スマートフォン・タブレット向けニュース閲覧アプリ「SmartNews」が挙げられるそうです。
「SmartNews」は2012年設立のスマートニュース社が提供している、日米両国で1000万件以上のダウンロード数を記録している人気アプリであることは、皆さんもご存知のことと思います。
このアプリは、1日あたり1000万以上の大量の記事をウェブで収集・分析し、高速かつ精度の高い『ディープラーニング』の技術を使って10数種類のカテゴリに自動分類して、ユーザーに適切な情報を発信しているそうです。
音声認識
2015年5月、Yahoo! JAPANは『ディープラーニング』をベースにした音声認識エンジン「YJVOICE(ワイジェイボイス)」を発表しました。
同エンジンは「Yahoo!検索」や「音声検索」などで蓄えられたビッグデータをもとに2013年より研究が開始されました。
現在は18種のYahoo! JAPANのスマートフォン・タブレットアプリおよびウィジェットに実装されており、雑音やノイズの多い騒音下でも認識精度が大幅に向上しているそうです。
最後に
このように、私たちの身近なサービスでも『ディープラーニング』の技術はすでに利用されているようですね。この技術が発展して私たちの生活をもっと豊かにしてくれる期待は充分に持ってよさそうです。
これからも『ディープラーニング』の動向は目が離せません。企業の人材育成についても、今後は「コンピュータに任せる」業務が拡大していくので「人間だから磨くべき知識・スキル」に重点をおく必要がありそうです。
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