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パワーハラスメント(パワハラ)の定義|6つの類型と具体例を紹介

2025.12.15

人事制度・組織づくり

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  • ハラスメント
パワーハラスメント(パワハラ)の定義|6つの類型と具体例を紹介

パワーハラスメント(パワハラ)とは、優越的な関係を背景に業務上の必要性を超えた言動で労働者の就業環境を害するものとして定義されています。精神的・身体的な攻撃に関わらず、人間関係からの切り離しや過大・過小な要求もパワハラに該当します。従業員を守り、企業の信頼と健全な職場環境を維持するためには、パワハラの定義を正確に理解し、「何がパワハラに該当するか」の明確な基準を周知することが大切です。

本記事では、パワハラの定義と6つの類型を具体的な事例を交えて分かりやすく解説します。企業が講じるべきパワハラ防止策も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

パワーハラスメント(パワハラ)の定義と見極めのポイント

パワーハラスメント(パワハラ)は、「優越的な関係を背景」に「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」で「労働者の就業環境を害するもの」として定義されています。この定義は、2020年6月に施行された改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)に基づき、厚生労働省によって示されたものです。

ここでは、その3つの要素と判断の基本的な考え方を整理します。

なお、パワハラの定義における「職場」にはオフィスだけでなく、出張先やリモートワーク中の自宅、業務に関連する懇親会の場も含まれます。「労働者」は正社員だけでなく、契約社員・派遣社員・アルバイト、さらに就活中の学生や求職者等も対象になります。

優越的な関係を利用した言動であるか

優越的な関係とは、以下のような関係性を指します。

  • 上司と部下の関係のように職務上の地位が上位である
  • 知識や経験が豊富で業務遂行上優位な立場にある
  • 集団による行為で抵抗または拒絶することが困難である

上司から部下に対する言動だけでなく、知識・経験の差や集団による圧力も含まれます。言動を受ける労働者がその行為を拒否・抵抗できない状況にあることがパワハラの要件になり得ます。

業務上の必要性を超えていないか

業務の目的を達成するうえで、言動が明らかに不必要または過度なものである場合は、業務上の必要性を超えているパワハラと判断されます。指導や注意であっても、感情的な叱責や長時間の説教は、パワハラに該当するといえるでしょう。業務上の指導とパワハラの境界線は、その言動が業務の目的を果たすうえで合理的かどうかで判断されます。

就業環境を害していないか

就業環境を害しているといえるのは、その言動によって労働者が精神的・身体的な苦痛を抱え、働きづらくなる状態です。ハラスメントが原因で休職や退職に追い込まれたり、仕事への意欲を失いミスが増えたりするようなケースが該当します。被害者の感じ方だけでなく、平均的な労働者の感じ方を基準にして耐え難い状況かどうかで判断されます。

パワーハラスメントの6つの類型と具体例

パワーハラスメントは、以下の6つに分類されます。

  1. 精神的な攻撃
  2. 身体的な攻撃
  3. 人間関係からの切り離し
  4. 過大な要求
  5. 過小な要求
  6. 個の侵害

それぞれの意味と具体例を紹介します。

1. 精神的な攻撃

精神的な攻撃は、人格や尊厳を否定するような言動や脅迫、侮辱といった言葉や態度によって精神的な苦痛を与える行為を指します。「バカ」「役立たず」といった暴言のほか、大勢の前で長時間にわたり叱責する行為も該当します。業務上の指導であっても、必要以上に感情的になったり、人前で繰り返し罵倒したりする行為は、業務上の必要性を超えた精神的な攻撃とみなされるのです。

2. 身体的な攻撃

身体的な攻撃は、殴る、蹴るといった暴力的な行為によって労働者の身体を傷つけることです。業務上の指導や教育を装って行われたとしても、暴力を伴う行為は、業務上の必要性を超えているパワハラと判断されます。直接的な暴力でなくとも、物を投げつけたり、胸ぐらを掴んだりするといった威圧的な行為も該当します。

3. 人間関係からの切り離し

人間関係からの切り離しは、労働者を意図的に孤立させる行為を指します。具体的には、以下のような言動が該当します。

  • 集団で仲間外れにする
  • 無視をする
  • 別室に隔離する
  • 必要な情報を与えない

これらの行為は、被害者を精神的に追い詰めるだけでなく、業務に必要なコミュニケーションを妨げ、労働者の能力発揮を困難にさせます。

4. 過大な要求

過大な要求は、業務上明らかに不要なことや、遂行不可能な量・質の仕事を強制することです。一人で抱えきれないほどの大量の業務を押し付けるケース等が該当します。労働者の能力や経験を考慮せず、過度なプレッシャーを与えて精神的な苦痛を生じさせる行為といえます。

5. 過小な要求

過小な要求は、業務を与えなかったり、能力・経験とかけ離れた簡単な業務のみを命じたりすることです。例えば、管理職である労働者に対し、誰でもできる単純作業だけを長期間にわたり行わせる、あるいは仕事を与えずに放置するといった行為が該当します。労働者の能力を活かす機会を奪い、精神的な苦痛や不満を生じさせ、その労働者を退職に追い込むことを目的とする場合もあります。

6. 個の侵害

個の侵害は、労働者の私的なことに過度に立ち入る行為を指します。例えば、以下のような行為が該当します。

  • 執拗にプライバシーに関する質問を繰り返す
  • 病歴や性自認、家族構成といったプライベートな情報を本人の同意なく暴露する
  • 私的なメールやSNS、所持品を勝手に調べる

これらは労働者の個人的な領域を不当に侵害し、精神的な苦痛を与える行為といえます。

パワーハラスメントが企業に与える影響

パワーハラスメントが企業に与える影響には、以下のようなものがあります。

  • 生産性が低下する
  • 優秀な人材が流出する
  • 社員が長期間休職するリスクを負う
  • 企業のイメージが悪化する
  • 法的責任を問われる

それぞれ詳しく解説します。

生産性が低下する

パワハラの被害者は、精神的な苦痛から集中力や仕事への意欲を失い、個人のパフォーマンスが低下しやすくなります。被害者だけでなく、周囲の従業員も不安や恐怖を感じ、萎縮することでチーム全体の士気が低下する恐れもあります。

報告・連絡・相談といったコミュニケーションが滞れば、業務の遅れやミスにつながり、組織全体の生産性が低下することになるでしょう。

優秀な人材が流出する

パワハラの被害者は、休職や退職を選択するケースが多くなります。ハラスメント行為を目撃した従業員も、その企業に見切りをつけ、健全な職場環境を求めて離職する可能性が高いです。

人材が流出すれば、ノウハウやスキルの蓄積が妨げられて企業の競争力が低下する恐れがあります。

社員が長期間休職するリスクを負う

メンタルの不調が業務に起因するものとして認定されれば、その社員は労働者災害補償保険の対象となります。

一方で、業務上と認められない場合でも、健康保険を利用して治療を受けることになり、療養のために仕事を休む場合には傷病手当金が支給される可能性もあります。また、症状の程度によっては障害年金の支給対象となるケースも考えられます。会社の福利厚生が十分でないケースでも、公的な保障によってメンタルに不調をきたした社員が休職できる場合もあります。

企業のイメージが悪化する

パワハラがメディアやインターネット、SNSで取り上げられると、企業の評判やブランドイメージが悪化してしまいます。

社会的な信頼の低下は、顧客からの不買運動や取引先からの信頼喪失につながり、売上の減少を招きかねません。採用活動においても、「ハラスメントのある企業」という悪いイメージが定着すれば応募者は減少し、優秀な人材の獲得が困難になるでしょう。

法的責任を問われる

企業がパワハラを認識していながら、適切な措置を講じずに放置することには、被害者から安全配慮義務違反を理由として損害賠償を請求されるリスクがあります。

裁判に発展すれば、高額な賠償金の支払いを命じられる可能性があります。パワハラ防止法に基づく義務を怠ると、厚生労働大臣による行政指導の対象となることがあり、指導に従わない場合は企業名が公表される事態にもなりかねません。

企業が講じるべきパワーハラスメント防止策

企業が講じるべきパワーハラスメント防止策には、以下のようなものがあります。

  1. 方針を明確にし、社内に周知する
  2. 相談対応体制を整備する
  3. 発生時に迅速・適切に対応する
  4. 管理職・従業員への教育を継続的に行う

それぞれ詳しく解説します。

方針を明確にし、社内に周知する

企業には、パワハラの定義とパワハラを行ってはならないという方針を明確に定め、すべての従業員に周知・啓発することが義務付けられています。具体的には、就業規則にパワハラの定義やパワハラを行った者に対する処分方法を明記し、社内報や研修で従業員に周知します。周知をする際は、パワハラが起こる原因や背景についての理解を促すことも大切です。

相談対応体制を整備する

従業員がパワハラについて相談できる体制を整えることも、企業の義務です。相談に対応するための窓口を設置し、その窓口の担当者や利用方法を従業員に周知する必要があります。相談窓口の設置方法には、社内に担当者を配置したり、外部の専門機関に委託したりする方法があります。担当者は最低でも男女1人ずつを配置し、相談した事実が他の従業員に知られることのないよう配慮することが求められます。

相談窓口は、パワハラが発生したときだけでなく、発生する恐れがある場合や、パワハラに該当するかどうか分からない場合でも広く相談できる状態に整えることが大切です。

発生時に迅速・適切に対応する

企業には、パワハラが発生したときに迅速・適切な対応をする義務があります。相談を受けた際の事実関係は、相談者や行為者、第三者からのヒアリングを通じて行うことが大切です。

パワハラがあったと確認できた場合は、被害者への配慮したうえで適切な措置を進めることが求められます。行為者に対しては就業規則に基づき、懲戒処分といった適正な措置を講じます。再発防止に向けて、全従業員に対してパワハラ防止の研修を実施する等の措置も必要です。

管理職・従業員への教育を継続的に行う

パワハラ防止に関する教育は一度きりではなく、継続的に実施することが大切です。管理職には、指導とハラスメントの境界を理解し、部下の不安を早期に察知できるスキルが求められます。従業員には、パワハラを受けた・見聞きした場合の相談ルートを周知することで早期対応を促せます。教育のなかでは、自分が受けたハラスメントをファクトベースで記録するように伝えることが欠かせません。

管理職・従業員へのパワハラ防止の教育には、eラーニングを活用するのが効果的です。eラーニングであれば、時間や場所にとらわれず、複数部署や拠点にまたがる社員教育にも柔軟に対応できます。

まとめ

パワハラを未然に防ぎ、健全で生産性の高い職場環境を築くためには、パワハラの定義を全従業員が正しく理解し、どのような言動がパワハラに該当するのかの共通認識をもつことが大切です。

全国の拠点や多忙な社員に対し、時間や場所の制約なく統一された質の高い研修を効率的に提供するには、eラーニングの導入が効果的です。「Cloud Campusコンテンツパック100」では、パワハラの定義から防止策まで学べるコンテンツを配信しています。「ハラスメントのない職場づくり」では、すべてのビジネスパーソン必見のパワハラの定義や判断基準はもちろん、注意が必要な具体的言動やパワハラ防止に役立つ方法を解説します。従業員にパワハラの定義や注意点を効率的に周知するためにも、ぜひご活用ください。

 

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===監修者情報====

金子幸嗣(かねここうじ)

社会保険労務士

2006年に社会保険労務士として独立開業。

勤務先でのハラスメント問題を機に労働法を学ぶ。

その後、企業の労務管理や職場環境改善、ハラスメント防止体制の整備や社内相談対応の支援に携わる。

労働・年金分野を中心に執筆・監修を行い、複数のメディアに寄稿。

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マネジメント側としては、結果だけではなく「結果に影響を与えるプロセス」に着目し、必要に応じてメンバーを褒める等して、メンバーのモチベーション維持に注意を払う必要があります。 また、経験の浅い新入社員やMBOを導入して間もない企業では、メンバーが適切な目標を立てられないこともあります。マネジメント側から適切なサポートが受けられないと、モチベーションの低下につながるため注意が必要です。 効果的なMBOの運用ステップ 効果的にMBOを運用するために、押さえるべき運用ステップを紹介します。あくまで基本的な流れとなりますので、適宜自社の状況に応じてアレンジいただければ幸いです。 STEP1. 目標を設定する 人事評価にMBOを活用する場合は、期初にメンバーからの申請を基に目標を設定します。 この際、メンバーの目標申請と組織・上司からの期待をすり合わせすることが重要です。 メンバーの申請だけを鵜呑みにしてしまうと組織成果から外れる可能性があります。一方で組織側からの期待だけを押しつけてしまうと、MBOのメリットが享受できなくなるでしょう。 期初の目標設定面談では、メンバーからの申請を尊重しつつも、組織成果からの期待・メンバーへの成長期待・他メンバーとの目標バランス等、幅広い視点でメンバーと目標をすり合わせる必要があります。 健全に話し合いを進めながら、メンバー・マネジメント側の双方が「今期はこの目標でやっていこう」と合意形成できることを目標設定のゴールとしましょう。 STEP2. 目標のブレイクダウンをする 目標内容のすり合わせだけでなく、もう一段目標のブレイクダウンをすることも必要です。 例え目標そのものは合意ができていたとしても、達成への到達プロセスが曖昧では、目標が未達に終わってしまうリスクがあります。 そのため、できれば期初の早い段階で「どのように達成をめざすか」という達成プロセスのブレイクダウンもしておきましょう。 前述したOKRメソッドを使い、目標達成までの中間指標であるKPIの設定もお勧めです。 また個別メンバーとの合意だけでなく、他メンバーや他部署の目標をチェックしたうえで、必要に応じて目標の横並び調整をすることも忘れないでください。 STEP3. 目標を遂行する MBOは目標設定と結果評価がクローズアップされがちですが、期中の目標遂行期間のフォローも必要です。 目標達成のためには、定期的な面談で進捗状況を確認し、状況に応じたマネジメント側のサポートが重要となります。 定期的に面談を行っていれば、進捗が頓挫したときや問題があったときに迅速に対応できます。問題が小さいうちに解決につなげられるため、目標の達成確率を上げることができるでしょう。 また、大きな環境変化のような予想外の事態が起きた際には、期中であっても目標修正をタイムリーに行うようにしてください。 STEP4. 結果を評価する 目標設定と同様に、結果評価の際にもメンバーからの自己申請を基に行います。 達成度の評価や根拠をメンバーが申請したうえで、マネジメント側が総合的に判断する流れがよいでしょう。 評価面談の際に自己評価とマネジメント側からのフィードバックを繰り返すことで、共通認識が深まることにもつながります。 また結果の評価という定量的な部分だけでなく、定性的なプロセスも評価することがお勧めです。目標達成の可否のみであれば、メンバーのモチベーション向上に貢献しにくくなります。 結果に関わらず、よかった動きや次にめざすべき成長課題を話し合う機会としましょう。 まとめ MBOは人事評価で活用されることが多いですが、本来は社員の自主性を引き出すマネジメントの概念です。 昨今は「自律キャリア」や「ワーク・ライフ・バランス」等、社員を主体とする制度を検討する傾向にあるため、日本企業ではMBOが馴染みやすくなりつつあるといえます。 ただし本来のMBOの目的を享受するためには、現場マネジメントや人事部門に工夫が求められるのも事実です。 一般的な概念だけではなく、自社に即した実運用を見越しながら、MBOを導入するようにしましょう。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 MBOや部下の目標管理に役立つコンテンツを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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人材教育

近年、企業内の不祥事やハラスメントに関するニュースを見聞きするようになった方も多いのではないでしょうか。 基本的なコンプライアンス研修はすでに実施しているという企業が多いかと思いますが、自社のやり方で十分かどうなのか分からないという声も聞かれます。 そこで今回は、コンプライアンス研修の目的やテーマの選定方法だけでなく、研修の効果を高めるためのポイントについても紹介するので、参考にしていただければ幸いです。 コンプライアンス研修の概要 コンプライアンス研修に関する具体的な企画をする前に、あらためてコンプライアンスの定義や、研修が求められる背景について確認していきます。 コンプライアンスとは 「コンプライアンス(compliance)」とは、直訳すると「法令遵守」です。 企業内でのコンプライアンスは、法令のみならず社会的規範や行動倫理等も含めて遵守することと置き換えられます。 定義を踏まえると、コンプライアンス研修は、自社社員に対して守るべき法令を周知し、コンプライアンス違反によって生じるリスク回避を目的としています。 コンプライアンス研修で扱うネタ・題材は広範囲におよびますが、自社における優先順位を決め、リスクが生じやすいテーマから着手しましょう。 コンプライアンス研修が求められる背景 コンプライアンス研修が実施されるようになったのは、1990年代頃から企業での不祥事が相次いだことが影響しています。 例えば、大手企業による「粉飾決算」や「機密情報の流出」「超過勤務による過労死」等の事件です。 帝国データバンクの調査によると、2022年度にコンプライアンス違反が確認された企業の倒産は過去最多の300件、2年連続で増加しています。 参考:コンプライアンス違反企業の倒産動向調査 企業の不祥事に対する社会的な関心や批判は高まっており、今後ますますコンプライアンス研修の必要性も高まっていくでしょう。 コンプライアンス研修の目的 社会全体としてコンプライアンスの重要性は増していますが、あらためて企業が自主的に研修を実施する意義や目的を確認していきます。 1. 法令・ルールの周知 ビジネスを進めるうえで知っておくべき法令に関して、社員への周知徹底のためコンプライアンス研修を実施します。 具体的には、ビジネスに不可欠な法律の知識や、自社の重要テーマに関する法令等、改めて啓蒙したい内容を取り上げます。自社のリスクに直結しやすいものについては、新たに立法・改正された法律をテーマに選定することも必要でしょう。 例えば、個人情報の取り扱いが不可欠な部門では「個人情報保護法」、購買で下請け取引が頻繁な部門では「下請代金支払遅延等防止法」、知的財産に関わるような開発部門では「知的財産権」等、業務に関するテーマが挙げられます。 全社員に共通して遵守すべき「労働基準法」「安全配慮義務」「インサイダー取引規制」等も取り上げるとよいでしょう。 2. コンプライアンス違反によるリスク回避 コンプライアンス意識が低かったことで起こるリスクを防ぐためにも、研修は必要です。 コンプライアンスに関する不祥事は、時に社員一人ひとりの意識に起因することがあります。 「これくらいの小さなことは、大丈夫だろう」という軽率な行動がきっかけで、コンプライアンス違反を問われれば、世間からの信用失墜につながることもありえます。 信用が失墜するのは早いですが、回復には多くの時間を要するものです。社員にコンプライアンス違反によるリスクを再認識させることも、研修の大きな目的です。 3. 社会生活での基本ルールの共有 社員一人ひとりの動きで事業を推進する企業においては、ルールの徹底もコンプライアンス研修の大きな目的となります。 特に社会人としての経験が浅い社員が多い場合は、コンプライアンスに関する意識が十分ではないかもしれません。 就業規則はもちろん、ビジネスマナーや社会人としての常識、SNSの取り扱いや取引先との関わり方等も、研修内容に取り入れたいものです。 円滑に業務を進めるうえでも、社員が共通して守るべきルールの徹底は不可欠といえるでしょう。 コンプライアンス研修の代表的なネタ コンプライアンス研修は業界や職種によりさまざまですが、どこの会社でも共通して理解すべき内容もあります。 本章ではコンプライアンス研修の代表的なネタを5つ紹介します。 1. 各種ハラスメント 現在では「○○ハラスメント」という言葉が広く認知されるようになってきました。 厚生労働省においても、ハラスメントに関してのガイドラインや法規規制を拡充しているため、企業内でもハラスメントへの理解を深める取り組みが求められています。 参考:職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント) 具体的には、「ハラスメント」には以下のような気を付けるべきジャンルがあります。  パワーハラスメント  セクシャルハラスメント  アルコールハラスメント  マタニティハラスメント  スモークハラスメント  ジェンダーハラスメント  モラルハラスメント 研修で取り上げる際には、ハラスメントの加害者や被害者にならないよう、どのようなケースがハラスメントに該当するのかを具体的に示すことが推奨されます。 2. 法規関連 著作権、商標権等 法規周りに関しては、職種を問わず遵守すべき法を社員全体に理解してもらう必要があります。 具体的には、著作権や特許権等の侵害は法律違反であり、企業価値を損なうだけでなく、刑事罰が下るケースもあります。 例えば、企業のSNSやブログで使用する動画や写真、文章等について、知識不足が原因で著作権を侵害してしまうケースがあります。 著作権や意匠権を侵害した場合、莫大な損害賠償金を請求される恐れがあります。悪質と判断されれば、個人に対しても、罰金や懲役等の刑事罰が科されるかもしれません。 3. 情報セキュリティ 情報セキュリティに関しては、昨今のコンプライアンス研修では特に無視できないテーマです。 スマートフォンやインターネットの普及でデジタル化が進む現代では、情報セキュリティに関する内容もコンプライアンス研修で扱う必要があります。 社員が個人のSNSに投稿した場合でも、会社の愚痴や悪評が不特定多数に閲覧されれば、会社の評判を落とします。嘘の書き込みをしたり、悪意を持って他人や会社の評判を貶めたりした場合には、罪に問われるかもしれません。 また、外部からのサイバー攻撃にも注意が必要です。 サイバー攻撃による個人情報の流出事件は、社員による不正や作業の単純ミスが原因で発生することも少なくはありません。 具体的にどのような対策が必要かを研修で広報し、社員の危機意識や正しい言動を促しましょう。 4. 社内手続き・ルール 社内における手続きもコンプライアンス違反につながりやすいため、研修の重点テーマといえます。 特に、経費に関する手続きはすべての社員に関係するものであり、不正を事前に防ぐためにもルールや基準等を明文化して、共有する必要があります。 不正内容によっては刑事罰となる可能性もあり、企業だけでなく社員を守るためにもコンプライアンス研修を通じて教育を施しましょう。 さらに、社内手続きに関しては社内通報の整備も重要です。 社内通報とは、会社内で起こっている問題や不正を社内窓口に通報することです。社内通報が制度化されていれば、大きな問題に発展する前に組織的な適切な対応がとりやすくなります。 5. 働き方改革 近年重要度が増しているコンプライアンス研修のテーマは、働き方改革です。 かつては残業してでも会社に貢献すべきという考え方が主流でしたが、昨今ではワークライフバランスを向上させる潮流があります。 コンプライアンス研修を実施することで、できるだけ定時で帰るよう業務効率を高めたり、タイムマネジメントを行ったりする必要性を強調しましょう。 コンプライアンス研修のネタの収集方法 コンプライアンス研修のネタ探しは、意識的に行う必要があります。急に研修企画が持ち上がっても慌てないよう、ネタの探し方について理解しておきましょう。 1. 同業界での事例収集 抱えるリスクが似ている同業種の事例を集めると、コンプライアンス研修のネタが見つかりやすくなります。 同業種の事例であれば社員にとっても問題やリスクを具体的にイメージしやすく、自社に当てはまる対策を社員自身が考え出す助けにもなります。 自分の状況とコンプライアンス違反が直接結びつきやすいので、社員の学ぶ意欲を喚起することもできるでしょう。 2. 法務部門・弁護士等の専門家に相談 しっかりとコンプライアンス研修を実施したい場合は、法務部門や弁護士等のプロフェッショナルに相談することも一手段です。 法務部は関連法規の改正や最新の法律に通じているため、コンプライアンス研修に含めるべき法律知識へのアドバイスをくれる傾向があります。 自社に法務部がない場合は、弁護士等の専門家に相談するのもよいでしょう。 業界・業種に必要な知識をもとに、実践的な研修を実施できます。具体的なケースでの質問にも、専門的な見地からアドバイスしてもらえるでしょう。 専門家が講師をする場合は、オンラインで研修実施し、後日いつでも再生できるように録画を用意しておく運用も増えています。 3. 書籍やインターネットでの情報収集 できるだけネタ収集のコストを省きたい場合は、書籍やインターネットで情報収集する手段もあります。 昨今ではコンプライアンスに特化した書籍が数多く出版されているため、ネタも収集しやすいでしょう。業種別の事例が掲載されていることも多く、自社にフィットしたコンプライアンスの事例を簡単に見つけられます。 ただし、インターネットで簡易にネタ集めはできるものの、各Webサイトの情報が信頼できるものかどうかを見極めることが重要です。 根拠が曖昧だったり個人的な見解が入っていたりすると、情報の信憑性が揺らぎます。誰が、いつ、どのような根拠で発信した情報なのか確認したうえで、コンプライアンス研修で使用しましょう。 コンプライアンス研修の効果を高めるコツ ネタを集めただけでは、コンプライアンス研修の真の目的は果たせません。 最後に、コンプライアンス研修の効果をより本来的にするためのコツを紹介します。 コツ①継続的に実施する コンプライアンスは社員一人ひとりの意識の問題であり、継続的な実施が重要です。 研修を単発で実施するだけでは、効果は一過性のものに留まりがちになります。定期的、継続的な実施によって、コンプライアンス意識の高い職場風土が醸成されます。 そのためには、社員全員が継続的に受講できる仕組みをつくることも大切です。 例えば、オンラインで研修を実施すれば、社員は場所と時間を選ばず受講できます。また研修という形式でなくても、定期的なミーティングで、管理職がコンプライアンス違反事例を共有し、注意喚起を促すような取り組みも有効です。 朝礼で社訓や社是を唱和したり、クレドや行動規範を読み上げたりするのも、心理的な効果があるとされています。工夫してコンプライアンスの啓発機会をつくるようにしましょう。 コツ②社員の意識に合わせたタイミングで実施する コンプライアンス研修は、社員の関心事に沿ったタイミングで実施することも重要です。 例えば「実際に社内でコンプライアンス違反が発生した」「同業他社がコンプライアンス違反で事件になった」等が、注目が集まるタイミングといえるでしょう。 コンプライアンス違反がニュース等で取り上げられ、社会的に大きな話題となったタイミングで、自社の点検を兼ねて実施すれば、効果的な研修が実施できます。 まとめ コンプライアンスと聞くと「堅苦しい」というイメージを持つ方もいるかもしれません。 しかし、情報が錯綜する昨今のビジネス環境において、企業が健全に発展するためには不可欠なテーマといえるでしょう。 組織のCSR(社会的責任)が注目されている潮流もあり、コンプライアンス研修の重要性は今後も高まることが予想されます。 オンラインでの学習コンテンツ等を有効活用することで、ぜひ社員にも身近なコンプライアンス研修を展開していってください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 必須のコンプライアンス研修を含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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