2025.07.25
ビジネススキル
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- 発想力

変化の激しい現代で新たな価値を生み出すには、発想力が欠かせません。発想力を鍛えれば、説得力のある提案や斬新なアイデアを生み出せるだけでなく、問題解決力やコミュニケーションスキルの向上にもつながります。予期せぬトラブルが発生したときに柔軟な対応ができるようになるためにも、発想力を鍛えるトレーニングや習慣を取り入れてみましょう。
本記事では、発想力を鍛えるトレーニングや考え方を紹介します。気軽に取り入れやすい思考を広げる習慣も紹介しているので、思考力を鍛えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
発想力とは
発想力とは、物事をさまざまな視点で捉えて新たなアイデアを生み出す力のことをいいます。具体的には、問題に対して柔軟に考えたり、既存の知識を組み合わせて独自の解決策を思い付いたりする能力のことです。
発想力は、創造的な活動に限らず、日常生活や仕事でも必要とされています。ビジネス現場では、新商品の開発や業務改善等で発想力が求められます。
発想力を鍛えるメリット
発想力を鍛えることで得られるメリットには、以下のようなものがあります。
- 問題解決力の向上につながる
- 新しいアイデアを生み出す力が育つ
- 変化に対する柔軟な対応力が身に付く
- コミュニケーション力が向上する
一つずつ詳しく紹介します。
1. 問題解決力の向上につながる
発想力を鍛えると、問題に対してさまざまな角度からアプローチできるようになります。
一般的な解決策ではなく、独自の方法で打開できるようになれば、今まで直面したことのない複雑な問題に対しても適切に対処しやすくなります。
高い発想力で複数の解決策を提案できるようになると、想定外のトラブルが起こっても、状況に応じて柔軟な対応ができるようになるでしょう。
2. 新しいアイデアを生み出す力が育つ
発想力を高めると、今までになかったアイデアを生み出せるようになります。商品開発や企画の場面で独自視点の提案ができるようになると、社内外での評価が高まりやすくなります。独自のアイデアを提案できる人材が増えれば、競合との差別化が図れる商品・サービスにつながるでしょう。
発想力は新しい価値を生み出すために欠かせないビジネススキルといえます。
3. 変化に対する柔軟な対応力が身に付く
発想力を鍛えると、予想外の出来事や新しい環境に直面したときに、柔軟な思考で順応できるようになります。想定外のトラブルが発生したとしても、代替案を出せる高い発想力があれば、大きな問題に発展しにくくなるでしょう。
発想力は、変化に強くしなやかな考え方を育てる基盤になります。
4. コミュニケーション力が向上する
発想力がある人は、相手にあわせた言い回しや話題を選ぶことができるため、コミュニケーション力も自然と高まりやすいです。同じ話題でも聞き手に併せて表現を工夫することで、相手にとって理解しやすい伝え方ができます。発想力は言葉の選び方や伝え方を豊かにし、人間関係の質を高める助けとなるでしょう。
発想力を鍛える方法11選
発想力は、トレーニングや日常の習慣で鍛えることができます。
ここでは、発想力を鍛える方法を紹介します。
トレーニングで発想力を鍛える
トレーニングで発想力を鍛える方法には、以下のようなものがあります。
- 連想ゲームでアイデアをつなげる力を養う
- SCAMPER法でアイデアを拡張する
- マインドマップで思考を可視化する
- シックスハット法で多角的な視点をもつ
一つずつ詳しく見ていきましょう。
連想ゲームでアイデアをつなげる力を養う
連想ゲームでは、一つの言葉から関連する言葉を次々とつなげていくことで発想力を鍛えます。例えば「車」という言葉であれば、「タイヤ」「ドライブ」「渋滞」といった関連用語を思い付くままに出していきます。遊び感覚で実践できるため、気軽に取り入れやすいトレーニングです。
SCAMPER法でアイデアを拡張する
SCAMPER法(スキャンパー法)とは、アイデア発想法の「オズボーンのチェックリスト」を基に開発されたフレームワークです。以下の7つの項目からなる質問リストを活用することで、アイデアを広げられます。
項目 | 質問例 |
Substitute(代用する) |
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Combine(組み合わせる) |
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Adapt(適応させる) |
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Modify(修正する) |
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Put to other uses(他の使い道を考える) |
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Eliminate(削減する) |
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Reverse/Rearrange(逆転させる/再編成する) |
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SCAMPER法を使えば、別の視点から新たなアイデアを生み出しやすくなります。頭のなかを整理しながら新しい切り口を得られるため、創造力を効率的に育てられるトレーニングとしてお勧めです。
マインドマップで思考を可視化する
マインドマップとは、頭のなかでバラバラになっているアイデアを視覚的にまとめる手法です。
用紙の中央にメインテーマを記載し、関連する情報を線でつないで枝のように広げて書き出します。例えば、メインテーマが「イベント企画」であるときは、「会場」「ターゲット」「コンテンツ」等を書き出して線でつなげていきます。頭に浮かんでくる要素をすべて書き出せば、頭のなかが整理されることで新たなアイデアが生まれやすくなるでしょう。
シックスハット法で多角的な視点をもつ
シックスハット法は、6色の帽子に見立てた以下の異なる視点で物事を考えるトレーニングです。
視点(色) | 内容 |
客観的(白) | 数値やデータを用いて客観的な意見を出す |
感情的(赤) | 直感的に思ったことを感情のまま話す |
批判的(黒) | 問題やリスクを論理的に提示する |
積極的(黄) | メリットや利益を論理的に提示する |
創造的(緑) | 常識にとらわれない新しい選択肢を出す |
俯瞰的(青) | 進行役をしながら出された意見やアイデアをまとめる |
シックスハット法を取り入れると、一つの課題でも多面的な見方ができるようになります。バランスの取れた判断や新しい発見につながるため、チームでのディスカッションをする際に有効です。
考え方で発想力を広げる
発想力を広げるには、以下のような考え方をもつことが大切です。
- 思い込みを捨ててゼロから物事を考える
- ポジティブに捉える
- 失敗を恐れずに挑戦する
一つずつ詳しく紹介します。
思い込みを捨ててゼロから物事を考える
発想力を広げるには、まず思い込みを手放すことが大切です。
「こうあるべき」という固定観念に捉われていると、新しいアイデアを生み出しにくくなります。「会議は対面で行うもの」という考えを捨てれば、オンラインやAI活用等、新たな選択肢が見えてきます。常識を疑う姿勢が自由な発想の土台となるのです。
ポジティブに捉える
ポジティブな思考は、自由な発想を促します。
否定的な気持ちが強いと、リスクばかりが気になり、新しいアイデアに挑戦する気持ちが薄れやすいです。「面白そう」「できるかもしれない」と前向きに考えれば、発想の幅は自然と広がります。明るい思考はチームにもよい影響を与え、創造的な雰囲気を生み出すことにもつながるでしょう。
失敗を恐れずに挑戦する
発想力を伸ばすには、失敗を恐れずに行動する姿勢が欠かせません。
新しいアイデアにはリスクがともないますが、失敗を経験することは次のアイデアの種になります。仮に採用したアイデアがうまくいかなかったとしても、そこから得た気付きや改善点が新しいアイデアのヒントになることもあります。リスクを恐れずに挑戦し続ければ、思考の引き出しが増え、発想の柔軟性も磨かれていくでしょう。
日常の習慣で発想力を育てる
発想力は、以下のことを習慣として取り入れることで育てられます。
- 本から新しい知識をインプットする
- 積極的に新しい経験をする
- フリーライティングを取り入れる
- 自分と異なる価値観の人と交流する
それぞれ詳しく紹介します。
本から新しい知識をインプットする
知識が多いほど、発想力は豊かになりやすいです。
特に、自分の専門分野以外のジャンルに触れることで、思考の幅が広がりやすくなります。
異分野の本を読んで新しい視点を学べば、アイデアの源泉が豊かになります。さまざまな分野の知識が頭のなかで結びつけば、独創的な発想を生む基盤となるでしょう。
積極的に新しい経験をする
発想力は、実際に体験したことからも大きな刺激を受けます。
普段と違う場所に行ったり、初めてのことに挑戦したりすれば、五感が刺激されて新しい視点を得やすくなります。なかでも、美術館でアートに触れたり、旅先で異文化に触れる体験は、アイデアづくりに役立つヒントになるでしょう。
フリーライティングを取り入れる
フリーライティングとは、頭に浮かんだことを自由に書くことです。
思考を止めずに書き出すことで、無意識のアイデアや感情が表に出てきやすくなります。「今日の出来事」や「こんなサービスがあったらいいな」等、自由に書いてみるだけで、新しい発想のヒントが見つかることもあります。継続することで思考の柔軟性や表現力が豊かになるでしょう。
自分と異なる価値観の人と交流する
異なる価値観をもつ人と交流すると、自分にない視点に触れることができます。
別の業界で働く人や、年齢・文化の異なる人と会話すれば、新たな気付きが生まれることがあるでしょう。自分と違う考え方を知ることは、よい刺激となり、アイデアの幅を広げてくれます。発想力を伸ばすには、さまざまな価値観の人と交流することを意識しましょう。
発想力を鍛えやすい職場環境に整えるポイント
発想力を鍛えるためには、個人の努力だけでなく、自由な発想を促す職場環境に整えることも大切です。発想力を鍛えやすい職場環境に整えたいときは、以下のポイントを意識しましょう。
- 否定しないコミュニケーションの文化をつくる
- 多様な人材と交流できる仕組みをつくる
- 挑戦を促す評価制度を取り入れる
- 発想力を鍛える研修を取り入れる
それぞれ詳しく紹介します。
否定しないコミュニケーションの文化をつくる
発想力を高めるには、安心して意見を出せる職場づくりが欠かせません。
どのようなアイデアでも否定せず受け入れる文化があれば、従業員は自由に発言しやすくなります。否定しないコミュニケーション文化が根付くことで、思い付きを口にすることへの抵抗感が減り、発想力の育成につながるでしょう。
多様な人材と交流できる仕組みをつくる
異なる背景や視点をもつ人と交流できる仕組みがあると、従業員の発想力は育ちやすくなります。
例えば、定期的な他部署とのミーティングや、職種の違う人とのペアワーク等が効果的です。多様性に触れることで、普段の自分では思い付かないような考え方に気付けば、新しいアイデアを生み出すきっかけになるでしょう。
挑戦を促す評価制度を取り入れる
発想力を高めるには、失敗を恐れずに挑戦できる環境が必要です。
例えば、結果だけでなくプロセスや姿勢を評価する制度を導入すると、前向きな挑戦を促しやすくなります。「失敗しても挑戦を評価してもらえる」という安心感があれば、自由に発想して行動に移しやすくなります。従業員の発想力を高めるためにも、個人の努力に頼るのではなく、制度面からの後押しも大切です。
発想力を鍛える研修を取り入れる
従業員の発想力を伸ばすためには、発想スキルに特化した研修を取り入れるのが効果的です。先述したSCAMPER法やマインドマップ等を実践するワークショップ型の研修を取り入れれば、発想を広げる思考方法を体験的に学べます。
より多くの社員に研修を受講してもらうには、時間や場所を問わず取り組めるeラーニング形式の研修の導入がお勧めです。
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まとめ
発想力を鍛えれば、新たなアイデアを生み出す力や柔軟な対応力が身に付きます。発想の幅を効率的に広げるには、日常の習慣やトレーニングを通じて鍛えるのがお勧めです。イノベーションを生み出す企業風土を育むためにも、個人の努力だけでなく、全社的な取り組みも行いましょう。
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