2023.06.01
人事制度・組織づくり
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企業にとって、社員のモチベーションは大切です。その維持のため、成果主義制度やMBOを導入したり、Googleのようにエンゲージメントに力を入れたり、ユニークな企業制度を取り入れるなど、企業努力は欠かせません。ここではそれ以外にできること、「仕事に集中できる」企業制度について考えてみましょう。
社員のモチベーションアップのためにできる事
社員のモチベーションを上げるためには、MBOによる単純な目標達成度合いだけでなく、頑張りを評価することも重要になってくるのではないでしょうか? いくら努力をしたからといっても結果だけが重視され、それ以外は評価の対象とならないというのでは、その時々の運によっても評価にバラつきが出て、社員の不満につながる事もあります。
モチベーションアップのための工夫
営業成績に合わせたインセンティブ付与もそうですが、何かしらの成果を上げた社員やチームを、全体朝礼の中で表彰したり、全社員へのメール通達で案内したりするなどして、社員のモチベーションを上げるように工夫している企業が増えています。営業部門や管理部門、総合職、一般職、アシスタント職、スタッフ職等の部署や役職の垣根を超えて、会社に貢献した、または新しい施策を打ち出したなどを評価の対象とし、全社員にスポットライトが当たる制度などは、いい例でしょう。
実際に、著者もチームとして新しい事業を立ち上げた際、朝礼での表彰とメールによる全社告知をされ、達成感や責任感や高揚感を感じ、その後の事業推進に対するモチベーションアップへとつながった事例もあります。
楽天に見る職場環境
楽天のオフィスは、従業員同士がコミュニケーションを取りやすい、IT環境の充実を意識した環境で、従業員が持つ国際性や文化を考慮し、健康的に働けるよう福利厚生面を充実させています。
ビデオ会議や立ち話ができるスペースを設け、パーティションが少ない空間としてデザインすることで、創造性や革新的な発想をもって仕事ができるよう考慮をしています。また、朝食・昼食・夕食を無料とするほか、メニューでは宗教上の側面にも配慮しています。さらに語学学習ルームのほか、従業員が育児をしながら仕事ができるよう、託児所も新設する予定です。
仕事に集中できる職場環境作り
メンタル面のケアの充実や、女性に配慮した環境があるというだけでも、社員は安心して仕事ができます。
産業カウンセラー
近年、保健室や産業カウンセラーがいるカウンセリングルームを常設している企業が増えています。希望する社員には月に数回の産業医面談を行い、メンタルヘルス対策・キャリア開発・職場における人間関係などをサポートし、働く人と組織の課題を解決して社員が働きやすい環境を作る事が目的です。
女性への制度
近年、ダイバーシティ・マネジメント(※)が騒がれる中、女性への制度として、時短勤務、育休などは当たり前の制度として企業に求められます。妊娠中、産前産後、育休から復職に至るまでを手厚く保障するだけでなく、育児支援の一環である企業内保育等の施設を常設したり、男性の育休を推奨したりする企業も出てきています。他にも結婚や出産の際、祝い金がもらえる企業もあります。
※ダイバーシティ・マネジメントとは、これまでの男性正社員を中心とした画一的な制度やシステムの考え方を多様化(ダイバーシティ)し、女性や非正社員や外国人をはじめ、さまざまな年代やワークスタイルの多様化した社員へ、適切かつ効果的に対応するためのマネジメントの事を指します。
記念日制度
社員の誕生日に、社長から直接お祝いのコメントと花が届いたり、誕生日月の人が集まってランチを無料で食べられるなどの「記念日制度」を設けている企業があります。中には、お子様や配偶者の誕生日に給付金や休暇がもらえる企業もあります。また、著者の会社でも、勤続年数によってリフレッシュ休暇や旅費を負担する制度があり、モチベーションアップにつながっています。
企業内サークル
社員有志による野球、サッカー、バスケットボール、スノボ、サーフィン、テニスやボルダリングなど、趣味の合う者同士で色々な企業内サークル活動を行う事で社員同士の交流による親交を深める事に成功している企業もあります。
また、社内報も社員のコミュニケーションの活性化に有益なツールです。社員が他の社員のことを紹介するリレー形式の紹介文、入社者の紹介、社員の冠婚葬祭の報告などを掲載することで、他事業部の様子を把握することができます。
このように働く環境だけでなく、企業の協力の元、ライフスタイルまで充実させることで、仕事だけに集中できる環境を作りだす事が可能です。
社員がビジネスマンとして成長するための環境作り
新入社員向け企業内研修制度
新入社員のためのマナー研修、PC研修、宿泊研修、eラーニング研修等があげられます。近年では、入社前の内定者向けに語学留学制度を導入している企業も出てきています。
中途入社社員向け企業内研修制度
中途入社社員のための座学研修、ロールプレイング研修、eラーニング研修があげられます。
階層別企業内研修制度
階層別研修では、入社二年目、リーダー、課長、部長、役員など、階層別に研修制度を設置し、商品勉強会、業界勉強会、海外への語学留学制度等により、ビジネスマンとしての成長を促します。
社員全員に経営理念の浸透
最後に一番大切なのが、経営の方針や理念を社員全員に対して発信していくことです。週1回、月1回の全社員に対する全体朝礼で、前月度対比、目標達成率の共有を行います。また、経営の理念・思想・目標を分かりやすく展開する事により、社員のモチベーションや自社ブランドに対するプライドを保持させることも必要です。
月1度の締め会やランチ会を会社負担で行ったり、クォーターや、上期下期の締めのタイミング毎にキックオフを行ったりと、各部署の活動報告や今後の戦略についての報告をし、目標と成果を明らかにする。それによって社員が一丸となって、目標に向かって突き進んでいける環境が、最も望ましいのではないでしょうか。
参考サイト: