2026.03.19
人事制度・組織づくり
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ビジネスのデジタル化が進む現代において、データを活用して市場変化に対応することの重要性が高まっています。しかし、「自社のどの業務でデータを活用できるのか」「本当に成果が出るのか」といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。適切なデータ活用ができれば、特定の従業員への依存を解消したり、生産性・顧客満足度を向上させたりできる可能性があります。
そこで本記事では、データ活用で期待できる成果やデータ活用事例10選を紹介します。データ活用を成功させるために必要な要素も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
データ活用によって期待できる成果
データ活用によって期待できる成果には、以下のようなものがあります。
- 特定の従業員に依存しない体制を構築できる
- 無駄の可視化によって生産性向上につながる
- 手厚いサポートを顧客に提供できる
それぞれ詳しく解説します。
特定の従業員に依存しない体制を構築できる
ベテラン従業員の経験や勘に依存した業務体制では、担当者の退職・休暇によって業務が停滞してしまう可能性が高いです。一方、データ活用によって熟練の技術や判断基準を可視化できれば、客観的な指標として他の従業員にナレッジとして共有することが可能になります。
その結果、誰もがデータに基づいた的確な判断を下せるようになり、特定の従業員に依存しない安定した組織体制を構築できます。くわえて、新人へのノウハウ共有もスムーズになるため、教育の効率化も期待できるでしょう。
無駄の可視化によって生産性向上につながる
データ活用によって業務プロセスの無駄を可視化できれば、生産性向上につながります。例えば、客数や業務負荷の変動をデータから予測し、適切な人員配置ができれば、人件費の削減や教育時間の確保が可能になります。
また、受注予測に基づき在庫量を調整できれば、資金繰りが改善され、将来的な設備投資の余力も生まれるでしょう。このようにデータ活用には、無駄な時間やコストを抑えたり、効率の良い生産体制を実現したりする効果があるのです。
手厚いサポートを顧客に提供できる
機器の稼働データをリアルタイムで収集・分析する仕組みを構築すれば、保守サービスの質を向上できます。故障が起きてから対応する体制では、修理が終わるまで顧客の業務を停滞させてしまいます。
データ活用によって故障の予兆を事前に察知できるようになれば、トラブル発生前にメンテナンスを提案でき、業務の停滞を未然に防ぐことが可能です。さらに、利用状況に合わせた最適な活用アドバイスができるため、顧客満足度向上も期待できます。
データ活用による業務効率化の事例
データを活用することには、特定の従業員への依存を解消したり、人員や時間を有効活用できたりするメリットがあります。
ここでは、データ活用が業務効率化につながった事例を紹介します。
配送データ活用によるルート作成自動化:鋼材販売・加工会社
配送ルート作成の自動化を実現し、作業時間の短縮と物流コストの最適化に成功した事例です。この鋼材販売・加工会社では、ベテラン担当者が膨大な時間をかけてルートを手作業で作成しており、業務の属人化が課題となっていました。そこで、配送先や積載量、作業時間等のデータを活用し、最適なルートを算出する仕組みを導入しました。
その結果、これまで2時間を要していたルート作成業務を、5~10分程度にまで短縮することに成功。業務効率が向上しただけでなく、走行距離の短縮やトラック台数の削減にもつながっています。
バイタルデータ活用による見守り業務効率化:介護DX支援企業
この介護DX支援企業は、データ活用によって見守り業務の負担軽減と介護サービスの品質向上を両立させています。従来の介護現場では、夜間に全居室を巡回する安否確認が一般的で、訪問の必要性の判断が困難でした。この課題に対し、介護DX支援企業は心拍や活動量のデータをリアルタイムで分析し、異常検知や離床予測ができるシステムを構築しました。
データに基づいて訪問すべき部屋を的確に判断できるようになり、見守り業務の負担軽減につながっています。捻出した時間を食事や入浴の介助に充てることで、介護サービスの品質向上も実現しています。
職人技のデータ化による調理自動化:洋菓子販売会社
熟練職人の技術をデータ化したことで、製造工程の自動化と品質安定化に成功した取り組みです。バウムクーヘン作りは、職人が付きっきりで焼き加減を調整する必要があり、製造工程の自動化や属人化の解消が難しい分野とされていました。そこで、この洋菓子販売会社では、熟練職人の焼成時間や温度、回転速度をデータ化してAIに学習させたオーブンを開発しました。
経験の浅いスタッフでも職人と同等の品質を実現できるだけでなく、職人自身も可視化されたデータから自身の癖を客観的に把握でき、生産性の向上と技術の底上げにつながっています。
データ活用による在庫最適化の事例
現場の状況や市場のニーズをデータとして捉えることで、過不足のない在庫状況を保つことが可能になります。
ここでは、データ活用が在庫管理の改善やロスの削減に結びついた事例を紹介します。
購買データに基づいた在庫管理:情報通信企業
AIカメラと決済データの組み合わせにより、無人店舗の高度な需要予測と在庫管理の最適化を実現した事例です。過疎地域に展開する無人店舗では、これまで「どの商品が、いつ、どの程度必要とされるか」といった詳細な購買行動の把握が困難でした。そこで、店内にAIカメラを設置し、決済データを組み合わせて顧客の動きや購入傾向をデータ化する取り組みを実施しました。
分析結果を基に仕入れをしたことで、欠品や過剰在庫の抑制に成功しています。さらに、店内の動線や手に取った商品の分析を通じて、顧客ニーズを反映した商品陳列の最適化も実現しています。
流通プラットフォーム構築による需給最適化:花の卸売企業
独自の流通プラットフォームを構築したことで、リアルタイムな情報共有による販売促進と生産ロスの削減に成功した事例です。 従来、花き業界では生産者と販売業者間の情報共有にタイムラグがあり、市場ニーズと供給の不一致による廃棄ロスが課題となっていました。
そこで受注から出荷までの情報を一貫管理できる仕組みを整備し、さらに消費者アプリから得られるトレンドデータを組み合わせて生産現場へフィードバックできる環境を構築しました。生産者が市場動向に合わせて商品数や状態を調整し、出荷できるようになった結果、効果的な販売促進と生産ロスの削減を実現しています。
データ活用による品質向上の事例
製造プロセスを数値化できれば、個人の技量に頼らない品質管理が可能となり、高品質を維持できるようになります。
ここでは、データ活用による品質向上の事例を紹介します。
スマート金型の導入による品質の安定化:金型メーカー
金型内部の状態をリアルタイムでデータ化する「スマート金型」の導入により、成形条件の最適化と品質の安定化につながった事例です。 従来のプラスチック成形現場では、温度や圧力の微調整を熟練工の経験や勘に頼っており、技術力のバラつきが課題でした。
そこで、金型内にセンサーを組み込んで成形時のデータを収集し、誰もが最適な条件を把握できる仕組みを構築しました。その結果、品質の安定化や異常検知による不良品の未然防止を実現しています。
環境データの可視化・共有による作物の品質向上:農業支援企業
この農業支援企業は、温室内の環境を24時間リモート監視し、データを生産者間で共有する仕組みを構築することで、栽培品質の底上げと管理の効率化を実現しています。 広大なハウス内では環境把握に多大な時間と労力がかかり、生産者の負担となっていました。
この課題に対し、温度や湿度をリアルタイムで数値化するシステムを導入し、さらにSNS機能を通じて複数の生産者が互いのデータを比較できる仕組みを整えました。数値に基づく客観的な分析ができるようになったことで、異常時の早期対応や最適な栽培条件の把握につながっています。
AI画像解析による検査自動化:大手食品メーカー
AIを活用した画像検査装置の自社開発により、ヒューマンエラーを排除した精度の高い品質管理体制を構築した取り組みです。 この大手食品メーカーの惣菜原料の検査工程では、長時間の目視確認による作業者の身体的負担や、集中力の維持が課題となっていました。
そこで、膨大な良品データを学習させたAIによる自動検査システムを導入し、無数に存在する不良パターンを検知する仕組みを採用しました。検査の自動化により、ヒューマンエラーが解消されただけでなく、現場の作業効率向上も実現しています。
データ活用による顧客満足度向上の事例
稼働状況やメンテナンス履歴のデータ化によって、迅速なトラブル解決やニーズを先取りした提案が実現できます。
ここでは、データ活用がサービスの質向上や顧客の損失防止につながった事例を紹介します。
稼働データの可視化による保守サービス向上:工作機械メーカー
IoTを活用したリアルタイムな稼働データの共有により、保守サービスの向上を実現した事例です。従来、納入した工作機械にトラブルが発生した際は、電話によるヒアリングに頼らざるを得ず、正確な状況把握ができずに修理の長期化や不要な部品手配が生じる課題がありました。
そこで、機械にIoTユニットを標準装備し、回転速度や走行距離等のデータをクラウドで一元管理できるシステムを導入。現場とメーカーが操作画面をリアルタイムで共有し、遠隔診断ができる体制を構築したことで、異常発生時の円滑な対応と早期復旧を実現しています。
さらに、蓄積データに基づいた消耗品の最適な交換時期の提案や故障を未然に防ぐメンテナンスが可能となり、アフターサービスの質を高めています。
稼働データの遠隔監視による保守サービスの向上:成形機メーカー
機械の遠隔モニタリングと修理履歴のデータ化によって、迅速なサポート体制を構築した取り組みです。 この成形機メーカーでは、40年以上前に製造された機械も現場で稼働しており、トラブル対応をベテランの従業員に依存していることや、電話のみの状況把握で原因特定に時間がかかり、顧客の生産ラインを止めてしまうことが課題となっていました。
そこで、稼働データを自動収集・蓄積し、クラウド経由で遠隔モニタリングできるサービスとともに、過去の修理履歴を電子カルテとして共有できる仕組みを整備しました。社内の誰もが迅速に状況を把握し、的確な指示を出せる体制を整えたことで、異常発生時の早期の原因究明が可能となり、ユーザーの生産遅延の軽減を実現しています。
データ活用を成功させる要素
データ活用を成功させる要素は、以下の通りです。
- ビジネス視点でデータ活用できる人材がいる
- 全従業員が一定以上のデータリテラシーを有している
- 分析結果を現場に反映できる体制が整っている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ビジネス視点でデータ活用できる人材がいる
データ活用を検討する際に、「課題解決のためにどのようなデータを収集すればよいのかわからない」といった課題が生じることがあります。解決すべきビジネス課題とデータ活用の関係が見えていなければ、必要なデータの特定は困難です。
このような状況を避けるためには、分析ツールを使いこなす人材だけでなく、経営課題を解決するために必要なデータを選べる人材が必要です。しかし、即戦力となるデータ活用人材は市場価値が高く、外部から採用するのは簡単ではありません。
人材獲得が困難な状況でデータ活用を推進していくためには、社内教育を通じてデータ活用を担える人材を育成することが重要です。ビジネス視点でデータ活用を企画できる人材を育成できれば、現場で実行可能な施策を設計でき、データ活用を成果につなげられるでしょう。
全従業員が一定以上のデータリテラシーを有している
優れた分析ツールを導入しても、従業員の理解やスキルが不足した状態では、成果が出るまでに時間を要してしまいます。データ活用を現場に定着させ、成果につなげるためには、全従業員のデータリテラシーを底上げすることが重要です。データを共通の判断基準にできれば、部門を超えた連携や迅速な意思決定が可能となります。
サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、データ活用に必要な数学的思考やデータの収集・分析、可視化による活用方法をeラーニングで学習することが可能です。eラーニングであれば、全従業員が自身のペースで場所や時間を問わず学習できます。
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分析結果を現場に反映できる体制が整っている
精度の高い分析結果を得られたとしても、現場が従来の経験や勘に頼ったやり方に固執していては成果につながりません。データ活用を進めるためには、個々の意識向上を待つだけでなく、データを活用するルールをつくることが重要です。
例えば、「月次の定例会議でデータに基づいた対策を立案する」といった仕組みの導入や、「数値変動に応じた具体的なアクション」をマニュアル化するといった実務ルールの策定が必要です。現場がデータに基づいて自律的に動ける体制を構築すれば、市場変化に対応した意思決定ができるようになるでしょう。
まとめ
データ活用をすれば、特定の従業員への依存解消や生産性・顧客満足度の向上が期待でき、企業の競争力を高められる可能性があります。ただし、データ活用を成果につなげるためには、現場の課題に応じたデータ活用を企画できる人材や全従業員のデータリテラシー向上が必要です。
サイバー大学の「Cloud Campusコンテンツパック100」では、データ活用に必要な数学的思考やデータの収集・分析、可視化による活用方法をeラーニングで学習できます。膨大なデータを整理して課題を明確にする「データ整理術」といった実務に直結するスキルを学ぶことも可能です。eラーニングであれば、全従業員が自身のペースで学習できるため、組織全体のデータリテラシーを効率的に底上げすることができます。
従業員一人ひとりがデータ活用スキルを能動的に習得するための教育ツールとして、ぜひご活用ください。
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