今さら聞けない「人材アセスメント」を成功させる3つのポイント

人事/採用企業研修

人材アセスメントという言葉をご存知でしょうか?

人材アセスメントとは複数のシミュレーション(演習)や心理テスト、面接などを通して、受講者の行動、言動、態度などを観察し、事前に設定した「管理者としてのあるべき姿」に適した人物であるかを評価する技法です。つまり、企業の中で人材を配置するにあたり、その人物の潜在的な性格や適正を事前に評価するものです。

その起源はCIAの前身である米軍OSS(戦略対策部)において、スパイ養成のための人材選抜を目的に開発されたプログラムで、アメリカでは産業界を中心に広まり、日本ではバブル崩壊後に導入が急速に進んでいると言われています。

人材アセスメントのメリット

では人材アセスメントを導入するメリットは何でしょうか?
一般に企業の中での評価は業務の成果だけではなく、評価者から見た人間としての好き嫌いも多かれ少なかれ入ってきます。また、数字が見えない部署はなかなか評価されづらい傾向にあります。好き嫌いというところでは、自分の思うような行動、同じような行動をするタイプの部下を良く評価したり、反対の行動をする者は悪く評価したりすることがあります。極端な場合、上司に好まれない部下は、ほとんど日の目を見ることがなく毎日が過ぎていきます。

こうした中、外部の第三者である特別なトレーニングを受けた講師が評価する人材アセスメントは、人材評価の一定の判断材料として信頼性が高く、評価を受ける社員からも、第三者ということでより納得性が高まる可能性があるのです。

実施方法

人材アセスメントの具体的な内容は、まず研修施設やホテルなどに2、3日の合宿型研修で行われます。
そして、受講者はグループディスカッションやインタビューシミュレーション、インバスケットなど、いくつかのシミュレーション(演習)を行います。これらのシミュレーションを通じて、
受講者の行動や言動、態度を講師が観察・評価し、「この人は管理職になれる人材か?」といった管理職適性を判定します。

主として管理職選抜のための評価に用いられますが、近年では、若手層から優秀者を早期に見極めるためにも活用されているようです。

成功させる3つのポイント

ここで人材アセスメントを成功させる3つのポイントがあります。
「正確な評価ができる講師を用意すること」、「その企業にあった評価項目を用意すること」、「評価する行動を引きだすシミュレーション設計」の3つです。

1.正確な評価ができる講師

人材アセスメントの要である講師が正確な評価をすることができる講師なのかが非常に大切な条件です。

講師は、シミュレーションを通じて発揮された言動や文書の内容、表情や声のトーン、文字の量や書き方の特徴をはじめ、身だしなみや、くせ、ふと目にした仕草など、さまざまな情報をつなぎ合わせて、その人の仕事の傾向性やマネジメントスタイルを仮説・検証していきます。
また、人材の評価は一人の評価者だけだと、偏りが出てしまい正確な評価が出にくいので、講師は通常は複数の講師が担当します。

この講師らが、各参加者のシミュレーションでの行動から、どれだけ正確にデータを拾うことができ、それを分類整理し、いかに正確に評価に落とし込むことができるかが、人材アセスメントの精度を決める大きな要素となります。

2.その企業にあった評価項目

これはその企業での職務に適した評価項目の設定ができているかです。
職務における受講者へ求める能力や行動にラベリングをしたもので、例えば積極性、自主独立性、分析力、決断力、感受性などがあげられます。

当然、この内容は企業によっても違いますし、役職によっても違います。これがズレてしまうと、いくら人材アセスメントで評価しても、全く役に立たないという状況が出てきますので、この評価項目の設定も重要な前提条件となります。

3.評価する行動を引きだすシミュレーション設計

人材アセスメントでは、何種類かのシミュレーションを受講者に行ってもらい、その行動を講師が観察することで、人材の評価を評価項目に従って行ないます。
人材の正確な評価をするためには、参加者に何らかの行動を起こしてもらうことが必要になります。しかも、評価項目を評価できるような行動を参加者が行なうことが求められます。

そのためには、その評価項目を踏まえ、心理学的に設計されたシミュレーションの状況設定や内容が必要になります。
このような良質なシミュレーション設計があって、初めて正確な評価ができるのです。

その他の注意点

ここで人材アセスメントを実施する意図と受講者側の姿勢にも注意しなければいけない点があります。
あくまで人材アセスメントは研修であって試験ではないということです。

いくつかの会社では昇進昇格の「試験」と位置づけている会社もあるようですが、これでは受講者は意気込んで受講してしまい、本来の自分の行動ではなく、パフォーマンスとしてシミュレーションを受講してしまいます。そもそも講師はそのようなパフォーマンスをしたとしても数あるシミュレーションをしていく中で受講者の本質を見抜いてしまいます。
なので、受講者はできるだけ自然体で研修に臨む方が結果としては良いものとなります。

なにより、受講者は管理職になることをゴールとして挑むのではなく、管理職になって何をしたいかを明確に望む方が自分自身のためにもなります。
会社は管理職に何を期待しているのか、受講者はそれに対してどう応えるのかを理解して受講することが大切です。

 

参考サイト:

 

この記事を書いた人

Cloud Campusコラム編集部