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「お金より働きがい」は世界共通?海外でも重要視される「働く意味」

2021.01.26

人材教育

人事制度・組織づくり

「お金より働きがい」は世界共通?海外でも重要視される「働く意味」

2000年代に入り、日本では若い世代を中心に働くことの意味が大きく変化してきました。「働きがい」「ワークライフバランス」といったキーワードに代表されるように、仕事はお金のためだけではなく、自分の人生を豊かにする大事な要素のひとつであるという価値観が浸透してきているようです。そして、この動きは日本に限らず、グローバル共通の意識の変化であることがさまざまな調査からわかっています。

転職先を探す理由トップ5は?

デロイトの調査によると、「転職先を探す理由」のトップ5は以下のような結果となっています。

  1. 将来性のないキャリア
  2. 新たな就職先へのチャンス
  3. 上司や経営層への不満
  4. 仕事における課題の欠如
  5. 報酬や待遇への不満

働きがいを感じられないことが、離職を決意する原因に大きく絡んでいることがわかります。

自分が活かされない職場には「さようなら」

また、同調査では、離職を考えている人の42%が「自分のスキルや能力が仕事に活かされていない」と回答しているのに対し、離職を考えていない人の72%は「自分の能力を仕事に活かしている」と回答しています。このことからも、仕事にどれだけやりがいや将来性を感じられるかが、その職場に留まるかどうかの判断に大きく影響することがわかります。

若い世代では価値観の重点が組織から「個人」へシフト

さらに、ミレニアル世代(1982年以降に生まれた世代。インターネットやデジタル機器が普及した環境で育ち、「デジタルネイティブ」と呼ばれることもある)に注目すると、グローバル規模で働く人たちの意識の変化が顕著に見えてきます。

就職先選びで重視される「ワークライフバランス」

世界29カ国7,700人のミレニアル世代を対象とした「2016年 デロイト ミレニアル年次調査」で、仕事選びの決め手となる要素を調べたところ、すべての国・地域で「報酬」が最大の判断基準となりました。しかし、それを除くと1位は「ワークライフバランス」(16.8%)、2位は「昇進・リーダーになる機会」(13.4%)、続いて「(在宅・遠隔勤務・フレックス制などの)柔軟な勤務形態」(11.0%)、さらに「仕事に意義を感じること」(9.3%)と続きます。ここでも私生活と仕事の両立や、働きがいを仕事に求める若い世代の意識が見えてきます。

仕事選びでは「報酬」が大事としていながらも巨額の富への興味は薄く、家を持ち、家庭を築き、平和な老後を過ごすといった「経済的安定」を確保できればよしとする保守的なところが、ミレニアル世代の特徴といえるかもしれません。

また、ミレニアル世代の87%が「企業の成功は利益だけでは測れない」と考えています。「利益(Profit)」のほかに、「人(People)」「製品(Products)」「目的(Purpose)」を加えた「4つのP」が、一流の組織を特徴づける要素なのです。ミレニアル世代にとって理想の職場となるのは、従業員の成長と満足度の向上、雇用の創出、人々の生活に貢献する製品やサービスの提供が実現できる組織だといえるでしょう。

組織の目標より個人の価値観を優先

職場で判断を下すときに影響される要素は、「個人的な価値観・モラル」がグローバルで1位となっています。つまり、ミレニアル世代は組織の目標より個人の価値観を優先する傾向があるのです。

ただし、日本では他諸国と異なり、「組織の価値観または全体の目的意識に忠実であること」が1位で「個人的な価値観・モラル」は4位でした。

「組織の目標より個人の価値観」が大事

社員の働く意識の変化を敏感に感じとり、職場の環境づくりに応用していくことは、離職対策となるだけでなく、社員のエンゲージメントを高めます。そして、企業の競争力の強化にも結びつくのです。現在の職場の環境と社員の意識とのギャップについて、見直してみてはいかがでしょうか。

 

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社員のモチベーションの高め方は?企業事例と6つのポイント

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ビジネススキル

人事制度・組織づくり

人材教育

会社で働く時間は、誰にとっても案外長いものです。 その時間をモチベーションが高い状態で働く社員が多い企業の方が、そうではない企業よりも健全な状態なのは間違いありません。 ただ、いざ社員やメンバーのモチベーションを管理しようとしても、何をどのようにして対策すべきか分からないという声も聞かれます。 今回の記事では、モチベーションの構成要素を紐解き、モチベーションを高めるための具体的なポイントや事例を紹介します。 モチベーションとは ビジネスシーンでの社員モチベーションアップを考える際によく取り上げられているのは、アメリカの心理学者・ハーズバーグ提唱の「二要因理論」です。 ハーズバーグは、職務満足と職務不満足は、それぞれ異なる要因によって引き起こされると主張しています。 職務満足を引き起こす要因を「動機づけ要因」、職務不満足を引き起こす要因を「衛生要因」であると明らかにしました。 つまり心理学的にみると、モチベーションには、「内的モチベーション」(動機づけ要因)と「外的モチベーション」(衛生要因)の2つがあり、社員のモチベーションを高めるためには、内的モチベーションに着目することが重要となります。 ただし、内的モチベーションと外的モチベーションは反対の概念ではなく、相互に足りない部分を補い合うような関係です。 丁寧に社員のモチベーション管理をするためには、外的モチベーションにおける問題を解決したうえで、内的モチベーションを満たす必要があるでしょう。 内的モチベーション(動機づけ要因) 内的モチベーション(動機づけ要因)には、「仕事のやりがい」「達成感や効力感」「職場メンバーへの信頼」「会社のミッションやビジョンへの共鳴」等が該当します。 動機付け要因は、促進要因とも呼ばれています。つまり「ないからといって、すぐに不満が出るものではない」ものの「あればあるほど、モチベーションが高まる」要素なのです。 ハーズバーグ提唱の「二要因理論」によると、人は以下のような感情を求めて生きています。 ・自分の存在意義を感じたい(達成感) ・自分の存在意義を認められたい(達成の承認) ・成果を認められ、ほめられたい(内的報酬) これは仕事場でも同じことがいえます。その仕事によって達成感が抱ける、周りがそれを承認してくれる、仕事そのものをおもしろいと感じる、といった内的動機づけによってこそ、仕事へのモチベーションを上げることができるのです。 外的モチベーション(衛生要因) 外的モチベーション(衛生要因)には、「金銭報酬」「福利厚生」「職務環境」等が該当します。 衛生要因は、不満足要因とも呼ばれています。すなわち「整備されていない場合は社員が不満を感じる」ものの「品質を高めていっても、満足につながるわけでない」要素なのです。 例えば、外的モチベーションが満たされていたとしても、内的モチベーションが満たされていない社員は、他に魅力がある企業へ転職するリスクがあるでしょう。 しかし内的モチベーションが満たされている場合は、他企業から高報酬のオファーがあったとしても、転職はしばし思いとどまる可能性があります。 モチベーションを構成する6つのポイント 「内発的動機づけ」の研究において第一人者であるロチェスター大学のエドワード・L.デシ氏とリチャード・フラスト氏(著書『人を伸ばす力-内発と自律のすすめ』)は、1980年代に人が働く動機を6つのカテゴリーに大別しました。 そして、冒頭で触れたアンケートを実施した企業文化コンサルタントのリンジー・マクレガー氏とニール・ドシ氏は、それらを現代の職場環境に置き換え、人が働く動機には次の6種類があるとしました。 1.楽しみ(Play) 仕事自体が楽しいから働く。楽しみとは、新しいことへの好奇心。楽しみが大きいと、たとえ仕事で難題にぶつかってもチャレンジ精神が刺激される。 2.意義(Purpose) 仕事が生み出す価値に意義を感じる。仕事のアウトプットが社会的貢献につながることに働きがいを感じる。 3.可能性 (Potential) 仕事を頑張ることが自身の向上につながる。仕事で成果を上げることが自らの能力を高めるとの信念に基づく。 4.感情的圧力 (Emotional pressure) 恐怖、同調圧力、恥等、仕事内容とは関係のない外部からの感情的な圧力によって、自分自身が脅かされているために働く。 5.経済的圧力(Economic pressure) 報酬を得るため、または、処罰を逃れるために働く。仕事内容や自己実現とは関係ない外的圧力によるものとなる。 6.惰性 (Inertia) 働く理由が分からず、仕事内容や自発的要素とは無関係な「昨日も働いていたから、今日も働く」という動機づけ。 内的モチベーションの高め方 ここからは、職場ですぐに実践でき、効果を実感しやすい内的モチベーションを高めるポイントを紹介します。 コミュニケーションを良好にする 職場でできるモチベーション向上のコツは、コミュニケーションを良好にすることです。 そのためには、上司や同僚とのコミュニケーションが重要となります。 ここでいうコミュニケーションとは、楽しくプライベートの話ができることや、飲み会で盛り上がることだけではなく、「対話」が成立する関係を築くことです。 「対話」とは、お互いの存在や意見の違いを認め合ったうえで、同じ目標に向かって歩むという建設的な話し合いです。 例えば、メンター制度がある企業の場合、先輩社員は相談役として、よい点を承認したり、失敗したときの改善策をともに考えたりすることによって、若手社員をサポートします。 やる気を伸ばせる仕事の進め方をする 若手社員を中心に、自分のスキルや能力を伸ばしたい人もいます。 著述家であるダニエル・ピンク氏の著書『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』によると、そのような社員には、やる気をさらに伸ばすような仕事の任せ方と環境が重要だといいます。 自立性 ある程度本人に仕事のやり方を任せること(例:勤務時間の20%を、自分のやりたい仕事にあててもよいという許可を与える等) 熟達性 達成感へとつながる「フロー状態(仕事へ没入している状態)」を作りだすこと(例:上司が月に1回部下と面談し、フロー状態が得られるよう仕事の割り当てを調整する等) 目的意識 報酬や個人的目標だけでなく、社会的貢献につながる意識を持たせること(例:自分の企画した製品を売ることで、途上国への寄付を実現できる等) 外的モチベーションを下げないためにできること 続いて、外的モチベーションを下げない、あるいは維持するポイントを紹介します。 モチベーションには内的なアプローチが重要ですが、外的モチベーションが良好であればあるほど、内的モチベーションが高めやすい状態といえます。 組織作りを見直す 社員のパフォーマンス向上に成功している企業は、「楽しみ」「意義」「可能性」の3つのモチベーションを最大化することに成功しています。 一方で、社員のパフォーマンス向上に失敗している企業は、「感情的圧力」「経済的圧力」「惰性」で社員が動いているのかもしれません。 しかし、社員が自発的に働きたくなる職場づくりは、特定の部署だけでは成し得ません。企業文化の形成としてとらえ、人事からの積極的な働きかけが欠かせないでしょう。 ※なお、モチベーションアップや人材評価については、「知ると便利!後輩指導で使える「コーチングスキル」」や「部下のやる気スイッチをオンにするリーダーの特徴と注意点」も併せててご覧ください。 制度の運用を見直す 高水準の賃金制度の構築や豊富な福利厚生メニューを導入できれば理想的かもしれませんが、そこまで余力がある企業も稀でしょう。 そのようなときに注目したいのが、制度の運用です。 例え評価制度が同じでも、評価結果だけを通知する運用と、評価の根拠や今後の注力ポイントを丁寧にフィードバックする運用では、社員のモチベーションに差が出てきます。 むしろ制度そのものは外的モチベーションに関係しますが、運用を社員の心情に寄り添ったものにすることで、内的モチベーションにも寄与できるでしょう。 社員のモチベーション向上事例 最後に、モチベーション向上に向けた施策を実施している企業の事例を2社紹介します。 サイボウズ株式会社 ソフトウェアの開発・提供企業であるサイボウズでは、「モチベーション創造メソッド」という取り組みを行っています。 サイボウズのモチベーションの定義「理想を実現するためのやる気」を実現するため、グループウェアを活用しているのです。 具体的には、社員が「できること」や「やりたいこと」、会社として「やるべきこと(やってほしいこと・取り組んでほしいこと)」を自由に書き込み、共有できるようになっています。 社員のやりたいことが実現でき、モチベーションのセルフコントロールを促す取り組みといえるでしょう。 参考:サイボウズチームワーク創研 株式会社伊藤園 伊藤園では、もっとも大切な財産は「人」というポリシーに基づき、人材開発や育成に力を注いでいます。 具体的には「伊藤園大学」という社員向けの自己啓発制度があり、学びたい分野の講習を受けることができます。社員個人のスキルアップになることはもちろんのこと、仕事に活用することでモチベーションアップにつながっているそうです。 また、伊藤園では社員が心身ともに健康で生き生きと働けるように、職場環境の整備をはじめとした健康経営も推進しています。 参考:株式会社伊藤園 多様な人財と全員活躍の推進 まとめ 米国の企業文化コンサルタントが、世界各国で2万人以上の社員を対象にアンケート調査を実施し、50社におよぶ企業の分析、数々の研究、文献を精査したところ、「社員のパフォーマンスのよしあしは、その仕事へのモチベーションにより決まる」との結果にいたりました。 内的モチベーションの高い社員が増えることは、生き生きとした職場を作る原動力となります。人事担当者は、そのことを念頭に仕組みづくりに取り組みましょう。 現代の日本は、労働人口の減少による売り手市場で、人材確保が難しくなり、人手不足が深刻な問題となっています。人手不足を補うためには、競争の激しい人材確保だけでなく、既存人材の離職防止や生産性向上も重要な課題となります。 人材の離職防止や生産性向上のためにも、社員のモチベーションマネジメントを行ううえで、ハーズバーグの二要因理論を活用してみてはいかがでしょうか。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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新入社員が育つ環境づくり|意欲を高める3つのコツ

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大卒新入社員の3年目までの離職率は、ここ10年来30%台で推移しています。 約3人に1人は、一人前になる前に離職してしまうことを意味します。 時間と費用をかけたのに新卒社員が離職する要因は何なのか、どうしたら意欲をもって働く環境を作れるのかを本記事ではまとめます。 新入社員はやる気がない? 新卒社員に限ったことではなく、若い世代の特徴として「教えらたれたことをこなす能力は高い」、「真面目で理解力が高い」、「向上心がある」などなどが挙げられています。 一方で、「自主解決能力に欠ける」、「高望みせず、ほどほどで満足する」、「状況に適応する自律性がない」など、複雑でかつスピーディーなビジネスの現場環境で判断力を発揮し、新しい発想をチャンスへとつなげる実践力には乏しいようです。 このような話題になると、「最近の若者は根性が足りない」という諸先輩方の声が聞こえてきそうですが、時代にあわせた新人育成方法を考えることも、人事部にとっては大切な仕事です。 新入社員を育てる環境づくりの現状 産業能率大学が企業の教育担当者を対象にして行なった調査によれば、「中堅社員に求める役割」で第1位に挙げられたのは、「後輩の育成」(72.5%)でした。 しかし、「後輩育成を遂行していますか?」という問いに対し「遂行している」と回答したのはわずか2.9%と極端に実現率が低く、半数以上が「あまり遂行していない」と回答しています。 また、労働政策研究・研修機構による「人材マネジメントのあり方に関する調査」(2014年)では、若手層の人材育成上の課題として「業務が多忙で、育成の時間的余裕がない」「上長等の育成能力や指導意識が不足している」といった回答が多くなっています。 これらの調査結果から考えると、「若手が育たない」と嘆く裏には、「育てられない職場環境」が隠れているということがわかります。 OJTやoff-JTという研修方法を考えるだけでなく、実際に新入社員が配属される現場の指導体制はどうなっているか、指導係は誰なのか、受け入れ体制はできているかも考えていく必要がありそうです。 新入社員の意欲を高める3つのコツ ①職場の一員として認める 新入社員は仕事のことも会社のこともあまり把握できていないため、常に不安を感じています。 まずは、上司や先輩のほうから彼らを仲間として認め、信頼を得るために1on1などのコミュニケーションの場を設けることが重要です。 また、パワハラなどの問題にも上司が気を配らなければなりません。 新人を「新人」として一括りに考えるのではなく、一人ひとりの個人として向き合っていく意識を持つことも重要な要素です。 新入社員に対して高圧的にならず、成長を見守り導くというスタンスを持つべきでしょう。 ②社会人マナーや会社ルールを積極的に共有する 新入社員は不安を抱えながらも、社会人としてのマナーや会社のルールを早く身につけて、会社の戦力として成果を挙げたいと思っています。 既存の社員はその気持ちを理解したうえで指導し、不足している点を補い、成長へと導く姿勢が求められるでしょう。 また、新入社員は既存の社員とは気質が異なるケースがあります。 それを「最近の若者は……」のひとことで片付けてしまうのではなく、いまどきの新入社員に見られる傾向についても理解しておきましょう。 コミュニケーションを密にして世代間のギャップを埋めることが重要です。 ③新入社員のビジネススキル向上を図る 「あいさつ」「言葉づかい」「身だしなみ」「電話対応」など基本的なビジネスマナー研修だけでなく、OJTに対しても現場をサポートしていく必要があります。 教育担当である中堅層に「新人を育てる意識」を持ってもらうよう働きかける、メンター制など「相談できる先輩」がいる環境を整えるなど、自社に適した仕組みを探し、積極的に試していくことが求められています。 また、新入社員教育に適した方法としてeラーニングを実践する企業も多いです。 一体感を持って学習してもらうことでモチベーションを維持し、自発的に目標を設定することや、目標の達成に向けた実践について身につけることが可能です。 新入社員向け研修で検討すべきプログラム まず新入社員に知ってほしいことは「社会人としての常識」や「仕事の基本」と言われるものです。 会社は学校とは違い、仕事をすることで報酬を得る場所なので、社会人・組織人としてふさわしい常識やマナー、コンプライアンス(法令遵守)を最初に身に付けてもらうことが必要です。 1. ビジネスマナー 身だしなみ、挨拶、電話応対、名刺交換などで、身についていて当たり前のマナーです。配属が決まり業務がスタートすると、なかなか研修の機会はありません。取引先への訪問などでは、新入社員であっても会社の顔となるので、まずマナー研修を行いましょう。 2. ホウレンソウ 「ホウレンソウ」と呼ばれる報告・連絡・相談は、社会人の義務として徹底させましょう。とくに「報告」は重要で、慣れないうちは初めからすべて話そうとして、要点がつかめない報告となります。「結論」から話し始めて経過、理由を報告させるよう徹底させることが必要です。 3. コンプライアンス(法令順守) コンプライアンスとは、企業が法律や規制、内部ルール、倫理的な基準に従って適切な行動をとることを指します。 コンプライアンスを学ぶ最大の理由は「やってはいけないことを学ばせるため」です。 <主なコンプライアンス項目> ・法律と規制(労働法、環境法、消費者保護法、競争法、税法など) ・企業内ポリシーと手順 ・個人情報の取り扱い ・情報セキュリティ ・賄賂や贈収賄の禁止 ・インサイダー取引の禁止 すべて覚えることは難しくても、コンプライアンスに関する禁止事項があることを理解し、日々の業務において意識することで、企業の信頼性向上と長期的な成功に繋がります。 4. ITスキル ビジネスシーンではExcel、Word、PowerPointといったオフィスツールが使えることは必須です。 部署によってはExcel、Wordを多用するでしょうし、営業部ではPowerPointを使ったプレゼンテーションができなくては話になりません。 また、メールにもビジネス文書としてのマナーはあります。 件名や文面の書式も大切ですが、最も気にかけなくてはならないことは、「その用件はメールでよいのか」ということと、「宛先は間違えていないか」です。例えば、謝罪をメールで済ませることは社会人としては許されませんし、toとcc、bccの使い分けを知らなければ、インシデント発生の原因にもなります。 基本的なITスキルについては若い世代のほうが慣れていることもありますが、ビジネスにおける使い方は改めて学ぶほうが良いでしょう。 新入社員研修の効果を高める2つのポイント ①現場のニーズを優先する 多くの研修は座学形式で行われますが、配属先で実践しながら学ぶOJTを取り入れるのもよいでしょう。 部署により要求されるスキルは異なりますし、少しでも早く部署に慣れ、チームワークやコミュニケーションの取り方を学んだほうが早く成長することもあります。 現場で学べることには、仕事の指示の受け方、メモの取り方、タイムマネジメント、コスト意識、1日の業務の流れなどがあります。 しかし最も学ばなくてはならないのは、これから働く職場の雰囲気であったり、先輩や上司の仕事ぶりなどの自社の文化です。 帰属意識が高まり組織の一員であることを自覚させ、組織に貢献することで報酬を得ているという認識が強まります。 社会人・組織人としての基本的な常識やマナーを身につけながら、実践で業務を学ぶ。自社に必要・不要な新入社員研修のプログラムを調整することが重要です。 新入社員向けの研修を検討する際は社会人基礎力について理解しておくと参考になります。 ②全社員の意識にも気を配る 新入社員研修=新入社員に対してどのような研修を行うかにフォーカスしてしまいがちですが、全社員が持つ社風も非常に大切です。 「自分の意見が自由に言えない」「社員同士の挨拶や会話がない」「部門長クラスの人間が人材育成に興味がない」という環境では、新入社員のやる気も低下していってしまいます。 社風そのものに問題があると判断した場合は、研修という枠を飛び越えて、全社員の意識を変えるために必要な施策を模索しなければなりません。 新人教育をしっかりと機能させていくためには、会社全体を見渡したうえで本質的な課題を見つけ、解決していくことが大切です。 まとめ|新入社員が育てば会社も成長する 企業にとって、将来を担う人材の確保は、最優先事項の一つです。 人事部には、新入社員を育成できる職場環境づくりのために、地道な継続と積極的推進が求められています。 「新人が育たない」といわれる現代でも、定着率の高い企業はいくつもあります。 そういった企業は何が成功しているのか、自社に足りないものは何なのかを常に考え、一人でも多くの新人を育てることができる環境を作っていきましょう。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 新人教育にも使える厳選コンテンツが1ID 年額999円で見放題になるCloud Campusコンテンツパック100。 ビジネスマナーだけでなく、社会人に必須のビジネス・ITの基礎知識を学べる充実のeラーニングコンテンツが魅力です。 Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする   参考サイト: 新人若手育成のアタリマエを変えよう|人材育成・社員研修のリクルートマネジメントソリューションズ  平成26年版 労働経済の分析 -人材力の最大発揮に向けて-|厚生労働省  第27回(最終回) OJTにおける「課題」とは何か?~新人の成長課題とトレーナーの育成課題<後編>~ | ヒューマンキャピタル Online  新人がイキイキと働くために、人事ができること~誰しもが経験するつまずきを乗り越える方法とは?~ – 『日本の人事部』 恒例の新入社員の特長。2015年は「消せるボールペン型」。その心は?|ブラック企業|【瓦版】  「新入社員意識調査・特徴とタイプ」公益財団法人日本生産性本部) 「新人と中途採用者の研修、教育の方法」ビジネス・ソリューション  

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米国の企業文化コンサルタントが、世界各国で2万人以上の社員を対象にアンケート調査を行い、50社におよぶ企業の分析、数々の研究、文献を精査したところ、「社員のパフォーマンスのよしあしは、その仕事をするモチベーションにより決まる」との結果にいたりました。 しかし、モチベーションにもさまざまな種類があります。どのようなモチベーションが、社員のパフォーマンスを向上させるのでしょうか。 人が動く6つの動機とは? 人が仕事のために動くとき、そこには何らかのモチベーションが存在します。 「仕事が楽しくてしかたがない」「出世したい」「経済的安定がほしい」「上司からのプレッシャー」など、さまざまな動機づけがあるのです。 「内発的動機づけ」の研究において第一人者であるロチェスター大学のエドワード・L.デシ氏とリチャード・フラスト氏(著書『人を伸ばす力-内発と自律のすすめ』)は、1980年代に人が動く動機を6つのカテゴリーに大別しました。 そして、冒頭で触れた企業文化コンサルタントのリンジー・マクレガー氏とニール・ドシ氏は、それらを現代の職場環境に置き換え、人が働く動機には次の6種類があるとしました。 1.楽しみ(Play) 仕事自体が楽しいから働く。楽しみとは、新しいことへの好奇心。楽しみが大きいと、たとえ仕事で難題にぶつかってもチャレンジ精神が刺激される。 2.意義(Purpose) 仕事が生み出す価値に意義を感じる。仕事のアウトプットが社会的貢献につながることに働きがいを感じる。 3.可能性 (Potential) 仕事を頑張ることが自身の向上につながる。仕事で成果を上げることが自らの能力を高めるとの信念に基づく。 4.感情的圧力 (Emotional pressure) 恐怖、同調圧力、恥など、仕事内容とは関係のない外部からの感情的な圧力によって、自分自身が脅かされているために働く。 5.経済的圧力(Economic pressure) 報酬を得るため、または、処罰を逃れるために働く。仕事内容や自己実現とは関係ない外的圧力によるものとなる。 6.惰性 (Inertia) 働く理由がわからず、仕事内容や自発的要素とは無関係な「昨日も働いていたから、今日も働く」という動機づけ。 「楽しみ」「意義」「可能性」を感じないと人は動かない 上記の6つの動機のうち、1~3は仕事に対する個人の自発的な意志や、行動を変えようという意欲が原動力となる内発的モチベーションです。 残る4~6は、仕事内容と結びつかない外的圧力による間接的モチベーションであるため、かえってパフォーマンスを低下させる可能性があります。 なお、新しいリーダーの資質として注目を集める「サーバントリーダシップ」では、部下の主体性を引き出し成長させることでモチベーションを高め、働きがいへとつなげていきます。 内発的モチベーションが高いパフォーマンスをもたらす ハーバード・ビジネススクールのテレサ・アマビール氏による最近の研究では、内発的モチベーションがより高いパフォーマンスをもたらすことを証明しています。 その研究では文章の創作が好きな被験者を集め、ひとつのグループには創作する理由として「自己表現の場」「言葉で遊ぶのが好き」といった「楽しみ」を示すモチベーションを与えました。 そして、もうひとつのグループには「自分の文才で誰かを感心させたい」「ベストセラー作家になって経済的安定が得たい」といった「感情的・経済的圧力」に該当するモチベーションを与えました。 すると、後者の外発的「圧力」によって書いたグループの創造性よりも、前者の「楽しみ」という内発的動機によって書いたグループの創造性のほうが26%高いという結果になりました。 また、別の研究では、ある分析作業を任せた2つのグループのうち、一方に「がんの医療研究に役立つ」との「意義」を与えたところ、もう一方のグループ(「意義」を与えられず、分析結果は破棄されると知らされていた)より報酬額が少なかったにも関わらず、分析により長い時間をかけ、質も後者のグループより高いという結果になりました。 このように、自発的モチベーションがパフォーマンスに好影響を及ぼすことが証明されているのです。 社員のモチベーションが低いときは会社の組織づくりの見直しを 社員のパフォーマンス向上に成功している企業は、「楽しみ」「意義」「可能性」の3つのモチベーションを最大化することに成功しています。 逆に、社員のパフォーマンス向上に失敗している企業は、「感情的圧力」「経済的圧力」「惰性」で社員が動いているのかもしれません。 しかし、社員が自発的に働きたくなる職場づくりは、特定の部署だけでは成し得ません。企業文化の形成として捉え、人事からの積極的な働きかけが欠かせないでしょう。 なお、モチベーションアップや人材評価については、「知っておきたい!初めての後輩指導で使える「コーチングスキル」」や「今さら聞けない「人材アセスメント」を成功させる3つのポイント」もあわせてご覧ください。 こちらの記事も読まれています: 仕事の効率化はコミュニケーションが取りやすい職場から 仕事に集中できる環境作り 参考: How Company Culture Shapes Employee Motivation|Harvard Business Review Record Display|APA PsycNET Breaking Monotony with Meaning:Motivation in Crowdsourcing Markets (PDF) |Cornell University Library  低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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