フィギュアスケートの公認審判員・技術判定員の技術向上に

2023/03/01

公益財団法人 日本スケート連盟

業種
その他
導入主要部署
フィギュアスケート部門
運用チーム
計17名(事務局2名、動画監修講師15名)
ユーザ数
300人〜400人(2022年11月現在)

マニュアルの動画化

教育研修の質向上

研修のeラーニング化

目的
・コロナ禍により対面で実施していた講習会の開催が難しくなったため
・公認審判員・技術判定員の技術向上のため
・20〜80代の世代が簡単に、どんな環境でも受講できるシステムが必要だった
導入の決め手
  • 受講環境 受講環境
  • マルチデバイス・直感的な受講画面 マルチデバイス・直感的な受講画面
  • コンテンツ内製が簡単な制作者機能 コンテンツ内製が簡単な制作者機能
  • 無制限の料金設定 ユーザ登録無制限の料金設定
  • 管理者機能 充実した管理者機能
  • サポート体制 サポート体制
成果
・審判員・判定員の在住地域による知識格差が解消
・各判定技術が以前よりも明らかに向上し、審判員全体のレベルアップに繋がった

導入背景

コロナ禍で対面講習が開催不可に。学習の場をオンラインに移行し、受講者の技術向上をサポート

導入事例

Cloud Campus導入の経緯について教えてください。

阿部様 阿部様

きっかけは、コロナ禍になり、対面で行う講習会の開催が難しくなったことです。公益財団法人日本スケート連盟(以下、JSF)では、フィギュアスケートの公認審判員と技術判定員を育成するために、毎年対面の講習会を開催していました。フィギュアスケートは2年や4年等のペースでルール変更があります。小規模なルール変更に至っては毎年です。講習会では、座学や映像で技の加点や減点部分の説明を講師が行います。

大会前に講習を受講して、新しいルールを学んでおかなければ、審判に差し支えが生じます。また、ライセンス継続のためにも講習の受講が必要なため、コロナ禍であっても学べる環境の整備が必要でした。

Cloud Campusを選ばれた理由を教えて下さい。

阿部様 阿部様

3社のデモ版を使用して比較したのですが、Cloud Campusはコメントを挿入したり、動画を上げたりする作業が簡単だと思いました。JSFでは、パワーポイントと映像の編集は講義用でこれまでも行っていたので、抵抗なく使い始めることができました。
受講者は20〜80代と幅広く、主婦や会社員、定年退職後の方など、生活環境が多様です。視聴環境も、スマートフォン、パソコン、タブレットと人それぞれ異なるため、あらゆるデバイスに対応していることも選択のポイントでした。
また、我々のオンラインセミナーは無料で視聴可能なので、受講者1人あたりの個別課金だと、予算の計算がしづらいんです。その点、Cloud Campusは定額制なので、運営費が計算しやすく、運営側にも都合がよいと感じました。

導入事例

運用

受講者の声もコンテンツに反映。短い動画で「視聴しやすさ」を重視

Cloud Campusで学べるコースを教えて下さい。

阿部様 阿部様

大別すると、公認審判員と技術判定員を対象にした共通科目、公認審判員がシングルとアイスダンスのジャッジを学ぶためのコース、技術判定員がジャンプやスピンなどのレベルを判定するコース、技名を打ち込む「データリプレイオペレーター」について学ぶコース、シングルとアイスダンスの選手が獲得するバッジテストの審判を学ぶためのコースを用意しています。
公認審判員は、競技会と審判団を統括する役割を持つため、主にフィギュアスケートのルールやジャッジに関することを学びます。技術判定員は、ジャンプやスピン、ステップなどの技術的な部分を細かく学習します。
「データ・リプレイオペレーター」のコースでは、技の要素名やレベルを正しく入力するための技術を習得します。選手が級を獲得するために行うバッジテストの判定を学ぶコースでは、各級ごとで異なるジャンプやスピンなどの技の判定基準を学べます。
また、バッジテストとは、選手たちが競技会に出るために到達しなければならないレベルを判定するテストです。動画はバッジテストの技術判定を行う受講生たちの声を受けて制作しました。
全受講生必須の「共通科目」というコースは、セクハラやパワハラなどの倫理に関することや立ち居振る舞い、環境保全の必要性を訴えた「スポーツと環境」などを盛り込んでいます。

動画を制作する際に工夫していることはありますか?

阿部様 阿部様

受講者が視聴しやすいように、動画を細切れにしています。動画にスケートの演技を盛り込むと、短くても2分40秒、長いと4分ほどの長さになるのですが、なるべく短い動画を並べて、その間に動画を分けるためのチャプターを入れています。チャプターが入っていることで、受講者は繰り返し見る時にも戻って復習しやすいようです。
動画制作は、大会の映像を用いて講師が制作しています。例えば、技術判定員のコースでは、実際の演技を動画で流し、技の名前と判定の基準・点数を付け加えています。また、技術判定員の中には「トリプルフリップ・オイラー・トリプルサルコウ」など、ずっと技名を話し続ける役割の人がいるため、どう話せばよいかを教えるためのデモンストレーション動画もあります。

視聴はいつでも可能なのでしょうか。

阿部様 阿部様

毎年9月から翌1月までがフィギュアスケートのシーズンなので、その期間にCloud Campusを視聴するようにしています。期間中であれば、何回でも視聴していただけます。ライセンス所持者は、この期間内に資格コースの必須科目を100%受講しなければライセンスの更新ができません。
また、大会の審判員として入っているのに受講が済んでいない人には、ルールの変更など知っておかなければならないことがあるので、受講管理画面で視聴状況を確認して、事務局から「見てください」とメール連絡を入れています。

運用体制

導入事例
形式
  • スライド同期型 スライド同期型
  • セミナー収録型 セミナー収録型
  • 企画動画 企画動画
  • スライド+音声 スライド+音声
  • スライドのみ スライドのみ
  • テスト テスト
  • アンケート アンケート

成果

反復学習で受講者の技術向上が格段にアップ!判定の復習にも活用

導入事例

Cloud Campus導入後、どのような効果を実感されましたか?

阿部様 阿部様

先日、昇格試験を視察してきたのですが、Cloud Campus導入前よりも判定技術が上がっていると感じました。地方在住の審判員はスケートリンクが近くにないことから、直接パフォーマンスを見て学ぶことが難しいという問題がありました。そうした不利な環境にある人たちでも、Cloud Campusの動画で繰り返し学習を行うことで、確実に技術が向上していると思います。講師からも「Cloud Campusで勉強してきてくれるから、審判員のレベルが上がっている」と評価されています。
また、講義だけではなく試合後のレビューミーティングを行う際にも活用しているようです。「動画を見直して勉強してください」と伝えているそうで、復習にも役立っているようです。

現在は対面講義と、Cloud Campusの両方を活用されていますね。

阿部様 阿部様

対面とeラーニングはそれぞれに利点があります。講義では模擬ジャッジングを行いますが、対面の場合は、受講生のジャッジが誤っていた場合、講師がその場で間違いを正すことができます。そのため、公式戦の審判や判定員に任命されている人や、昇格試験を受ける人には対面講義の受講を義務付けています。
かたや、eラーニングは、空き時間に自分のペースで何回でも見られるというのがメリットです。対面講義の際に自分では「これは3点の演技だった」と思っても、講師は「これは4点です」と判定することがあります。そうしたときに、動画であれば講師と自分の判定の違いを振り返ることができるので、大きなメリットだと思います。

展望

審判員たちの技術の向上と、初心者の予習用にeラーニングを積極活用

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

阿部様 阿部様

コロナ禍が収束に向かいつつある中で「対面講習ができるならば講師とディスカッションをしたい」という受講生たちの声が増えてきました。動画を見ながら直接指導ができる対面セミナーを行うことは必要だと考えています。オンライン授業と対面講習の両方を行えば、より知識を積み重ねられるはずです。今後は復習で多く活用してもらうため、判定に必要な部分である回転やステップなどの実践的なビデオクリップを多く上げていく予定です。
また、受講者の要望に応える動画を制作したいです。これまでも、受講者から「バッジテストの基準が分からない」という意見があると、バッジテストのコースを導入しました。「スピンのビデオクリップがもっと欲しい」「ステップの判定が難しいから、解説動画を作って欲しい」など、受講者の声を反映して制作した動画は何本もあります。今後はより一層、受講者の希望に寄り添いながら、技術の向上につながる動画を中心に制作していきたいです。
さらに、Cloud Campusは初心者向けの学習の場としても大いに活用したいです。講習会への参加前に動画で予習をしてもらうことで、対面学習の時間がより充実したものになると考えています。

導入事例
公益財団法人 日本スケート連盟

公益財団法人 日本スケート連盟

https://www.skatingjapan.or.jp/

1929年に大日本スケート競技連盟として発足。日本におけるスピードスケート、フィギュアスケート、ショートトラックの3競技を統括。スケート競技界を代表する団体として、スケート普及・振興を図る。事業内容は、選手の強化及び選手チームの国際競技会、国際演技会への派遣や、競技会などの開催のほか、国際スケート連盟、公益財団法人日本スポーツ協会及び公益財団法人日本オリンピック委員会が行う事業への協力や、指導者、審判員等の育成及びスケートの普及振興に貢献した個人、団体の表彰など。スケートに必要な事業を多岐に渡り行う。

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