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2024.02.05

コンプライアンス研修とは?ネタ探し方法や効果アップ施策を解説

2024.02.05

コンプライアンス研修とは?ネタ探し方法や効果アップ施策を解説

eラーニング

人事制度・組織づくり

人材教育

近年、企業内の不祥事やハラスメントに関するニュースを見聞きするようになった方も多いのではないでしょうか。 基本的なコンプライアンス研修はすでに実施しているという企業が多いかと思いますが、自社のやり方で十分かどうなのか分からないという声も聞かれます。 そこで今回は、コンプライアンス研修の目的やテーマの選定方法だけでなく、研修の効果を高めるためのポイントについても紹介するので、参考にしていただければ幸いです。 コンプライアンス研修の概要 コンプライアンス研修に関する具体的な企画をする前に、あらためてコンプライアンスの定義や、研修が求められる背景について確認していきます。 コンプライアンスとは 「コンプライアンス(compliance)」とは、直訳すると「法令遵守」です。 企業内でのコンプライアンスは、法令のみならず社会的規範や行動倫理等も含めて遵守することと置き換えられます。 定義を踏まえると、コンプライアンス研修は、自社社員に対して守るべき法令を周知し、コンプライアンス違反によって生じるリスク回避を目的としています。 コンプライアンス研修で扱うネタ・題材は広範囲におよびますが、自社における優先順位を決め、リスクが生じやすいテーマから着手しましょう。 コンプライアンス研修が求められる背景 コンプライアンス研修が実施されるようになったのは、1990年代頃から企業での不祥事が相次いだことが影響しています。 例えば、大手企業による「粉飾決算」や「機密情報の流出」「超過勤務による過労死」等の事件です。 帝国データバンクの調査によると、2022年度にコンプライアンス違反が確認された企業の倒産は過去最多の300件、2年連続で増加しています。 参考:コンプライアンス違反企業の倒産動向調査 企業の不祥事に対する社会的な関心や批判は高まっており、今後ますますコンプライアンス研修の必要性も高まっていくでしょう。 コンプライアンス研修の目的 社会全体としてコンプライアンスの重要性は増していますが、あらためて企業が自主的に研修を実施する意義や目的を確認していきます。 1. 法令・ルールの周知 ビジネスを進めるうえで知っておくべき法令に関して、社員への周知徹底のためコンプライアンス研修を実施します。 具体的には、ビジネスに不可欠な法律の知識や、自社の重要テーマに関する法令等、改めて啓蒙したい内容を取り上げます。自社のリスクに直結しやすいものについては、新たに立法・改正された法律をテーマに選定することも必要でしょう。 例えば、個人情報の取り扱いが不可欠な部門では「個人情報保護法」、購買で下請け取引が頻繁な部門では「下請代金支払遅延等防止法」、知的財産に関わるような開発部門では「知的財産権」等、業務に関するテーマが挙げられます。 全社員に共通して遵守すべき「労働基準法」「安全配慮義務」「インサイダー取引規制」等も取り上げるとよいでしょう。 2. コンプライアンス違反によるリスク回避 コンプライアンス意識が低かったことで起こるリスクを防ぐためにも、研修は必要です。 コンプライアンスに関する不祥事は、時に社員一人ひとりの意識に起因することがあります。 「これくらいの小さなことは、大丈夫だろう」という軽率な行動がきっかけで、コンプライアンス違反を問われれば、世間からの信用失墜につながることもありえます。 信用が失墜するのは早いですが、回復には多くの時間を要するものです。社員にコンプライアンス違反によるリスクを再認識させることも、研修の大きな目的です。 3. 社会生活での基本ルールの共有 社員一人ひとりの動きで事業を推進する企業においては、ルールの徹底もコンプライアンス研修の大きな目的となります。 特に社会人としての経験が浅い社員が多い場合は、コンプライアンスに関する意識が十分ではないかもしれません。就業規則はもちろん、ビジネスマナーや社会人としての常識、SNSの取り扱いや取引先との関わり方等も、研修内容に取り入れたいものです。 円滑に業務を進めるうえでも、社員が共通して守るべきルールの徹底は不可欠といえるでしょう。 コンプライアンス研修の代表的なネタ コンプライアンス研修は業界や職種によりさまざまですが、どこの会社でも共通して理解すべき内容もあります。 本章ではコンプライアンス研修の代表的なネタを5つ紹介します。 1. 各種ハラスメント 現在では「○○ハラスメント」という言葉が広く認知されるようになってきました。 厚生労働省においても、ハラスメントに関してのガイドラインや法規規制を拡充しているため、企業内でもハラスメントへの理解を深める取り組みが求められています。 参考:職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント) 具体的には、「ハラスメント」には以下のような気を付けるべきジャンルがあります。  パワーハラスメント  セクシャルハラスメント  アルコールハラスメント  マタニティハラスメント  スモークハラスメント  ジェンダーハラスメント  モラルハラスメント 研修で取り上げる際には、ハラスメントの加害者や被害者にならないよう、どのようなケースがハラスメントに該当するのかを具体的に示すことが推奨されます。 2. 法規関連 著作権、商標権等 法規周りに関しては、職種を問わず遵守すべき法を社員全体に理解してもらう必要があります。 具体的には、著作権や特許権等の侵害は法律違反であり、企業価値を損なうだけでなく、刑事罰が下るケースもあります。 例えば、企業のSNSやブログで使用する動画や写真、文章等について、知識不足が原因で著作権を侵害してしまうケースがあります。 著作権や意匠権を侵害した場合、莫大な損害賠償金を請求される恐れがあります。悪質と判断されれば、個人に対しても、罰金や懲役等の刑事罰が科されるかもしれません。 3. 情報セキュリティ 情報セキュリティに関しては、昨今のコンプライアンス研修では特に無視できないテーマです。 スマートフォンやインターネットの普及でデジタル化が進む現代では、情報セキュリティに関する内容もコンプライアンス研修で扱う必要があります。 社員が個人のSNSに投稿した場合でも、会社の愚痴や悪評が不特定多数に閲覧されれば、会社の評判を落とします。嘘の書き込みをしたり、悪意を持って他人や会社の評判を貶めたりした場合には、罪に問われるかもしれません。 また、外部からのサイバー攻撃にも注意が必要です。 サイバー攻撃による個人情報の流出事件は、社員による不正や作業の単純ミスが原因で発生することも少なくはありません。 具体的にどのような対策が必要かを研修で広報し、社員の危機意識や正しい言動を促しましょう。 4. 社内手続き・ルール 社内における手続きもコンプライアンス違反につながりやすいため、研修の重点テーマといえます。 特に、経費に関する手続きはすべての社員に関係するものであり、不正を事前に防ぐためにもルールや基準等を明文化して、共有する必要があります。 不正内容によっては刑事罰となる可能性もあり、企業だけでなく社員を守るためにもコンプライアンス研修を通じて教育を施しましょう。 さらに、社内手続きに関しては社内通報の整備も重要です。 社内通報とは、会社内で起こっている問題や不正を社内窓口に通報することです。社内通報が制度化されていれば、大きな問題に発展する前に組織的な適切な対応がとりやすくなります。 5. 働き方改革 近年重要度が増しているコンプライアンス研修のテーマは、働き方改革です。 かつては残業してでも会社に貢献すべきという考え方が主流でしたが、昨今ではワークライフバランスを向上させる潮流があります。 コンプライアンス研修を実施することで、できるだけ定時で帰るよう業務効率を高めたり、タイムマネジメントを行ったりする必要性を強調しましょう。 コンプライアンス研修のネタの収集方法 コンプライアンス研修のネタ探しは、意識的に行う必要があります。急に研修企画が持ち上がっても慌てないよう、ネタの探し方について理解しておきましょう。 1. 同業界での事例収集 抱えるリスクが似ている同業種の事例を集めると、コンプライアンス研修のネタが見つかりやすくなります。 同業種の事例であれば社員にとっても問題やリスクを具体的にイメージしやすく、自社に当てはまる対策を社員自身が考え出す助けにもなります。 自分の状況とコンプライアンス違反が直接結びつきやすいので、社員の学ぶ意欲を喚起することもできるでしょう。 2. 法務部門・弁護士等の専門家に相談 しっかりとコンプライアンス研修を実施したい場合は、法務部門や弁護士等のプロフェッショナルに相談することも一手段です。 法務部は関連法規の改正や最新の法律に通じているため、コンプライアンス研修に含めるべき法律知識へのアドバイスをくれる傾向があります。 自社に法務部がない場合は、弁護士等の専門家に相談するのもよいでしょう。 業界・業種に必要な知識をもとに、実践的な研修を実施できます。具体的なケースでの質問にも、専門的な見地からアドバイスしてもらえるでしょう。 専門家が講師をする場合は、オンラインで研修実施し、後日いつでも再生できるように録画を用意しておく運用も増えています。 3. 書籍やインターネットでの情報収集 できるだけネタ収集のコストを省きたい場合は、書籍やインターネットで情報収集する手段もあります。 昨今ではコンプライアンスに特化した書籍が数多く出版されているため、ネタも収集しやすいでしょう。業種別の事例が掲載されていることも多く、自社にフィットしたコンプライアンスの事例を簡単に見つけられます。 ただし、インターネットで簡易にネタ集めはできるものの、各Webサイトの情報が信頼できるものかどうかを見極めることが重要です。 根拠が曖昧だったり個人的な見解が入っていたりすると、情報の信憑性が揺らぎます。誰が、いつ、どのような根拠で発信した情報なのか確認したうえで、コンプライアンス研修で使用しましょう。 コンプライアンス研修の効果を高めるコツ ネタを集めただけでは、コンプライアンス研修の真の目的は果たせません。 最後に、コンプライアンス研修の効果をより本来的にするためのコツを紹介します。 コツ①継続的に実施する コンプライアンスは社員一人ひとりの意識の問題であり、継続的な実施が重要です。 研修を単発で実施するだけでは、効果は一過性のものに留まりがちになります。定期的、継続的な実施によって、コンプライアンス意識の高い職場風土が醸成されます。 そのためには、社員全員が継続的に受講できる仕組みをつくることも大切です。 例えば、オンラインで研修を実施すれば、社員は場所と時間を選ばず受講できます。また研修という形式でなくても、定期的なミーティングで、管理職がコンプライアンス違反事例を共有し、注意喚起を促すような取り組みも有効です。 朝礼で社訓や社是を唱和したり、クレドや行動規範を読み上げたりするのも、心理的な効果があるとされています。工夫してコンプライアンスの啓発機会をつくるようにしましょう。 コツ②社員の意識に合わせたタイミングで実施する コンプライアンス研修は、社員の関心事に沿ったタイミングで実施することも重要です。 例えば「実際に社内でコンプライアンス違反が発生した」「同業他社がコンプライアンス違反で事件になった」等が、注目が集まるタイミングといえるでしょう。 コンプライアンス違反がニュース等で取り上げられ、社会的に大きな話題となったタイミングで、自社の点検を兼ねて実施すれば、効果的な研修が実施できます。 まとめ コンプライアンスと聞くと「堅苦しい」というイメージを持つ方もいるかもしれません。 しかし、情報が錯綜する昨今のビジネス環境において、企業が健全に発展するためには不可欠なテーマといえるでしょう。 組織のCSR(社会的責任)が注目されている潮流もあり、コンプライアンス研修の重要性は今後も高まることが予想されます。 オンラインでの学習コンテンツ等を有効活用することで、ぜひ社員にも身近なコンプライアンス研修を展開していってください。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 必須のコンプライアンス研修を含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.10.31

社員の主体性を最大限に引き出すための研修設計3つのポイント

2023.10.31

社員の主体性を最大限に引き出すための研修設計3つのポイント

人材教育

eラーニング

人事制度・組織づくり

企業研修が、講師からの一方的な知識やスキルの伝授に終始している企業も少なくないかもしれません。 研修の目的は、仕事で成果を生むことにあります。 しかし、受け身な学習スタイルがメインとなり、インプットした知識をどう活用するかは参加者に委ねているだけという状態では、仕事での活用は期待できません。往々にして「学びっぱなし」「研修効果が見えない」といった結果に終わってしまいがちです。 今回は、社員の主体性を最大限に引き出すための、研修設計のノウハウについてお伝えします。 社員の主体性が求められる背景 昨今のビジネスを取り巻く環境は、VUCAの時代といわれています。 V(Volatility:変動性)、U(Uncertainty:不確実性)、C(Complexity:複雑性)、A(Ambiguity:曖昧性)の頭文字を取った略称です。 このような、先行きが不透明・複雑で将来の予測が見通しにくい時代には、社員一人ひとりが主体的に考え、行動する重要性が増しています。 例えば、新型コロナウイルス感染症の流行は多くの企業では予想不可能だっただけでなく、実際に企業業績にダメージを受けたという企業も少なくはないでしょう。 このような状況下では、トップダウンの意思決定だけですべての事象に対応していくことは現実的ではありません。上層部からの指示を待っているだけでは、指示が社員にいきわたる頃には、また状況が変化しているということも考えられるからです。 先行きが見通せず、前例もない状況下では、社員一人ひとりが主体性を発揮して、新規事業や新しい提供プロセスの考案、これまでとは異なる働き方への挑戦をしていく必要があります。 主体性が高い社員の特長 ビジネス書として広く知られる『7つの習慣』のなかで、スティーブン・R・コヴィー博士は習慣のひとつとして「主体性を発揮する」ことを提唱しています。 ビジネスシーンに限らず、何かのハプニングが起こった際には、自分自身で行動を選択する必要があるでしょう。このように、元来主体性は特別な訓練で取得するのではなく、すべての人間にそれを発揮する能力が備わっているのです。 ただ、ビジネスシーンでは主体性を発揮している社員と、発揮していない社員に分かれてしまっているのが現実です。 ここでは、あらためて主体性が高い社員の特長を紹介していきます。 特長1. 自分の言動に責任を持つ 主体性が高い社員は、自身の言動に責任を持とうとする傾向があります。 物事の判断基準や行動基準が、自分の価値観やポリシーに基づいており、言動の根拠がはっきりしているためです。 その影響で、自身の言動がもたらした結果に対して、他責ではなく自責思考が働きます。 例え望ましい結果が得られなかった場合であっても、自らの責任と考え内省し、今後に向けての対策を考える等、「失敗から学ぶ」姿勢が強い点が特長です。 一方、主体性が低い社員は、他責傾向が強くなります。 起こった事象に対して「上からの指示通りにやっただけ」や「自分が決めたわけではないから」等と、自分の意志の関与を否定するような言動が増えてしまいがちです。 特長2. 何事にも積極的・能動的 主体性が高い社員は、あらゆることに対して能動的に行動します。 詳細な指示を待つのではなく、自らやるべきこと・やれることを探し出そうとする傾向にあります。 また、日頃から問題意識や課題意識を持っているため、変化に対して気付くスピードが早いことも特長です。 主体性が高い社員はビジネスパーソンとしての成長意欲も強いため、自ら社員としての価値を高めようとし、キャリアアップの道を切り拓くこともできます。 一方、主体性が低い社員は、「待ち」の行動が多くなります。 「待ち」姿勢の社員が多い場合、マネジメントからの指示を待っている時間が無駄になるため、当然ビジネス全体のスピード感が損なわれます。 さらに、細かい指示まで求める社員の場合は、マネジメントの負荷も増すでしょう。 特長3. 周囲に働きかける 主体性が高い社員は、上下の社員や横の部門等、周囲に積極的に働きかける傾向があります。 また、分からないことや問題点をそのまま放置することはありません。自ら調べたり対策を考案したりしたうえで、上司や先輩に質問する点も特長です。 一方、主体性が低い社員は、自分の内側に閉じこもる傾向が強くなります。 分からないことがあっても周囲に質問することが少ないため、不明点を抱えたまま仕事を進めてしまいがちです。その結果、仕事のミスを引き起こすリスクも増えてしまいます。 主体性を高める研修のポイント 人材開発分野の第一人者であり、参加者を主体とした研修方法の実践者として世界的に有名なボブ・パイク氏は、脳科学の見地から、人は「与えられた目標」より「自ら立てた目標」の方が頑張れると述べています。 受け身の学習方法よりも、学ぶ側が積極的に参画する方が理解度も知識の定着率も断然高いことが科学的にも証明されています。 研修は参加者の主体性を尊重してデザインすべきとの認識が米国を中心に主流となっています。 例えば、席順、役割分担、課題、発表の順番等の段取りを決めず、参加者に委ねます。 研修の枠組みは提供しますが、細部に関しては参加者自身に決めてもらうことで参加意識を高めます。 参加者が取り組む課題も、ケーススタディ、ロールプレイ、演習問題、ワークショップ等、複数から自主的に選んでもらいます。そうすることで、参加者がより実践に近いシチュエーションを自ら考えて取り組めます。 主体性を高める具体的な研修デザインとは 具体的に、どのような研修デザインが参加者の主体性を引き出せるのでしょうか。主体性を高めるために効果的な、5つのポイントを説明します。 ①答えを用意しない 講義型の研修は無意味なものではありませんが、覚えるべき情報や活用するシーン等、すべてを講師から学ぶだけでは、そこに参加者の主体性はありません。 参加者自らが気づき考えながら学ばない限りは、単なる知識の「伝授」に過ぎず、知識の定着や職場での実践に結びつきにくいのです。 脳科学的見地からすると、提供した情報やノウハウを職場で活用できる具体的なシーンを参加者自身に考えてもらってこそ、現実へとフィードバックしやすくなり「成果」を生むのです。 ②グループ発表でやり取りを増やす 研修においては、参加者の質問が主体性を高めるプロセスとして欠かせません。「質問」は研修の内容を理解、考察し、不明点や新しい側面を発見することなので、参加者がどれだけ知識を吸収したかを測るバロメーターでもあります。 しかし、日本人の「他人の前で変な質問をすると恥ずかしい」というメンタリティが邪魔をして、活発な質疑応答になりにくいケースが多々あります。 その対策としては、グループディスカッションで事前に質問内容をまとめてもらい、それを発表する形式にするとよいでしょう。個々の発言を取りまとめることができるため、一人ずつの質疑応答スタイルよりも多くの質問が寄せられるはずです。 ③ロールプレイングで動きを取り入れる 一方的な講義形式だけでなく、研修参加者にその場で実践させるロールプレイングを取り入れることも、主体性を高めやすいポイントといえます。 例えば、営業のテクニックの情報を講義形式で教えた後に、あるケースを想定して、実践さながらに参加者自ら営業をしてもらうようなカリキュラムを入れる等です。 講義を聞いて分かったつもりになっていても、ロールプレイングではうまくいかないポイントが見つかる可能性もあります。 自らやってみてできない経験をすることで、「なぜうまくできなかったのか」と主体的な問題意識が芽生えることも期待できるでしょう。 ④上司向けにも研修を実施する 社員に主体性を求めるなら、上司にもメンバーの主体性を引き出すような訓練が必要となります。 例えば、「メンバーが話しているのに途中で遮ってしまう」「すぐに正解を教えてしまう」「自分の指示を押し付けてしまう」等は、社員の主体性を引き出せない代表的なNG行動といえます。 そのような場合は、上司向けに部下の主体性を引き出すための研修を実施しましょう。 上司が変化すれば、主体性を発揮する社員の面積の広がりが期待できるため、組織的に前向きな変化が起こりやすくなります。 まとめ 研修の目的は、学んだ知識を実践に活かすことであり、研修そのものは成果に至るまでの通過点です。 研修を形式的なイベントで終わらせるのではなく、職場に戻った参加者の行動を変えるような研修をめざしましょう。 一緒に読まれている記事 ・やりっぱなしダメ!研修の効果測定をしよう ・時間、コスト…社内研修を取り巻く問題とその改善方法 ・社内研修の種類や効果を高めるための実施プロセスとは?

2023.10.24

営業で必須の10スキル!すぐ役立つ3つのスキルアップ方法も伝授

2023.10.24

営業で必須の10スキル!すぐ役立つ3つのスキルアップ方法も伝授

ビジネススキル

顧客が抱える課題を解消するために、自社の製品・サービスを提案しながら売上向上を担う営業職。 営業職に従事しているビジネスパーソンの人数は多いため、営業社員のスキルを底上げできれば、企業業績へのインパクトも大きいでしょう。 ただし「営業スキル」とひと言でまとめても、営業職は日々の顧客コミュニケーションから売上数字の管理まで、幅広いスキルを求められています。 本記事では営業職なら習得すべき必須スキルや、すぐに取り組めるスキルアップの方法を紹介します。 営業職の方はもちろん、営業部署のマネジメントや人事部門の方まで、広く参考にしていただければ幸いです。 いつの時代でも求められる営業スキル7選 営業職に求められるスキルは、扱っている商材特性や時代によってある程度は変化します。一方で、どのような商材でも、またいつの時代でも共通して求められるスキルも存在します。 本章では、営業職であれば汎用的に求められる7つのスキルを紹介します。 1. コミュニケーションスキル 顧客に働きかけて活動する営業職にとって、コミュニケーションスキルは欠かせません。 顧客のみならず、営業職は社内の関係部署とも連携することが多いため、どのような場面でも円滑なコミュニケーションが必須になります。 コミュニケーション能力は、このような営業職特有の関係者連携の土台となってくれるでしょう。 コミュニケーションスキルと聞くと、ついつい「話し上手」「伝え上手」等の説明場面を想像する方も少なくないでしょう。ただし本来のコミュニケーションとは、自分と相手の双方向で意思疎通をすることです。 従って、求められるコミュニケーションスキルは以下の2つで区分する必要があります。 伝達力: 簡潔・具体的かつ説得力を持たせて説明するスキル 傾聴力: 相手の話を親身になって丁寧に聴くスキル 営業職では、相手の話を聞いたうえで、自分の伝えたいことを適切に伝えることが求められます。 コミュニケーションスキルを鍛える際は、2つのスキルをバランスよく高める必要があるでしょう。 2. 課題発見スキル 営業職は顧客が抱える課題に沿った提案をしなければならないため、課題発見力が必要です。 営業活動のなかでは、顧客との会話で得た情報に基づいて課題を発見し、最適な解決策や自社製品がどのように役に立つかをアピールする必要があります。 課題には顕在化したものも含まれますが、特に課題発見スキルが問われるのは、顧客自身も気が付いていない潜在的な課題を見出す場面でしょう。 営業職はそのように顕在・潜在的な課題を発見し、最適な解決策を提案するスキルが問われます。 3. ヒアリングスキル 前述した課題を的確に発見するためにも、営業職にとってヒアリングスキルはとりわけ重要です。 特に潜在的な課題の場合は、単に相手の話を聞いているだけでは、課題を引き出すことができません。 実際に起きている問題や、将来的にありたい姿は何か・困っている人は誰か等、時間軸や対象者を複合的に組み合わせながら、質問を投げかける必要があります。 また、単に質問を投げかけるだけではなく、相手が気持ちよく話せるような配慮も求められます。 これらのヒアリングを通して、顧客自身が気付いていない課題や、顧客にとって納得感が高い課題を洗い出すことができます。 ヒアリングスキルが高いと、質問次第では話のコントロールができるため、商談を有利に進められるメリットもあるでしょう。 4. 行動スキル 積極的に行動を起こし、目標達成に向かって進んでいくことは、営業職にとって不可欠なスキルです。 行動スキルが高い営業職は、顧客に能動的にアプローチし、何度もコミュニケーションを重ねて信頼関係を構築します。 また、行動先は顧客に限らず、社内の関係部署に協力要請をする行動も含まれます。さらに、自分自身で調べて情報収集をするような行動も必要となるでしょう。 5. 交渉スキル 営業職ならではのスキルのひとつが、交渉スキルです。 営業プロセスでは、交渉が必要になる場面が少なくありません。顧客からの要望をすべて聞き入れて受注してしまうと、自社の不利益につながる可能性もあります。 例えば顧客の値引き要望に応えたことで赤字を招いてしまったり、無理な納期を受け入れたことで納品が間に合わなかったりしては、社内に迷惑をかけかねません。 したがって営業職は顧客からの要望と自社の要望をきちんとすり合わせ、お互いが納得できる着地点を交渉する力が求められます。 逆に顧客の要望を多少無理しても受け入れると判断した場合は、上司や社内の部署を説得・交渉するスキルも必要となるでしょう。 6. クロージングスキル 営業職として売上を上げるために重要な局面のひとつが、受注できるかどうかが左右されるクロージング場面です。 クロージングは営業プロセスにおける契約フェーズを指しますが、実際には契約や申し込みを締結するに至るまでのアプローチも含まれます。 顧客の購買意欲が高まってきたとしても、なかなか意思決定に至らない場合もあるでしょう。 そのような場面で、営業が顧客の迷いや不安を解消したり、追加提案をしたりすることで、購買決断の後押しをするのがクロージングスキルです。 クロージングスキルがあれば、見込み商談を契約まで導く確率を上げることができ、売上向上にもつながるでしょう。 7. 人脈形成スキル 営業職は関係者が多岐にわたるため、人的ネットワークを構築する人脈形成スキルも必要です。 人脈形成スキルとは、幅広く他者との関係を築き、周囲から信頼を得る力のことをさします。 このスキルが高い営業職は、顧客・社内の他部署・社外関係者とのつながりを強化でき、長期的なビジネスチャンスを生み出しやすい状態となるのです。 人脈を広げるには、ネットワーキングイベントや業界のコミュニティ、勉強会等に積極的に参加することも有効でしょう。 特にいまの時代に求められる営業スキル3選 前章ではどの時代でも必要となる汎用的なスキルを紹介しましたが、特にいまの時代に求められるスキルもあります。 ここからは、現代のビジネス環境や社会情勢を踏まえたときに、高めておきたいスキルを3つお伝えします。 8. ストレスマネジメントスキル 「ストレス社会」と叫ばれる昨今のビジネス環境では、自分の感情をセルフコントロールするストレスマネジメントスキルはとりわけ重要です。 予測不可能なことが次々と起こる時代といわれる昨今、売上数字を獲得する営業職には、日常的にプレッシャーや大きなストレスが掛かっています。 そのような状態でも冷静さを保ち、健全なメンタルで対処できるストレスマネジメントスキルが、現代社会では求められているのです。 ストレスマネジメントスキルが高い人の特長は、自己認識が強く、自身のストレス反応や限界を理解していること。また、ストレス解消するための自分なりのリラックス方法やコーピング方法を熟知しており、適切な休息やストレス発散活動を取り入れています。 ストレスを自分なりに管理することで、良好な精神状態を保ちながら、安定的に営業を続けられるでしょう。 9. タイムマネジメントスキル 昨今の営業職にとっては、自分の時間も顧客の時間も有効活用するタイムマネジメントスキルが重要です。 タイムマネジメントスキルは、日本語にすると「時間管理能力」となります。 スケジュール管理のみならず、仕事の進め方を工夫して、限られた時間内で生産性を高めるためのスキルといえます。 特に昨今はリモートワークやオンライン営業等、自社・顧客ともに新しい仕事のプロセスが生まれつつあります。 多様化する営業プロセスに対応しつつも、仕事の優先順位を勘案して、時間を有効活用するタイムマネジメントスキルが、今後さらに求められていくでしょう。 10. ITツール活用スキル 現代の営業職では、業務効率化のためにITツールの活用は必須のスキルです。 顧客の興味・関心を特定するためのデータ分析は、営業効果を上げるために年々重要性が増しています。そのため、ITツールを活用できることは、営業成果に直結するといっても過言ではありません。 さらに、高い成果を出すためには活動を振り返るデータ分析のスキルも求められます。 「アプローチ件数」「受注件数」「受注顧客の属性」等の過去のデータをITツールで解析することで、今後の営業戦略の立案にも役立てることができます。 営業スキルアップの方法3選 ここまで営業職に必要なスキルを紹介してきましたが、本章では営業スキルを向上させるための方法を紹介します。 1. 知識をインプットする 営業スキルをアップさせるためには、素地となる知識学習が欠かせません。 基本的な営業スキルの知識がなく、実践のみで学ぶことは、どうしても効率が悪くなってしまいがちです。 そのため、研修・セミナー・書籍等で、営業の基本的なスキルや効果的な営業の進め方をインプットすることが推奨されます。 特に営業経験が浅い方は、実践の前に知識をインプットすることで、成長スピードが高まりやすくなります。 研修やセミナーに参加する時間がない場合でも、オンライン学習コンテンツの活用により、移動時間を使いながら効率的な学びが実現できるでしょう。 2. 学習した内容をアウトプットする 学んだ営業スキルは、実践を通じてアウトプットすることで、より自分ならではのスキルに昇華していきます。 「分かる」と「できる」が異なるように、アウトプットをすると学んだ内容のなかで克服すべき点が明らかになるケースもあります。 その都度、改善点を考えることで、学んだスキルが徐々に定着していき、ゆくゆくは自然に身に付いている状態に近づくでしょう。 3. 結果を振り返り、自己分析を行う 実践した結果の振り返りをすることで、良かった点や改善点を洗い出せるため、さらなる営業スキル向上が狙えます。 商談がうまくいかなかったときであっても、商談後に自分の伝え方や顧客の反応を振り返ると「もっと違う説明をすべきだった」「顧客の発言には、こんな不安が隠れていたのではないか」といった発見があります。 営業職に限らずですが、自らの業務の振り返りや内省をすることで、成長につながりやすくなります。 営業職は常に動いているイメージが強いかもしれませんが、中長期でスキルアップをめざすのであれば、自らの行動と結果の因果を振り返るプロセスは、不可欠といえるでしょう。 まとめ 営業職は、昔から企業の中心となる職種で、今後も需要がなくなることはないでしょう。 ただし、当たり前のように存在する職種だからこそ、営業スキルの基本を知らないまま業務を進めてしまっている方も少なくありません。 日本は成熟市場で、製品・サービスのみで他社と差別化するのは難しいといわれています。だからこそ営業職一人ひとりの工夫が企業成長に寄与するのではないでしょうか。   低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 営業スキルや接客スキルも含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.10.19

調整上手な人がやっている4つのコミュニケーション術

2023.10.19

調整上手な人がやっている4つのコミュニケーション術

人材教育

――部下や後輩が何度も同じミスをして、感情に任せて叱ってしまう。 ――無理な要件と分かっていても仕事を断れず、最終的に相手へ迷惑をかけてしまう。 などのコミュニケ―ションや人間関係の悩みは、さまざまな職場で発生しています。そして、こういった悩みは社員の心的ストレスや疲労の元になったり、モチベーション低下を引き起こしてしまったりします。 これらの悩みの原因は何でしょうか。もしかしたら、上司や部下、その他の同僚、または社外のビジネス相手と「相性が合わない」ということで結論付けてしまっていませんか? 仕事が「できる人」は、どんな人が相手でも円滑にコミュニケーションを取って仕事の調整や指導をしています。そんな人が行っているのがアサーティブコミュニケーションです。 アサーティブコミュニケーションとは? アサーティブ(Assertive)とは、日本語で「自己主張すること」です。 しかし、ここでいう自己主張とは、単に自分の意見だけを押し通すことではありません。自分の意見や要望を適切に伝えて、相手を尊重しながら問題解決にもっていくことです。 まずは、アサーティブでないコミュニケーションも含め、3つに分類して考えてみましょう。 (1)ノン・アサーティブ・コミュニケーション 自分の考えや気持ちを尊重せず、また表現しない(できていない)コミュニケ―ションです。必要以上に相手の要求を受け入れてしまいがちなので、ストレスを抱えてしまう原因になります。また、曖昧な言葉で相手を混乱させてしまうこともあります。 (2)アグレッシブ・コミュニケーション 自分の考えや意見を過剰に優先させてしまうコミュニケーションです。相手の主張を無視したり、時に威嚇的な態度や論理的でない主張をしたりしてしまうため、その場では主張を通すことができても、長期的には周りから近寄りたくない、関わりたくない存在となってしまうことも多々あります。 (3)アサーティブ・コミュニケーション 自分の考えを主張し、相手の考えも尊重することができるコミュニケーションです。お互いの納得と理解のもとに業務を進められるので組織のチームワークを高める土壌を築くことができます。   もちろん目指すべきは、(3)のアサーティブ・コミュニケーションです。 しかし、アサーティブなコミュニケーションを取るには、単に話し方スキルだけではなく、論理的思考力(ロジカルシンキング)のスキルも求められます。 では実際にアサーティブ・コミュニケーションを取るにはどうすればよいのでしょうか? アサーティブコミュニケーション実践|調整上手への道 (1)事実を整理する アサーティブなコミュニケーションを交わすには、状況をきちんと理解し理論的に説明する必要があります。例えば、あなたが急な依頼を受けたとき、相手はあなたの忙しさをきちんと把握していないかもしれません。断らなければならない理由がある場合は、その他にどんなタスクがあるのかプライオリティも含めて説明できるように整理しましょう。 そうすれば「今、忙しいんだから無理!」と無下に突っぱねたり、逆に受けられないのに言い出せず受けてしまったりといった、どちらかが納得できない不本意な結果を防げます。 (2)感情を伝える 状況を整理出来たら、事実を元にそれに対し自分がどう思っているのか伝えます。感情を伝えるといっても、例えば部下のミスに対して「君は社会人失格だ!」などと怒鳴ったり攻撃的な発言をしてしまったりすると、相手が委縮してしまい根本的な原因を話しづらくなってしまいます。 また逆に、部下の感情を気遣いすぎてしまうあまり、具体的な注意をせずに「次はよろしくね。」などの曖昧な言葉で終わらせてしまってもアサーティブとは言えません。きっと部下の成長を阻害してしまうことでしょう。 起こっている事実に対して真剣な表情で「期限を守ってくれなくて残念だ」「先方に迷惑がかかってしまい困る」など、主語を自分にしてどう感じているかを伝えることが大切です。 (3)要求を伝える 事実とそれに対する自分の感情を伝えたら、最後に要求を伝えます。それに対する相手の反応は、必ずしもYES、NOだけとは限りません。お互いが納得できるラインを探るのが、ビジネスの現場でのコミュニケーションとしては適切です。 例えば急な依頼を受けた場合であれば、「では代わりにこの業務の締切を延ばさせていただいてもいいでしょうか?」などと代替案を提示します。部下のミスに対しての注意であれば、「次からはこうしてもらいたい。」「同じミスをしないためにどうすればいいか考えよう。」などと建設的な解決に向かいます。 なお、その際は一方的なコミュニケーションにならないよう、歩み寄る姿勢をもつことが大切です。客観的に自分が反省すべき点があれば「自分も説明不足な点があったね」などと自分の思いをきちんと相手に伝えることも必要です。 (4)振る舞いもアサーティブに コミュニケーションの質は、話す内容だけで決まるものではありません。人間は誰でも、相手の声の高さやスピード、姿勢、表情などを無意識のうちに観察し、コミュニケーションを取っています。 話している内容がアサーティブでも、例えば椅子にふんぞり返ったり、机をコツコツと叩いてイライラを表現したりしては意味がありません。 また、つい感情的に声を荒げてしまったり、逆に無意識のうちに笑ってしまったりしても、やはり相手が本音を話す機会を失ってしまい、最適な解決を妨げてしまいます。話す内容にもよりますが、冷静に堂々と、しっかりとした口調や態度で話しましょう。 話すタイミングも大切です。例えば大勢の前でミスを指摘されれば、なかなか素直に受け入れてもらえないこともあると思います。双方が落ち着いて話せる環境でコミュニケーションをとることが大切です。 アサーティブコミュニケーションの4つのメリット ・職場の活性化 アサーティブなコミュニケーションが浸透すれば、社内の議論で意見が言いやすくなるなど、風通しのよい職場づくりをすることができます。 ・仕事の効率化 お互いにやるべき業務の内容やスケジュールをあいまいにせず、納得したうえで取り組めるので、無駄が発生せず仕事の効率を高められます。 ・コミュニケーションスキルを高める 年齢や性別が違う人同士でも、アサーティブなコミュニケーションを実践すれば円滑に話すことができます。 ・職場のストレスを減らす ノン・アサーティブやアグレッシブなコミュニケーションは、社員がメンタルを病んでしまうリスクが高まり、結果会社の損失ともなります。そういったことを防ぎ、のびのびと働ける環境づくりをすることができます。 まとめ ビジネスでは、複雑な事情や人間関係が絡み合っているので、アサーティブ・コミュニケーションですべてが解決できるわけではありません。ビジネスマンであれば、納得するしないに関わらずこなさなければならない業務もあるでしょう。 しかし、コミュニケーションの心構えとしては、どんな業務でも活用できる汎用的なものだといえます。 ぜひ自分のコミュニケーションのクセを振り返ってみてください。もしノン・アサーティブやアグレッシブに該当するコミュニケーションをしているとしたら、自分の主張を通すうえで損をしているかもしれません。 ずっと染みついたコミュニケーションのクセはなかなか治らないものです。少しずつ訓練を重ね、自分の意見を適切に主張できるビジネスマンを目指しましょう。 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 コミュニケーション全般の汎用的なコンテンツを含む、100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.09.15

eラーニングと集合研修|モチベーションアップに効果的なのはどちらか

2023.09.15

eラーニングと集合研修|モチベーションアップに効果的なのはどちらか

人材教育

eラーニング

企業が、競争力を強化し、成長していくためには、従業員一人ひとりのパフォーマンスを上げる必要があります。そして、従業員が自発的に仕事に従事していけるように、モチベーションを高める働きかけが欠かせません。その施策として、多くの企業で実施しているのが研修活動です。近年では、従来の集合研修に加え、ITを活用したeラーニングを取り入れる企業が増加していますが、果たしてeラーニングは従業員のモチベーションアップに役立つ研修方法なのでしょうか。集合研修と比較しながら、検証してみましょう。 eラーニングと集合研修はどこが違う? まずは、eラーニングと集合研修のメリットとデメリットについて確認しましょう。 eラーニングのメリットのひとつとして挙げられるのは、モバイルデバイスを利用すれば時間や場所の制約を受けることなく学習できる点です。集合研修では、会場の設置、講師の調達といった手間とコスト、参加者のスケジュール調整や移動費など時間と場所の制約が大きく、参加者の人数が増えるほど大きなマンパワーとコストが発生してしまいます。 また、全国展開する企業では、頻繁に集合研修を実施するのが難しいため、あらゆる面でスピード感に欠けてしまいます。その点、eラーニングは全拠点で均一の研修内容を提供可能で、コンテンツを内製すれば業務フローの変更にもスピーディに対応できます。 業務に即した内製コンテンツについては、「Cloud Campus(企業向け)」にて詳しくご覧いただけます。 個人の理解度や目標に沿って、自分のペースで学習ができることも、eラーニングのメリットのひとつです。最近では、脳科学の見地を活用し、学習エンジンが個々の弱点を判別してくれる「アダプティブラーニング」を取り入れたeラーニングも登場しています。 一方、集合研修には、講師やほかの参加者と対面することで、個人学習では得られない臨場感や相互啓発があります。それによって理解度がさらに深まったり、新しい気づきにつながったりすることは、大きなメリットといえるでしょう。 eラーニングのメリット 集合研修のメリット 受講者 ·時間や場所の制約なく、スキマ時間で学習できる·個人のペースで繰り返し学習できる ·理解度を自分で確認しながら、苦手分野を克服できる ·非日常性と臨場感 ·相互啓発ができる ·その場で疑問解決ができる ·その場でフィードバックがもらえる 提供者 ·時間や場所、人数の制約を受けず提供できる ·必要な内容をスピーディに提供できる ·多様なコンテンツを提供できる ·学習の進捗や履歴を把握できる ·効果測定がしやすい ·強制力がある ·一定のカリキュラムを確実に提供できる ·学習者の反応がすぐに確認できる ·一体感や帰属意識の醸成   eラーニングでも集合研修でも発生する「モチベーションの持続」問題にどう対処する? 集合研修は対人学習のため、一見モチベーションアップに高い効果を発揮すると思われますが、内容や進め方によっては受け身の学習となり、学んだ内容が定着しないというケースも多々あるので注意が必要です。 また、研修前の受講者の知識レベルや、研修内容と業務内容の兼ね合いで、受講者によっては研修レベルが低すぎる、もしくは高すぎるということにもなりかねません。そうなると、せっかく時間を割いたのに期待した効果が得られず、かえって受講者のモチベーションを下げてしまう可能性があります。 こうした問題の解決には、eラーニングと組み合わせたブレンディッド・ラーニングが効果的です。例えば、研修後にeラーニングでテストや繰り返して学習できる機会を提供する、研修前に受講者にeラーニングで事前学習してもらい知識レベルを高めておくといった解決方法があるでしょう。 ブレンディッド・ラーニングの詳細は、「ブレンディッド・ラーニングでスムーズな人材育成を!」でもお読みいただけます。 eラーニングだけでの研修は個人学習となるため、受講者のモチベーションを維持することが難しくなることがあります。特に、提供者が受講者にコンテンツを丸投げするだけの運用方法だと危険です。そうならないためにも、受講者の質問を受け付ける窓口の設置、テストの実施、褒賞の用意、受講者同士が交流できるSNSの提供など、常に受講者に寄り添うサポート体制を整えることが重要です。 ブレンディッド・ラーニングで高い学習効果を狙おう eラーニングと集合研修には、それぞれに長短所があります。業務内容や目的に合わせて使い分け、お互いを補完させるブレンディッド・ラーニングを実施することで、より高い学習効果を目指してみてはいかがでしょうか。 なお、弊社では「eラーニングコンテンツ」を多数取り扱っております。お手軽に学んでいただくことがでるので、ぜひご活用ください。 こちらの記事も読まれています: 新入社員にもベテラン社員にも社員研修が必要な理由 参考:  eラーニングの活用事例|日本の人事部   eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】

2023.08.29

社内研修の種類や効果を高めるプロセスを一挙まとめ

2023.08.29

社内研修の種類や効果を高めるプロセスを一挙まとめ

人材教育

eラーニング

社員研修は、企業の業績を向上させるうえで必要不可欠な社員教育です。 人材採用難が続く昨今では、現社員の生産性をあげるために、企業主導で行う積極的な人材育成の重要性が増しているといえるでしょう。その一環としての社員研修も、さまざまなカリキュラムを試行錯誤していく必要があります。 今回は、社員研修の種類や手法をお伝えし、さらに基本的な研修実施のプロセスまで紹介します。 企業が社員研修に取り組むべき理由と実施形態 企業の保有資産といわれる「ヒト・モノ・カネ・情報」のなかでも、「ヒト」はとりわけ重要な資産といえます。 企業にとって大事な資産である社員(ヒト)の成長を促すことは、企業の成長にもつながります。そのため、社員個々人の成長を促す手段のひとつである社員研修に取り組むことは、事業成長や企業の業績向上のために、重要な役割を担っているのです。 昨今は経済産業省が提唱する「人的資本経営」の潮流を受けて、多くの企業がよりいっそう社員研修に積極的に取り組んでいるといえるでしょう。 社員研修には「社外研修」「社内研修」の実施形式があります。ここからは、社外研修と社内研修の違いについて簡単に言及します。 社外研修 社外研修は、外部の研修提供サービスを利用して、自社の社員に研修を受講してもらう形式です。 社外研修のメリットは社内での研修準備の作業が短縮でき、幅広いカリキュラムのなかから育成目的に適した内容を選択できる点です。 社内に外部講師を招いたり、社外会場に社員が足を運んだりすることで、新鮮な気持ちで取り組めるのも、社外研修のメリットといえます。 しかし社内研修と比べると、研修実施コストが増えてしまう点や、社内の事情を踏まえた研修を実施しにくい点がデメリットでしょう。 社内研修 社内研修は、人事部門やマネジメント層等、社内の人間が講師を担い、社員に向けて実施される形式です。 自社で育成したいスキルや社員の特性を踏まえて、フィット感の高い研修設計ができる点がメリットです。研修講師や資料の準備作業は発生するものの、外部への支払いコストが発生しない点も社内研修の利点といえます。 本記事では、社内研修形式で社員研修を実施するケースを想定して説明を進めていきます。 階層別社員研修の種類 階層別社員研修は、「新入社員」「管理職」等、社員の役割や階層別に実施する研修です。 ここからは一般的な4つの階層別研修を説明していきます。 内定者向け研修 内定者研修とは、企業が内定者に対して行う研修のことです。 昨今は若手の労働力不足から、新卒採用で入社する社員は特に貴重な戦力と見なします。 そのため、内定辞退防止のフォローや、入社後の早期立ち上がりを目的とし、内定者研修を実施する企業も増えています。 研修内容は、自社理解や内定者の相互理解等が代表的なものです。 新入社員向け研修 新入社員研修とは、入社してきた新入社員に対して行う研修のことです。 新卒採用の場合は、学生から社会人としてのマインドへの切り替えや、社会人に必要なビジネスマナーや基礎スキルを身に付ける目的があります。 中途採用の場合は、自社の社内ルールや業務プロセス等をレクチャーし、少しでも早く、スムーズに自社業務を推進できるよう支援します。 代表的な研修内容としては、マナー研修、ビジネス文書研修、メンタルヘルス研修、ロジカルシンキング研修、チームワーク研修、コミュニケーション研修等があります。 若手・中堅層向け研修 若手・中堅社員向け研修とは、若手から幅広い年齢層の中堅社員に対して行う研修です。 若手層に向けては、いち早く会社の戦力としての自主性を促す目的や、早期離職防止のためのフォロー等の目的があります。 中堅社員は年齢層が幅広いため、研修実施の目的は多岐にわたるでしょう。 次世代リーダー向け研修、中途入社社員向け研修、リーダーシップ研修、キャリアデザイン研修、女性リーダー育成研修、チームビルディング研修等、企業の未来を担う人材に育てるための研修内容がメインになります。 管理職向け社員研修 管理職研修とは、収益確保と社会的責任の遂行を両立させるために、管理職に必要なマインドとスキルの習得を目的とした社員研修です。 内容は、組織づくり研修、マーケティング研修、コストダウン研修、業務フロー改善研修、役員養成研修、人材育成研修、採用研修、BCP研修、BCM研修等があります。 社員研修の代表的な手法 ここからは、社員研修の代表的な手法を取り上げます。どの手法が会社にとって最適かはそれぞれ異なるため、ぜひ自社の状況を思い浮かべながらご一読ください。 OJT OJT(職場内研修)の目的は、上司や先輩が指導者として付き添いながら、現場業務を通してメンバーの能力開発をする手法です。 OJTは、多くの企業で広く行われています。現場で活躍できる即戦力メンバーを育てるには、効率的な施策といえるでしょう。 しかし、社内のサポート体制に不備があったり、部下の自発学習に任せっきりの状況に陥ったりすると、OJTの意義が損なわれてしまいます。 OJTのメリット ・業務に直結した指導ができ、効率的 ・実施コストが低くすむ ・個人指導のため、部下の能力に応じて行える ・日常業務が指導の場となり、継続した育成ができる ・教える側も指導者としての実力が鍛えられる OJTのデメリット ・体系的、理論的内容の取得には不向き ・企業のサポート体制、指導者の質により結果が左右される OFF-JT OFF-JT(職場外研修)とは、日常業務内では獲得しにくい知識やスキルの習得を目的とし、職場を離れて行う研修のことです。 これまでのOFF-JTは、新人、中堅層、管理層と階層別に用意されるものでしたが、経営環境が目まぐるしく変わる現在では、臨機応変な能力開発、スキルアップの場の提供が必須となっています。 そのため、個人のキャリアプランに照らし合わせたさまざまな研修(課題別研修、職種別研修、ビジネス・ナレッジ研修、自己選択型研修、選抜型研修等)を準備する動きが見られます。 OFF-JTのメリット ・日常業務では得られないスキル、能力、技術が身に付けられる ・職場外での環境で新たな視点が得られる ・業務外の人との接触で、人脈、ネットワークの拡大が期待できる OFF-JTのデメリット ・時間と費用がかかる ・実践にはつながりにくい 座学・ワークショップ・eラーニング 研修の形式には、受講者が聴講するスタイルをとる「座学」、講師の誘導の下、受講者が対話し体験を共有する対話型研修「ワークショップ」、社員がパソコンや携帯電話等の端末を通して受講する非対話型の「eラーニング」があります。 座学 講義スタイルを取るため、学べる情報量が多く、コストや運営面でのメリットがあります。ただ、受動的な学習法のため、受講者により理解度や習得度に差が出てくることは避けられません。 ワークショップ 講師がファシリテーター(促進役)となり、受講者と共同作業をする形式です。お互いの対話で進めていく内容のため、受講者全員の能動的で自主的な参加が求められます。 社員間のコミュニケーションを深め、自分で考える自律型人材を育てられるメリットがあり、昨今では導入が増えている研修形式です。ただし、習得内容がピンポイント的であること、運営や進行がコントロールしにくいマイナス面もあります。 eラーニング 場所や時間を選ばず、自分のペースで進められるeラーニングは、IT世代である若い社員にもなじみやすいこともあり、注目を集めています。 受講準備のためのコストが削減できたり、社内のニーズに合わせた独自の内容が作成できたりするメリットがあります。その反面、通信環境をどれだけ積極的に整えられるか、自主学習をどれだけコントロールできるかが、これからの課題といえます。 社員研修の実施プロセス 社員研修を実施する際の、事前準備から実施後の振り返りまでの代表的なプロセスを紹介します。 現状課題の分析 現状課題の分析では、対象社員はどのような状況に置かれているのか、どのような力を身に付けるべきなのかについて、把握・分析します。 現場が見えにくく分析が難しい場合は、対象社員に直接アンケートを取るのもひとつの方法です。 例えば若手社員を対象とした研修なら、「現状、ぶつかっている壁や障害はないか」「今後、必要となりそうなスキルは何か」等、不安や求めているスキルについて、意見収集してみるのもお勧めです。 研修目的・時期の設定 現状の分析が終わったら、研修の目的をあらためて言語化したうえで、時期や実施後のゴールを決定します。 研修時期は対象社員や研修内容によりますが、社員が積極的に参加できるよう、業務に支障をきたさない日程の設定がポイントです。 実施後のゴールとは、「研修終了後、社員がどのような状態になってほしいか」を設定することです。 例えば「リーダーとしての自覚が芽生え、自信を持って後輩に指示が出せる状態」等、具体的な状態を思い浮かべましょう。 研修準備・実施 社内研修を行う場合は、原則として社内のリソースを活用します。そのため、準備としては、運営スタッフ、資料作成スタッフ、さらに社内講師をアサインする必要があります。 研修実施日までに準備を滞りなく済ませたら、いよいよ研修の実施です。 研修当日は、はじめに研修の目的と内容、習得が期待される知識やスキルを参加者に再度説明してからスタートしましょう。 研修実施後には、参加者にアンケートを実施し、研修の満足度や目的に照らした到達度等を確認することもお勧めです。 振り返り 研修を終了したら、研修結果を評価して振り返りを行います。 研修企画者の実感だけではなく、前述した研修参加者アンケートや、業務での研修内容の活用度合い等、広い視点で振り返りを行うことがポイントです。 場合によっては、後日のレポート提出や習熟度テスト、研修参加者の上司との面談等も振り返りに効果があります。 振り返りを行うことは社員のスキル管理だけではなく、今後の研修企画の観点でも役立つでしょう。 まとめ 今回紹介したように、社員向け研修を社内で実施するには、さまざまな方法があります。 効果的な社員研修を行うポイントは、「自社の現在地と目的に合った研修を企画する」ことです。自社がめざすゴールと現在地のギャップをしっかりと把握し、強化すべきポイントはどこなのか、しっかり把握したうえで研修のテーマを決めましょう。 また、近年は効果と効率を高めるためにeラーニングを社員研修に取り入れる企業が増えています。社員教育にもスピード感が求められる今、場所も時間も選ばないeラーニングの導入を検討してみてはいかがでしょうか? 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コース・1500本以上の厳選動画をラインナップ。コース一覧詳細は無料でこちらからご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

2023.08.04

いまどきの新入社員に効果的な教育とは?注意点や基本のステップを解説

2023.08.04

いまどきの新入社員に効果的な教育とは?注意点や基本のステップを解説

人材教育

人事制度・組織づくり

「いまどきの若者の考え方は、自分たちの時代とは違う」「新入社員が何を考えているのか分からず、コミュニケーションがかみ合わない・・・・・・」 このようなセリフは、実はいつの時代でも聞かれるものです。ジェネレーションギャップが生じるのは、ある意味当たり前のことで、そのギャップを埋めたり味わったりしながら、新入社員は職場のメンバーとして馴染んでいくのです。 ただし、「どうせ話が合わないから」とさじを投げてしまうと、新入社員は孤独を感じ、ややもすると早期退職につながるリスクもあります。 会社の未来を担うこととなる新人を指導する中堅社員、経営層は、その職場内の世代ギャップを埋める必要があります。そのコツやヒントを、今回はお伝えしましょう。 いまどきの新入社員の世界観とは? 新社会人として入社する20代の若者は、「ゆとり世代」「Z世代」「デジタルネイティブ」等とさまざまな呼称があります。 いずれにしても、会社の40代や50代の社員とはかなり異なった環境で育っていることになります。 この世代の新入社員を育てるには、まず彼・彼女らがどのような世界観を持っているかを知らなくてはいけません。以下に、ゆとり世代やZ世代における5つの意識の特徴を挙げてみます。 特徴①成果に消極的 ゆとり世代の特徴としては、成果や成功に対してガツガツすることなく、スマートにものごとを進めたがる傾向があります。 コツコツと努力を積んで成し遂げることや、すぐに結果の出ないものに対しては消極的です。 そこまで努力をせずとも、楽をして成果を上げることを当たり前と思う傾向も強いため、いきなり「努力と根性」のような精神論を投げつけることは、避けた方が無難でしょう。 特徴②自主的な行動が苦手 この世代は「指示待ち世代」等といわれることも多く、自主的な行動が苦手な傾向があります。 言われたことはできるものの、指示がないと自分から積極的に動こうとしません。また、自主的な判断で行動することに慣れていません。 仮に業務で分からないことがあっても、自主的に先輩や上司に質問することを遠慮する可能性もあります。従って、最初はこまめに「何か困っていることはない?」と周囲が声がけをすることも必要でしょう。 特徴③小さなコミュニティに閉じがち SNSの世界では多くの人とつながっているものの、リアルな人とのつながりは小さく保つのも、ゆとり世代の特徴です。 仕事や会社はいくらでも変化する不安定なものとして、どちらかというと懐疑的な考えを持っています。それより、家族や友人との時間や自分のプライベートを大事にしています。 「ワーク・ライフ・バランス」も重視する傾向があるため、仕事だけでなく私生活も含めて望ましいキャリアプランを描きたがる特徴もあるでしょう。 特徴④自己研鑽に前向き 仕事での泥臭い努力には消極的ですが、とかく自分のこととなるとやる気がわくのもゆとり世代の特徴です。 不況の時代しか知らないこの世代は、会社に頼ることをせず、何が起きてもよいように自分磨きをすることが賢い生き方だと悟っています。 キャリアアップや転職を前提としたスキルアップに専念し、自分の成長にプラスにならないと判断するとやる気を失います。 特徴⑤失敗や否定を避けがち ゆとり教育によって、人格形成期に肯定され続けてきた彼・彼女らは、叱咤や否定の言葉に極度に免疫がない傾向があります。 過度に叱られると、萎縮してしまい、ややもすると自分の殻に閉じこもりがちになります。また失敗をすることに慣れていないため、失敗に恐れや羞恥心を感じ、それがチャレンジへのブレーキとなっている可能性があります。 会社ではいきなり大きな課題や目標を与えるのではなく、小さな階段を登らせながら「褒める」「叱る」等の経験を積ませることが望ましいでしょう。 「ゆとり世代」社員の効果的な教育法と注意点 育った時代や環境が違えば、価値観が異なることは必然です。 若い世代を指導する前にすべきことは、「彼らは自分と違う目で世界を見ている」「ギャップはあって当たり前」というマインドセットです。さらに、人材育成の場では、次のようなポイントを押さえましょう。 業務の目的と意義を説明し、自分の役割や立場を自覚させる 「それぞれの業務が企業活動全体でどういう意味を持つか」「なぜこの指示に従うことが必要なのか」等、ひとつずつ目的と意義を説明することが大切です。 こうすることで、自分の役割と立場が分かり、将来像が描けるようになるため、試練に直面しても踏ん張れば成果や目標達成につながることをおのずと理解できるようになります。 また、自分も業績に貢献できる一員であるとの自覚も生まれます。例えば、明確な目標を立て、その達成時期等をスキルマップ化し、チャレンジしやすくすることも効果的でしょう。 「褒める」「考察する」のフィードバックを行う 戦力の土台となるチームの団結力や上司、部下としての信頼関係を築くためには、新入社員が学ぶ過程に付き添っていくことが大事です。 メンター制度の採用や定期的な個人面談の設置を利用して、仕事を達成できた理由を見つけて褒める、できなかった理由を考察して次回へつなげる等、フィードバックを一緒に行うことで自主性を育んでいきます。 先輩社員に伴走してもらいながら成長する経験を積めれば、次に入社する自分の後輩にも同じ指導ができることも期待できるでしょう。 叱るときは客観的な理由を説明する ゆとり世代に対して頭ごなしに怒鳴りつけるやり方は、学ぶ機会とやる気を奪うばかりで逆効果です。 その失敗を指摘しないとなぜ業務に支障をきたすか、何がいけなかったのか客観的な説明が必要です。 また、一方的に理由を押しつけることも避けましょう。 何か叱らなくてはならないことがあった際には、まず本人に「何がまずかったと思う?」や「このことがどんな影響をおよぼすと思う?」と、問いを投げかけてください。 本人に考えさせ、答え合わせをするサイクルを回していくと、新入社員本人の課題発見力や内省する力が鍛えやすくなるでしょう。 新入社員を教育する基本の6ステップ 新入社員に教育を施す際の、汎用性がある6つのステップを紹介します。 適宜、自社でアレンジしながら活用していただければと思います。 1. 業務の背景や必要性の説明 いきなり業務内容の詳細を説明する前に、その仕事が何のために必要なのかを示しましょう。 その業務が必要な理由や背景を理解していないまま取り組み始めると、ただ目の前の作業をこなすだけになってしまうからです。 その仕事の必要性がきちんと自分の頭で理解できれば、新入社員の本人のモチベーションも高めやすくなります。 2. 業務内容の説明 次に、業務内容の詳細を説明します。 業務内容を説明するときは、基本的な方法や手順と同時に、注意点も伝えましょう。 先輩社員にとっては当たり前に思えることも、新入社員は知らない、分からない可能性があります。 そのため、説明は具体的であればあるほど望ましいでしょう。レクチャーの要所要所で、本人の理解度を確かめつつ説明をする方法もお勧めです。 3. ロールプレイ・実演 業務内容を理解したら、実際に実演を見せましょう。 言葉やテキストで仕事内容を説明するだけでは、どうしても立体的に理解しにくい部分もあります。 そのため、全体像を説明したあとは、実際に動きながら仕事をやってみせることも重要です。 実演を見れば、説明で聞いた内容の理解もさらに促進されるため、新入社員はよりリアルに仕事内容をイメージしやすくなります。 4. 実際の業務経験 説明や実演が済んだら、いよいよ新入社員に実際に仕事を経験させましょう。 この段階では、全ての行程・プロセスを新入社員の力だけでやり遂げさせることが大切です。まったく異なる方向に向かっている場合だけ指示やヒントを出し、軌道修正を促しましょう。 つい口をはさみたくなる場面も出てくるかもしれませんが、まずは見守りながら、本人が自らの考えで完遂させることが重要です。 5. 評価とフィードバック ひととおりの仕事のサイクルを経験させたら、その様子を踏まえて、フィードバックを行います。 フィードバックの際は、客観的な事実を基にしながら、具体的なポイントを本人に伝えるようにしましょう。 よかった点はしっかり褒め、新入社員のモチベーションを高める配慮も必要です。逆に改善点があるときも明確に示して、次の改善を促してください。 6. 復習 丁寧に指導したとしても、一度の教育で新入社員はすべてを完璧に覚えられるわけではありません。 教育が一段落したら、復習する時間をつくり、記憶に定着させる必要があります。本人に繰り返して学ぶ習慣がない場合もあるため、指導側から意識的に復習するタイミングを設けることが大事です。 ここで新入社員から質問が出たら、しっかり回答して疑問解消をさせるようにしましょう。 7. フォローアップ研修 約72%の企業がフォローアップ研修を実施しており、その重要性が定着しているようです。実施時期として最も多いのは入社半年後で、次は1年後です。 フォローアップ研修は、教育の効果を確認するとともに、入社前の期待と現実のギャップを埋める、仕事上の不安や悩みを解消する、現状を確認して次のステップへつなげるといった、大切な意味を持っています。 企業によってはメンターを設けることもあり、早期の離職を防止する効果も期待できます。 新入社員教育をスムーズに進める3つのコツ 最後に、新入社員教育をスムーズに進めるための工夫・コツをお伝えします。 1. マニュアルを準備する 新入社員に教えたい内容は、マニュアルとしてまとめることが推奨されます。 マニュアルを新入社員に渡すことで、本人は自信がない部分を何度でも振り返り・復習が可能になります。マニュアルを基に学べるため、先輩社員に質問する回数を減らせることにもつながります。 また作成したマニュアルを指導側で共有することで、誰でも均一な新入社員教育が可能になるでしょう。 2. 席のレイアウトに気を配る 入社後一定の期間は、指導社員は新入社員とコミュニケーションを取りやすい席の配置にすると効果的です。 ゆとり世代の新入社員は、質問に気後れをする可能性もあるため、なるべく声をかけやすいレイアウトを心がけてください。 場合によっては、新入社員が教育係以外ともやり取りできる配置にすれば、教育係に負担が集中することを防止できます。 3. 教育担当にも育成・研修を実施する 最近は「OJTリーダー研修」に代表されるように、新入社員の教育担当にも研修を実施することもあります。 他者に指導するためには、自分ひとりで業務に取り組むときとは異なるスキルが必要になります。 指導力を向上させるための教育を受ければ、教育担当も自信を持って新入社員教育に取り組めるようになるはずです。 汎用的な指導力を身に付けることができれば、いつか部下を持ったときにも役に立つでしょう。 まとめ 世代間ギャップに直面すると、「最近の若者は……」といった話に陥りがちですが、現状を改善するには、じっくり、ゆっくりと長期スパンで育てていく姿勢が大切です。 多くの会社では、こうした世代間の問題は個人的な人間関係と見なされ、組織的な取り組みが行われることが少ないのが現状でしょう。 しかし、こうしたコミュニケーション問題は、業務の滞りやモチベーションの低下、離職等を招き、会社にとって不利益なことばかりです。 コミュニケーションスキルや心理学について学ぶ研修を提供する等、世代同士が学びあえる機会を設けてみることも一考でしょう。

2023.08.02

ユニークな企業制度|社員の仕事効率アップ事例

2023.08.02

ユニークな企業制度|社員の仕事効率アップ事例

人材教育

人事制度・組織づくり

上司から押しつけられたルールやいつもお決まりのイベントでは、社員のモチベーションも仕事効率もなかなか上がらないもの。そんなときは、ちょっと視点を変えた制度を導入してみてはいかがでしょうか。今回は、ユニークな労働スタイルや特別給与制度を実施している企業の例をご紹介しましょう。 「サイコロで決める給与」や「お昼寝公認」!?ユニークな制度の事例 ユニークな制度を用意しているのは、ベンチャーから大手企業までと会社の規模は問いません。他の企業にはない個性的な制度で独自の会社づくりをしているようです。 「サイコロ給」面白法人カヤック ウェブ制作会社のカヤックは、さまざまなユニークな制度が実施されていることで有名です。そのひとつは、サイコロで決める給与制度「サイコロ給」です。毎月、給料日前になると社員はサイコロを振り、出た目を「%」として月給に加算することになっています。 「ろくじろう(六時間労働性)」スタートトゥデイ株式会社 アパレルサイトのZOZOTOWNを運営するベンチャー企業のスタートトゥデイには、1日6時間労働の「ろくじろう」という制度があります。一見、毎日早く帰れるゆるく楽な労働スタイルに聞こえますが、真意は、仕事の目標をしっかり定量化し、効率を上げようということ。労働時間を6時間で区切ってみると、「今まで8時間かかっていた仕事も、6時間で終わらせるぞ」という定量的目標立てがしやすくなる、自分の仕事の仕方を再考する、といったポジティブ効果につながるのです。 「社内ジャンボ宝くじ」日本食研ホールディングス株式会社 食品・調味料製造会社の日本食研では、本社に「社内結婚神社」があることや、宮殿風の豪華な工場を建設していることも有名ですが、社内結婚カップルに特別手当を支給したり、部下が配属先を決める「吠える人事制度」などユニークな制度の実施でも知られています。そのなかでも目玉のひとつは、「社内ジャンボ宝くじ」。会社が年1500万円もの予算をさいて、1等100万円の賞金を出しています。常に「社員が主役」を念頭に置き、自律的マインドを育てるという社長の考え方が、これらのユニークな制度の出発点のようです。 「20%ルール」グーグル株式会社 検索エンジン、インターネット関連サービス大手のグーグルでは、エンジニアが「勤務時間の20%を自分の業務以外の好きなプロジェクトに使える」という「20%ルール」を設けています。Googleマップ、Googleサジェスト、Googleニュースはこのルールから生まれたそうです。しかし、グーグル会長のエリック・シュミット氏は、最大の成果は、こういった新プロダクトではなく、この時間から社員が得る心理学的、または経験学的経験だと言います。それは、創造性や革新性が育つ場であり、自ら立ち上げるプロジェクトの過程で学ぶトライ&エラーや同僚との交流経験でもあるのです。 「パワーナップ制度」株式会社OKUTA ランチ終了後に仕事に戻るも、抗しきれない睡魔が襲う……という状況は、誰でも経験があるでしょう。それならばいっそのことお昼寝を公認しましょうというのが、住宅リフォーム会社のOKUTAの「パワーナップ制度(お昼寝制度)」です。パワーナップとは、米コーネル大学社会心理学者ジェームズ・マース博士による造語で、15分から30分程度の短い仮眠で、最大の睡眠効果をもたらす睡眠法といわれています。OKUTAでは、眠いままで仕事をしても非効率的ということから、眠くなったタイミングでパワーナップを取ることが許可されています。 ユニークな制度が会社を活性化! いかがでしたか? こうした会社独自のユニークな発想は、会社の個性とも言えます。社員のためのより良い会社づくりには、こうでなければならないというマニュアルはありません。ただ実益を追求する目的ではなく、ときには遊び感覚を取り入れ、自由な発想で職場を楽しくしていこうという企業理念も感じられます。社員は、こうした職場の空気を感じ取ります。その結果として、社内の結束を高める効果が生まれたり、仕事意欲が高まったりすることにつながっていくものなのです。 参考サイト: これはすごい!素敵すぎるイケてるベンチャーのユニーク制度10選 アイミツ 日本食研はなぜ「社内ジャンボ宝くじ」で社員に100万円を渡すのか? アゴラ Googleの「20%ルール」に学べ! 仕事の効率が上がる “心にゆとりを持つ” ということ。  

2023.07.28

社員研修のよくある失敗事例と成功させる3つのカギ

2023.07.28

社員研修のよくある失敗事例と成功させる3つのカギ

人材教育

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人事制度・組織づくり

社員研修の失敗事例は成功のもと ビジネスを取り巻く環境が激しく変化している現代で、自社が設定した成果に貢献する人材を効果的に育成することは、どの企業にとっても最も大きな課題であるというのは過言ではないと思います。しかしながら、本当に効果・効率の観点で研修を成功させている企業はひと握りのようです。 では、どのような研修が成功しているのでしょうか? “失敗は成功のもと”という昔から伝わる言葉もあるので、“よくある失敗のパターン”を探ることで「成功する研修のヒントが得られるのでは!?」と思い、さっそく調べることにしました。今回は、人材育成の担当者が知っておくべき研修の失敗パターンから、研修を成功させるカギについて考えていきたいと思います。 社員研修のよくある失敗パターンとは? さまざまな企業で実践されている研修の失敗パターンを調べていくと、以下3つの理由がよく挙げられていることに気づきました。 目的が不明瞭である そもそも、なぜその研修をやる必要があるのか、やることでどのようなメリットがあるのか等の目的を明確に定め、しっかり社員(受講者)に伝えなければ「やらされ感」は強くなってしまいます。また、義務感だけになってしまうと、せっかく事前準備して提供した知識やスキルも身につきません。 社員(受講者)の知識のバラつきが大きい 研修内容に関する事前知識が受講者間で大きなバラつきがあると、均一的な学習効果を発揮ことができません。たとえば、語学研修を実施する際、英語アレルギーのある初心者と帰国子女だった上級者を、同じ教室で同じ内容で学ばせても均一的な学習効果が得られないことは想像に難くないでしょう。これは、語学研修以外でも同様のことが言えます。 目標設定と効果測定をしていない スタンダードな研修の目標項目としては「期限」と「数値(達成度)」が挙げられます。『その研修で、いつまでに、どのような状態(数値化)にさせるのか』ということを事前に設定しておく必要があります。また、「〇月〇日までにセキュリティについて学習させる」という曖昧な設定では「どの程度まで」理解させられたのかというレベルを明確にしていないので、研修を振り返った際に、本当に効果があったのか悪かったのかが、わからなくなってしまいます。 社員研修を成功させる3つカギ 上述した内容については、人材育成の担当者にとっては、心当たりがあることも含まれていたのではないしょうか。そして、これらの失敗パターンを解消させることができれば、研修を成功に近づけられるはずです。 1.目的を明確化する 研修の必要性やメリットを明確に定義し、事前に社員へ周知することで、社員の気持ちが引き締まり、モチベーションアップに繋がります。また、一人ひとりの研修に取り組む姿勢もポジティブになります。 2.社員(受講者)の知識のバラつきを未然に防ぐ 集合研修前に最低限知っておかなければならいない知識は、eラーニングを利用した自己学習を促すことで、バラつきを回避できます。さらに、その後の集合研修では、実務スキルの向上に特化するなど、学習目的に応じて役割を分けることでさらなる学習効果が見込めます。 3.目標設定と効果測定を定着化させる 目標設定のポイントとしては『達成するまでの期限』と『数値化された達成目標』を設定することです。たとえば、スタッフの接客スキルを養成する研修であれば、『〇分以内に、製品に関する5つの特長を説明できるようにする』といった具体的に数値化されていることが望ましいです。また、知識レベルの効果測定方法としては、学習管理システム(LMS)に搭載されている確認テスト機能を使って、受講者の理解度を点数で見える化をすることも良い手段です。これらを実施して成果を出し続けていくためには、社内の取り組みとして定着化させる必要があります。 最後に 研修で目に見える成果を上げることはなかなか難しいことですが、失敗パターンを予め知っておくことで、失敗を未然に防ぎ、成功までの近道を発見できることもあると思います。一気に研修体制を変更することが難しい場合、まずは3つのカギを意識して自社の研修体制を見直してみてはいかがでしょう。 <参考サイト> 「社内研修」の失敗事例と改善のためのポイント(日本の人事部) 【やりっぱなし研修撲滅宣言!~今日から始める行動定着型研修~】第25回 目標設定が失敗する3つの理由(HRプロ)  

2023.07.27

効果的な部下の褒め方|能力を引き出すたった1つの方法

2023.07.27

効果的な部下の褒め方|能力を引き出すたった1つの方法

人材教育

部下の能力を引き出すために効果的な褒め方のコツを知っていますか? 近年、米国を中心に、ビジネスの人材育成へ脳科学や心理学で得られた見地を応用する動きが高まっています。 能力ではなく努力をほめるのが最も効果的であるという考え方が広まっています。 この記事では、効果的に褒めるために覚えておきたいたった1つのポイントをまとめていきます。 出発は能力至上主義の失敗への反省 これまでアメリカのビジネス界は能力至上主義で、仕事のできる人がえらく、その能力は賞賛の的になっていました。ところが、能力がほめたたえられる環境では、人は失敗を認めず、いつしか保身に走ってしまいます。それが、ビジネスの成長に歯止めをかける結果となっていたことに気づいたのです。 「能力」をほめるとダメになる理由 能力をほめるとダメになる理由については、米スタンフォード大学の心理学教授であるキャロル・S・ドゥエック氏が、著書『「やればできる!」の研究(原題「Mindset」)』の中で、子供のほめ方に関する研究結果をもとに解説しています。 ドゥエック教授は、子どもを対象としたテストで「頭がいいから成績がよかった」と能力をほめたグループと、「がんばったから成績がよかった」と努力をほめたグループのその後の行動を観察しました。すると、能力をほめたグループの子どもは新しい課題に消極的になったり、なかなか解けない難題に対して「楽しくない」「自分はできない」とあきらめてしまったりしたそうです。一方、努力をほめたグループは新しい課題にも積極的に取り組み、難問にも根気よくがんばる姿勢を見せ、最終的にいい成績を収めたといいます。 「あなたは高い能力の持ち主だ」という評価を受けると、人はその評価を下げることに恐怖心を持つようになります。すると、変化を恐れるようになり、間違いをしないよう守りに入って新しいチャレンジを避けるようになってしまうのです。 努力に対して褒めるほうが能力を伸ばせる ドゥエック教授によれば、才能や能力をほめると相手が「能力は固定化されているという考え方(Fixed mindset)」を強め、成長しようとする意欲をかえって奪ってしまう結果を招くのです。逆に、努力をポジティブに評価することは、相手に「能力は伸ばせるという考え方(Growth mindset)」与えるため、努力することに喜びを感じるようになるのです。 努力をほめると変化への対応力も鍛えられる 両者には、変化への対応力にも差が現れます。「Fixed mindset」に縛られると、「失敗したくない」「低評価を受けたくない」という恐怖感や抵抗感を抱きます。それに対し、「Growth mindset」は失敗を恐れないチャレンジ精神を育み、変化に対応する力を生みだすのです。 努力をほめ、できなかったところは課題としてその理由を考察して次回につなげるというフィードバックの仕方は、コーチングでも利用されています。コーチングスキルについては、「知っておきたい!初めての後輩指導で使える「コーチングスキル」」をご覧ください。さらに、「いまどきの新入社員をどう育てる?教育法と注意点」で取り上げている、新入社員や若手との世代間ギャップから指導の仕方に頭を悩ませている人にとっても、心理学の見地は参考になるでしょう。 部下が言われて嬉しい褒め言葉 部下が言われて嬉しい言葉のランキングは以下の通りでした。 1. 信頼して任せられるよ 60% 2. ○○さんがいてくれてよかった 30.8% 3. 一緒に仕事ができてうれしいです 20.6% 4. 機転の利いた気配りができるね 16.0% 5. 助かりました 15.6% 6. これからも期待しているよ 14.2% 7. 仕事が早いね 14.0% 8. 頑張ったね 13.0% 9. 目の付け所がセンスあるね 11.2% 10. 仕事が正確だね 10.6% 出典:龍谷大学水口教授の研究より あくまでも参考としてですが、部下がどのように褒められると嬉しいのかを知っておくことも重要です。 毎回同じような褒め言葉だと部下も感づくでしょうし、ボキャブラリーが多いことでより柔軟に対応できるようにもなります。 日常の指導にも応用できる心理学 今回ご紹介した心理学の見地を、研修や部下の指導などに役立ててみてはいかがでしょうか。 また、「社員の能力を伸ばすためにすること」では、日ごろの努力をほめて育てるピグマリオン効果を応用した人材教育法について紹介していますので、ご参照ください。 こちらの記事も読まれています: 職場の空気がビジネスを上向きにする!「エア・コーチング」 参考: 世界の人材開発の潮流を読み解く 成長を促す人間関係とマインドセット|リクルートマネジメントソリューションズ スタンフォードの心理学教授に学ぶ子供の教育方法|イノーバ    eラーニングとは?概要からメリットやトレンドまで徹底解説 eラーニング導入で失敗しないための3つのポイントを解説 効果の高いeラーニング教材の作り方と3つのポイント【企業事例付き】 低コストで厳選コンテンツ見放題!コンテンツパック100 特にニーズの高いコンテンツだけを厳選することで1ID 年額999円(税抜)の低コストを実現。 ビジネス・ITの基礎知識を学べるeラーニングコンテンツが見放題、Cloud Campusのプラットフォーム上ですぐに研修として利用できます。 100コンテンツ以上の厳選コンテンツラインナップは資料請求からご確認頂けます。 >>Cloud Campus コンテンツパック100の詳細をチェックする

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